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審決分類 審判 査定不服 商3条1項5号 簡単でありふれたもの 取り消して登録 X28
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 取り消して登録 X28
管理番号 1246312 
審判番号 不服2010-13119 
総通号数 144 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-06-16 
確定日 2011-11-01 
事件の表示 商願2008-99929拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲に表示するとおりの構成よりなり、第28類「ゴルフ用具,ゴルフクラブ,ゴルフクラブ用ヘッド,ゴルフクラブ用シャフト,ゴルフバッグ,ゴルフ用手袋,その他の運動用具」を指定商品として、平成20年12月11日に登録出願され、指定商品については、当審における同22年7月13日受付け及び同23年5月30日受付けの手続補正書により、最終的に、第28類「ゴルフクラブ,ゴルフクラブ用ヘッド,ゴルフクラブ用シャフト」と補正されているものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『R9』の文字を書してなるが、アルファベットの1字及び数字は商品の品番、種別等を表す記号、符号として取引上普通に使用されているものであるから、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の品番、種別等を表す記号、符号として理解するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たしえないものといえる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。」と認定、判断して本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第5号該当性について
本願商標は、別掲に表示するとおり、ややデザイン化され、右に傾けたローマ字の1字「R」と数字の1字「9」とを結合した「R9」を横書きした構成よりなるものである。
近時、レタリング技法の進展により、商品の広告、宣伝等において、ローマ字や数字を装飾的に図案化して表現する手法は決して珍しいことではなく、広く採用されているところであり、一方、このような広告、宣伝等に接する需要者も、それらについて文字や数字を表したものと認識、把握している実情にあるといい得るものであるから、本願商標の構成中、ややデザイン化された「R」の文字や「9」の数字は、通常の「R」や「9」よりも、上部において丸みを帯びていたり、下部において角張っているものの、それぞれ、「R」や「9」の特徴的形象を十分に表しているものであり、未だ普通に用いられる方法で表示する域を脱しない程度に表してなるものとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、ローマ字の1字「R」と数字の1字「9」とを結合した「R9」を表してなるものと容易に認識し、把握されるとみるのが自然である。
そうすると、本願商標は、ローマ字の1字「R」と数字の1字「9」とを結合したものであって、ややデザイン化されてはいるものの、文字数も2文字と少ないものであるから、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなるものであり、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第5号に該当するとした原査定に誤りはない。

2 商標法第3条第2項該当性について
請求人は、本願商標は、使用により自他商品の識別力を獲得しているから、商標法第3条第2項の要件を具備している旨主張し、証拠方法として、原審において、第1号証ないし第12号証並びに当審において、甲第1号証ないし同第4号証及び同第16号証ないし同第64号証(枝番を含む。)を提出している。
そして、これらから、以下の事実が認められる。
ア 甲第16号証ないし同第19号証、同第22号証、同第24号証、同第27号証、同第28号証、同第30号証ないし同第32号証、同第43号証及び同第44号証によれば、請求人は、本願商標を付した商品「ゴルフクラブ,ゴルフクラブ用ヘッド」を、2009年(平成21年)3月から継続して、製造、販売している事実が認められる。
イ 甲第47号証ないし同第50号証、同第52号証、同第56号証、同第57号証及び同第60号証によれば、本願商標を付した商品「ゴルフクラブ」について、2009年(平成21年)3月から同年12月までの間に、新聞、雑誌及びテレビ放送等への広告を積極的に行い、全国的に相当数の広告宣伝を行った事実が認められる。また、甲第57号証によれば、商品「ゴルフクラブ用シャフト」についても、本願商標の広告宣伝を行った事実が認められる。
ウ 甲第61号証及び同第62号証によれば、本願商標を付した商品「ゴルフクラブ」のうち、「ドライバー」については、2009年(平成21年)3月から2010年(平成22年)3月までの間に、「アイアン」については、2009年(平成21年)9月から2010年(平成22年)3月までの間に、国内での販売開始直後から長期間にわたって、週間売上ランキングの上位に位置し、相当程度の売上げを占めている事実が認められる。
以上によれば、本願商標は、商品「ゴルフクラブ、ゴルフクラブ用ヘッド、ゴルフクラブ用シャフト」について使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、その指定商品について、商標法第3条第2項に規定する要件を充たしているものであるから、同法第3条第1項第5号に該当するとして、本願を拒絶すべき限りでない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本願商標


審決日 2011-10-17 
出願番号 商願2008-99929(T2008-99929) 
審決分類 T 1 8・ 17- WY (X28)
T 1 8・ 15- WY (X28)
最終処分 成立  
前審関与審査官 佐々木 悠源金子 尚人 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 前山 るり子
小林 正和
商標の称呼 アアルキュー、アアルナイン 
代理人 柳田 征史 
代理人 佐久間 剛 
代理人 中熊 眞由美 

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