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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X33
管理番号 1251603 
審判番号 不服2011-7433 
総通号数 147 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-04-08 
確定日 2012-01-13 
事件の表示 商願2010- 13249拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「昔ながらのチューハイ」の文字を標準文字で表してなり、第33類に属する出願時の願書に記載の商品を指定商品として、平成22年2月23日に登録出願され、その後、指定商品については、同年10月12日付け手続補正書をもって、第33類「チューハイ,焼酎に果汁を加え炭酸水で割ったアルコール飲料」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『昔ながらのチューハイ』の文字を標準文字で表してなり、酒を取り扱う業界において、『昔ながらの○○(商品)』と称する商品が製造、販売されており、『昔ながらの』の文字が『昔のまま変わらない製法で作られたこと』や『昔なつかしい味わいであること』を表すものとして使用されている実情からすると、本願商標をその補正後の指定商品に使用しても、『昔なつかしい味わいのチューハイ,焼酎に果汁を加え炭酸水で割った昔なつかしい味わいのアルコール飲料』程の意味合いを認識させるにとどまり、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審において通知した審尋
請求人に対して、平成23年9月15日付けで通知した審尋の内容は、別掲のとおりである。

4 当審の判断
(1)本願商標は、上記1のとおり「昔ながらのチューハイ」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして、上記3の審尋のとおり、「昔ながらのチューハイ」の文字からなる本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は該文字を「昔ながらの味わいのチューハイ」又は「昔ながらの製法で作られたチューハイ」であることを表したもの、すなわち商品の品質を表示したものと認識するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を有しないものというべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
請求人は、上記3の審尋に記載の使用例は、個々別々の商品又はドリンクメニューに関するものであり、かつ、その品質は、おそらく甘・辛・色・香・コク・キレ等の酒の品質の全てを異にするものと推定され、本願商標が商品の品質を表示するものとして普通に使用されているものと認定される根拠とはなりえないものである旨主張している。
しかしながら、たとえ、当該使用例における個々の商品又はドリンクメニューの具体的な味わい等がそれぞれ異なるとしても、上記3の審尋で示したとおり、「昔ながらの○○」(○○は酒の商品名等。)の文字が酒を取り扱う業界において使用されている実情からすると、上記(1)のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用することはできない。
(3)以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(審尋の内容)
この商標登録出願に係る商標(以下「本願商標」という。)は、「昔ながらのチューハイ」の文字を標準文字で表してなり、第33類「チューハイ,焼酎に果汁を加え炭酸水で割ったアルコール飲料」を指定商品とするものである。
そして、酒を取り扱う業界においては、商品名等に「昔ながらの」を冠した「昔ながらの○○」(○○は酒の商品名等。以下同じ。)の文字が別記のとおりインターネット上で使用されている事実がある。
これらの事実からすれば、「昔ながらの○○」の文字は、酒を取り扱う業界において、「昔ながらの味わいの商品」又は「昔ながらの製法で作られた商品」であるという商品の品質を表示するものとして一般に使用され、かつ、取引者、需要者に認識されているというのが相当である。
そうとすると、「昔ながらのチューハイ」の文字からなる本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該文字を「昔ながらの味わいのチューハイ」又は「昔ながらの製法で作られたチューハイ」であることを表したもの、すなわち商品の品質を表示したものと認識するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を有しないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
別記
1 商品「酒」における使用
(1)菊正宗酒造株式会社のホームページにおいて、「菊正宗 昔ながらの純米酒」の見出しのもと、「江戸時代より続く昔ながらの製法です。その昔ながらの製法で、醸し上げた純米酒は、淡麗でありながら、それでいてしっかりとした味わいのある辛口酒となり、…」の記載とともに商品の写真が掲載されている。
(http://www.kikumasamune.co.jp/junmai/index.html)
(2)三菱食品株式会社のホームページにおいて、「リキュール(国産)」の見出しのもと、「こだわりの梅酒 昔ながらの梅酒」、「紀州梅を100%使用し、梅の素材の味わいを引き出した、昔ながらの本格梅酒です。」の記載とともに商品の写真が掲載されている。
(http://www.mitsubishi-shokuhin.com/liquor/product/item_detail/detail.php?jan=4978526810624)
(3)こだわりの味協同組合のホームページにおいて、「昔ながらの梅酒」の見出しのもと、「江戸時代の『本朝食鑑』に記載されている製法で、藁灰による『あく抜き』を行い、梅の洗浄、花梗取り等全行程を手作業で行いました。」の記載とともに商品の写真が掲載されている。
(http://kodawari-kk.com/products/index.php?p=productsMore&iProduct=562&PHPSESSID=46afd2e751c0baeef083677ebed43d73)
(4)アサヒビール株式会社のホームページにおいて、「おばあちゃんのつくった昔ながらのおいしい梅酒」の見出しのもと、「おばあちゃんが昔つくってくれたような、懐かしい感じの梅酒です。」の記載とともに商品の写真が掲載されている。
(http://www.asahibeer.co.jp/products/others/umeshu/obaachan/)
(5)キング醸造株式会社のホームページにおいて、「料理酒」の見出しのもと、「昔ながらの料理酒」の記載とともに商品の写真が掲載されている。
(http://www.hinode-mirin.co.jp/products/products4.html)
(6)日本泉酒造株式会社のホームページにおいて、「昔ながらの商品 お燗してもおいしい酒」の見出しのもと、「昔ながらの味わいを守り、永い間お客様に親しまれてきた商品です。」の記載とともに商品の写真が掲載されている。
(http://www.nihonizumi.co.jp/product/old.html)
(7)元帥酒造株式会社のホームページにおいて、「昔ながらのお酒です」の見出しのもと、「搾ったままのお酒、搾る前の状態のお酒、昔ながらのお酒です。」、「新鮮な風味を残した甘・辛のバランスのとれた昔ながらの原酒」の記載とともに商品の写真が掲載されている。
(http://www.gensui.jp/product5.html)
2 飲食店の酒のメニューにおける使用
(1)「焼肉天国.com」と称するウェブサイトにおいて、「長興屋」の見出しのもと、「FOOD MENU」の「焼酎」の欄に「昔ながらのチューハイ」の記載がある。
(http://www.yakinikutengoku.com/katsushika/tyokoya/menu.html)
(2)「ぐるなび兵庫版」と称するウェブサイトにおいて、「海鮮居酒屋 三ノ宮産直市場」の見出しのもと、「メニュー」の「ドリンク1」の項の「チューハイ」の欄に「昔ながらのプレーンチューハイ」の記載がある。
(http://r.gnavi.co.jp/ka0p101/menu5.html)
(3)「グルメGyaO」と称するウェブサイトにおいて、「とりとり亭 本店」の見出しのもと、「メニュー」の「ドリンク」の項の「ビール・酎ハイ・サワー」の欄に「酎はい亭(昔ながらのチューハイ大ジョッキ)」の記載がある。
(http://ggyao.usen.com/0004024154/drink.html)
(4)「HOT PEPPER グルメ」と称するウェブサイトにおいて、「昭和食堂 東加古川店」の見出しのもと、「メニュー・コース」の「ドリンク」の項に「昔ながらの酎ハイ」の記載がある。
(http://www.hotpepper.jp/strJ000957744/drink/)
(5)「しゃもなべ日本料理 須田」のホームページにおいて、「一品料理とお飲み物」の項の「お飲み物」の「サワー」の欄に「昔ながらの酎ハイボール」の記載がある。
(http://www.kamearisuda.jp/foodmenu/index.html)
(6)「ぐるなび東京版」と称するウェブサイトにおいて、「灯り家 日本橋店」の見出しのもと、「メニュー」の「ドリンク」の項に「昔ながらのカクテル」の記載がある。
(http://r.gnavi.co.jp/g184701/menu4.html)
(7)「比内や 国立店」のホームページにおいて、「ドリンク」の項の「カクテル」の欄に「昔ながらのカクテル」の記載がある。
(http://hinaiya-kunitachi.jimdo.com/ドリンク/)
(8)「旨いもん市場 たつや」のホームページにおいて、「ドリンク」の項の「おすすめ焼酎&果実酒!」の欄に「昔ながらの梅酒」、「昔ながらの山もも酒」の記載がある。
(http://www.tatsuya-uozumi.com/index.php?data=./data/l3/)


審理終結日 2011-11-15 
結審通知日 2011-11-16 
審決日 2011-11-29 
出願番号 商願2010-13249(T2010-13249) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X33)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 早川 真規子深田 彩紀子 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 小畑 恵一
山田 啓之
商標の称呼 ムカシナガラノチューハイ、ムカシナガラノ、ムカシナガラ 
代理人 特許業務法人みのり特許事務所 

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