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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X0929
審判 全部申立て  登録を維持 X0929
管理番号 1246555 
異議申立番号 異議2011-900179 
総通号数 144 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-12-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-05-13 
確定日 2011-11-02 
異議申立件数
事件の表示 登録第5391036号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5391036号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5391036号商標(以下「本件商標」という。)は、「TRY SENSA WEIGHT-LOSS SYSTEM」の文字を標準文字で表してなり、平成22年6月18日に登録出願、第9類「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,録画済みDVDビデオソフト,録画済みのDVD・磁気カード・磁気ディスク・光ディスク,録音済み又は録画済みの記録媒体」及び第29類「マルトデキストリンを主原料とする液状・粉状・顆粒状・錠剤状・カプセル状・ゼリー状の加工食品」を指定商品として、同23年1月17日に登録査定、同年2月10日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第1031706号商標(以下「引用商標」という。)は、「SENSA」の文字を書してなり、2010年(平成22年)2月25日に国際商標登録出願、第5類「Dietetic foods adapted for medical purposes for weight loss and weight management.」を指定商品として、平成23年7月15日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第15号に該当する理由
申立人は、ハウスマークである「SENSA」商標について、本国である米国のみならず世界各国で商標登録出願を行い、当該商標を保有しており、ワールドワイドに幅広く、当該商標にかかる事業を展開している事実が明らかである。
gooのWikipedia検索によれば、「SENSA」は、通常食べる食品にある物質の結晶をかけるだけで需要者の減量を促す減量システムであると紹介されている(甲4)。
申立人は、食品に振りかけて食することで満腹感を高める当該物質を「SENSA/Weight-Loss System」の商品名で販売しており(甲5)、これを申立人の運営するホームページから購入できる他、ショッピングチャンネル「ShopNBC」または米国内5,500以上、世界50か国に7,100以上存在するGNCストアで購入することができる(甲6)。
「SENSA/Weight-Loss System」は、無理なく減量効果が期待できるとして、本件商標の出願前である2008年の発売以来、米国内で話題を呼び、米国内で周知著名となっている(甲6)。
また、「SENSA Weight-Loss System」に関するiPhone用、iPad用、アンドロイド用アプリケーションが存在し(甲8)、facebookやtwitterなどが「SENSA Weight-Loss System」の需要者のコミュニケーションツールとして定着するなどの事実からして(甲5)、申立人にかかる「SENSA」及び「SENSA/Weight-Loss System」の周知著名性は計り知れない。
以上より、世界各国で商標登録されている「SENSA」商標が、申立人の商品を特定する識別標識として、日本を含めた世界各国で広く知られている事実は明らかである。
本件商標は、引用商標「SENSA」との関係では、その外観、称呼及び観念のいずれもが同一ではない。
しかしながら、本件商標の構成中「TRY」の部分は、「試す、試みる」を意味する英語として広く親しまれており、直後に語を伴って「?を試す、?を試みる」の意味合いを有する接頭語的役割を持つ語であることからすれば、該文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないか、または極めて弱い部分である。
さらに、「WEIGHT-LOSS SYSTEM」の部分は、「WEIGHT」が「体重」、「LOSS」が「減少」を意味する英語であり、これらがハイフンを介して結合した「WEIGHT-LOSS」は、「減量」を意味する英語であり、「SYSTEM」が「体系、方式、体制」等の意味を有する英語であり、いずれも広く親しまれている語であることを考慮すると、指定商品との関係からして、「減量方式、減量システム」を直感させ、その商品の品質を表すにすぎないから、該文字部分も、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないか、または極めて弱い部分である。
一方で、「SENSA」の部分は、申立人にかかる社名の略称であって識別力を有する。
そうすると、本件商標中、取引において出所を表示する部分、すなわち要部は、「SENSA」であると考えられ、取引上略称される場合には、「SENSA」の部分のみの称呼「センサ」が生じうるから、本件商標と引用商標は、称呼が類似する相互に類似の関係にある商標ということができる。
申立人の商品「SENSA Weight-Loss System」の有効成分はマルトデキストリンであり(甲9)、本件商標の第29類における指定商品の原料と一致する。また、本件商標の第29類における指定商品は、減量または体重管理を用途とする加工食品と推測され、そうとすれば、引用商標の指定商品の用途と一致する。よって、本件商標の第29類における指定商品と引用商標の指定商品とは、需要者の範囲が一致する。
また、上述のとおり、「SENSA Weight-Loss System」に関するiPhone用、iPad用、アンドロイド用アプリケーションが存在し、facebookやtwitterなどが「SENSA Weight-Loss System」の需要者のコミュニケーションツールとして定着するなどの事実に照らせば、本件商標の第9類における指定商品と引用商標の指定商品とは、需要者の範囲が一致すると思料する。
そうすると、引用商標は、上記で述べたように周知商標であって、かつ、引用商標と称呼上類似するか、または引用商標を含む本件商標を、申立人の商品と用途または需要者の範囲が一致する本件商標の指定商品について使用した場合には、申立人等の業務にかかる商品と混同を生ずるおそれがあるものである。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第19号に該当する理由
本件商標と引用商標とが類似し、また、引用商標が日本国内及び外国において周知著名性を有していることは上記(1)で述べたとおりである。
また、本件商標中の「TRY SENSA」及び「SENSA WEIGHT-LOSS SYSTEM」は、申立人の運営するホームページで使用され、その周知性を考慮すると、商標権者による本件商標の採択が偶然に行われたものとは解し難い。商標権者は、「SENSA」及び「SENSA WEIGHT-LOSS SYSTEM」の文字が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、取引者、需要者の間において広く認識されていたことを熟知しておりながら、申立人の事業分野と深く関わりのある商品における国内参入を阻止し、または、申立人の引用商標の顧客吸引力を希釈化させたり、その名声等を毀損させる等、不当な利益を得る目的をもって出願し、権利取得したものと推認せざるを得ない。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。
(3)むすび
以上の次第で、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び商標法第4条第1項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、「TRY SENSA WEIGHT-LOSS SYSTEM」の文字よりなるところ、その構成中の「WEIGHT-LOSS」の文字は、「WEIGHT LOSS」の文字が「やせること、減量」の意味を有することから、同様の意味合いを有するものであり、また、「SYSTEM」の文字は、「系統、装置、システム、組織、制度、方式、方法」などの意味を有する(それぞれ「プログレッシブ英和中辞典」より。:株式会社小学館)ものである。
そうすると、これらの文字からなる「WEIGHT-LOSS SYSTEM」の文字部分は、「減量方式、減量システム」という程の意味合いを容易に理解させるものであって、減量に関する商品との関係にあっては、識別力がないか又は弱い文字部分として理解されるものであるから、本件商標にあっては、その構成中の「TRY SENSA」の文字部分をもって、取引に資する場合も決して少なくないものというのが相当である。
そして、該「TRY SENSA」の文字部分にしても、それぞれの文字が同書、同大で、まとまりよく一体的に書されており、該文字から生ずる「トライセンサ」の称呼も、冗長とはいえず、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、本件商標は、該「TRY SENSA」の文字部分に相応して、「トライセンサ」の称呼をも生じ、特定の観念は生じないものである。
他方、引用商標は、「SENSA」の文字よりなるところ、その構成文字に相応する「センサ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
しかして、本件商標の称呼「トライセンサ」と引用商標の称呼「センサ」とを対比すれば、両者は、構成音数が6音と3音と大きく相違する上、前半で「ト」「ラ」「イ」の音の有無の明らかな差異を有するから、これらをそれぞれ一連に称呼するときには、相紛れることなく区別し得るものである。
そして、本件商標と引用商標は、外観において、十分に明らかな相違があるから、外観上相紛れるおそれはなく、また、観念において、それぞれから観念は生じず、観念上相紛れるおそれはないというべきである。
してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標とは十分に区別し得る全く別異の商標である。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき理由は見出せない。
また、申立人の主張及び提出に係る甲各号証によれば、仮に、本件商標の登録出願前から、引用商標が「減量用及び体重管理用の食餌療法用食品」について使用されていたとしても、その使用は、米国など外国におけるものであって、その商品の販売量、販売額、商品のシェア、新聞、雑誌等による宣伝、広告、その費用など、引用商標の周知、著名性を量的に判断できる証拠の提出はない。
そうすると、本件商標の登録出願時のみならず登録査定時においても、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国はもとより外国における需要者の間に広く認識されていたものとは認められない。
そうとすれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
してみれば、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第19号について
前記(1)認定のとおり、引用商標は、申立人の商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時のみならず登録査定時においても、日本国内及び外国における需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
また、申立人がそのホームページにおいて、「TRY SENSA」及び「SENSA WEIGHT-LOSS SYSTEM」の文字を使用していたとしても、他に不正の目的を立証又は推認させる証拠がない以上、そのことのみをもって、本件商標が引用商標の名声にただ乗りする目的、ないし引用商標を希釈化する目的等、不正の目的をもって使用する商標ということはできない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(3)まとめ
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2011-10-18 
出願番号 商願2010-48639(T2010-48639) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X0929)
T 1 651・ 222- Y (X0929)
最終処分 維持  
前審関与審査官 藤平 良二 
特許庁審判長 水茎 弥
特許庁審判官 渡邉 健司
井出 英一郎
登録日 2011-02-10 
登録番号 商標登録第5391036号(T5391036) 
権利者 株式会社マハロ
商標の称呼 トライセンサウエイトロスシステム、トライセンサウエイトロス、センサウエイトロスシステム、センサウエイトロス、センサ、ウエイトロス 
代理人 森田 俊雄 
代理人 竹内 耕三 
代理人 深見 久郎 
代理人 向口 浩二 

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