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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X30 |
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管理番号 | 1247942 |
審判番号 | 不服2011-6894 |
総通号数 | 145 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-01-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-04-01 |
確定日 | 2011-11-10 |
事件の表示 | 商願2010- 57121拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第30類「ビーフカレー風味のみそ,ビーフカレー用のみそ,ビーフカレー風味のウースターソース,ビーフカレー用のウースターソース,ビーフカレー風味のグレービーソース,ビーフカレー用のグレービーソース,ビーフカレー風味のケチャップソース,ビーフカレー用のケチャップソース,ビーフカレー風味のしょうゆ,ビーフカレー用のしょうゆ,ビーフカレー風味の食酢,ビーフカレー用の食酢,ビーフカレー風味の酢の素,ビーフカレー用の酢の素,ビーフカレー風味のそばつゆ,ビーフカレー用のそばつゆ,ビーフカレー風味のドレッシング,ビーフカレー用のドレッシング,ビーフカレー風味のホワイトソース,ビーフカレー用のホワイトソース,ビーフカレー風味のマヨネーズソース,ビーフカレー用のマヨネーズソース,ビーフカレー風味の焼肉のたれ,ビーフカレー用の焼肉のたれ」を指定商品として、平成21年11月2日に登録出願された商願2009-82904に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、平成22年7月21日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、次の(1)及び(2)の登録商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し本願を拒絶したものである。 (1)登録第4373031号商標(以下「引用商標1」という。) 引用商標1は、別掲2のとおりの構成からなり、平成9年11月6日に登録出願、第30類「にんにくを使用してなるみそ」を指定商品として、平成12年4月7日に設定登録されたものであり、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 (2)登録第4567767号商標(以下「引用商標2」という。) 引用商標2は、別掲3のとおりの構成からなり、平成12年10月24日に登録出願、第30類「にんにくを使用してなるしょうゆ」を指定商品として、平成14年5月17日に設定登録されたものである。 (上記(1)及び(2)の登録商標をまとめていうときは、単に「引用各商標」ということがある。) 3 当審の判断 (1)本願商標と引用商標との類否について 本願商標は、別掲1のとおり、黒色の縦長長方形内に白抜きで「おいしさと健康」「glico」「カライ、カライ、カライ、うまい」の文字と、橙色で「LEE」(各文字より火を帯びた態様)の文字、そして、黒色で「SINCE1986」及び赤色で「BEEF CURRY[リー]」の両文字を金色の図形内に配し、さらに、橙色の横長長方形に黒色で「辛さ×10倍」の文字を表してなるものである。また、該黒色の縦長長方形の下半分には、皿に盛られたカレーライスの写真を配してなるものである。 そして、構成中の「glico」の文字は、「菓子」等を製造・販売する請求人(江崎グリコ株式会社)の代表的な出所識別標識であり、略称である「グリコ」を欧文字で表したものである。また、構成中一番大きく表されている「LEE」の文字は、「人名」等を意味する英語であるが、これよりは、特に親しまれた既成の観念を想起する語とはいえないことから、特定の観念を生じない造語とみるのが相当である。さらに、「glico」及び「LEE」以外の文字及びカレーライスの写真については、本願指定商品がビーフカレーに関するものであり、本願指定商品に係る商品についての説明、付記的な部分であると認識させる表示であることから、本願商標の要部とはいえないものである。 そうとすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、構成中の「glico」及び「LEE」の両文字に着目するものであるが、構成中の「glico」の文字が極めて小さく、「LEE」の文字が構成全体の半分程度を占めているため、両文字は視覚上分離して看取され、常に一体不可分のものとみるべき特別の事情は見いだすことはできないものであるから、構成中顕著に表された「LEE」の文字部分に着目し、これを捉えて取引にあたる場合も決して少なくないとみるのが相当である。 してみれば、本願商標は、その構成中、顕著に表された「LEE」の文字部分より「リー」の称呼が生じるものであり、また、観念については、特定の観念を生じない造語といわなければならない。 一方、引用商標1及び2は、別掲2及び3のとおり、黒色の横長楕円形内に白抜きで「Lee」の文字、そして、「万能にんにく」及び「みそ」若しくは「しょうゆ」の各文字を三段に表した構成よりなるところ、前記図形内の「Lee」の文字と「万能にんにく」、「みそ」若しくは「しょうゆ」の文字とは、視覚上分離して認識されるばかりでなく、これらを観念上常に一体不可分のものとして把握するべき特別の事情も見いだせないものである。 そして、構成中の「Lee」の文字部分は、「人名」等を意味する英語であるが、これよりは、特に親しまれた既成の観念を想起する語とはいえないことから、特定の観念を生じない造語とみるのが相当である。また、「万能にんにく」及び「みそ」若しくは「しょうゆ」の文字部分は、その指定商品「にんにくを使用してなるみそ(しゅうゆ)」との関係においては、商品の品質、原材料等を表示する部分と理解されることから、「Lee」の文字部分が、自他商品の識別標識として機能を果たし得る部分といえるものである。 そうとすれば、引用商標1及び2は、その構成中「Lee」の文字部分に相応して「リー」の称呼を生じるものであり、また、特定の観念を生じない造語といわなければならない。 してみれば、本願商標と引用各商標とは、全体の構成において相違し、観念については比較することができないとしても、構成中、自他商品の識別標識として機能を有する「LEE」及び「Lee」の文字部分においては、その綴りを共通にし、「リー」の称呼を同じくする類似の商標であると判断するのが相当である。 さらに、本願の指定商品中の「ビーフカレー風味のみそ,ビーフカレー用のみそ」は、引用商標1の指定商品「にんにくを使用してなるみそ」と同一又は類似の商品であると認められ、また、本願の上記以外の指定商品については、引用商標2の指定商品「にんにくを使用してなるしょうゆ」と、同一又は類似の商品であると認められる。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、パッケージ商標は、「商品の顔」としての機能を果たしており、かかる機能こそ、商品の識別標識そのものの機能であるから、いわゆる要部観察はなじまない旨主張している。 しかしながら、通常、パッケージには、その商品の出所を表す表示(自他商品の識別標識)のほか、その商品の品質の表示、食材(調理材料)にあっては、調理後の見本等の写真などを表示することが普通に行われ、しかも、パッケージ(に記載の内容)は、商品のリニューアル等により変更されることから、これらのパッケージに接する需要者は、その商品の品質等を表す部分については、一義的には、それに対応する品質を認識するのであって、その構成態様について強く認識するものではなく、パッケージ全体を常に正確に把握するものではなく、顕著に表された「LEE」の文字部分をもって取引きにあたるものと判断するのが相当である。 したがって、本願商標がパッケージを商標としたものであり、商品の宣伝広告に商品写真が使用されることが多いとしても、パッケージ商標であるからその構成全体で識別標識として機能し、要部観察はなじまないとする請求人の主張は採用できない。 イ 請求人は、本願商標は請求人がビーフカレー商品に使用するパッケージに係るものであり、同商品は、その需要者に確固たる地位を築き、その需要者と共通といえる本願商標の需要者間においてよく知られているから、本願商標に接する需要者は、「グリコのビーフカレーLEE」の商品パッケージと認識し、本願商標は、称呼、観念においても非類似である旨主張している。 しかしながら、請求人の提出した証拠によって、請求人の上記カレーがその需要者にある程度は知られているといえるとしても、その商品のパッケージを正確に認識している程に知られているとは到底認めることはできないし、そして本願商標は、「LEE」、「glico」の文字部分以外は、本願の指定商品についても品質等といえる付記的な部分であり、特に「LEE」の文字部分については、取引者、需要者に注目されて強い印象を与えるものと認められ、出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であるから、「glico」の文字部分と一体として認識されないものである。 そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用したときは、引用各商標の指定商品と商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるというべきである。 したがって、本願商標と引用各商標とは、外観において相違し、観念において比較することができないとしても、「リー」の称呼を同じくするものであるから、商標がその外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、本願商標と引用各商標は互いに相紛らわしい類似の商標というのが相当である。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別 掲 1 本願商標 (色彩については原本参照) 2 引用商標1 3 引用商標2 |
審理終結日 | 2011-09-05 |
結審通知日 | 2011-09-12 |
審決日 | 2011-09-28 |
出願番号 | 商願2010-57121(T2010-57121) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(X30)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大渕 敏雄 |
特許庁審判長 |
内山 進 |
特許庁審判官 |
大島 康浩 瀧本 佐代子 |
商標の称呼 | オイシサトケンコーグリコ、オイシサトケンコー、グリコ、カライカライカライウマイリー、リー、エルイイイイ、ビーフカレーリー |
代理人 | 工藤 莞司 |
代理人 | 黒川 朋也 |
代理人 | 浜田 廣士 |
代理人 | 長谷川 芳樹 |
代理人 | 小暮 君平 |