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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20112560 審決 商標
不服20153918 審決 商標
無効2015890077 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X1641
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X1641
管理番号 1247938 
審判番号 不服2011-2559 
総通号数 145 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-02-03 
確定日 2011-11-10 
事件の表示 商願2010-29753拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「タイ検定」の文字を標準文字で表してなり、第16類「紙類,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,学校・スクール情報の提供,セミナー・講演会・研修会の企画・運営又は開催,文化又は教育のための展示会の企画・運営及び開催,電子出版物の提供,電子計算機端末による図書・電子出版物及び記録の供覧,その他の図書及び記録の供覧,書籍の制作,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,オンラインによる画像・映像の提供,オンラインによる音楽の提供,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」を指定商品及び指定役務として、平成22年4月14日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『タイ王国に関する知識についての検定試験』程の意味合いを容易に認識させる『タイ検定』の文字を標準文字で表してなるから、これを本願の指定商品及び指定役務中、例えば『タイ王国に関する知識についての検定試験を内容とする書籍,タイ王国に関する知識についての検定試験のための知識の教授』等、上記文字に相応する商品又は役務について使用しても、単に商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示したものにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品又は役務以外の『印刷物』及び『技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナー・講演会・研修会の企画・運営又は開催,電子出版物の提供』に使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本願商標は、前記1のとおり、「タイ検定」の文字を標準文字で表してなるところ、我が国とタイ王国とは、600年にわたる交流の歴史を持ち、伝統的に友好関係を維持し、近年は両国の皇室・王室間の親密な関係を基礎に、政治、経済、文化等幅広い面で緊密な関係を築き、人的交流は極めて活発である(外務省インターネットウェブサイト「最近のタイ情勢と日本・タイ関係」(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/thailand/kankei.html)ことからすれば、本願商標中「タイ」の文字は、我が国と前記のような関係を有する「タイ王国」を表したものと容易に看取、認識されるものである。
そうとすれば、本願商標からは、「タイ王国に関する知識についての検定試験」の意味合いを極めて容易に看取するものである。
また、本願の指定商品及び指定役務中の「印刷物,知識の教授」に関連する分野においては、多岐にわたるさまざまな対象についての検定が実施され、かつ、それらの検定対策としてのテキストや問題集が販売され、検定合格のための知識の教授が行われ、またセミナーが開催されている実情があることは、経験則に照らして明らかである。
してみれば、本願商標「タイ検定」を指定商品中の「印刷物」、指定役務中の「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナー・講演会・研修会の企画・運営又は開催,電子出版物の提供」に使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、「タイ王国に関する知識についての検定試験対策の書籍,当該検定試験対策の知識の教授,当該検定試験対策のセミナーの開催,当該検定試験対策の電子出版物」であることを容易に理解させるにとどまるものである。
したがって、本願商標は、その指定商品及び指定役務の内容を直接的に表示したもの、すなわち、その指定商品の品質及び指定役務の質を直接的に表示するものであるから、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
また、これを前記に照応する商品及び役務以外の「印刷物,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナー・講演会・研修会の企画・運営又は開催,電子出版物の提供」に使用するときは、その商品の品質、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるといわなければならない。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標構成中の「タイ」の文字は「タイ王国」を一義的に示すものではない。例えば、「タイ」の文字はスズキ目スズキ亜目タイ科の総称、すなわち、日本人の食卓にも並び一般的に広くなじみが深い魚の一種である「タイ(鯛)」を指し示す可能性も大いにありうるものであり、他にも、簡易迅速を貴ぶ商取引の現場では「ネクタイ」のことを省略して「タイ」とする場合もあるから、本願商標に接する需要者又は取引者は「魚のタイに関する知識についての検定試験」や「ネクタイに関する知識についての検定試験」と認識、把握する可能性も十分にあるものであり、必ずしも「タイ王国に関する知識についての検定試験」と認識、把握するものと一義的にいうことはできない旨主張する。
しかしながら、本願商標構成中の「タイ」の文字に相当する語が複数あるとしても、前記(1)に説示したとおりの我が国とタイ王国との交流に照らすならば、当該文字からタイ王国を認識することの妨げとはならないものというべきである。さらに、請求人は、後記エのように、タイ王国に関する検定試験を実施し、多大な業務上の信用を築き上げた旨主張しているところ、本願商標構成中の「タイ」が魚の一種であるとか、ネクタイの略称であるといった主張は、互いに整合性のない主張といわざるを得ない。
イ 請求人は、本願商標は、出願人の創出に係る造語と認定されるのが自然であるから、本願商標は自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものと確信する旨主張する。
しかしながら、本件の審理に係る商標法第3条第1項第3号にいうところの、その商品の品質又は役務の質であるか否かは、需要者の一般の認識を持って判断されるべきものである(昭和60年(行ツ)第68号、昭和61年1月23日最高裁判所第一小法廷判決 参照)から、本願商標が請求人の創作に係る造語であるとしても、前記(1)に説示したとおりの状況の下で、本願商標に接した需要者が、「タイ王国に関する知識についての検定試験」という認識を一般に抱くとしても何ら不自然とはいえず、むしろ、そのように解することこそが合理的な判断というべきである。
ウ 請求人は、原査定における認定は、その妥当性を欠くものである旨主張する。
しかしながら、本件の審理は、原審の認定の正否について判断するものではなく、本願商標について商標登録を許容しうるか否かについて、商標法の登録要件との関係において判断をなすべきものであるから(平成19年(行ケ)第10209号、平成19年12月26日知的財産高等裁判所判決 参照)、請求人の主張は当を得ないものである。
エ 請求人は、本願商標を使用して現実に取引を行っており、その結果として多大な業務上の信用を獲得するに至っている旨主張し、その根拠として、請求人がASEAN検定シリーズの一環としてタイに関する世界遺産・史跡・観光名所・祭り・イベント・娯楽・文化・スポーツ・ビーチ・食文化・交通・地理・自然・歴史・政治経済・日常生活、言語等を出題内容とする「タイ検定」を平成22年8月29日に実施した(参考資料1)ところ、当該「タイ検定」は、首都圏のみならず大阪、名古屋、福岡で実施され、受験申込者数も3430名を数え、この数はご当地検定では京都検定に次ぐ数字であり、タイ人気を象徴する結果となり(参考資料33)、当該「タイ検定」は、新聞・雑誌・テレビ等の様々なメディアによって広く報道されている(参考資料34ないし参考資料36)旨主張する。
しかしながら、請求人主張の根拠となる「タイ検定」の実施は、本件審決時前(平成22年)に一度開催されたにすぎず、その受験申込者も日本全国で3000人あまりにすぎず、ただ一度の検定の実施とその報道のみで、本願商標に請求人の多大な業務上の信用が化体したものとは、認めることはできない。加えて、請求人提出に係る証拠(参考資料34ないし参考資料36)に徴しても、「タイ検定」が請求人の商標として使用(商標法第2条第3項)されたものとは、一概にいうことはできない。
オ 請求人は、その主張の妥当性を示すものとして、審決例を引用(参考資料2ないし参考資料4)し、それらの説示を分析して、本願商標は自他役務の識別標識として機能する旨主張する。
しかしながら、前記(1)のとおり、本願商標からは「タイ王国に関する検定試験」との認識を需要者が一般に認識し、本願の指定商品中「書籍」及び指定役務中の「知識の教授」等との関係で、その商品の品質、役務の質を表示するものというべきである。また、本願商標「タイ検定」を請求人以外の者が使用していないとしても、需要者が本願商標から「タイ王国に関する検定試験」の意味合いを容易に認識し、本願の指定商品及び指定役務との関係において、それら商品及び役務の内容であると一般に認識する以上は、他人の使用が存しないことをもって、本願商標についての商標法第3条第1項第3号の適用を免れることはできないというべきである。
カ 請求人は、本願の指定役務の分野において「検定」の文字を有する登録例が多数見受けられる(参考資料5ないし参考資料32、参考資料37ないし参考資料45)にもかかわらず、本願商標のみが登録を認められないとする理由は全くなく、審決例及び登録例の観点からも、本願商標が登録に導かれることは必然的である旨主張する。
しかしながら、本願商標が、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たすものであるか否か、商品の品質の誤認、役務の質の誤認を生じるおそれがあるか否かは、本願商標自体の具体的な構成とその指定商品及び指定役務との関係から、審決時において、指定商品及び指定役務の取引の実情等を考慮して個別かつ具体的に判断されるべきものであって、他の審決、商標登録の事例の存在によって、本件の判断が左右されるものではない。
よって、前記の請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)むすび
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号および同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-08-22 
結審通知日 2011-08-26 
審決日 2011-09-20 
出願番号 商願2010-29753(T2010-29753) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (X1641)
T 1 8・ 13- Z (X1641)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 斎手塚 義明菅沼 結香子 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 内田 直樹
井出 英一郎
商標の称呼 タイケンテー、タイケンテイ 
代理人 橘 哲男 

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