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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X41
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審判 全部申立て  登録を維持 X41
管理番号 1250063 
異議申立番号 異議2010-900385 
総通号数 146 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-02-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-11-26 
確定日 2012-01-11 
異議申立件数
事件の表示 登録第5350395号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5350395号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5350395号商標(以下「本件商標」という。)は、「リージョン」の文字を標準文字で表してなり、平成22年3月4日に登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授」を指定役務として、同年6月28日に登録査定、同年9月3日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、申立人の業務に係る役務「幼児の体育指導、幼児教室等の技芸・スポーツ又は知識の教授」について使用する別掲1ないし4のとおりの構成からなる商標を引用している(以下、別掲1ないし4の商標を、各々、「引用商標1」ないし「引用商標4」といい、これらの商標を一括していうときは、単に「引用商標」という場合がある。)。

第3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は、その申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第188号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第10号及び同項第15号について
(1)本件商標と引用商標との類似
ア 本件商標
本件商標は、「リージョン」の文字を標準文字で表してなるものであるから、これより「リージョン」の称呼を生ずるものである。
イ 引用商標
(ア)引用商標1は、別掲1のとおり、「リージョンスポーツクラブ」の文字からなるところ、その構成文字全体に相応する「リージョンスポーツクラブ」の称呼を生ずるほか、その構成中の「スポーツクラブ」の文字が、申立人の業務に係る役務「幼児の体育指導等のスポーツ教室」等との関係においては、役務の内容等を表示するものとして認識され、該文字部分を省略した「リージョン」の文字部分が役務の出所を表示するものとして着目されることから、該「リージョン」の文字部分から「リージョン」の称呼をも生ずるものである。
(イ)引用商標2は、別掲2のとおり、「Re」、「g」、「i」、「o」及び「n」の各欧文字を高さの同じ円又は長円で囲んだものを横一列に配置した構成態様からなるものであり、これより「Region」の英単語を容易に認識させ得るものであるから、該「Region」の文字から「リージョン」の称呼を生ずるものである。
(ウ)引用商標3は、別掲3のとおり、「Re」の欧文字を円で囲み、その右側に「Region」、「sports」及び「club」の各欧文字を三段書きで表示した構成態様からなるものであるところ、その構成中の三段書きの欧文字部分全体から「リージョンスポーツクラブ」の称呼を生ずるほか、該「sports」及び「club」の文字部分が、申立人の業務に係る役務「幼児の体育指導等のスポーツ教室」等との関係においては、役務の内容等を表示するものとして認識され、該文字部分を省略した「Region」の文字部分が役務の出所を表示するものとして着目されることから、該「Region」の文字部分から「リージョン」の称呼をも生ずるものである。
(エ)引用商標4は、別掲4のとおり、盾形図形の上方内側に「Region」の欧文字を配し、該盾形図形の中央部を縦方向に三等分した内側に「R」、「S」及び「C」の各欧文字を配した構成態様からなるところ、その構成中の各欧文字部分全体から「リージョンアールエスシー」の称呼を生ずるほか、該「Region」の欧文字部分と「R」、「S」及び「C」の欧文字部分とは、外観上分離して看取され得るものであり、また、欧文字1字からなる表示は、一般に役務の規格等を表示する記号、符号として採択使用されるものであって、自他役務の識別標識としての機能を発揮し得ないものであるため、該「R」、「S」及び「C」の各欧文字部分を省略した「Region」の文字部分が役務の出所を表示するものとして着目されることから、該「Region」の文字部分から「リージョン」の称呼をも生ずるものである。
ウ 上記のとおり、本件商標からは「リージョン」の称呼を生ずる一方、引用商標からも「リージョン」の称呼を生ずるものであるから、本件商標と引用商標とは、「リージョン」の称呼を同一とする類似の商標である。
(2)本件商標の指定役務と引用商標の使用される役務との類似
本件商標の指定役務は、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授」である一方、引用商標が使用される役務は、幼児の体育指導・幼児教室等の技芸・スポーツ又は知識の教授であるから(甲第22号証の3ないし8)、本件商標の指定役務は、引用商標が使用されてきた役務と同一又は類似の役務である。
また、引用商標は、サッカー大会や相撲大会等のスポーツの興行の企画・運営又は開催にも使用されているが(甲第22号証の9)、これらの役務を提供する場合において、個人又は集団に対してスポーツの技術やルールの指導等は一般的に行われているところである。
以上のことを勘案すると、本件商標の指定役務は、引用商標が使用されてきた役務と同一、類似又は極めて密接な関連を有する役務であると思料する。
(3)引用商標の使用開始時期、使用期間及び使用対象役務
ア 引用商標1は、愛知県において、平成7年に保育園や幼稚園の施設内で行う体育指導について使用されたのを始まりとして、現在に至るまで、約15年もの長期間にわたり継続して幼児の体育指導・幼児教室等の技芸・スポーツ又は知識の教授に使用されている(甲第22号証の2及び甲第23号証)。保育園や幼稚園の施設内で行う幼児の体育指導は、契約を結んだ保育園や幼稚園等において、4月と8月を除く年間10か月で30回を原則として、クラス単位で体育指導を行うものである。その際、講師は、申立人の社員が派遣され、各保育園・幼稚園の体育器具・用具を使用して、体育あそびを中心に園児たちに指導をしている(甲第22号証の3及び4)。
引用商標1の使用地域は、愛知県のほかに、岐阜県、京都府、熊本県にも拡がっている(甲第22号証の2及び甲第23号証)。
引用商標1の使用対象役務は、保育園等の施設内で行う幼児の体育指導を中心に、保育終了後に希望者を対象に行う体育教室、サッカー・相撲・陸上競技等の専門クラブ等の毎週又は毎月定期的に行われるスポーツの教授のほか、合宿形式で行うスキー・スノーボード教室・雪あそび教室・キャンプの開催、リージョンフェスティバルと称するイベントの開催、ポートボール大会・駅伝・ロードレース大会・相撲大会・ハイキング大会の開催等、毎年特定の時期に単発的に開催されるスポーツ教室やイベント等、幼児・児童を対象とするスポーツやレクリエーションに関連した様々な役務に拡大している(甲第25号証ないし甲第188号証)。
イ 引用商標2は、引用商標1と同時に又は引用商標1と独立して、引用商標1と同じ使用対象役務について、平成7年から同19年9月までの約12年間にわたり継続して使用されたものである(甲第25号証ないし甲第27号証、甲第30号証ないし甲第150号証及び甲第155号証)。
そして、平成19年10月から同20年9月までの約1年間は引用商標3が(甲第28号証、甲第151号証、甲第154号証、甲第156号証ないし甲第158号証、甲第160号証及び甲第165号証)、同年10月以降現在に至るまでの約2年間は引用商標4が(甲第29号証、甲第30号証、甲第159号証、甲第161号証ないし甲第164号証及び甲第166号証ないし甲第188号証)、引用商標1と同時に又は引用商標1と独立して使用されているものである。
ウ 以上のとおり、欧文字「Region」を含んだ商標は、平成7年から現在に至るまで、約15年もの長期間にわたり継続して使用されているものである。
そして、引用商標は、パンフレット、生徒募集資料、配布用カレンダー、会員向け会報、生徒のユニフォーム等に付されて使用されているものである(甲第25号証ないし甲第188号証)。
また、申立人は、ホームページやテレビ放送においても引用商標を使用した広告宣伝を行っている(甲第22号証の2ないし10及び甲第167号証)。
(4)引用商標の使用者
引用商標1及び引用商標2は、平成7年2月に愛知県尾張旭市で設立された有限会社リージョン(以下「(有)リージョン」という。)によって使用開始されたものである(甲第7号証、甲第31号証ないし甲第150号証及び甲第155号証)。(有)リージョンは、申立人の代表者である伊藤幹夫を含む3名により設立され(甲第7号証)、平成19年9月までの約12年間にわたり引用商標1及び引用商標2を使用してきた。
平成19年8月に、(有)リージョンの事業を引き継ぐ目的で、申立人の代表者である伊藤幹夫を含む8名により、株式会社リージョン(以下「旧リージョン」という。)が愛知県瀬戸市に設立された(甲第8号証)。旧リージョンは、同年10月から同20年9月まで引用商標1及び引用商標3を使用し(甲第151号証、甲第154号証、甲第156号証ないし甲第158号証、甲第160号証及び甲第165号証)、同年10月から同21年7月まで引用商標1及び引用商標4を使用した(甲第159号証ないし甲第164号証、甲第166号証ないし甲第169号証、甲第176号証及び甲第180号証)。
そして、平成21年7月に、旧リージョンの行っていた事業を7つの会社に分社化し、その1つとして申立人の会社が名古屋市中区に設立された。申立人は、分社化されたほかの6社の取り纏めの役割を担っている会社であり、(有)リージョンの設立時のメンバーである伊藤幹夫を代表者とするものである。また、申立人は、同22年3月に商号を株式会社リージョンプランニングから現在の商号である株式会社リージョン(以下「新リージョン」という。)に変更している(甲第9号証)。
申立人は、平成21年7月以降、ほかの6社と共に、引用商標1及び引用商標4を使用している(甲第170号証ないし甲第175号証、甲第177号証ないし甲第180号証、甲第182号証ないし甲第188号証)。
以上のとおり、申立人は、(有)リージョン及び旧リージョンの事業を正当に承継している者である。そして、引用商標は、(有)リージョンによる約12年間の使用及び旧リージョンによる約1年間の使用を経て、平成21年7月以降現在まで申立人により使用されているものである。
(5)引用商標を使用して行う体育指導の生徒数等
引用商標を使用して行う体育指導等の会員生徒の在籍数は、平成9年6月に5,375名、同11年4月に6,155名、同12年2月に6,226名、同14年11月に7,320名、同15年11月に8,263名、同16年4月に7,567名、同年7月に8,498名、同19年に9,416名、同20年6月に8,776名となっている(甲第13号証ないし甲第21号証)。
また、引用商標を使用して行う定期的な幼児の体育指導等を実施する保育園や幼稚園等の会場数は、愛知県を中心に、平成14年において114箇所、同16年において129箇所に達しており、引用商標を使用して行う幼児の体育指導等を実施する講師は、同19年に44名、同20年に49名が在籍している(甲第18号証ないし甲第21号証)。
そして、引用商標を使用して行う体育指導等による授業料収入は、平成15年度に約44,196万円、同16年度に約48,546万円に達していた(甲第11号証及び甲第12号証)。
(6)本件商標の周知性
上記(3)ないし(5)のとおり、引用商標は、幼児の体育指導、幼児教室等について、愛知県を始めとする東海地方並びに京都府及び熊本県において使用されている商標であることは明らかであり、申立人の業務に係る役務「幼児の体育指導・幼児教室等の技芸・スポーツ又は知識の教授」を表示するものとして、主に東海地方の需要者、特に保育園や幼稚園の教員や園児の保護者等の間に広く認識されている商標である。
(7)小括
本件商標は、その指定役務「技芸・スポーツ又は知識の教授」に関し、その出願日である平成22年3月4日の時点及び登録査定の時点において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者・取引者の間に広く認識されている商標に類似する商標であって、その役務又はこれらに類似する役務について使用する商標であるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。
また、本件商標がその指定役務について使用されるときは、申立人の業務に係る役務のうちサッカー大会・相撲大会等の「スポーツの興行の企画・運営又は開催」に関し、申立人と何らかの関連を有する者の提供に係る役務であるかのごとく役務の出所について混同を生じさせるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
2 商標法第4条第1項第19号について
(1)本件商標と引用商標との類似及び本件商標の周知性
本件商標と引用商標とが、同一の称呼を生ずる類似の商標であることは、上記1(1)のとおりである。
また、引用商標が、本件商標の出願時において、既に愛知県を始めとする東海地方において、申立人の業務に係る役務である幼児の体育指導・幼児教室等の技芸・スポーツ又は知識の教授を表示するものとして広く認識されていたことは、上記1(6)のとおりである。
(2)不正の目的
本件商標権者は、申立人の前身の会社である(有)リージョン及び旧リージョンにおいて取締役を務めていた者が、取締役在任中の平成20年2月に名古屋市東区に設立し、その代表者に就任している会社である(甲第7号証、甲第8号証及び甲第10号証)。本件商標権者の設立時の商号は株式会社リージョンスポーツクラブであったが、平成22年3月に株式会社リージョンネクストに変更登記されている(甲第10号証)。
しかしながら、本件商標権者の会社が設立されたことは、旧リージョンのほかの取締役には知らされていなかったものである。また、本件商標権者の代表者は、旧リージョンの株主総会が解散を決議したことを受けてその清算人に就任したが、会社を解散せず継続し、平成22年7月にその代表者に就任すると共に、本店を福岡県福岡市に移転しており(甲第8号証)、これらの事実も旧リージョンから分社した申立人ら7社には知らされていなかったものである。
さらに、本件商標権者が本件商標を出願したこと及び引用商標1と同一の構成文字からなる商標を平成21年2月に出願して同年8月に商標登録を受けている(登録第5260297号。甲第6号証。以下「別掲5商標」という。)ことも、旧リージョンから分社した申立人ら7社には知らされていなかったものである。
(3)小括
以上を勘案すると、本件商標権者の代表者は、申立人の前身会社の業務に従事しており、広く認識されている引用商標の存在を当然に知っていたものであって、引用商標が商標登録を受けていないことも認識していたと考えられる。
また、本件商標を構成する「リージョン」の語は、「地域」の意味を観念し得るものであるが、本件商標の指定役務の分野で使用される必然性のない語であり、本件商標権者の代表者自らが考案し、引用商標と偶然に一致したものとは想定し難く、むしろ引用商標に依拠し採択したものと推認せざるを得ないものである。
そうすると、本件商標権者による行為は、引用商標が登録されていないことを奇貨として商標登録出願したものであり、本件商標は、引用商標に化体した信用にただ乗りして採択されたものと考えられ、本件商標の使用により引用商標の出所表示機能を希釈化しその名声を毀損させるおそれがあるものであって、不正の目的があると推認し得るものである。
したがって、本件商標は、その出願日である平成22年3月4日の時点及び登録査定の時点において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者・取引者の間に広く認識されている商標に類似する商標であって、不正の目的をもって使用するものであるから、商標法第4条第1項第19号に該当する。
3 商標法第4条第1項第8号について
申立人及び(有)リージョンは、「株式会社リージョン」、「有限会社リージョン」又はその略称「リージョン」を引用商標と共に幼児の体育指導・幼児教室等の役務の提供者の名称として長年にわたり使用しており(甲第23号証、甲第24号証、甲第58号証、甲第60号証、甲第154号証、甲第156号証ないし甲第158号証、甲第164号証、甲第168号証及び甲第180号証)、その結果、「リージョン」の表示は、愛知県を中心とした東海地方において体育指導・幼児教室等の役務を提供する申立人及び(有)リージョンの略称として著名なものとなっている。
そして、申立人及び(有)リージョンは、本件商標の登録出願について承諾をしていない。
したがって、本件商標は、その出願日である平成22年3月4日の時点及び登録査定の時点において、申立人等の著名な略称を含む商標であって、申立人等の承諾を得ていないものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。
4 商標法第4条第1項第7号について
本件商標が引用商標の登録されていないことを奇貨として不正の目的の下で商標登録出願されたものであることは、上記2のとおりであり、本件商標権者によるこのような行為は、公正な競業秩序の維持を旨とする正常な取引慣行に違反するものである。
したがって、本件商標は、公の秩序又は善良な風俗を害するおそれのある商標であるから、商標法第4条第1項第7号に該当する。
5 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同項第8号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号に違反してなされたものであるから、商標法第43条の2により、取り消されるべきである。

第4 本件商標に対する取消理由及び本件商標権者の意見(要旨)
当審において、平成23年9月15日付けで本件商標権者に対し本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当する旨の取消理由を通知したところ、本件商標権者は、本件商標は同号に該当するものではない旨述べると共に、「株式会社リージョン(現商号:ドリーム株式会社)」、「株式会社リージョンプランニング(現商号:株式会社リージョン)」、「株式会社リージョンスポーツクラブ(現商号:株式会社リージョンネクスト)」、「株式会社リージョンサッカークラブ」、「株式会社リージョンジャパン」、「株式会社リージョンスカイ(現商号:リージョンスポーツクラブ株式会社)」、「株式会社リージョンウエスト」、「株式会社リージョンSPARK」及び「株式会社リージョンフレンズ」の各登記簿謄本(「履歴事項全部証明書」。以下、「株式会社リージョン(現商号:ドリーム株式会社)」に係るものを乙第1号証、「株式会社リージョンプランニング(現商号:株式会社リージョン)」に係るものを乙第2号証のように、順次番号を付すこととし、これらを乙第1号証ないし乙第9号証とする。)を提出した。

第5 当審の判断
本件においては、引用商標1ないし引用商標4の使用者について争いがあるので、まず、この点について検討する。
1 (有)リージョン、旧リージョン及び申立人その他の関連する会社の関係について
申立人の提出に係る各甲号証及び本件商標権者の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)平成7年2月8日、(有)リージョンが、「幼稚園、保育園、小学校などの幼児、児童の教育に従事する教職員の再教育」、「体育向上を目的とする各種行事の開催」、「学校並各種組合団体に講演のため講師の派遣」及び「幼児、児童を対象とする体育指導と用具の売買並斡旋」等を目的として設立された(甲第7号証)。
当時の代表取締役は石橋満であり、取締役は伊藤幹夫及び古川光男であった。
(2)平成19年5月15日、石橋満が(有)リージョンの取締役(代表取締役を含む。)を辞任し、伊藤幹夫が代表取締役に就任した。
(3)平成19年8月22日、旧リージョンが、「体育教育を目的とした教師の指導育成業務」、「体育を目的としたイベント開催」及び「学校ならびに各種団体での講演活動」等を目的として設立された(甲第8号証)。
当時の代表取締役は伊藤幹夫であり、取締役は古川光男、川崎孝生、黒田健、三岡大、山内修、加藤浩二及び林正彦であった。
(4)平成19年10月2日、伊藤幹夫が(有)リージョンの取締役(代表取締役を含む。)を、古川光男が同社の取締役を、それぞれ辞任し、川崎孝生が代表取締役に就任した(甲第7号証)。
また、旧リージョンは、本店を「瀬戸市宝が丘97番地」から「名古屋市東区東桜一丁目10番9号」へ移転した(甲第8号証)。
(5)平成20年2月29日、株式会社リージョンスポーツクラブ(現商号:株式会社リージョンネクスト。本件商標権者。)が、「体育を目的としたイベントの企画・運営」及び「体育指導者への研修・指導・教育」等を目的として設立された(甲第10号証及び乙第2号証)。
当時の代表取締役は川崎孝生であり、取締役は伊藤幹夫及び古川光男であった。
(6)平成21年7月13日、川崎孝生が旧リージョンの代表取締役に就任し、古川光男、黒田健、三岡大、山内修、加藤浩二及び林正彦が旧リージョンの取締役を辞任した(甲第8号証)。
また、以下の7社が、いずれも本店を「名古屋市中区大須一丁目6番6号」として設立された(乙第3号証ないし乙第9号証)。
ア 申立人(ただし、設立時の名称は「株式会社リージョンプランニング」である。)
(ア)代表取締役
伊藤幹夫
(イ)設立の目的
「スポーツ教室の開設と指導、運営に関する事業」、「スポーツ指導者養成に関する事業」、「スポーツイベントの開催に関する事業」及び「幼児・児童生徒の野外活動の企画・運営に関する事業」等
イ 株式会社リージョンサッカークラブ
(ア)代表取締役
古川光男
(イ)設立の目的
「スポーツ教室の開設と指導、運営に関する事業」、「スポーツ指導者養成に関する事業」、「スポーツイベントの開催に関する事業」及び「幼児・児童生徒の野外活動の企画・運営に関する事業」等
ウ 株式会社リージョンジャパン
(ア)代表取締役
黒田健
(イ)設立の目的
「乳幼児の体育指導」、「小学生の体育指導」、「障害者の体育指導」、「老人の健康のための体操指導」、「各種スポーツの専門指導」及び「野外活動の指導」等
エ 株式会社リージョンスカイ
(ア)代表取締役
三岡大
(イ)設立の目的
「乳幼児及び小学生の体育指導」、「乳幼児及び小学生のレクリエーション指導」及び「保育園、幼稚園への人材派遣」等
オ 株式会社リージョンウエスト
(ア)代表取締役
山内修
(イ)設立の目的
「未入園児、幼児、小学生に対する体育指導」、「サッカー、陸上、バスケット、スキー、相撲の専門的指導」、「親子体操、子供会、先生を対象にしたレクリエーション指導」、「幼稚園の先生を対象にした教育研修」、「幼稚園に対する人材派遣」、「スポーツ大会のマネジメント・企画・運営」及び「キャンプ、スキーハイキングのイベント企画・運営」等
カ 株式会社リージョンSpark
(ア)代表取締役
加藤浩二
(イ)設立の目的
「スポーツ教室の開設と指導、運営に関する事業」、「スポーツ指導者の養成に関する事業」、「スポーツイベントの開催に関する事業」、「幼児・児童生徒の野外活動の企画・運営に関する事業」及び「保育所、託児所、こども園、学童クラブの運営及び人材の派遣に関する事業」等
キ 株式会社リージョンフレンズ
(ア)代表取締役
林正彦
(イ)設立の目的
「幼児・小学生を対象にした体育指導」、「幼児・小学生・中学生を対象とした野外活動の企画・運営」、「各地域の子供会、自治体のイベントの企画・運営」及び「子供を対象とした体育教室・音楽教室の企画・運営」等
(7)平成21年11月7日、旧リージョン及び株式会社リージョンスポーツクラブ(現商号:株式会社リージョンネクスト。本件商標権者。)が、各々、本店を「名古屋市東区東桜一丁目10番9号」から「名古屋市東区東桜一丁目9番29号」へ移転した(甲第8号証及び甲第10号証並びに乙第2号証)。
(8)平成22年3月17日、伊藤幹夫及び古川光男が株式会社リージョンスポーツクラブ(現商号:株式会社リージョンネクスト。本件商標権者。)の取締役を辞任した(甲第10号証及び乙第2号証)。
また、申立人が、商号を「株式会社リージョンプランニング」から「株式会社リージョン」へ、本件商標権者が、商号を「株式会社リージョンスポーツクラブ」から「株式会社リージョンネクスト」へ、それぞれ変更した(甲第9号証及び甲第10号証並びに乙第2号証及び乙第3号証)。
(9)平成22年5月21日、川崎孝生が(有)リージョンの取締役を辞任し、伊藤幹夫が(有)リージョンの取締役に就任した(甲第7号証)。
(10)平成22年5月28日、伊藤幹夫が旧リージョンの取締役を解任(代表取締役を退任)された(甲第8号証)。
(11)平成22年6月2日、旧リージョンについて、同年5月31日株主総会決議により解散との登記がされた(甲第8号証)。
また、川崎孝生が清算人(代表清算人を含む。)として登記された(甲第8号証)。
(12)平成22年7月20日、旧リージョンが、本店を「名古屋市東区東桜一丁目9番29号」から「福岡市博多区博多駅東一丁目9番29号」へ移転した(甲第8号証及び乙第1号証)。
(13)平成22年7月21日、旧リージョンについて、同月17日会社を継続及び川崎孝生が代表取締役に就任したとの登記がされた(甲第8号証)。
(14)平成22年9月11日、旧リージョンが、商号を「株式会社リージョン」から「ドリーム株式会社」へ変更した(乙第1号証)。
2 引用商標の使用者及び使用時期等
申立人の提出に係る各甲号証及び本件商標権者の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)引用商標1及び引用商標2
平成7年6月頃から同19年7月頃までの間の「サマースクール」、「スキースクール」及び「ちびっ子雪あそび教室」等の募集案内、「リージョンフェスティバル」の開催案内、「指導日カレンダー」、「リージョンニュース」等に係るものについて、引用商標1が単独で、又は、引用商標2と共に使用されている(甲第25号証ないし甲第27号証、甲第31号証ないし甲第35号証、甲第40号証、甲第41号証、甲第43号証、甲第45号証、甲第46号証、甲第50号証ないし甲第52号証、甲第54号証、甲第56号証、甲第57号証、甲第61号証ないし甲第65号証、甲第70号証、甲第71号証、甲第73号証、甲第78号証、甲第79号証、甲第82号証、甲第86号証、甲第88号証ないし甲第90号証、甲第93号証、甲第94号証、甲第100号証ないし甲第104号証、甲第107号証、甲第109号証、甲第110号証、甲第116号証ないし甲第120号証、甲第123号証、甲第126号証、甲第127号証、甲第133号証ないし甲第137号証、甲第141号証、甲第147号証、甲第149号証、甲第150号証及び甲第155号証)。
これらには、その問い合わせ先や所在地等として、「瀬戸市宝ヶ丘町97番地」の記載があることからみて、(有)リージョンに係るものと認められる。
(2)引用商標3
平成19年10月頃から同20年6月頃までの間の「株式会社リージョンの会社案内のパンフレット」、「リージョン課外教室 幼児・児童コース」、「ウィンタースクール」及び「サマースクール」の募集案内、「リージョンフェスティバル」の開催案内、「リージョンNEWS(リージョンニュース)」、「指導日カレンダー」等に係るものについて、引用商標3が、引用商標1及び別掲5のとおりの構成からなる商標のいずれとも異なる書体からなる「リージョンスポーツクラブ」の文字と共に使用されている(甲第23号証、甲第24号証、甲第28号証、甲第151号証、甲第154号証、甲第156号証ないし甲第158号証、甲第160号証及び甲第165号証)。
これらには、その問い合わせ先や所在地等として、「株式会社リージョン」、「本社 名古屋市東区東桜一丁目10-9」、「瀬戸事務所 瀬戸市宝ヶ丘町97番地」、「京都支社 京都市伏見区中島秋ノ山町54-301」、「熊本支社 熊本県菊池郡菊陽町津久礼3080-1-102」等の記載があることからからみて、旧リージョンに係るものと認められる。
(3)引用商標4
平成20年7月頃から同22年3月頃までの間の「リージョン課外教室 体育教室生徒」、「ウィンタースクール」及び「サマースクール」の募集案内、「リージョンフェスティバル」の開催案内、「RegionNEWS(リージョンニュース)」、「指導日カレンダー」等に係るものについて、引用商標4が、別掲5商標と同じ構成文字及び書体からなる標章と共に使用されている(甲第29号証の1、甲第159号証、甲第161号証ないし甲第164号証、甲第166号証ないし甲第169号証、甲第171号証、甲第172号証、甲第176号証、甲第178号証及び甲第180号証ないし甲第183号証)。
これらには、その問い合わせ先等として、「株式会社リージョン」、「本社 名古屋市東区東桜一丁目10-9」、「白川事務所 名古屋市中区大須一丁目6番6号」、「京都事務所 京都市伏見区中島秋ノ山町54-301」、「関西支社 京都市伏見区中島秋ノ山町54-301」、「熊本事務所 熊本県菊池郡菊陽町津久礼3080-1-102」、「九州支社 福岡市博多区千代6丁目3番5号ハーバーサウスタワー1406」等の記載があることからみて、旧リージョンに係るものと認められる。
また、甲第170号証、甲第173号証ないし甲第175号証、甲第179号証及び甲第184号証については、平成21年12月頃から同22年3月頃までの間の「ウィンタースクール」や「ちびっ子雪あそび教室」等の募集案内であるところ、その問い合わせ先等として、具体的な法人名称はなく、住所も「名古屋市中区大須一丁目6番6号」と記載されていることから、日程等の記載を併せみても、直ちにいかなる者に係るものか特定することができない。
さらに、甲第187号証及び甲第188号証については、「RegionNEWS(リージョンニュース)」の平成22年度当初のもの及び「夏号」とされるものであるところ、その発行者等として、具体的な法人名称はなく、「本社 名古屋市中区大須一丁目6番6号」、「関西支社 京都市伏見区中島秋ノ山町54-301」、「九州支社 福岡市博多区千代6丁目3番5号ハーバーサウスタワー1406」と記載されていることから、少なくとも旧リージョンに係るものとはいえないものの、いかなる者に係るものか特定することができない。
なお、申立人の提出に係る甲第22号証の1ないし10は、申立人の開設するホームページとされるものであって、各葉右下に記載された「2010/12/26」の記載に照らし、平成22年(2010年)12月26日に紙出力されたものと推認されるところ、各号証の左上には引用商標4とその右方に別掲5商標と同じ構成文字及び書体からなる標章を配してなる表示があり、同20年7月から同21年3月の間に開催された「サマースクール」、「ウィンタースクール」、「リージョンフェスティバル」等については、旧リージョンにより開催されたものに関する紹介記事が掲載されていたり、「会社沿革」の項目中の株式会社への組織変更や本社移転に関する記載において、申立人に係る登記簿謄本(「履歴事項全部証明書」。甲第9号証及び乙第3号証)の内容と異なり、(有)リージョン及び旧リージョンに係るものと整合し得るものが見受けられる。
3 上記1及び2において認定した事実によれば、引用商標の使用者については、以下のように判断することができる。
(1)(有)リージョンは、平成7年2月8日に、代表取締役の石橋満、取締役の伊藤幹夫(申立人の代表者)及び古川光男により、「幼稚園、保育園、小学校などの幼児、児童の教育に従事する教職員の再教育」、「体育向上を目的とする各種行事の開催」、「学校並各種組合団体に講演のため講師の派遣」及び「幼児、児童を対象とする体育指導と用具の売買並斡旋」等を目的として、尾張旭市井田町二丁目324番地に設立された。
同社は、平成7年6月頃から同19年7月頃までの間、事業の実施に際し、引用商標1を単独で、又は、引用商標2と共に使用した。
(2)旧リージョンは、平成19年8月22日に、代表取締役の伊藤幹夫(申立人の代表者)、取締役の古川光男、川崎孝生(本件商標権者の代表者)、黒田健、三岡大、山内修、加藤浩二及び林正彦により、「体育教育を目的とした教師の指導育成業務」、「体育を目的としたイベント開催」及び「学校ならびに各種団体での講演活動」等を目的として、瀬戸市宝ヶ丘町97番地に設立された。
同社は、(有)リージョンによる各種スポーツ教室やイベントの開催等の事業を引き継ぎ、その実施に際し、平成19年10月頃から同20年6月頃までの間は、引用商標3を引用商標1及び別掲5商標のいずれとも異なる書体からなる「リージョンスポーツクラブ」の文字と共に使用し、同年7月頃から同22年3月頃までの間は、引用商標4を別掲5商標と同じ構成文字及び書体からなる標章と共に使用した。
(3)旧リージョンは、平成22年5月31日の株主総会決議により解散とされたが、その後、同年7月17日に会社継続とされ、同月20日に本店を「福岡市博多区博多駅東一丁目9番29号」に移転し、さらに、同年9月11日に商号を「株式会社リージョン」から「ドリーム株式会社」とされたが、同社が、同年5月以降、旧リージョンが実施していた各種スポーツ教室やイベントの開催等の事業を継続的に実施することはなかった。
(4)申立人は、平成21年7月13日に、代表取締役の伊藤幹夫により、「スポーツ教室の開設と指導、運営に関する事業」、「スポーツ指導者養成に関する事業」、「スポーツイベントの開催に関する事業」及び「幼児・児童生徒の野外活動の企画・運営に関する事業」等を目的とし、商号を「株式会社リージョンプランニング」として、名古屋市中区大須一丁目6番6号に設立されたものであり、その後、同22年3月17日に、商号を「株式会社リージョンプランニング」から「株式会社リージョン」に変更した。
また、同日には、旧リージョンについて、その取締役であった古川光男、黒田健、三岡大、山内修、加藤浩二及び林正彦が取締役を辞任し、これらの者がそれぞれの代表取締役となって、株式会社リージョンサッカークラブ、株式会社リージョンジャパン、株式会社リージョンスカイ、株式会社リージョンウエスト、株式会社リージョンSpark及び株式会社リージョンフレンズが、いずれもスポーツ教室やイベントの開催等に関連する事業等を目的とし、本店を「名古屋市中区大須一丁目6番6号」として設立された。
なお、申立人は、平成21年7月13日に旧リージョンの事業を7社に分割し、自らがそれらの取りまとめ役を担っている旨主張しているが、上記のとおり、旧リージョンの実施する事業は、同日の前後のいずれにおいても、旧リージョン自体が主体となって実施されていたと認められるものであり、申立人の提出に係る証拠を総合してみても、申立人の主張を認めるに足る事実は見いだせない。
(5)上記(1)ないし(4)によれば、引用商標1及び2の使用者は、(有)リージョンであり、引用商標3及び4の使用者は、同社の事業を引き継いだ旧リージョンであるというのが相当である。
4 引用商標の周知性について
(有)リージョン及びその事業を引き継いだ旧リージョンは、上記3のとおり、平成7年2月から遅くとも同22年3月頃までの間、「リージョンスポーツクラブ」の名称の下に、「サマースクール」、「ウィンタースクール」、「ちびっ子雪あそび教室」、「リージョンフェスティバル」等といった幼児の体育指導・幼児教室等の技芸・スポーツ又は知識の教授の役務を提供したところ、それらの生徒募集、参加者募集等の資料のほか、会社案内、会員向け会報、生徒のユニフォーム等に引用商標が付された。
また、該役務の提供範囲は、愛知県を始めとする東海地方のみならず、九州支社(熊本県から後に福岡県に移転)及び関西支社(京都府)により、熊本県・福岡県及び京都府に及ぶものであり(甲第156号証、甲第157号証、甲第165号証ないし甲第168号証、甲第181号証ないし甲第183号証)、引用商標を使用して行う体育指導等の会員生徒の在籍数は、平成9年6月に5,375名、同11年4月に5,800名、同12年2月に6,226名、同14年11月に7,320名、同15年11月に7,819名、同16年4月に7,567名、同19年度に9,416名、同20年6月に8,776名(甲第14号証、甲第16号証ないし甲第21号証)、該体育指導等による授業料収入は、平成15年度に約4億4千万円、翌16年度には約4億8千万円に達していた(甲第11号証及び甲第12号証)。
しかしながら、遅くとも平成22年5月頃以降、旧リージョンは、該役務の提供を止めており、その後、申立人を始めとする特定の者がその事業を引き継いだと認めるに足る事実も見いだせない。
してみれば、引用商標は、本件商標の登録出願時(平成22年3月4日)においては、旧リージョンの業務に係る役務「幼児の体育指導、幼児教室等の技芸・スポーツ又は知識の教授」を表示する商標として、少なくとも愛知県を中心とする東海地方、京都府、熊本県・福岡県等の取引者、需要者の間に相当程度認識されていたとはいい得るものの、本件商標の登録査定時(平成22年6月28日)においてもなお、その状態が確実に継続していたとまではいい難い。
5 商標法第4条第1項第10号該当性について
本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するというためには、本件商標の登録出願時のみならず、その登録査定時においても、同号所定の要件に該当するものである必要があるところ、引用商標は、上記4のとおり、本件商標の登録査定時において、申立人を始めとする特定の者の業務に係る役務を表示する商標として、その取引者、需要者の間に広く認識されているとまではいい難いものである。
したがって、本件商標と引用商標との類否等、同号所定の他の要件に論及するまでもなく、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものではない。
6 商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標は、「リージョン」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、「地方、地域」の意味を有する英語「region」の表音ないし外来語として、一般に知られているものであるから、これより、「リージョン」の称呼及び「地方、地域」の観念を生ずるものである。
他方、引用商標は、各々、その構成中の「リージョン」又は「Region」の文字部分が要部として認識され、独立して自他役務の識別標識として機能するといい得るものであるから、該文字に相応する「リージョン」の称呼及び「地方、地域」の観念を生ずるものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観において相違するものの、称呼及び観念を共通にすることのあるものであるから、互いに相当程度類似するものということができる。
しかしながら、「リージョン」又は「Region」の文字は、上記のとおり、その読み及び意味が一般に知られている既成の語であることから、その独創性は決して高いものとはいえないものである。
また、引用商標については、上記4のとおり、本件商標の登録査定時において、申立人を始めとする特定の者の業務に係る役務を表示する商標として、その取引者、需要者の間に広く認識されているとまではいい難いものである。
そうすると、本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該役務が申立人を始めとする特定の者又はその者と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように連想、想起することはなく、その出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではない。
7 商標法第4条第1項第19号該当性について
引用商標が、本件商標の登録査定時において、申立人を始めとする特定の者の業務に係る役務を表示する商標として、その取引者、需要者の間に広く認識されているとまではいい難いものであることは、上記4のとおりである。
また、申立人は、本件商標権者(旧商号:株式会社リージョンスポーツクラブ)が設立されたことや本件商標及び別掲5商標が本件商標権者により出願されたことを本件商標権者の代表者を除く他の旧リージョンの取締役は知らされていなかった旨述べているが、「株式会社リージョンスポーツクラブ」は、前記1の(5)及び(8)のとおり、平成20年2月29日に、川崎孝生(本件商標権者の代表者)と代表取締役とし、伊藤幹夫(申立人の代表者)及び古川光男(旧リージョンの取締役の一)を取締役として設立されたものであって、伊藤幹夫及び古川光男は同22年3月17日に取締役を辞任したことからすれば、少なくとも伊藤幹夫及び古川光男の両者が本件商標権者の設立について不知であったということはできず、また、本件商標(平成22年3月4日登録出願)及び別掲5商標(平成21年2月24日登録出願)の出願について知らなかったとすることについても、にわかに首肯し難いものである。
さらに、前記1の(3)、(6)及び(10)のとおり、伊藤幹夫は、旧リージョンの設立時から平成22年5月28日までの間、同社の代表取締役を務めており、また、川崎孝生も、同21年7月13日から同社の代表取締役を務めていたことからすれば、同社の事業遂行等に関し、両者間において相応の協議等がなされていたとみるのが相当である。
その他、申立人の提出に係る証拠のいずれを見ても、本件商標権者が本件商標を不正の利益を得る又は他人の著名商標に蓄積された信用若しくは名声にフリーライドする等の不正の目的をもって使用すると認めるに足る事実は、見いだし得ない。
以上を総合すれば、本件商標と引用商標との類否等、同号所定の他の要件に論及するまでもなく、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものではない。
8 商標法第4条第1項第8号該当性について
申立人は、自らが(有)リージョンの事業継承者であることを前提に、「リージョン」の表示が申立人及び(有)リージョンの略称として著名となっている旨主張するが、申立人が(有)リージョンの事業を引き継いだ者といえないことは、前記3(4)のとおりである。
また、「リージョン」の文字は、「地方、地域」の意味を有する英語「region」の表音ないし外来語として一般に知られているものであるところ、申立人の提出に係る証拠を総合してみても、遅くとも本件商標の登録出願時において、該文字が、その本来の意味を超えて、申立人を始めとする特定の者の略称として一般に広く認識されるに至っていると認めることはできない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号に違反してされたものではない。
9 商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は、本件商標が引用商標の登録がされていないことを奇貨として不正の目的をもって登録出願されたものであって、このような行為は公正な競業秩序の維持を旨とする正常な取引慣行に違反するものである旨主張するが、申立人の提出に係る証拠を総合してみても、本件商標の出願に関し、本件商標権者に不正の目的があったと認めるに足る事実は見いだせず、また、本件商標をその指定役務に使用することが、社会公共の利益、一般的道徳観念に反するものとはいえず、国際信義に反するものともいえない。
さらに、本件商標が、きょう激、卑わい若しくは差別的な文字又は図形からなるものといえないことは明らかである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号に違反してされたものではない。
10 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同項第8号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものではない。
したがって、本件商標は、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
1 引用商標1


2 引用商標2


3 引用商標3


4 引用商標4


5 登録第5260297号商標

出願日 :平成21年2月24日
登録査定日:平成21年7月21日
指定役務 :第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授」

異議決定日 2011-12-28 
出願番号 商願2010-16351(T2010-16351) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X41)
T 1 651・ 23- Y (X41)
T 1 651・ 25- Y (X41)
T 1 651・ 22- Y (X41)
T 1 651・ 222- Y (X41)
最終処分 維持 
前審関与審査官 海老名 友子石井 恵美子 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 田中 敬規
酒井 福造
登録日 2010-09-03 
登録番号 商標登録第5350395号(T5350395) 
権利者 株式会社リージョンネクスト
商標の称呼 リージョン 
代理人 伊藤 孝太郎 
代理人 前田 大輔 
代理人 中村 知公 
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