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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X25
審判 全部申立て  登録を維持 X25
審判 全部申立て  登録を維持 X25
審判 全部申立て  登録を維持 X25
管理番号 1246563 
異議申立番号 異議2011-900036 
総通号数 144 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-12-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-02-07 
確定日 2011-11-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第5366432号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5366432号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5366432号商標(以下「本件商標」という。)は、「MOUNTAIL」の欧文字を標準文字で表してなり、平成22年7月12日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年10月12日に登録査定、同年11月5日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第81号証を提出した。
1 申立人の引用する商標
申立人が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、次の(1)ないし(3)のとおりの商標(以下、これらの商標をまとめていうときは「引用各商標」という。)であり、これらの商標権はいずれも現に有効に存続しているものである。
(1)国際登録第897885号商標(以下「引用商標1」という。)は、「MONTRAIL」の欧文字を書してなり、2006年(平成18年)3月28日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、同年8月28日に国際商標登録出願、第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成19年7月12日に登録査定、同年9月14日に設定登録されたものである。
(2)登録第4226376号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成9年10月16日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年10月16日に登録査定、同11年1月8日に設定登録されたものである。
(3)登録第4450669号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成12年1月31日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年12月20日に登録査定、同13年2月2日に設定登録されたものである。
2 商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用各商標の文字部分の外観を比較すると、いずれも欧文字8文字で構成されており、その構成文字は「M」、「O」、「N」、「T」、「A」、「I」、「L」の7文字までもが同一である。わずかに異なるのは1文字のみであり、本件商標は「U」の文字が語頭から第3文字目に挿入されている一方、引用各商標は「R」の文字が語尾から第4文字目に挿入されている。本件商標及び引用各商標は、識別上、最も印象に残る語頭から2文字「MO」及び語尾から3文字「AIL」、さらには中間の2文字「NT」というそれぞれまとまりのある文字群を共通にし、わずか1文字の異なる文字は、商標全体において埋没し、印象に残りにくい中間部分に挿入されているにすぎない。
そして、本件商標「MOUNTAIL」と引用各商標「MONTRAIL」は、いずれも特定の語義をもたない造語であるため、それら一群の欧文字を全体として一個の標章として見、それぞれに対する全体的直感ないしは外観的印象に頼って異同を認識しやすいものであることは、経験則上認められているところである。
そのため、このような実際にかんがみれば、本件商標と引用各商標とは、これをみる者に直感的に極めて近似した印象を与え、その意味において、極めて相紛らわしいものであるといわざるをえない。
また、本件商標と引用各商標は、同一又は類似する商品に使用されるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
3 商標法第4条第1項第15号について
引用各商標で表現される「MONTRAIL」ブランドは、本件商標の登録出願前から、トレイルランニングシューズについて、米国や我が国をはじめとする世界各国で周知・著名なブランドであり、商標「MONTRAIL」は、申立人の製造、販売に係る商品であることを表すものとして本件商標の登録出願前から周知・著名となっている(甲第6号証ないし甲第77号証)。そして、本件商標と引用各商標が類似することは、上記したとおりである。さらに、本件商標の指定商品と申立人の商品とは抵触、あるいは関連性を有することから、その需要者・取引者は共通する。
加えて、シューズにおける商標表示は、小さな文字によってなされるため、外観上の僅かな差異は把握し難いという取引実情もある。
したがって、本件商標をその指定商品に使用するときは、当該商品を申立人が製造した商品の一種であるかのように、あるいは申立人と緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務にかかる商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせることは明らかであり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
4 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は商標法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

第3 当審の判断
1 引用各商標の著名性について
申立人の提出に係る甲各号証及び同人の主張によれば、次のとおり認められる。
(1)申立人は、米国において1997年8月からフットウエアについて商標「Montrail」の使用を開始し、我が国においては翌年の1998年から当該フットウエアの販売を開始した(甲第6号証ないし甲第8号証及び甲第10号証)。
(2)申立人は、2007年ないし2010年「montrail」の文字を付したトレイルランニングシューズ(以下「本件商品」という。)及び別掲の商標が掲載された商品カタログを毎年発行(2007年は2種類)した(甲第6号証ないし甲第11号証)。
(3)本件商品並びに引用各商標、「モントレイル」及び「Montrail」の商標が掲載された広告が、平成20年ないし平成22年に発行された雑誌に6回、トレイルランニングレースのパンフレットに2回掲載された(甲第12号証ないし甲第19号証)
(4)申立人は、引用各商標と同一視できる商標について20数か国で商標権を取得している(甲第20号証ないし甲第72号証)。
(5)トレイルランニング大会の参加者のアンケートにおいて使用シューズのブランドとして、「モントレイル」が少なくとも平成19年及び平成21年に第1位となった(甲第73号証ないし甲第75号証)。
(6)インターネット情報には、モントレイルのトレイルランニングシューズが日本のシェアNo.1である旨の記載がある(甲第76号証及び甲第77号証)。
(7)なお、申立人は、「MONTRAIL」ブランドのトレイルランニングシューズについて、販売数量が74,470足(平成19年ないし平成23年5月頃)、広告宣伝費が平成19年ないし平成22年に毎年1250万円ないし1550万円である旨主張しているが、これらを裏付ける証拠はなく、また広告宣伝の内容も明らかにしていない。
(8)上記(1)ないし(7)からすれば、引用各商標、「モントレイル」及び「Montrail」の商標(以下、これらをまとめて「モントレイル商標」という。)は、本件商標の登録出願の時ないし登録査定時において、我が国のトレイルランニングシューズの取引者、需要者の間である程度知られているものと認めることができる。
しかしながら、モントレイル商標が使用されている商品がトレイルランニングシューズに限られていること、そのため、取引者、需要者が限られていること、本件商品の販売実績が確認できないこと及び商品カタログやパンフレットの頒布場所、頒布方法などが不明であること、また、各国における商標登録は、商標の周知・著名性を直接的に裏付けるものとはいえないことからすれば、引用各商標を含むモントレイル商標は、本件商標の登録出願の時ないし登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないと判断するのが相当である。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「MOUNTAIL」の文字からなるものであるから、「マウンテール」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと認められる。
(2)引用各商標について
ア 引用商標1は、上記第2のとおり、「MONTRAIL」の文字からなるものであるから、「モントレール」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと認められる。
イ 引用商標2及び引用商標3は、別掲のとおり、山をモチーフにした図形と「montrail」の文字とを組み合わせた構成からなるものであるから、「モントレール」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと認められる。
(3)本件商標と引用各商標との類否
ア 外観について
本件商標が「MOUNTAIL」の文字からなり、引用商標1は「MONTRAIL」の文字からなるところ、両者は各文字構成中の中間部における3文字に「UNT」と「NTR」の差異を有するから、この差異が両商標の外観の印象に与える影響は少なくなく、両者は外観上相紛れるおそれはないものである。
また、本件商標と引用商標2及び3とは、後者が別掲のとおり山をモチーフした図と「montrail」の文字からなるものであるから、両者は、全体の外観が相違すること明らかであり、また、後者の文字部分との比較においても大文字と小文字及び中間部における「UNT」と「ntr」の差異を有するから、外観上相紛れるおそれはない。
イ 称呼について
本件商標から生じる称呼「マウンテール」と、引用各商標から生じる称呼「モントレール」とを比較すると、両者は6音構成のうち、称呼の識別において重要な要素である語頭から4音が「マウンテ」と「モントレ」と明らかに異なるものであるから、十分に区別できるものである。
ウ 観念について
本件商標と引用各商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから観念について比較することができない。
エ したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものでない。
3 商標法第4条第1項第15号について
引用各商標が、いずれも本件商標の登録出願の時ないし登録査定時に我が国の取引者、需要者に広く認識されていたものと認めることができないこと上記1のとおりであり、また、本件商標と引用各商標とは、上記2(3)のとおり外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が引用各商標又は申立人を想起することはなく、当該商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるをえない。
また、本件商標は、引用各商標以外のモントレイル商標との関係においても商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。
4 まとめ
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲
引用商標2及び3

異議決定日 2011-10-20 
出願番号 商願2010-54910(T2010-54910) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (X25)
T 1 651・ 262- Y (X25)
T 1 651・ 271- Y (X25)
T 1 651・ 261- Y (X25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 田口 善久 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 瀧本 佐代子
小畑 恵一
登録日 2010-11-05 
登録番号 商標登録第5366432号(T5366432) 
権利者 サンダンス株式会社
商標の称呼 マウンテール 
代理人 東尾 正博 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 工藤 莞司 
代理人 鎌田 文二 
代理人 鳥居 和久 
代理人 黒川 朋也 
代理人 森川 邦子 
代理人 小暮 君平 

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