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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X30 審判 全部申立て 登録を維持 X30 |
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管理番号 | 1248156 |
異議申立番号 | 異議2011-900212 |
総通号数 | 145 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2012-01-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2011-06-13 |
確定日 | 2011-12-01 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5397092号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5397092号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5397092号商標(以下「本件商標」という。)は、「ローリナ」の片仮名を標準文字で表してなり、平成22年8月11日に登録出願、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,菓子及びパン」を指定商品として、同23年2月10日に登録査定、同年3月11日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由 (1)引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4396048号商標(以下「引用商標」という。)は、「LORINA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年7月21日に登録出願、第32類「ビール,鉱泉水,炭酸水,レモネード,シロップ,清涼飲料のもと,その他の清涼飲料,果実飲料」を指定商品として、同12年6月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 (2)理由の要点 本件商標は、下記アあるいはイにより、その登録を取り消されるべきものである。 ア 商標法第4条第1項第15号該当 本件商標は、片仮名「ロリーナ」を標準文字で横書きにしてなり、申立人の業務に係る商品を表示する商標として日本はもとより世界的に周知著名な引用商標と称呼を完全に同一とするものであること、及び本件商標の指定商品と引用商標に係る商品とが密接な関連性を有することから、引用商標と類似する本件商標に接する需要者は、申立人の業務に係る商品と誤認し、商品の出所について混同するおそれがある。 イ 商標法第4条第1項第19号該当 本件商標は、過去に申立人の取引先であった者が、引用商標に化体した顧客吸引力に便乗し自己の商品の販売を行うという不正の目的をもって使用するものである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第15号について 本件商標は、「ローリナ」の文字からなるものであるから、これより「ローリナ」の称呼が生じるものであり、特定の観念を生じさせない造語からなるものと認められる。 一方、引用商標は、「LORINA」の文字からなるものであるところ、構成欧文字に相応して「ロリーナ」の称呼を生じるものであり、また、申立人提出の証拠によれば、現に「ロリーナ」の称呼をもって取引に資されていることが認められるものである。 しかして、「ローリナ」と「ロリーナ」の両称呼は、前者が長音を伴う「ロ」にアクセントがかかり、後者は長音を伴う「リ」にアクセントがかかるものであることから、比較的簡素な両称呼におけるかかる差異によって、全体としての語感語調が異なるものとして聴別されるものである。 また、両商標の外観構成は、一方が片仮名からなるのに対し、他方は欧文字からなるもであって、構成において明らかな相違があるものであるから、外観から受ける印象は全く異なるものである。さらに、両商標の間で、観念における関連性や近似性もみいだせない。 してみると、両商標は、外観構成の相違、称呼の差異よりすれば、充分に区別し得るものというのが相当である。 そして、申立人提出の証拠によれば、商標「LORINA」が商品「レモネード」に使用された事実、当該商品が販売された事実を窺い知ることはできるものの、その販売数量や売上高が格別高いものとまでは認められないものである。また、我が国において、新聞や雑誌に紹介記事が掲載された事実が認められるが、それらは、新聞に1回、異なる3雑誌に1回ずつの掲載であり、しかも、いずれも、他の複数の商品と同時に小さな囲み記事での紹介に止まるものであって、他に雑誌等に引用商標を使用した商品について継続的に広告宣伝が行われたとの事実は見いだせない。 さらに、引用商標を使用した商品について、見本市や試飲会等への参加が認められるが、他の製品と共に参加したことを窺わせるに止まるものである。 しかして、申立人提出の全証拠によってみても、引用商標が本件商標の出願時において既に、申立人の商品「レモネード」を表示する商標として需要者の間に広く認識されるに至っていたとまで認めることはできないといわざるを得ないものである。 以上の商標間の類似の程度や引用商標の周知性の程度からすれば、本件商標の指定商品と引用商標に係る商品とが共に飲用に供されるものである等の関連性を勘案しても、本件商標を指定商品に使用した場合、これに接する者が引用商標を想起し連想して、当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤信するとは認め難く、商品の出所について混同するおそれがあったとすることはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたということはできない。 (2)商標法第4条第1項第19号について 申立人は、フランス国に関して2009年のみの売上額を示して、引用商標に係る商品がフランス国内でトップシェアを誇るとしているが、当該数値のみによって直ちに当該シェアを推認することはできないといわざるを得ない。また、海外における宣伝・広告活動として、1997年から英語版のウエブサイトを開設していること、2010年にシンガポールの見本市に自社ブースを設け出展したこと、1997年の見本市で受賞したことを挙げ、さらに、海外における売上数量及び売上高、海外での商標登録状況を示している。しかし、これらを綜合しても、引用商標が外国において需要者の間に広く認識されている商標であると認めることはできないものである。 そして、引用商標が日本国内における需要者の間に広く認識されている商標と認められないことは、前記(1)のとおりであるから、引用商標は、申立人提出の全証拠によってみても、日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標であると認めることができないものである。 また、申立人は、商標権者が過去に申立人の取引先であったとした上で、本件商標が引用商標に化体した顧客吸引力に便乗し自己の商品の販売を行うという不正の目的をもって使用するものであると主張している。 しかしながら、商標権者の関連会社が過去において第三者(輸入代理店)を介して申立人の商品「レモネード」を取引した事実が認められるとしても、その一事のみをもって、本件商標「ローリナ」が引用商標「LORINA」に便乗して出願されたと断ずることはできないし、他に本件商標が引用商標の顧客吸引力に便乗したものとみるべき具体的な理由はみいだせない。 してみれば、申立人の上記主張を首肯し得る的確な理由及び証拠はないといわざるを得ないから、当該主張を認めることはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に規定する要件を充たしているとはいえないから、同号に違反して登録されたものとすることはできない。 (3)まとめ 以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2011-11-22 |
出願番号 | 商願2010-63487(T2010-63487) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X30)
T 1 651・ 222- Y (X30) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 目黒 潤、金子 尚人 |
特許庁審判長 |
野口 美代子 |
特許庁審判官 |
内山 進 前山 るり子 |
登録日 | 2011-03-11 |
登録番号 | 商標登録第5397092号(T5397092) |
権利者 | ユーシーシー上島珈琲株式会社 |
商標の称呼 | ローリナ |
代理人 | 北村 修一郎 |
代理人 | 太田 誠治 |
代理人 | 伊東 忠彦 |