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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 105 |
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管理番号 | 1246439 |
審判番号 | 取消2010-301287 |
総通号数 | 144 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-12-22 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2010-12-07 |
確定日 | 2011-10-26 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第786884号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第786884号商標の指定商品中、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第786884号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、昭和40年6月25日に登録出願され、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同43年7月20日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成20年12月17日に第5類「失禁用おしめ」、第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」、第10類「医療用手袋」、第16類「紙製幼児用おしめ」、第17類「絶縁手袋」、第21類「家事用手袋」、第24類「布製身の回り品」及び第25類「被服」を指定商品とする書換登録がされているものである。 2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出している。 (1)請求の理由 本件商標の指定商品中、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」については、継続して3年以上、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、前記商品についての登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。 (2)答弁に対する弁駁 被請求人が提出した証拠によっては、本件審判の請求の登録前に販売された商品は乙第1号証の「ストール(被請求人が「ボレロ」とするもの)」のみであり、乙第2号証ないし乙第4号証に示された商品については、本件審判請求の登録前に販売された事実が示されていない。 そして、上記乙第1号証の商品は、「ストール」あるいは「マフラー」と認識されるものであり、本件審判請求にかかる商品ではない。 さらに、もし乙第1号証に示された商品が本件審判請求にかかる商品であったとしても、使用されている商標は「clover green label」であり、本件商標「クロバー/CLOVER」が使用された事実は示されていない。 3 被請求人の答弁 被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)を提出している。 (1)乙第1号証の1ないし4 乙第1号証の1ないし4は、「Clover」の商標を商品「ボレロ」に使用していることを証明するものであり、この商品は、ボレロ、ストール、ショール、マフラーとして、4とおりの使用ができるものである。 ア 乙第1号証の1の各写真は、上記商品を「ボレロ」(製品番号No.74737、No.74734)の使用状態及び袖部分の拡大写真である。 拡大写真の上記2種類の商品の袖部分には、タグ(ラベル)が取り付けられており、乙第1号証の2は、その2種類のタグである。 上記タグの表面には、「4WAY STOLE」及び「clover green label」の英語が印刷され、さらに、その下に、緑色で「クロバーの図形」が印刷され、また、裏面には、「ストール+ボレロ+ショール+マフラー」と記載され、その下に、「ボレロの図」→「ショールの図」→「マフラーの図」→「ストールの図」が印刷されている。そして、一方のタグにはNo.74737、他方のタグにはNo.74734と製品番号が表示されている。 イ 乙第1号証の3は、「COMMERCIAL INVOICE」であり、「SHANGHAI XIZIKA TRADING CO.,LTD.」から、株式会社森本本店(商標権者)に送られたものである。 上記送り状の日付は、2010年8月4日であり、出荷日は2010年8月8日と記載されている。この送り状のStyle No.の欄に、「74737」及び「74734」の製品番号が記載され、Description of Goodsの欄に「Muffler」と記載されている。この商品は、上記したように、「ボレロ」としてだけでなくマフラー等として使用できることから、「Muffler」として記載されているが、乙第1号証の1の写真の商品「ボレロ」のことである。 よって、上記乙第1号証の1の写真の「ボレロ」が、2010年8月8日に「Shanghai Port」から「Nagoya Port」に向け出荷されたことが明らかである。 ウ 乙第1号証の4は「証明願」であり、商標権者が登録商標「Clover」を付した商品「4WAY STOLE(ボレロ)」を、2010年9月21日から2011年2月20日に、株式会社ユニーに納入販売したことを証明するものである。 (2)乙第2号証の1ないし7 乙第2号証の1ないし7は、「Clover」の商標を商品「レース衿カーディガン」に使用していることを証明するものである。 ア 乙第2号証の1は、「レース衿カーディガン」の商品見本(製品番号74815)の全体を写した写真と衿部分の拡大写真であり、衿に「clover green label」と織り込まれた織ネームが縫い付けられ、また、縫い付けられた織ネームに、「clover green label」の英文字と、「クロバー」の図形が印刷されたタグが取り付けられた状態が写っている。乙第2号証の2は、乙第2号証の1の写真に写っている織ネームであり、乙第2号証の3は、乙第2号証の1の写真に写っているタグである。 このタグの表面に「四つ葉のクロバー」を意味するフランス語「Trefle a quatre feuilles」、緑色の「クロバーの図形」、「clover green label」の英語等が印刷されている。タグの裏面に「74815」の商品番号が表示されている。 イ 乙第2号証の4は、上記「レース衿カーディガン」の企画仕様書である。この企画仕様書は、2010年8月9日に中国の南通興服飾有限公司宛にされたもので、製品品番の欄に74815と記載され、ブランドの欄に「Clover Green」と記載されている。乙第2号証の5は、上記仕様書の修正についての2010年10月27日付けメールである。そして、乙第2号証の6は、売り手:南通興服飾有限公司と、買い手:株式会社森本本店との間で、2010年10月25日に取り交わす契約書を10月2日にファクシミリで送ったものであり、この契約書の品号の欄に上記「レース衿カーディガン」の製品番号:「74815」が記載されている。 ウ 乙第2号証の7は、株式会社マルナカの脇町店、栗林南店、徳島店、SC宇多津店に平成23年1月27日に、上記「レース衿カーディガン」を発送し納品したことを証明する納品書(控)のコピーである。 なお、乙第2号証の7は、本件審判の予告登録後の使用に係るものであるが、乙第2号証の4ないし乙第2号証の6の一連の作業があり、上記日付(平成23年1月27日)より前に、販売店に「Clover」の商標を付した商品見本を提示するなどの営業活動を行い、その結果、「レース衿カーディガン」が、販売に至ったことを証明するために提出するものである。 (3)乙第3号証の1及び2 乙第3号証の1及び2は、「Clover」の商標を商品「花ストール風衿ジレ」に使用していることを証明するものである。 ア 乙第3号証の1は、「花ストール風衿ジレ」の商品見本(製品番号74811)の全体を写した写真と衿部分の拡大写真であり、衿の部分に「clover green label」と織り込まれた衿ネーム(乙第2号証の2の織ネームと同じ。)が縫い付けられ、また、縫い付けられた衿ネームに、タグ(乙第2号証の3のタグと同じ。)が取り付けられた状態が写っている。 上記タグの表面に「clover green label」の英語と「クロバー」の図形が表示されている。また、裏面には、「74811」の製品番号が記載されている。 イ 乙第3号証の2は、上記乙第3号証の1の「花ストール風衿ジレ」の企画仕様書である。この企画仕様書は、2010年8月9日に中国の南通興服飾有限公司宛にされたもので、製品品番の欄に「74811」と、商品名の欄に「花ストール風衿ジレ」、ブランドの欄に「Clover Green」と記載されている。 (4)乙第4号証の1ないし3 乙第4号証は、「Clover」の商標を商品「カシュクール(ゆるカーデ)」に使用していることを証明するものである。 ア 乙第4号証の1は、「カシュクール(ゆるカーデ)」の商品見本(製品番号74814)の全体を表した写真と衿部分の拡大写真であり、衿の部分に「clover green label」と織り込まれた衿ネーム(乙第2号証の2の織ネームと同じ。)が縫い付けられ、また、縫い付けられた衿ネームに、正方形のタグが取り付けられ、乙第4号証の2は、上記乙第4号証の1の写真に写っているタグである。 上記タグの表面には、「clover green label」の英語と、「クロバー」の図形及び本件商品「カシュクール(ゆるカーデ)」の着用方法が記載されている。また、裏面には、「74814」の製品番号が表示されている。 イ 乙第4号証の3は、上記「カシュクール」の企画仕様書である。この企画仕様書は、2010年8月9日に中国の南通興服飾有限公司宛にされたもので、製品品番の欄に「74814」と、商品名の欄に「カシュクール」、ブランドの欄に「Clover Green」と記載されている。 (5)乙第5号証の1ないし3 乙第5号証の1ないし3は、乙第2号証の3で提出したタグの製造会社である有限会社ポイントアルファから、商標権者への発注・納品伝票のコピーである。 乙第5号証の1の発注・納品伝票には、納品年月日:22年11月26日と記入され、品名の欄に「マフラー副材料品質タグ」と記載されているが、「UVジレ、カシュクール、フード付きマフラー等」に使用するタグである。 乙第5号証の2の発注・納品伝票には、納品年月日:21年09月01日と記入され、品名の欄に「マフラー副材料品質タグ」と記載され、クローバータグ(グリーン)と記入されている。 乙第5号証の3の発注・納品伝票には、納品年月日:22年06月04日と記入され、品名の欄に「マフラー副材料品質タグ」と記載され、クローバータグ(グリーン))と記入されている。 (6)乙第6号証の1及び2 乙第6号証の1は、商標権者が開催した「2011\Spring & Summer Collection」を、商標権者の東京店において、2010年10月5日?10月8日、また、一宮本店において、2010年10月19日?10月22日に開催するにあたり、展示会場の展示商品を写して作成した案内書である。乙第6号証の2は、その案内用の葉書であり、2010年10月以前に作成し配布したものである。 上記葉書の表面には、「アイテム」として、「UVグッズ・コットンマフラー・ネックウェアー等」と記載され、下端に「クロバー」の図形が印刷されている。「UVグッズ」の中には、上記乙第6号証の1の案内に掲載されているUV対策を施した「ボレロ、レース衿カーディガン、花ストール風衿ジレ、カシュクール」が属する。 (7)乙第7号証 乙第7号証の商標登録例は、上記乙第1号証ないし乙第4号証において、使用している商標が「clover green label」と英文字で表示されているが、「clover」の英文字が、自他商品識別機能を発揮する要部であることを証明するものである。 このように、「green label」を表記することは多々行われているところであり、この「green label」の表記を持って自他商品の識別をすることを目的としては使用されていない。一般に、環境に優しい商品であることをイメージさせるために使用がされているようである。また、本件の場合は、緑色のラベルすなわち「green label」に、「clover」の英文字を表示して使用することから、「clover green label」と表示した意味もある。 そして、本件の場合は、「clover green label」の英文字と、「クロバーの図形」を組み合わせて使用していることから、一般需要者・取引者は「Clover」印と認識できるものと考える。 したがって、「clover green label」の英文字と「クロバーの図形」の両者を組み合わせた表示は、本件商標の使用に該当する。 3 当審の判断 (1)事実認定 ア ボレロについて(乙1の1ないし4) (ア)乙第1号証の1の写真の商品は、同商品に取り付けられたタグの表に「4WAY STOLE/着回しがきいておしゃれ」と記載され、その裏側にはボタンを使用しない状態の商品形状を表す図形とともに「ストール+ボレロ+ショール+ぐるぐるマフラー」と記載され、その下にはボレロとして着用した状態を表す図形と「ボレロ」の文字、ショールとして着用した状態を表す図形と「ショール」の文字、マフラーとして着用した状態を表す図形と「ぐるぐるマフラー」の文字及びストールとして着用した状態を表す図形と「ストール」の文字が表されている(乙1の2)ものであり、ボレロ、ストール、ショール、マフラーの4とおりに使用できる商品(以下「使用商品1」という。)と認められるものである。 (イ)使用商品1に取り付けられたタグの表には、「clover green label」の欧文字を手書き風のブロック体で同書同大に表し、これらの文字を挟むようにその前後にアステリスクを配した標章(以下「使用商標」という。)が表されている(乙1の2)。なお、使用商標の下には緑色の四つ葉のクローバー様の図形が配されている。 (ウ)乙第1号証の3のインボイスによれば、「SHANGHAI XIZIKA TRADING CO.,LTD.」から商標権者に使用商品1の製品番号と同一の製品番号の商品を2010年8月8日に発送したことが認められる。また、乙第1号証の4は、ユニー株式会社作成の平成23年2月7日付け証明書であり、使用商品1を2010年9月21日と2011年2月20日に商標権者から購入したことを証明するものである。 イ カーディガンについて(乙2の1ないし7) (ア)乙第2号証の1の写真の商品は、レース衿のカーディガン(以下「使用商品2」という。)であり、その織りネーム及び取り付けられているタグには、いずれも使用商標(ただし、書体は筆記体。)が表されている(乙2の2及び3)。 (イ)乙第2号証の4は、商標権者が2010年8月9日付けで中国の南通興栄服飾有限公司に宛てた本件使用商品の企画仕様書であり、9月27日をセールスマンサンプル納期として、製造を依頼したものである。また、企画仕様書中には2010年9月3日にサンプルチェックを行い、商品仕様の変更・修正や展示会サンプルへの衿ネーム取付けを指示したことが認められる。乙第2号証の5は、商標権者が2010年10月27日付けで南通興栄服飾有限公司に宛てた企画仕様書の修正を指示する内容のメールである。そしてメールに添付の企画仕様書には、更に同年10月26日のサンプルチェック後の商品仕様の修正内容が記載されている。乙第2号証の6は、売主「南通興栄服飾有限公司」と買主「商標権者」との間における2010年11月25日付け売買契約書であり、その契約中には使用商品2(品号74815)が含まれている。 乙第2号証の7は、商標権者による株式会社マルナカの脇町店、栗林南店、徳島店及びSC宇多津店宛の各納品書(控)であり、乙第2号証の1の製品番号の「レース衿カーディガン」、乙第3号証の1の製品番号の「花ストール風衿ジレ」などを平成23年1月27日に発送し、同年2月1日付けで納品したことが認められる。 ウ ジレについて(乙3の1及び2) (ア)乙第3号証の1の写真の商品は、花柄模様のストール風衿のあるジレ(以下「使用商品3」という。)であり、その織りネーム及び取り付けられているタグには、乙第2号証2及び3の織りネーム及びタグと同一のものと認められる。 (イ)乙第3号証の2は、商標権者が2010年8月9日付けで中国の南通興栄服飾有限公司に宛てた使用商品3の企画仕様書であり、9月27日をセールスマンサンプル納期として、製造を依頼したものである。 乙第2号証の7(納品書)に使用商品3が表示されていることは前記のとおりである。 エ カシュクールについて(乙4の1ないし3) (ア)乙第4号証の1の写真の商品は、カシュクール(以下「使用商品4」という。)であり、その織りネーム及び取り付けられているタグには、いずれも使用商標(ただし、書体は筆記体。)が表されている(乙4の1及び2)。 (イ)乙第4号証の3は、商標権者が2010年8月9日付けで中国の南通興栄服飾有限公司に宛てた使用商品4の企画仕様書である。また、企画仕様書中には2010年9月3日にサンプルチェックを行い、商品仕様の変更・修正や展示会サンプルへの衿ネーム取付けを指示したことが認められる。 オ その他(乙5及び乙6(枝番を含む。)) 乙第5号証の1ないし3は、有限会社ポイントアルファから被請求人へのタグの発注・納品伝票であって、本件審判請求に係る指定商品について本件商標の使用を立証するものではない。 乙第6号証の1及び2は、商標権者が東京店及び一宮本店で2010年10月に開催した「2011\Spring & Summer Collection」の案内書及び案内用ハガキであるが、これらに本件商標は記載されていない。 (2)判断 ア 使用時期及び使用商品について (ア)ボレロについて 前記(1)アで認定した事実によれば、商標権者は、「ストール、ボレロ、ショール、マフラー」の4とおりの着こなしができる使用商品1を本件審判請求の登録前3年以内である、2010年8月に製造元の中国の会社から納品され、本件使用商標を付した使用商品1を2010年9月21日ころに、ユニー株式会社に販売していたと認められる。そして、使用商品1(ボレロ)は、本件審判請求に係る指定商品の範ちゅうの商品と認められるものである。 この点について、請求人は、使用商品1はそのタグに「4WAY STOLE」と記載され、「ストール」と認識されるものであるから、本件審判請求に係る商品ではない旨主張しているが、同タグには、4とおりの使用方法が明示され、ボレロとして使用できるものであるから、使用商品1は、ボレロとしてみて差し支えないと判断する。 (イ)カーディガン、ジレ及びカシュクールについて 前記(1)イないしエで認定した事実によれば、商標権者は、本件使用商標を付した使用商品2(カーディガン)、使用商標3(ジレ)、使用商品4(カシュクール)の販売を企画し、上記各商品の企画仕様書を製造元である中国の会社にセールスマンサンプル納期を9月27日として製造依頼し、少なくとも使用商品2及び4については、展示会用サンプルに衿ネームを取り付けるよう指示していたことが認められる。さらに、使用商品2及び3については、小売店に平成23年1月27日に発送したことが認められる。 そして、各使用商品に係るカーディガン、ジレ、カシュクールは、いずれも本件審判請求に係る指定商品の範ちゅうの商品と認められるものである。 しかしながら、甲各号証によっては、商標権者が、使用商品2ないし4について、いずれも本件審判請求の登録前3年以内に本件使用商標の使用をしていたとは認められない。 被請求人は、乙第2号証の7は、本件審判の予告登録後の平成23年1月27日の使用に係るものであるが、同日前に、販売店に「Clover」の商標を付した商品見本を提示するなどの営業活動を行い、その結果、「レース衿カーディガン」が、販売に至ったことを証明するために提出するものである旨主張するが、同日前にも同商品の販売に関する営業活動が行われていたであろうと推測できるとしても、その販売活動が本件審判請求の登録前に行われていたとまでは推測できるものではなく、したがって、前記標章の使用が本件審判請求の登録前3年以内に商標権者によりされていたとまでは認められない。なお、商標権者は、2010年10月に展示会「2011\Spring & Summer Collection」を開催されたことは認められるものの、当該展示会に使用商品1ないし4が実際に展示されていたことを具体的に示す証拠は提出されていない。 (ウ)その他 商標権者は、前記のとおり、2010年10月にジレ、カシュクール、ボレロ等の展示会を行い、その案内書、案内はがきが作成されたことは認められるが、当該案内書等には、本件商標に係る記載はなく、いずれも本件商標の使用事実を立証するに足らない。 イ 使用商標と本件商標との同一性について 使用商標は、「clover green label」の欧文字を手書き風のブロック体又は筆記体で同書同大に表し、これらの文字を挟むようにその前後にアステリスクを配した構成よりなるものであるが、本件使用商品を扱う取引分野において「green label」の文字部分が、使用商品の品質等を直接表示するものではないから、自他商品の識別機能を有しないものとはいえず、使用商標は当該部分も独自の識別性を有すると認められること及び各文字が同書同大に表され、しかも一体的に認識されるように前後にアステリスクが配されていることから、これらの文字は一連一体のものとして認識されるというのが相当である。 そうすると、使用商標は、本件商標とは構成文字「green label」の有無の顕著な差異を有するものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標とはいえないというのが相当である。 被請求人は、使用商標は、「クロ(ー)バーの図形」を組み合わせて使用されていることから、「Clover」印と認識されると主張しているが、上記のとおり、使用商標は、一連一体の商標と認識され、かつ、「green label」の文字部分も独自の識別性を有しているものであって、使用商標より、「clover」の文字部分のみを捕らえ、「Clover」印と認識するとは認められない。 エ まとめ 以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、その指定商品中の取消請求に係る商品について、商標権者による使用はされなかったというべきである。 (3)結論 以上のとおり、本件商標は、その指定商品のうち「結論掲記の商品」について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても、使用をされていないものであり、かつ、使用をされていないことについて正当な理由があることも認められないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべきである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2011-08-30 |
結審通知日 | 2011-09-01 |
審決日 | 2011-09-14 |
出願番号 | 商願昭40-29598 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(105)
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最終処分 | 成立 |
特許庁審判長 |
野口 美代子 |
特許庁審判官 |
内山 進 前山 るり子 |
登録日 | 1968-07-20 |
登録番号 | 商標登録第786884号(T786884) |
商標の称呼 | クローバー、クロバー |
代理人 | 向山 正一 |