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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 X37 |
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管理番号 | 1246579 |
異議申立番号 | 異議2011-900137 |
総通号数 | 144 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2011-12-22 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2011-04-15 |
確定日 | 2011-11-14 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5386829号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5386829号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 登録第5386829号商標(以下「本件商標」という。)は、「エコリッチ」の片仮名を標準文字で表してなり、平成22年7月21日に登録出願、第37類「建築工事,建築工事に関する助言」を含む第6類、第19類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同23年1月12日に登録査定、同年1月28日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録第5353078号商標(以下「引用商標」という。)は、「エコリッジ」の文字を標準文字で表してなり、平成22年3月31日に登録出願、第37類「破砕工事,その他の建設工事,建設工事に関する助言」を含む第37類及び第40類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同年9月10日に設定登録されたものである。 3 登録異議の申立ての理由(要旨) 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。 本件商標は「エコリッチ」の称呼が、引用商標は「エコリッジ」の称呼が生じる。そして、かかる単語は辞書類に記載がなく、造語であり、観念は生じない。 してみると、両商標の外観は、末尾の「チ」と「ジ」の形状の差異により、容易に判別できるものである。 しかして、両者の称呼における差異は、末尾における清音「チ」と濁音「ジ」であり、特許庁商標課編「商標審査基準(改訂第9版)」の第4条第1項第11号に関する項目において、原則として、称呼上類似する類型のひとつとして記載の「ともに同数音の称呼からなり、相違する1音が清音、濁音、半濁音の差にすぎないとき」に該当するものであり、そのため、両者は、原則として、称呼上類似の商標と推定される。 そして、観念については、いずれも造語であるため比較することができない。 また、本件商標と引用商標の指定役務も互いに抵触するものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 4 当審の判断 本件商標は、「エコリッチ」の文字からなるところ、その構成文字どおりに「エコリッチ」の称呼が生じるものである。 そして、該文字は、直ちに親しまれた特定の観念を生じさせるものではなく、造語として認識されるものというのが相当である。 他方、引用商標は、「エコリッジ」の文字からなるところ、その構成文字どおりに「エコリッジ」の称呼が生じるものであって、その構成文字全体としては、特定の観念を生じさせることのない造語というのが相当である。 そこで、本件商標から生ずる「エコリッチ」の称呼と引用商標から生ずる「エコリッジ」の称呼とを比較するに、両者は、「エコリッ」の前4音を共通にするものの、語尾において清音「チ」と濁音「ジ」との差異を有するものである。 しかして、前者は、語尾の音が促音「ッ」に続いて発音される清音「チ」であることからして、全体として平板に弱く聴取されるのに対して、後者は、語尾の音が促音「ッ」に続いて発音される濁音「ジ」であることからして、全体として弾んで強く聴取されるとみるのが相当であり、比較的短い5音からなる両者をそれぞれ一連に称呼するときは、その語感、語調が相違し、両者は、称呼上相紛れるおそれはないものと判断するのが相当である。 また、本願商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じ得ない一種の造語であり、観念上比較できないものであり、さらに、両者の外観は、その構成よりみて十分に区別し得るものである。 してみると、両商標は、上記のとおり、その外観、称呼及び観念を総合して全体的に考察すると、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等が異なるものである。 ところで、請求人は、審査基準をあげて「相違する1音が清音、濁音の差のときは称呼上類似する」旨主張するが、審査基準は、称呼上類似するとの原則を述べているものであって、称呼上類似の商標と推定される場合があるとしても、個々の商標(称呼)を個別具体的に判断するのを妨げるものではないから、請求人の主張は、採用できない。 その他、本件商標と引用商標とが類似するとの理由は見当たらない。 したがって、本件商標は、その外観、称呼及び観念のいずれからみても、 引用商標に類似する商標と判断することはできないから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとは認められない。 よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2011-10-25 |
出願番号 | 商願2010-57085(T2010-57085) |
審決分類 |
T
1
652・
262-
Y
(X37)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 平松 和雄 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
田中 敬規 酒井 福造 |
登録日 | 2011-01-28 |
登録番号 | 商標登録第5386829号(T5386829) |
権利者 | YKK AP株式会社 |
商標の称呼 | エコリッチ |
代理人 | 特許業務法人森本国際特許事務所 |