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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X05
審判 全部申立て  登録を維持 X05
管理番号 1250080 
異議申立番号 異議2011-685013 
総通号数 146 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-02-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-07-16 
確定日 2011-11-21 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1050940号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1050940号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件商標は、別掲のとおりの構成からなり、2010年4月29日にChinaにおいてした商標登録出願を基礎とし、パリ条約第4条による優先権を主張し、2010年(平成22年)5月18日に登録された国際登録第1050940号に基づき、同年10月14日にその指定商品を第5類「Sanitary knickers;sanitary pads;sanitary napkins;napkins for incontinents;pants,absorbent,for incontinents;tissues impregnated with pharmaceutical lotions;dental lacquer;aseptic cotton;mothproofing preparations;animal washes;air freshening preparations;dietetic substances adapted for medical use;bath preparations,medicated.」とした国際商標登録出願とみなされる日本国を領域指定する通報がされ、平成23年1月18日に登録査定、同年4月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)登録異議の申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録第430544号商標(以下「引用商標1」という。)及び登録第1696916号商標(以下「引用商標2」という。)を引用し(以下、これらを一括するときは「引用各商標」という。)、本件商標は、引用各商標と「アイリス」の称呼において類似商標であり、その指定商品も同一又は類似するから商標法第4条第1項第11号に、また、引用商標1は申立人の商標として広く一般に知られているから、これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所の混同を生ずるおそれがあるから同第15号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきであると申立て、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証(枝番を含む。)を提出している。
(2)引用商標
ア 引用商標1は、「IRIS」の欧文字と「アイリス」の片仮名を上下二段に横書きで表してなり、昭和26年11月22日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同28年8月29日に設定登録されたものであり、その後、指定商品については、平成16年11月17日に第5類「薬剤(蚊取線香その他の蚊駆除用の薫料・日本薬局方の薬用せっけん・薬用酒を除く。),ばんそうこう」とする指定商品の書換登録がされたものである。また、当該商標権は4回にわたり存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続している。
イ 引用商標2は、「アイリス」の片仮名を横書きで表してなり、昭和56年10月16日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同59年6月21日に設定登録されたものであり、その後、指定商品については、平成16年6月9日に第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」、第2類「カナダバルサム,壁紙剥離剤,コパール,サンダラック,セラック,松根油,ダンマール,媒染剤,マスチック,松脂,木材保存剤」、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用海草のり,洗濯用コンニャクのり,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり」、第4類「固形潤滑剤」第5類「薬剤」、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」、第19類「タール類及びピッチ類」及び第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤」とする指定商品の書換登録がされたものである。また、当該商標権は2回にわたり存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続している。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
本件商標は、別掲のとおり、渦巻様の図形と、その下に、「AiRiZ」の欧文字を配した構成からなるものであり、該図形部分と該文字部分は視覚上明確に分離されて看取されるものである。
そして、本件商標構成中、渦巻様の図形部分は、特段の観念が生じない図形を表しているものと認められ、また、その下の「AiRiZ」の欧文字も、特定の意味を有さない造語からなるものであるから、該図形部分と該文字部分が観念上のつながりがあるものとはいえず、その構成中の文字部分も独立して識別標識としての機能を果たすものであり、該文字に相応して「アイリズ」の称呼が生じると見るのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字に相応して「アイリズ」の称呼のみを生じ,構成全体として特定の観念は生じないものである。
これに対し、引用商標1は、「IRIS」の欧文字と「アイリス」の片仮名を上下二段に表してなるところ、下段の「アイリス」の片仮名は上段の「IRIS」の欧文字の読みを表したものと見ることができ、また、引用商標2は、「アイリス」の片仮名を横書きに表してなるものであるから、引用各商標は、それぞれの構成文字に相応して「アイリス」の称呼が生じるといえる。
そして、引用各商標は、「〔植〕アヤメ科アヤメ属の植物(その学名)。アヤメ・ハナショウブ・カキツバタ・イチハツの類。(iris)(眼球の虹彩の意から)カメラのレンズの絞り。[株式会社岩波書店 広辞苑第六版]」などの意味を有すものである
そうとすれば、引用各商標は、それぞれの構成文字に相応して、「アイリス」の称呼を生じ、「アヤメ科アヤメ属の植物。カメラのレンズの絞り。」などの観念を生じるものである。
そこで、本件商標と引用各商標との類否について検討すると、両者は、それぞれの構成からみて外観上明らかに相違するものである。
また、本件商標から生じる「アイリズ」の称呼と引用各商標から生じる「アイリス」の称呼とを比較すると、共に4音の音構成からなり、語頭から始まる「ア」「イ」「リ」の音を同じくし、語尾音において「ズ」の音と「ス」の音の差異を有するものであり、該差異音である「ズ」の音は、舌端を前硬口蓋に寄せて発する有声摩擦子音(z)と母音(u)との結合した音節であって、4音という短い音構成よりなる称呼においては語尾音といえども明瞭な印象を残すのに対し、「ス」の音は、舌端と上の歯茎との間付近で調音される無声摩擦音(s)と母音(u)との結合した音節であって、語尾音においては印象が薄く感じるものである。
そうとすると、両称呼は、該差異音が4音の短い音構成よりなる称呼の全体に及ぼす影響は大きく、両者を一連に称呼した場合においては、その語調、語感を異にし、聴き誤るおそれはないものと判断するのが相当である。
さらに、本件商標は、特定の観念を生じないものであるから、引用各商標とは観念において比較することはできない。
そして、他に、本件商標と引用各商標とを類似のものとすべき事由は見いだせない。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第15号の該当性について
本件商標と引用各商標とは、前記したとおり、十分に区別し得る別異の商標というべきものである。そして、申立人の提出に係る証拠によれば、申立人は、「アイリス50」「アイリス50クール」「アイリスネオ」などの標章を「目薬」に使用するとともに、「『アイリス』は、1967年に販売を開始した当社の目薬ブランドです。」との記載及び「目の症状に合わせた豊富なラインアップ」「アイリスシリーズ!!」と題して目の症状に合わせた複数の目薬が申立人のインターネットホームページに掲載された事実(甲4及び同5)などからすれば、商標「アイリス」は、一定程度知られているものであることは認められるものの、生産、証明若しくは譲渡の数量又は営業の規模(店舗数、売上高など),広告宣伝の方法、回数及び内容など,引用各商標の著名性を客観的に立証すべく書面の提出はないものであるから、引用各商標が、本件商標の登録出願時及び査定時において、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国における取引者・需要者の間に広く認識されていたものとは認めることができない。
してみれば、本件商標は、これを商標権者がその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 【別記】

異議決定日 2011-11-08 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X05)
T 1 651・ 262- Y (X05)
最終処分 維持  
前審関与審査官 西田 芳子 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 野口 美代子
田中 亨子
登録日 2010-05-18 
権利者 TIANJIN TIANSHI GROUP CO., LTD.
商標の称呼 アイリズ、アイリッツ、エイアイリズ、エイアイリッツ、リズ、リッツ、アアルアイゼット 

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