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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z06
管理番号 1247923 
審判番号 取消2010-300896 
総通号数 145 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-01-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2010-08-12 
確定日 2011-11-07 
事件の表示 上記当事者間の登録第4565620号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4565620号商標の指定商品中、「金属製荷役用パレット,荷役用ターンテーブル,荷役用トラバーサー」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4565620号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成13年3月1日に登録出願、第6類「鉄及び鋼,非鉄金属及びその合金,建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製金具,液化ガス貯蔵槽,ガス貯蔵槽,ガス貯蔵槽又は液化ガス貯蔵槽用のアルミニウム製の浮中ぶた,滑車,ばね,金属製包装用容器,金属製荷役用パレット,荷役用ターンテーブル,荷役用トラバーサー,てんてつ機,金属製管継ぎ手,金属製フランジ,キー,コッタ,かな床,はちの巣,金網,ワイヤーロープ,犬用鎖,金属製工具箱,金属製貯金箱,金属製のきゃたつ及びはしご,金属製のネームプレート及び標札,金属製のタオル用ディスペンサー,金属製帽子掛けかぎ,金属製靴ぬぐいマット,金属製ブラインド,金属製立て看板,金属製のバックル,つえ用金属製石突き,金属製あぶみ,拍車」を指定商品として、同14年5月10日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 請求の理由
審判請求人の調査によると、本件商標は、指定商品中「金属製荷役用パレット,荷役用ターンテーブル,荷役用トラバーサー」について、過去3年間使用された事実が認められず、また、当該不使用につき正当な理由も発見できないので、商標法第50条第1項の規定に基づき、その指定商品中「金属製荷役用パレット,荷役用ターンテーブル,荷役用トラバーサー」について登録を取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人が本件商標の使用の根拠としているものは、以下のとおりである。
ア スーパーモールの店舗敷地に本件商標を付した建植看板を取り付けている(乙第1号証)。
イ インターネット上の地図データに店舗名称「スーパーモール」と表示されて案内されている(乙第2号証)。
ウ 平成21年12月27日の上毛新聞に「スーパーモールいせさき」の初売り広告が掲載されている(乙第3号証)。
エ 「日経ビジネス」2008年7月14日号に「スーパーモールいせさき」の開店の旨の記事が掲載されている(乙第4号証)。
オ スーパーモール敷地内の被請求人経営の「ベイシアワールドスポーツ西部モール店」では、平成20年6月20日から同年6月29日までの新聞折り込みチラシに本件商標を付している(乙第5号証)。
カ 「スーパーモールベイシア西部モール店」では、「荷役用ひも(金属製のものを除<。)」(国際分類第9版の類似群「09A03」に該当する。)に分類される「荷造りテープ」を販売している(乙第6号証)。
キ 荷造りテープ玉巻の販売実績(乙第7号証)。
(2)取消しを免れるための使用事実として、本件商標が前記対象商品のうち少なくとも一つに使用されていることを提示の証拠により具体的に示されていなければならないが、乙第1号証ないし乙第7号証を見る限りにおいて、取消対象商品の一について、本件商標を商標的使用態様で具体的に使用している事実を全く確認することができない。
換言すれば、多様な商品を小売するショッピングセンター店のサービス業務の目印を示す商標としての使用、つまりは、小売業務において行われる顧客に対する便益の提供という役務について本件商標の使用事実しか確認することはできない。
ちなみに、乙第5号証の配布されたチラシについては、その配布の年月日が記載されておらず、使用事実を示す証拠としての価値はないとともに、被請求人が取消対象の商品の使用であると主張をしている乙第6号証の当該商品も載っていない。
(3)しかも、乙第6号証で被請求人が主張している「荷役用ひも(金属製のものを除く。)」であるが、包装されていて中身が定かに分からないけれども、その全体外観及び「荷造りテープ」の商品名称から推測して「荷役用ひも(金属製のものを除く。)」であるとは、到底思えない。なぜならば、「荷役用ひも」とは、トラック・貨物・船舶・航空機といった輸送機関への積み込みや荷降ろし等をする際に使用する「ひも」であって、その使用用途から相当強靭な強度を要求されるもので、乙第6号証で示される荷造りテープの商品からは、その用途に耐え得る程度の強靭さを有しているとは、到底感じ取ることができないからである。
そして、乙第6号証の商品は、その外観及び商品名称「荷造りテープ」から推察すれば、「プラスチック製のテープ状のひも」であると思われ、そうすると、乙第6号証提示の商品の用途は、「プラスチック製梱包用ひも」あるいは「プラスチック製包装用ひも」(いずれも国際分類第9版の類似群「18A01」)と判断するのがむしろ自然であり、本件審判請求の取消対象商品とは、別異の商品に該当するものである。
なお、乙第6号証については、写真の撮影の年月日及び撮影者の明示がなく、これも証拠としての評価が低いと言わざるを得ない。
(4)したがって、被請求人の主張する乙第6号証の商品に、本件商標が商標的使用態様で使用されている事実の証拠がないことはもちろん、乙第6号証提示の商品は、被請求人主張の「荷役用ひも(金属製のものを除く。)」とは認められないこととも相まって、被請求人は、依然として指定商品「金属製荷役用パレット、荷役用ターンテーブル、荷役用トラバーサー」のいずれの一についても使用しておらず、本件審判による取消しを免れることはできないものである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証(被請求人は、平成23年4月4日付け第2答弁書において、乙第1号証、乙第5号証及び乙第6号証を再提出した。)を提出した。
1 第1答弁
被請求人の主たる業務は、衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取扱う小売業である。出店地域は、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、新潟県、長野県、山梨県、岐阜県、静岡県、愛知県、滋賀県の13県にわたり、100店舗(平成22年9月末日現在。)のショッピングセンターチェーン店を経営する。本件商標を使用している店舗は、次の4店舗である。
群馬県伊勢崎市宮子町3423ー15
スーパーモール ベイシア西部モール店 平成9年6月25日開店
茨城県高萩市下手綱1058
スーパーモール ベイシア高萩モール店 平成11年3月25日開店
長野県佐久市佐久平駅南24-1
スーパーモール ベイシア佐久平モール店 平成11年9月2日開店
栃木県日光市芹沼字石神殿1470-1
スーパーモール ベイシア今市モール店 平成11年12月22日開店
この4店舗は、いずれも販売形態や取扱い商品を同一として営業している。
スーパーモールの店舗敷地には、本件商標を付した建植看板を取り付けている(乙第1号証)。インターネットヘの接続サービスを提供する各々プロバイダー等が提供する地図データには、店舗の名称を「スーパーモール」と表示して案内されている(乙第2号証)。
被請求人は、群馬県において発行する上毛新聞(発行元株式会社上毛新聞社)を介して、毎年、年末年始の「TVガイド」を作成し、上毛新聞を購読する家庭に配布している。また、群馬県内の全店舗で、来店する顧客に対し、この年末年始の「TVガイド」を無料配布している。平成21年12月27日発行の年末年始の「TVガイド」では、本件商標を付して「スーパーモールいせさきの発売り」と称する紙面を掲載している(乙第3号証)。
株式会社日経BPの発行する「日経ビジネス」2008年7月14日号には、ベイシアの記事及び年表が掲載され、その中で「スーパーモールいせさき」の開店を強調して掲載している(乙第4号証)。
スーパーモールの敷地内にあって、被請求人が経営する「ベイシアワールドスポーツ西部モール店」では、平成20年6月20日から同年6月29日までのセール期間の新聞折り込みチラシに、本件商標を付して配布している(乙第5号証)。
このように、本件商標は、消費者に周知され、スーパーモールの敷地内にある各店舗では、「スーパーモール」と「ベイシア」など、複数の商標を一体として使用したり、「ベイシア西部モール店」といえば、当然、「スーパーモール」のことなので、本件商標を付すことを省略したり、さまざまな使用方法を採用している。
被請求人は、「スーパーモール ベイシア西部モール店」において、請求人が指摘する商品の類似群にある商品を販売している。すなわち、被請求人の生活用品売場で、常時、「荷役用ひも(金属製のものを除く。)」(国際分類第9版の類似群「09A03」に該当する。)に分類される「荷造りテープ」を販売している(乙第6号証)。
平成22年8月1日から同年8月31日までの間に「荷造りテープ」を販売した実績を、コンピュータに登録されたレシートデータより、31日から1日までさかのぼって抽出したところ、1日1個、2日1個、3日3個、4日1個、5日1個、6日2個、7日1個、8日3個、9日2個、11日4個、12日2個、13日5個、14日1個、15日2個、16日3個、17日1個、18日3個、19日1個、20日1個、21日4個、22日6個、23日1個、24日1個、25日1個、26日4個、27日1個、28日7個、29日4個、30日4個、31日1個販売している(乙第7号証)。
本件商標は、周知性が高く、消費者が「スーパーモール」というときは、「スーパーモール ベイシア西部モール店」や「スーパーモール ベイシアワールドスポーツ西部モール店」、その他、スーパーモールの敷地内にある店舗で被請求人が使用を許諾した店舗を認識するので、被請求人の店舗及び取扱い商品と密接に関連して使用されている。
2 第2答弁
(1)証拠の補足説明
ア 乙第1号証及び乙第6号証について
写真撮影の年月日及び撮影者は次のとおりである。
撮影年月日平成22年10月7日
撮影者 群馬県前橋市亀里町900番地
株式会社ベイシア
店舗建設部真下幸則
イ 乙第5号証について
乙第5号証の右下に「‘08.6・(株)ベイシア・S-1」という記号がある。
これは、2008年(平成20年)6月に作成した被請求人のチラシ「S-1」であることを示す。配布年月日は、平成20年6月20日である。
なお、乙第1号証、乙第5号証(片面全部カラー印刷に訂正した。)及び第6号証を再提出する。
(2)「荷役用ひも」について
請求人は、「荷役用ひも」とは、「トラック・貨物・船舶・航空機といった輸送機関への積み込みや荷卸ろし等をする際に使用する『ひも』であって、その使用用途から相当強靭な強度を要求されるもの」であるとする。
しかしながら、広辞苑第四版によれば、「ひも【紐】」とは「物を束ねまたは結びつなぐ太い糸、また細い布・革など。ひぼ」である。請求人の前記主張内容に沿うものは、たとえば、「ロープ」であり、これは国際分類第9版の類似群「18A01」に該当するのであって、このことからも請求人の主張が正鵠を得たものではないことが明らかである。
(3)本件商標の使用形態について
被請求人は、本件商標のもとで当該商品を陳列販売しており、業として当該商品を販売業者としての出所を表示するものとして、本件商標を使用している(商標法2条1項1号)。なお、本件商標は、小売等役務商標制度導入前の出願・登録(平成13年3月1日出願、同14年5月10日登録)に係るものであり、被請求人は、小売等役務商標制度が施行される前から本件商標を使用していたものである。
したがって、その後小売等役務商標制度が導入されたことの一事をもって、これが本件商標の使用に当たらないと解することはできない(知的財産高等裁判所第4部平成21年11月26日判決平成21年(行ケ)第10203号審決取消請求事件)。請求人が、被請求人が「小売業において行われる顧客に対する便益の提供という役務について本件商標の使用事実しか確認することはできない」と主張するのは失当である。

第4 当審の判断
1 被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。
乙第1号証は、本件審判の請求の登録後の平成22年10月7日に撮影された、群馬県伊勢崎市宮子町3423-15に所在する「スーパーモール ベイシア西部モール店」の店舗風景及び看板の写真である。
乙第2号証は、インターネットの接続サービス業者が提供する地図データである。
乙第3号証は、平成21年12月27日発行の上毛新聞(株式会社上毛新聞社)に掲載された「スーパーモールいせさきの初売り」と称する新聞広告であるところ、本件取消請求に係る商品「金属製荷役用パレット,荷役用ターンテーブル,荷役用トラバーサー」は、掲載されていない。
乙第4号証は、株式会社日経BPが発行する「日経ビジネス」2008年7月14日号であるところ、ベイシア等の年表が掲載され、1997年に「スーパーモールいせさきを開店」の記載がある。
乙第5号証は、平成20年6月20日から同年6月29日までを売り出し期間とする新聞折り込みチラシであるところ、該チラシには、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付されているものの、本件取消請求に係る商品「金属製荷役用パレット,荷役用ターンテーブル,荷役用トラバーサー」は、掲載されていない。
乙第6号証は、本件審判の請求の登録後の平成22年10月7日に撮影された、商品「荷造りテープ」の写真であるところ、「玉巻き」及び「88円」の記載がある。
乙第7号証は、商品「荷造りテープ玉巻」に関する平成22年8月1日から同年8月31日までの間の電子ジャーナルリストであるところ、「西部モール」及び「荷造りテープ玉巻 ¥88」の記載がある。
以上よれば、乙第6号証の商品「荷造りテープ」と乙第7号証の商品「荷造りテープ玉巻」とは、いずれも似姿が玉巻きであって、単価が88円であることから、同一の商品ということができる。
また、該商品は、乙第6号証の写真によれば、材質がプラスチックであって、荷造りに使用するテープ状のひもであるから、「プラスチック製のテープ状のひも」というのが相当である。
そうとすると、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内の平成22年8月1日から同年8月31日までの間に、商品「プラスチック製のテープ状のひも」を販売していたものと認められる。
2 使用商品について
本件取消請求に係る商品は、「金属製荷役用パレット,荷役用ターンテーブル,荷役用トラバーサー」である。
そこで、本件商標の使用商品「プラスチック製のテープ状のひも」が、「金属製荷役用パレット,荷役用ターンテーブル,荷役用トラバーサー」に包含される商品であるか否かについて検討する。
(1)商標法施行令第1条別表には、第6類「卑金属及びその製品」及び第22類「ロープ製品、帆布製品、詰物用の材料及び織物用の原料繊維」と記載されている。
(2)商標法施行規則第6条別表には、第6類の中に「金属製荷役用パレット 荷役用ターンテーブル 荷役用トラバーサー」が例示されている。
一方、同条別表第22類の中に「二 編みひも 真田ひも のり付けひも よりひも」及び「三 綱類」が例示されており、「三 綱類」の中に「縄」及び「ロープ」等が例示されている。
(3)本件商標が出願された平成13年3月1日において適用される商品・サービス国際分類表[第7版]によれば、第6類の類見出しには、「一般の金属及びその合金 金属製建築材料 運搬可能な金属製建築物 鉄道線路用金属材料 一般の金属から成る電気用でないケーブル及びワイヤ 鉄製品,小型金属製品 金属管 金庫 一般の金属から成る商品であって他の類に属しないもの 鉱石」と記載され、第6類の注釈には、「第6類には、主として、未加工及び半加工の一般の金属並びにその単純な製品を含む。」と記載されている。
一方、商品・サービス国際分類表[第7版]の第22類の類見出しには、「ロープ,ひも,網,テント,日よけ,ターポリン,帆,袋(他の類に属するものを除く。) 詰物用材料(ゴム製又はプラスチック製のものを除く。) 織物用の未加工繊維」と記載され、第22類の注釈には、「第22類には、主として、ロープ製品、帆布製品、詰物用材料及び織物用の未加工繊維を含む。」と記載されている。
(4)「商品及び役務区分解説[改訂第3版]」によれば、第6類の【注釈】には、「この類には、主として、未加工及び半加工の一般の金属並びにその単純な製品を含む。」と記載されており、【解釈】「11 金属製荷役用パレット 荷役用ターンテーブル 荷役用トラバーサー」の項には、「金属製荷役用パレット」: 船舶や車両等の貨物を積み降ろす際に用いられる荷役用の“パレット(すのこ状の荷台)”であって、金属製のものである。」と記載されている。また、「金属製荷役用パレット 荷役用ターンテーブル 荷役用トラバーサー」の[関連商品]として、「クレーン コンベヤー 巻上機 エレベーター エスカレーター 荷卸し用ホッパー・・・等の荷役用機械器具・・・」と記載されている。
一方、第22類の【注釈】には「この類には、主として、ロープ製品、帆布製品、詰物用材料及び織物用の未加工繊維を含む。」と記載されている。
(5)以上を総合すれば、第6類の商品は、主として一般の金属製の商品であって、船舶や車両等の貨物を積み降ろす際に用いられる荷役用の商品が含まれることから、業務用として使用される商品ということができる。
一方、第22類の商品は、金属以外を材料とする商品であって、ロープ、ひも等が含まれることから、主として家庭において使用される商品ということができる。
(6)本件商標の使用商品「プラスチック製のテープ状のひも」は、単価が88円であり、生活用品売場で販売される商品であることからすると、主として家庭において使用される商品ということができるものであるから、商品の区分第22類の「綱類」の範ちゅうに属するものというべきである。
また、「プラスチック製のテープ状のひも」は、金属以外を材料とする商品であるから、取消請求に係る指定商品「金属製荷役用パレット,荷役用ターンテーブル,荷役用トラバーサー」に属するものということはできない。
なお、被請求人は、「請求人が指摘する商品の類似群にある商品を販売している。すなわち、被請求人の生活用品売場で、常時、『荷役用ひも(金属製のものを除く。)』(国際分類第9版の類似群「09A03」に該当する。)に分類される『荷造りテープ』を販売している。」と主張しているが、商標法第50条不使用取消審判は、取消請求に係る商品に類似する商品の使用を証明するものではなく、その請求に係る指定商品のいずれかについての使用をしていることを被請求人が証明しない限り、使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて、商標権者は、その指定商品に係る商標登録の取消しを免れないとされているところ、取消請求に係る指定商品「金属製荷役用パレット,荷役用ターンテーブル,荷役用トラバーサー」は、金属製の業務用の商品であって、生活用品売場で販売される商品ではないから、商品「プラスチック製のテープ状のひも」が、取消請求に係る指定商品「金属製荷役用パレット,荷役用ターンテーブル,荷役用トラバーサー」に属するものということはできない。
そして、被請求人は、「本件商標のもとで当該商品を陳列販売しており、業として当該商品を販売業者としての出所を表示するものとして、本件商標を使用している(商標法2条1項1号)。」と主張しているが、提出に係る証拠のいずれにも、取消請求に係る商品の掲載が認められないから、本件商標が、取消請求に係る指定商品に使用されたものということはできない。
さらに、被請求人は、「本件商標は、小売等役務商標制度導入前の出願・登録(平成13年3月1日出願、同14年5月10日登録)に係るものであり、被請求人は、小売等役務商標制度が施行される前から本件商標を使用していたものである。したがって、その後小売等役務商標制度が導入されたことの一事をもって、これが本件商標の使用に当たらないと解することはできない。」と主張しているが、該判決は、小売等役務商標制度が施行される前から当該商標を取消請求に係る指定商品に使用していたことを認めた原審決(取消2008-300652)を支持したものであるのに対し、本件審判は、被請求人が小売等役務商標制度が施行される前から、単に本件商標が取消請求に係る商品以外の商品に使用されていたことが証明されているにすぎないものであり、事案を異にするものであるから、被請求人の主張は、失当である。
3 以上のとおり、被請求人が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが取消請求に係る「金属製荷役用パレット,荷役用ターンテーブル,荷役用トラバーサー」について、本件商標を使用していたことを証明したものとは認めることはできず、また、被請求人は、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標は、その指定商品「金属製荷役用パレット,荷役用ターンテーブル,荷役用トラバーサー」についての登録は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本件商標

(色彩については、原本を参照。)


審理終結日 2011-09-09 
結審通知日 2011-09-13 
審決日 2011-09-30 
出願番号 商願2001-17799(T2001-17799) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Z06)
最終処分 成立  
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 渡邉 健司
井出 英一郎
登録日 2002-05-10 
登録番号 商標登録第4565620号(T4565620) 
商標の称呼 スーパーモール、モール、スーパー 
代理人 宮田 信道 

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