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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y21 審判 査定不服 観念類似 登録しない Y21 |
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管理番号 | 1246510 |
審判番号 | 不服2010-650093 |
総通号数 | 144 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-12-22 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-08-19 |
確定日 | 2011-08-02 |
事件の表示 | 国際登録第999131号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第21類「Unworked or semiworked glass (except building glass);glassware,crystal (glassware);hand-operated pump dispensers for attachment to recipients for liquid dispensing;small bottles and recipients for holding pharmaceutical preparations;small bottles and recipients that are bacteriologically protected,for holding pharmaceutical preparations;packaging of glass,glass flasks (recipients),spouts,glass stoppers,glass bowls,boxes of glass,bottles,pots,jars,small bottles;fibreglass other than for insulation or textile use,fibreglass thread,not for textile use,vases,enamelled glass,painted glassware,glasses (recipients).」を指定商品として、2008年9月3日にフランス共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2009年(平成21年)2月27日に国際商標登録出願されたものである。 第2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、登録第1591372号商標(以下「引用商標」という。)と「アンフィニ」の称呼を共通にする類似の商標であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 そして、引用商標は、「アンフィニ」の片仮名及び「Infini」の欧文字を二段に書してなり、昭和54年8月22日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同58年5月26日に設定登録、その後、平成16年9月1日に指定商品を第21類「なべ類,食器類(貴金属製のものを除く。),こしょう入れ・砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く。),卵立て(貴金属製のものを除く。),ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く。),盆(貴金属製のものを除く。),ようじ入れ(貴金属製のものを除く。),タルト取り分け用へら,清掃用具及び洗濯用具,食品保存用ガラス瓶,貯金箱(金属製のものを除く。),ろうそく消し及びろうそく立て(貴金属製のものを除く。)」とする指定商品の書換登録がなされたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。 第3 当審の判断 1 本願商標と引用商標の類否について 本願商標は、別掲のとおり、無限大記号を若干変形したものと容易に認識し得る図形の左内側部分に、やや肉太で表された「verre」の文字を、該図形の右下部分に、細字で表された「INFINI」の文字を配してなるものであり、その「verre」と「INFINI」の各文字部分は、図形を介して分離して配置され、かつ、それぞれの書体、文字の太さ・大きさを異にして表されていることから、視覚上、分離して看取されるものである。 また、「verre」の文字は、「ガラス、ガラス器」等の意味を有し、「ヴェール」と発音されるフランス語であり、また、「INFINI」の文字も「無限」等の意味を有し、「アンフィニ」と発音されるフランス語と認められる(株式会社白水社「ディコ仏和辞典」)。 ところで、本願の指定商品をみると、本願は、「Unworked or semiworked glass (except building glass)」、「glassware」及び「glasses (recipients)」等の、いわゆる「ガラス関連の商品」を指定商品とするものである。 そうとすると、たとえ、我が国においてフランス語が一般にはなじみが薄い語であるとしても、「ガラス、ガラス器」の意味を有する「verre」の文字部分は、その指定商品との関係において、商品の品質を表すものであって識別力を有しないか、あるいは極めて弱いとみるのが相当である。 してみれば、本願商標は、「INFINI」の文字部分が独立して自他商品識別標識としての機能を発揮するものであり、該語のフランス語の読みに相応した「アンフィニ」の称呼を生じ、また、その語義及び無限大記号を容易に認識させる図形部分から受ける印象から、「無限」の観念を生ずるとみるのが自然である。 他方、引用商標は、前記第2のとおり、「アンフィニ」の片仮名及び「Infini」の欧文字を二段に書してなるから、本願商標と同様にその構成文字に相応し、「アンフィニ」の称呼を生じ、また、「無限」の観念を生ずるものである。 そうとすれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違するとしても、「アンフィニ」の称呼及び「無限」の観念を共通にする、相紛れるおそれのある類似の商標であると判断するのが相当である。 そして、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 2 請求人の主張について 請求人は、最高裁昭和39年(行ツ)第110号昭和43年2月27日第三小法廷判決等をあげ、本願商標は、その構成全体から、一体として把握し、引用商標と対比すべきであり、仮に、本願商標の構成部分の一部を抽出し、引用商標と対比されるのであれば、それは「verre」の欧文字部分であり、「INFINI」の欧文字部分から生じる称呼のみによって取引されることはない旨を主張している。 たしかに、商標はその構成部分全体によって他人の商標と識別すべく考案されているものであるから、みだりに、商標構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判定することは、原則としては許されないものと解される。 しかしながら、最高裁昭和37年(オ)第953号第1小法廷判決(同36年3月5日判決言渡)において、「簡易、迅速をたつとぶ取引の実際においては、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、常に必らずしもその構成部分全体の名称によって称呼、観念されず、しばしば、その一部だけによって簡略に称呼、観念され、1個の商標から2個以上の称呼、観念の生ずることがあるのは、経験則の教えるところである。しかしてこの場合、1つの称呼、観念が他人の商標の称呼、観念と同一または類似であるとはいえないとしても、他の称呼、観念が他人の商標のそれと類似するときは、両商標はなお類似するものと解するのが相当である。」と判示されているところである。 これを本件についてみるに、本願商標は、前記認定のとおり、構成中の「verre」の文字部分がその指定商品との関係において、これが独立して自他商品識別標識としての機能を果たすとはいえず、かかる構成において「INFINI」の文字部分が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るものと判断されるものであるから、該文字部分より生ずる称呼及び観念をもって取引に資されるとみるのが相当であり、この点についての請求人の主張は採用することができない。 さらに、請求人は、前記の主張において、過去の登録例を挙げているが、当該登録例は、本願商標と構成態様が相違し、事案を異にするものであるし、そもそも商標の類否の判断は、個別、具体的に判断されるべきであって、かかる登録例に拘束されるものでないから、この点についての請求人の主張も採用することができない。 3 むすび 以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
【別記】 |
審理終結日 | 2011-03-04 |
結審通知日 | 2011-03-09 |
審決日 | 2011-03-23 |
国際登録番号 | 0999131 |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(Y21)
T 1 8・ 263- Z (Y21) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 松本 はるみ |
特許庁審判長 |
小林 由美子 |
特許庁審判官 |
瀧本 佐代子 旦 克昌 |
商標の称呼 | ベールアンフィニ、ベッレインフィニ、バーレインフィニ、ベール、ベッレ、バーレ、アンフィニ、インフィニ |
代理人 | 佐藤 雅巳 |
代理人 | 古木 睦美 |