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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X25
審判 全部申立て  登録を維持 X25
審判 全部申立て  登録を維持 X25
審判 全部申立て  登録を維持 X25
管理番号 1246574 
異議申立番号 異議2011-900113 
総通号数 144 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-12-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-03-31 
確定日 2011-11-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第5379212号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5379212号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5379212号商標(以下「本件商標」という。)は,「AQUA PALLADIUM」の欧文字を標準文字で現してなり,平成22年9月2日に登録出願,第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,防暑用ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として,同22年11月29日に登録査定,同年12月24日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下のとおりであり,現に有効に存続しているものである。
(1)登録1516932号商標(以下「引用商標1」という。)は,「PALLADIUM」の欧文字を書してなり,昭和53年12月19日に商標登録出願,第22類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,昭和57年5月25日に設定登録されたものであり,その後,2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ,また,平成15年2月12日に,第25類「靴類,靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
(2)登録2671027号商標(以下「引用商標2」という。)は,「PALLADIUM」の欧文字と,「パラディウム」の片仮名とを,上下二段に書してなり,平成3年12月2日に商標登録出願,第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,平成6年5月31日に設定登録されたものであり,その後,商標権の存続期間の更新登録がなされ,また,平成16年8月11日に,第5類「失禁用おしめ 」, 第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」,第10類「医療用手袋」,第16類「紙製幼児用おしめ」,第17類「 絶縁手袋」,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」,第21類「家事用手袋」,第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」,第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
以下,これらをまとめていうときは「引用商標」という。

3 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標は,「AQUA PALLADIUM」と書してなるから,「アクアパラディウム」若しくは「パラディウム」の称呼が生じる。
イ 引用商標1は,「PALLADIUM」と書してなるから「パラディウム」の称呼が生じ,引用商標2は,「PALLADIUM」と「パラディウム」とを二段に書してなるから,「パラディウム」の称呼が生じる。
ウ 本件商標と,引用商標1とは,指定商品のうち「靴類」が,抵触し,本件商標と,引用商標2とは,指定商品が,同一又は類似である。
エ 本件商標が,引用商標と同一又は類似の商品に使用された場合,本件商標中の「AQUA」に接した需要者は,容易に「水」のほか,「水色,青緑色の」の意味合いを想起するものと考えられる(甲第4号証)。
また,靴製品は,水の中で使用することを主たる用途とする靴について「アクアシューズ」と呼び,また,防水性能をうたう商品について,「アクア」,又は「AQUA」の文字を使用するものが,多数見られる(甲第5号証ないし甲第12号証)ことから,商品の色彩,品質等を表記する記述的なものであり,極めて識別力が弱いものである。
そうとすると,本件商標からは,全体から生じる「アクアパラディウム」のほか,「PALLADIUM」の文字部分から,「パラディウム」の称呼が生じる。
また,本件商標の音数は,8音とやや冗長であり,その構成において「AQUA」と「PALLADIUM」の間にスペースを有していることからも,「PALLADIUM」の文字部分から,「パラディウム」の称呼が生じる。
してみれば,本件商標は,引用商標と「パラディウム」の称呼を共通にし,本願商標の要部「PALLADIUM」は,引用商標と外観において類似する。
さらに,観念においても,本件商標の要部「PALLADIUM」と引用商標は,いずれも「白金属に属する遷移元素の一つであるパラジウム」を意味する語であり,観念においても共通するものである。
オ したがって,本件商標は,引用商標と称呼,外観及び観念において類似するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号について
ア 「PALLADIUM(パラディウム)」は,1947年にフランス軍隊からの靴作りの要望により誕生し,1990年にはニューヨーク,ロンドン,東京をはじめとする全世界でヒットした商品であり(甲第13号証ないし甲第16号証),少なくとも2007年において,男性誌,女性誌を問わず各種雑誌記事等に掲載されており(甲第13号証ないし甲第26号証),遅くとも,本件商標の出願日である平成22年9月2日までには,日本においても欧文字表記の「PALLADIUM」や片仮名表記の「パラディウム」は,靴について使用される商標として既に周知著名のレベルに達していたものと考えられる。
イ 「PALLADIUM(パラディウム)」が表記された雑誌記事,宣伝記事があり,また,本件商標と商標「PALLADIUM(パラディウム)」は,称呼,外観,観念において類似するものである。
ウ したがって,本件商標は,商標「PALLADIUM(パラディウム)」と類似し,また,商標「PALLADIUM(パラディウム)」は,本件商標の登録出願日前に,既に我が国において周知,著名なものとなっていることから,商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)まとめ
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号及び同第11号に違反して登録されたものであるから,同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は,前記1のとおり,「AQUA PALLADIUM」の欧文字からなるところ,その構成は,同書,同大で外観上まとまりよく一体的に表わされており,該文字より生ずる「アクアパラディウム」の称呼も,よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして,たとえ,その構成中の「AQUA」の文字部分が「《おもに薬》水,液,溶液;(特に)水溶液.」(プログレッシブ英和中辞典 小学館)の意味を有する英語であるとしても,本件商標にかかる構成においては,特定の商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解されるものとはいい難いものであるから,その構成全体をもって一体不可分の造語として認識し把握されるとみるのが自然であり,他に,「PALLADIUM」の文字部分のみを分離抽出すべき特段の理由は見いだせない。
そうとすると,本件商標は,その構成文字全体に相応して「アクアパラディウム」の称呼のみを生ずるものと認められ,単に「パラディウム」の称呼は生じないものである。
なお,申立人は,「靴製品は,水の中で使用することを主たる用途とする靴について『アクアシューズ』と呼び,また,防水性能をうたう商品について『アクア』又は『AQUA』の文字を使用するものが多数見られるから,該文字は,極めて識別力が弱い旨主張し,甲第5号証ないし甲第12号証を提出しているが,これらの右下には,「06/28/2011」と記載されていることから,その印刷時期はいずれも本件商標の登録査定時以降の平成23年6月28日と解されるものである。
そして,甲第5号証には,「アクアシューズ」「水抜けや通気性に優れ水遊び用」との記載,甲第6号証には,「アクアシューズ」「サンダルよりの足の保護に優れ,スニーカーよりも通気性が優れています。」との記載,甲第8号証には,「アクアメッシュ」「Aqua Mesh Shoes」と記載されているものの,「アクア」又は「Aqua」の文字を使用したこれらの表示が,直ちに本件指定商品の品質を直接,かつ,具体的に表示するものとはいい難いものである。
そうとすれば,申立人提出の証拠によっては,「AQUA」の欧文字が,本件商標の登録査定時において,特定の商品の品質を表すものとして,取引上普通に使用され,かつ,取引者,需要者に理解されていたということはできないものである。
してみれば,本件商標の構成中,「PALLADIUM」の文字部分も独立して認識されることを前提に,そのうえで,本件商標と引用商標とが,称呼,外観及び観念において類似するものとする申立人の主張は,採用することができない。
その他,本件商標と引用商標とを類似するものとすべき理由は,見いだせない。
したがって,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではない。
(2)商標法第4条第1項第10号該当性について
申立人は,引用商標が「靴」について使用される商標として周知であると主張し,甲第13号証ないし甲第26号証を提出しているが,該証拠は,2007年(平成19年)に発行された各種雑誌に掲載された「スニーカー,スニーカータイプのブーツ,ミドル丈ブーツ,ブーツ」等の商品を紹介したページであり,これらによれば,「スニーカー,ブーツ」等,商品「靴」について「PALLADIUM」の欧文字又は「パラディウム」の片仮名が使用されていたものと認められる。
しかしながら,申立人提出に係る証拠を勘案しても,我が国における営業の規模(店舗数,営業地域,売上高等),広告宣伝の方法,回数及び内容等を証する書面の提出はない。
そうとすれば,申立人提出に係る証拠によっては,本件商標の登録出願時及び査定時において,引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されているとまでは認めることができない。
また,本件商標と引用商標とは,前記(1)のとおり十分に区別し得る別異の商標であるから,商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても,申立人の引用商標を想起,連想させるものではないというのが相当である。
したがって,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第10号に違反してされたものではない。
(3)まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第10号及び同第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきものとする。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2011-10-26 
出願番号 商願2010-69564(T2010-69564) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (X25)
T 1 651・ 263- Y (X25)
T 1 651・ 25- Y (X25)
T 1 651・ 262- Y (X25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小林 薫 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 田中 亨子
小川 きみえ
登録日 2010-12-24 
登録番号 商標登録第5379212号(T5379212) 
権利者 ファイテン株式会社
商標の称呼 アクアパラディウム、パラディウム 
代理人 達野 大輔 

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