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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X30
審判 全部申立て  登録を維持 X30
管理番号 1248145 
異議申立番号 異議2011-900249 
総通号数 145 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-01-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-07-15 
確定日 2011-11-25 
異議申立件数
事件の表示 登録第5404176号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5404176号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5404176号商標(以下「本件商標」という。)は、「BEES-R-US」の文字を標準文字で表してなり、平成22年11月15日に登録出願、第30類「はちみつ」を指定商品として、同23年3月7日に登録査定、同年4月8日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
1 引用商標の周知著名性について
「TOYS“R”US」、「トイザ“ら”ス」、「BABiES“R”US」及び「ベビーザらス」(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)がその知的財産権を管理する米国のトイザラス社の商標として、日本国内において広く認識され、周知著名である。
トイザラス社は、玩具、知育用品、幼児・ベビー用衣服、幼児・ベビー用飲食物等の小売業者であり、世界的に1500店以上の店舗を展開しており、日本においても、日本トイザらス株式会社が引用商標に係る店舗名のもと150店以上の店舗を展開している。
日本における売上げは、2005年は130億2291万円、2006年は131億9303万円、2007年は131億4548万円、2008年は142億8642万円、2009年は143億3012万円、2010年は149億2749万円にのぼり、トイザラス社は、広告宣伝費用として、2005年は31億6950万円、2006年は24億8678万円、2007年は24億1232万円、2008年は30億9879万円、2009年は28億7252万円、2010年は29億6526万円を費やしている(甲6)。
また、宣伝広告に関し、トイザラス社は、日本において長年にわたりチラシを発行するとともに、雑誌等において広告を掲載してきた(甲7ないし甲39)。
さらに、トイザラス社の日本語版ウェブサイトの閲覧者は、最も多い2009年12月において、延べ510万5843人にのぼる(甲40)。
上述のような売上げ、宣伝広告費用及び多数の宣伝広告の実績により、引用商標が日本国内において需要者の間で広く認識されている周知著名な商標であることは明らかである。
2 商標法第4条第1項第10号該当性について
引用商標が「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標」に該当することは、上述したとおりである。
次に、本件商標は、「BEES-R-US」の構成文字からなる。
一方、引用商標は、「TOYS“R”US」、「トイザ“ら”ス」、「BABiES“R”US」及び「ベビーザらス」の構成文字からなる。
本件商標と引用商標を比較した場合、表記については「R」と「US」を、本件商標の場合は、「-(ハイフン)」、引用商標の場合は、「“”(ダブルクォーテーション)」で区切るという共通のコンセプトを有し、読み方についてはともに「ラス」と称呼するという共通性を有する。
引用商標は、その構成態様からして後半部分の「“R”US」「“ら”ス」部分に特徴があることは明らかであり、本件商標は、引用商標の特徴部分において共通性を有する。このような特徴的部分において共通性を有する本件商標に需要者が接した場合、引用商標と紛らわしく混同することは明らかであり、本件商標と引用商標とは、類似する。
さらに、引用商標は、菓子類等の飲食物についても使用(甲41、甲42)されており、本件商標の指定商品が同じ飲食物である「はちみつ」であることから、引用商標が使用する商品と本件商標の指定商品とは類似する。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は、上述のとおり、周知著名であり需要者に広く知られていること、引用商標の使用商品が玩具のみならず菓子類等の飲食物にもおよび、本件商標の指定商品と類似ないしは関連性が強いこと、トイザラス社は、「“R”US」シリーズとして、「BIKES“R”US」及び「Parties“R”US」(甲43)を使用しているところ、引用商標の後半部分の「“R”US」「“ら”ス」部分について、上述のとおり、本件商標は、前記特徴部分と同一のコンセプトを有し、かつ、前記特徴部分の称呼が同一であること等から、本件商標に係る商品に接した需要者は、引用商標の所有者と同一人又は何らかの関連がある者から出所した商品であるかのように誤認し、混同を生じるおそれがある。
4 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号又は同第15号に該当するから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものである。

第3 当審の判断
1 引用商標の周知著名性について
申立人の提出に係る証拠によれば、「TOYS“R”US」及び「トイザ“ら”ス」の各商標(以下「引用商標1」という。)は、日本トイザらス株式会社が「おもちゃ,子供用品」に使用した結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、同社の代表的な出所識別標識として、「トイザラス」と読まれ、我が国の需要者の間に広く認識されているものと認められる。
一方、「BABiES“R”US」及び「ベビーザらス」の各商標(以下「引用商標2」という。)は、日本トイザらス株式会社の業務に係る「乳幼児用品」を表示するものとして、「ベビーザラス」と読まれ、相当程度に多数の需要者に知られていたということができるが、周知著名性が著しく高いものであったとはいえない。
2 商標法第4条第1項第10号について
(1)本件商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「BEES-R-US」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「BEES」、「R」及び「US」の各欧文字は、いずれも同じ書体、同じ大きさで表されており、「R」及び「US」の各欧文字が「BEES」の欧文字よりも外観上注意をひくような態様ではなく、構成全体から生ずると認められる「ビーズアールユーエス」又は「ビーズアールアス」のいずれの称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。
また、本件商標は、親しまれた特定の観念を有するとみるべき特段の事情を見いだせないから、観念を生じない。
そして、本件商標は、その構成中の「R-US」の文字部分が商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるとみるべき特段の事情を見いだせないから、構成全体をもって一連一体の商標として看取されるというべきである。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「ビーズアールユーエス」又は「ビーズアールアス」の称呼を生じ、観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、それぞれ「TOYS“R”US」、「トイザ“ら”ス」、「BABiES“R”US」及び「ベビーザらス」の文字からなるところ、そのうち、引用商標1は、前記1のとおり、「トイザラス」の称呼を生じ、引用商標2は、「ベビーザラス」の称呼を生じるものであり、いずれも特定の観念を生じるものではない。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とは、その構成に照らし、外観上明らかに相違するものであり、観念については、いずれの商標も観念を生じないものであるから、観念をもって両商標が類似するといえない。
また、本件商標から生じる「ビーズアールユーエス」又は「ビーズアールアス」の称呼と引用商標1から生じる「トイザラス」の称呼とは、音構成及び構成音数が顕著に相違するから十分区別し得るものであり、本件商標から生じる上記各称呼と使用商標2から生じる「ベビーザラス」の称呼についても、音構成及び構成音数が顕著に相違するから十分区別し得るものである。
これに対して、申立人は、引用商標は、後半の「“R”US」、「“ら”ス」に特徴があるから、本件商標と引用商標とは、「ラス」の称呼を共通にする類似の商標である旨主張する。
しかし、引用商標は、たとえ、その構成中の「R」及び「ら」の各文字がダブルクォーテーションで区切られているという特徴を有しているとしても、申立人の提出に係る証拠によっては、後半の「“R”US」、「“ら”ス」の各部分のみが商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとは認められず、前半の「TOYS」、「トイザ」、「BABiES」、「ベビーザ」の各文字部分と一連一体のものとして需要者に認識されているというべきであるから、上記のとおり、全体の構成文字に相応した「トイザラス」又は「ベビーザラス」の称呼のみを生じるものである。
したがって、引用商標は、単に「ラス」の称呼を生じるとはいえないから、申立人の上記主張は、採用することができない。
(4)小括
以上によれば、本件商標と引用商標とは、外観、観念及び称呼のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標と認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号所定のその他の要件について論及するまでもなく、同号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号について
(1)引用商標の著名性
引用商標1は、前記1のとおり、日本トイザらス株式会社の業務に係る「おもちゃ,子供用品」を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものと認められるが、申立人の提出に係る証拠によっては、「菓子,飲物」についても需要者の間に広く認識されているものとはいえない。
また、引用商標2は、「乳幼児用品」を表示するものとして、相当程度に多数の需要者に知られていたということができるが、周知著名性が著しく高いものであったとはいえない。
(2)本件商標と引用商標との類似性
本件商標と引用商標とは、前記2(3)のとおり、非類似の商標である。
(3)本件商標の指定商品と引用商標の使用に係る商品との関連性
本件商標の指定商品は、前記第1のとおり、「はちみつ」とするものであるが、引用商標の使用に係る商品は、「おもちゃ,子供用品,乳幼児用品,菓子,飲物」である。
本件商標の指定商品と引用商標の使用に係る商品中「おもちゃ,子供用品,乳幼児用品」とは、生産・販売部門、用途、需要者等を明らかに異にするものであるから、関連性を有するといえないものであり、また、本件商標の指定商品と引用商標の使用に係る商品中「菓子,飲物」とは、いずれも飲食物の範ちゅうに含まれるとしても、生産・販売部門、用途を異にするものであり、おのずと需要者も異にするといえるから、密接な関連性を有するといえないものである。
(4)商品の出所の混同を生ずるおそれ
上記(1)ないし(3)を総合して考察すれば、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であり、また、本件商標の指定商品と引用商標の使用に係る商品について関連性を有するともいえないのであるから、本件商標は、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2011-11-16 
出願番号 商願2010-92589(T2010-92589) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X30)
T 1 651・ 252- Y (X30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 薩摩 純一 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 大塚 順子
末武 久佳
登録日 2011-04-08 
登録番号 商標登録第5404176号(T5404176) 
権利者 有限会社 久邇コーポレーション・ルリ
商標の称呼 ビーズアアルアス、ビーズアアルユウエス、ビーズアアル、ビーズ、アアルアス、アアルユウエス 
代理人 深見 久郎 
代理人 森田 俊雄 
代理人 竹内 耕三 

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