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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 031825 審判 全部申立て 登録を維持 031825 |
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管理番号 | 1251780 |
異議申立番号 | 異議2011-900283 |
総通号数 | 147 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2012-03-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2011-08-08 |
確定日 | 2012-02-09 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5409835号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5409835号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5409835号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成22年8月3日に登録出願、第3類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同23年3月22日に登録査定、同年4月28日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、その登録は商標法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第96号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)申立人が引用する商標 ア 国際登録第999307号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、2009年(平成21年)2月20日に米国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年3月23日に国際商標登録出願、第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成22年1月29日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。 イ 登録第4382429号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、平成11年3月25日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年5月12日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである ウ 登録第4859156号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(4)のとおりの構成からなり、平成15年6月12日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年4月22日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。 なお、以下、引用商標1ないし引用商標3をまとめて「引用商標」という。 (2)具体的な理由 ア 商標法第4条第1項第11号について 本件商標、引用商標1及び引用商標2は、文字及び図形からなるものであるが、図形と文字とはそれぞれ独立して自他商品の識別機能を果たし得るものである。そこで、本件商標と引用商標の構成中の図形部分とを比較すると、両図形は、いずれも一見して直ちに白熊の図形を描いたものと認識される。また、いずれも右向きで歩行した状態であり、前足と後ろ足をそれぞれ大きく開き、交互に踏み出している点などの着想、構図において、その構成の軌を一とするものである。 被服などの取引界においては、図形商標をワンポイントマークとして使用し、それらはかなり小さな表示形態となり、また、刺繍・型押しをもってするのは、取引における一般的な実情である。加えて、この種商品の需要者は、短い時間で購入商品を決定することも少なくなく、商品に付された識別標識を厳密に検討して取引にあたるものともいえない。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。 イ 商標法第4条第1項第15号について 引用商標は、申立人が長年にわたり商品「履物,運動用特殊靴及び被服等」に使用してきた結果、日本を含む世界で広く知られた識別標識として広く知られるに至ったものである。 そのため、商標権者が本件商標をその指定商品に使用した場合、引用商標を連想又は想起させるものと認められ、引用商標を希釈化させるだけでなく、その商品が申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるものである。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。 3 当審の判断 (1)引用商標の周知性について 申立人提出の証拠によれば、我が国において商品「ブーツ」について引用商標1及び2を付して2009年(平成21年)2月ころから広告をしていたこと(甲第65号証ないし甲第89号証)、及び引用商標又はこれに近似する商標が欧州、カナダ、中国など各国で商標登録されていること(甲第95号証)などの事実が認められ、株式会社コロンビアスポーツウェアジャパンが2006年(平成18年)ころから引用商標1及び2を付した「ブーツ」を我が国において販売していたこと(甲第50号証ないし甲第89号証)を推認することができる。 しかしながら、申立人提出の証拠は外国語によるものが多く(甲第10号証ないし甲第49号証)、これらによっては我が国における引用商標の周知性の判断が困難であること、引用商標が付された「ブーツ」などの商品の販売額など取引の実績が不明であること(なお、販売実績(足数)は記載されているがこれを裏付ける証左はない。)から、申立人提出の全証拠を総合してみても、引用商標1及び2は、本件商標の出願時(及び査定時)に、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間で広く認識されている商標と認めることはできない。 さらに、「白熊の図形」又は「半円の背景と白熊の図形」(以下、両図形を合わせて「白熊の図形」という。)と「SOREL」の文字から構成される引用商標1及び2は使用されていることが確認できるものの、白熊の図形のみで使用されている証左は見いだせないから、引用商標1ないし3の「白熊の図形」部分は、なおさら、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間で広く認識されているものとは認められない。 (2)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標は、別掲(1)のとおりの構成からなり、その構成中の「Gals&Guys」の文字に相応して「ギャルズアンドガイズ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 イ 他方、引用商標1は、別掲(2)のとおりの構成からなり、その構成中の「SOREL」の文字に相応して「ソレル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 引用商標2は、別掲(3)のとおりの構成からなり、その構成中「SOREL」の文字に相応して「ソレル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 さらに、引用商標3は、別掲(4)のとおりの構成からなり、その図形に相応して「シロクマ」の称呼及び「白熊」の観念を生じるものである。 ウ そこで、本件商標と引用商標とを比較すると、両者は、外観においては、その構成中の文字の差異又は文字の有無の差異により区別し得ること明らかである。 また、称呼においては、本件商標から生じる「ギャルズアンドガイズ」の称呼と引用商標から生じる「ソレル」「シロクマ」の称呼とは明らかに区別し得るものであり、さらに、観念においては、本件商標が特定の観念を生じないものであるから比較することができない。 そうとすれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 なお、本件商標の図形部分と引用商標の「白熊の図形」部分の比較においても、両者は、外観において、前足や胸などの描写方法が異なるばかりでなく、前者が精かんな印象を与えるのに対し、後者が穏和な印象を与えるものであって、全体的な印象を大きく異にするものであるから相紛れるおそれはないものと判断するのが相当である。 エ したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない非類似の商標であり、かつ、他に両者が類似するというべき理由は見いだせないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。 (3)商標法第4条第1項第15号について ア 上記(1)のとおり、引用商標は本件商標の出願時(及び査定時)に、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間で広く認識されているものと認められないものであり、また、上記(2)のとおり、本件商標と引用商標とは外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 イ そうとすれば、商標権者が本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標を想起、連想するものとは認められず、申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものということはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものとはいえないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標 (2)引用商標1 (3)引用商標2(色彩については原本参照) (4)引用商標3 |
異議決定日 | 2012-01-31 |
出願番号 | 商願2010-60971(T2010-60971) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(031825)
T 1 651・ 26- Y (031825) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 菅沼 結香子、鈴木 斎 |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
高野 和行 小畑 恵一 |
登録日 | 2011-04-28 |
登録番号 | 商標登録第5409835号(T5409835) |
権利者 | インダストリアス・イ・コンフエクシヨンズ、ソシエダツド・アノニモ |
商標の称呼 | ギャルズアンドガイズジェニュインブランド、ガルズアンドガイズジェニュインブランド、ギャルズガイズジェニュインブランド、ガルズガイズジェニュインブランド、ギャルズアンドガイズ、ガルズアンドガイズ、ギャルズガイズ、ガルズガイズ、ギャルズ、ガルズ、ガイズ、ジェニュインブランド、ジェニュイン |
代理人 | 小暮 君平 |
代理人 | 寺田 花子 |
代理人 | 勝見 元博 |
代理人 | 黒川 朋也 |
代理人 | 長谷川 芳樹 |
代理人 | 田中 光雄 |
代理人 | 工藤 莞司 |
代理人 | 森川 邦子 |
代理人 | 鮫島 睦 |
代理人 | 佐々木 美紀 |