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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない X35
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X35
管理番号 1246381 
審判番号 不服2010-16854 
総通号数 144 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-07-27 
確定日 2011-10-19 
事件の表示 商願2009-84679拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「佐世保バーガー」の文字を標準文字で表してなり,第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として,平成21年11月9日に登録出願され,その後,指定役務については,当審における同22年7月27日提出の手続補正書により,「ハンバーガーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は,『佐世保バーガー』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ,佐世保バーガーについて新聞記事情報やインターネット情報によれば,日本のハンバーガーは,長崎県佐世保市で今から半世紀前に米軍海軍基地の兵士向けのハンバーガー店が開かれたこと,そのハンバーガーは『佐世保バーガー』とよばれ,『日本初』とうたわれていること,2006年11月現在で佐世保市には20店舗以上の『佐世保バーガー』の店があること,『佐世保バーガー』は今では長崎県佐世保市の郷土食として親しまれ,全国的に注目され始めたことなどが認められる。そうとすると,本願商標をその指定役務中,上記文字に照応する役務(たとえば,佐世保産のハンバーガーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供)に使用しても,単に役務の質を表示するものと認められる。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記以外の役務に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審における審尋
当審において,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当するものとしたので,同法第56条で準用する特許法第134条第4項の規定に基づき,請求人に対し,「本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する」旨と,「原査定は,本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶したものであるが,原査定における同法第3条第1項第3号該当性と同第6号該当性については,いずれも,本願商標をその指定役務に使用しても,自他役務識別標識としての機能を有するものではなく,同法第3条第1項所定の商標登録の要件を欠く商標に該当するという判断に至るものであるから,両者は,その判断の内容において実質的に相違するものではない」旨の審尋書を発し,改めて意見を求めた。

4 請求人からの応答
請求人からは,前記3の審尋書に対し,所定の期間を経過するも何らの応答もなかった。

5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号について
本願商標は,前記1のとおり「佐世保バーガー」の文字を標準文字で表してなり,第35類「ハンバーガーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務とするものであるところ,本願商標からは,「佐世保市産のハンバーガー」程の意味合いが直ちに理解されるから,これを指定役務中「佐世保市産のハンバーガーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用しても,これに接する取引者,需要者は,単に該役務の取扱商品を認識するにとどまり,何人かの業務に係る役務であることを認識することができないというのが相当である。
そうすると,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当するというべきである。

(2)請求人の主張について
ア 請求人は,請求人が独自に開発したハンバーガーに,初めて「佐世保バーガー」という名称を付したのだから,本願商標は,請求人のものとして登録されるべきである旨主張し,証拠方法として,甲第2号証を提出している。
しかしながら,請求人が初めて「佐世保バーガー」の名称をハンバーガーに付したのだとしても,審決時において,本願商標「佐世保バーガー」によっては,その指定役務が何人かの業務に係るものであることを認識することができないのであれば,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当することとなり,商標登録をすることができない。
そして,本願商標は,既に述べたとおり,その指定役務中「佐世保市産のハンバーガーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用しても,これに接する取引者,需要者は,単に該役務の取扱商品を認識するにとどまるから,何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものである。
そうすると,本願商標は,審決時において,商標法第3条第1項第6号に該当するというべきである。
したがって,請求人の上記主張は,採用することができない。

イ 請求人は,「佐世保バーガー」はマスコミに多く採り上げられ,需要者の間に広く認識されるに至っているから,商標法第3条第2項の規定により,本願は登録されるべきである旨主張し,証拠方法として,甲第3号証を提出している。
しかしながら,商標法第3条第2項は,商標が使用をされた結果,需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるに至ったものについて,商標登録を受けることができるとしているところ,請求人が提出した証拠(甲第3号証)によっては,本願商標が,商標としてその指定役務に使用されている事実を認めることができない。
また,甲第2号証によれば,例えば,「10月22日(木)に発売される『ビジネスチャンス2009年12月号』で佐世保バーガーが紹介されます。」,「9月11日(金)に放送される『キャンパスナイトフジ』でショーンキングストーンコラボレーション企画『佐世保肉厚バーガー』が紹介されます。」などと記載されていることが認められるものの,実際に,どのようにして「佐世保バーガー」が紹介されたのか明らかではないことより,これらの雑誌やテレビ放送等において,本願商標「佐世保バーガー」が,その指定役務(ハンバーガーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供)について使用されていることを認めることができないから,これらの雑誌やテレビ放送等によって,本願商標が需要者の間に広く認識されたということはできない。
さらに,同証拠によれば,請求人に係る店舗は,「高円寺総本店」,「中野南口店」,「ラゾーナ川崎店」など,東京都と神奈川県にとどまるものであることが認められるから,広く全国において,本願商標をその指定役務に使用しているとはいえない。
このほかには,請求人からは,本願商標の,その指定役務についての使用期間,使用地域,広告宣伝の方法,回数及び内容等を示す証拠は,何ら提出されていない。
以上のことを勘案すると,本願商標は,一定程度使用されていることはうかがえるものの,その結果,需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるに至ったものとはいうことができないから,本願商標が,商標法第3条第2項の要件を具備するものとはいえない。
したがって,請求人の上記主張は,採用することができない。

(3)結語
以上のとおりであるから,本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものとした前記3の審尋書は妥当なものであり,かつ,本願商標は,同法第3条第2項の要件を具備するものではない。
したがって,本願商標は,商標登録することができないから,本願は,拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-08-09 
結審通知日 2011-08-12 
審決日 2011-08-23 
出願番号 商願2009-84679(T2009-84679) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (X35)
T 1 8・ 16- Z (X35)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 津金 純子大森 健司 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 守屋 友宏
田中 亨子
商標の称呼 サセボバーガー 

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