• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X25
審判 一部申立て  登録を維持 X25
審判 一部申立て  登録を維持 X25
審判 一部申立て  登録を維持 X25
審判 一部申立て  登録を維持 X25
管理番号 1244925 
異議申立番号 異議2011-900142 
総通号数 143 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-11-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-04-22 
確定日 2011-10-22 
異議申立件数
事件の表示 登録第5385927号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5385927号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5385927号商標(以下「本件商標」という。)は,「ROCHEL」の欧文字を標準文字で現してなり,平成22年10月2日に商標登録出願,第25類「被服,洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴,乗馬靴」を指定商品として,平成22年12月21日に登録査定,同23年1月21日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下のとおりであり,現に有効に存続しているものである。
(1)登録1661014号商標(以下「引用商標1」という。)は,「ROCHAS PARIS」の欧文字と,「ロシャス パリ」の片仮名を二段に横書きしてなり,1980年1月8日にフランス共和国においてした商標登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張して昭和55年3月3日に商標登録出願,第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,昭和59年2月23日に設定登録されたものであり,その後,2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ,また,平成17年11月9日に,第24類「フランス製の敷布,フランス製の布団,フランス製の布団カバー,フランス製の布団側,フランス製のまくらカバー,フランス製の毛布,フランス製のベッド用リネン製品,フランス製の羽根布団」及び第25類「フランス製の帽子,フランス製のスカーフ,フランス製のネクタイ,その他のフランス製の被服」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
(2)登録4231299号商標(以下「引用商標2」という。)は,「ROCHAS PREMIERE」の欧文字からなり,平成9年4月28日に商標登録出願,第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い」を指定商品として,平成11年1月14日に設定登録されたものであり,その後,商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
(3)登録4282570号商標(以下「引用商標3」という。)は,「ROCHAS」の欧文字からなり,平成10年5月19日に商標登録出願,第25類「下着,ストッキング,パンティストッキング,その他の靴下,その他の被服」を指定商品として,平成11年6月11日に設定登録されたものであり,その後,商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
(4)国際登録697119号商標(以下「引用商標4」という。)は,「ROCHAS」の欧文字からなり,2003年(平成15年)8月27日に国際商標登録出願(事後指定),第18類「Leather and imitation leather, goods made thereof not included in other classes, pelts, trunks and suitcases, umbrellas, parasols and walking sticks, whips and saddlery.」及び第25類「Ties, scarves, shirts, underwear, stockings, hosiery, clothes and any clothing items, including boots, shoes and slippers.」を指定商品として,平成16年9月24日に設定登録されたものである。
以下,上記登録商標をまとめていうときは「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第10号,同第11号及び同第15号に該当するから,同法第43条の2第1号によりその登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。
<申立ての理由>
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,標準文字を指定した欧文字「ROCHEL」であるのに対し,引用商標は,欧文字で「ROCHAS」,「ROCHAS PARIS\ロシャス パリ」,「ROCHAS PREMIERE」と書してなるので,本件商標は,語頭から4文字「R」「O」「C」「H」が,並び順を含め,引用商標と一致する相紛らわしい外観上類似の商標である。
また,本件商標からは「ロシェル」の称呼を生じ,引用商標から「ロシャス」の称呼を生ずるので,両者は相紛らわしい称呼上類似の商標である。
そして,両商標は,それぞれの指定商品が互いに類似する。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
ア 申立人は,1925年にフランスのパリにおいて,Marcel Rochasが,オート・クチュールのメゾンとして創業した。2/3丈のコートやポケット付きのスカート,そしてマーメイド・ドレスを考案した同氏は,妻Heleneとの結婚を記念して1944年に製作した香水「Femme」をその後に商品化して,1953年に香水の高級ブランドとしての地位を確立している。
同人が他界した1955年以降は,その妻が,事業を引き継ぎ,フランス初の女性CEOとなった後も,香水の名門として今日に至っている。
そうした申立人の代表作の一つ「EAU DE ROCHAS」は,発売から40年が経った2010年の今も,年間5500万本(約3分間に1本の割合で)売れている定番の人気香水であり,業界のみならず一般消費者の間でも周知・著名な香水及び服飾品(現在は,オート・クチュールとプレタポルテの両方)の老舗として,申立人の略称及び商標である「ROCHAS」は,我が国でも広く知られているものである(甲第6号証)。
そして,その周知・著名な商標「ROCHAS」は,香水及び服飾品を中心とする各商品及び役務の区分において,引用商標をはじめとする商標登録の総数が現在も存続しているだけで21を数える申立人にとり極めて重要な商標である(甲第7号証)。
そうしたなか,申立人の周知・著名な商標及び略称である「ROCHAS」と外観及び称呼が紛らわしい「ROCHEL」なる商標を使用すれば,あたかも申立人の商標と何らかの繋がり,関連を有する商品であるかのように需要者・取引者のみならず広く一般に誤認され,出所の混同を招くことが明らかである。
イ 本件商標と引用商標は,前記(1)のとおり,「R」「O」「C」「H」まで一致するから,それぞれを時と所を異にして離隔的に観察したとき,需要者は本件商標から引用商標を連想し,誤って認識するおそれがある。
また,本件商標からは,「ロシェル」の称呼を生じ,引用商標からは「ロシャス」の称呼を生ずるので,両者は相紛らわしい類似の商標であり,それぞれの指定商品が同一又は類似するものである。
以上のように,本件商標と引用商標とは,外観において,文字種,構成する文字そしてその並びが近似するだけでなく,称呼全体の印象も近似しており,これらの相似点を考慮すれば,双方の間で混同を生ずるおそれがある。
ウ したがって,本件商標がその指定商品について使用されれば,需要者と取引者が同じである以上,申立人の引用商標を付した商品との間で出所の混同を生ずるおそれは避けられない。
(3)結び
以上のとおり,本件商標は,申立人の周知・著名な商標及び略称との混同を招くおそれが強く,引用商標と類似の商標であり,また,その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号,同第11号及び同第15号に該当し,その登録は商標法第43条の2第1号の規定により取り消しを免れない。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は,前記1のとおり,「ROCHEL」の欧文字を表してなるところ,これよりは,「ロシェル」の称呼を生ずるものであり,該文字は,特定の語義を有しない造語であることから,観念は生じないものである。
イ 引用商標
引用商標1は,「ROCHAS PARIS」の欧文字と「ロシャス パリ」の片仮名とを二段に書してなるところ,その構成中,「PARIS」及びその読みである「パリ」の文字部分は,「フランスの首都であるパリ」を表すものであって,商品の産地,販売地を表す文字部分であることから,「ROCHAS」及び「ロシャス」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
そして,「ROCHAS」又は「ロシャス」の文字部分からは,「ロシャス」の称呼を生じ,該文字は,特定の語義を有しない造語であることから,観念は生じないものである。
また,引用商標2は,「ROCHAS PREMIERE」の欧文字からなるところ,その構成中,「PREMIERE」の文字部分は,「最初の,最高の,第1級の」等の意味を有するフランス語であって,商品の品質を誇称する語としてしばしば使用される場合があり,さほど強い識別力を有するとはいい難いものであることから,「ROCHAS」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものと認められる。
そうとすれば,引用商標2は,「ROCHAS」の文字部分から,「ロシャス」の称呼を生じ,該文字は,特定の語義を有しない造語であることから,観念は生じないものである。
さらに,引用商標3及び4は,「ROCHAS」の欧文字からなるところ,これよりは,「ロシャス」の称呼を生じ,該文字は,特定の語義を有しない造語であることから,観念は生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と,引用商標1及び2の「ROCHAS」の文字部分,引用商標3及び4とを比較するに,本件商標から生ずる「ロシェル」の称呼と,引用商標1及び2の「ROCHAS」の文字部分,引用商標3及び4から生ずる「ロシャス」の称呼とは,それぞれ極めて短い3音構成であり,そのうち,第2音及び第3音において「シェル」と「シャス」の音の差異を有するものである。
そして,第2音目の「シェ」と「シャ」は,母音「e」と「a」とを異にするものであり,加えて,第3音目の「ル」と「ス」の音の明確な差異を有するものであるから,それぞれを一連に称呼しても,語調,語感が異なり,互いに相紛れるおそれはないものである。
また,本件商標と,引用商標とは,外観において明らかに区別し得るものであり,また,観念については,いずれも造語であることから両者を比較することができない。
してみれば,本件商標は,称呼,外観及び観念のいずれの点からみても,引用商標と非類似の商標と判断するのが相当である。
したがって,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
提出に係る周知性に関する証拠は甲第6号証のみであるところ,該証拠は,申立人のウェブサイトのトップページであって,「ROCHAS」の欧文字及び赤字により「PARIS」の文字を二段に表示して,商品「FRAGRANCES」(香水),「FASHION」(婦人服)を掲載したページであり,また,「HERITAGE」として申立人業務の経緯を示したページと窺えるものである。
そして,これらは全て英語等によるものであるから,その内容等は明確ではないが,商品「香水,婦人服」に「ROCHAS」の欧文字が使用されているものと認められる。
また,当審において調査したところ,我が国において「ROCHAS」の文字を使用し「香水」等が販売されている事実が認められる。
しかしながら,申立人提出に係る証拠を勘案しても,我が国における営業の規模(店舗数,営業地域,売上高等),広告宣伝の方法,回数及び内容等を証する書面の提出はなく,そうとすれば,申立人提出に係る証拠によっては,本件商標の登録出願時及び査定時において,引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして著名であるとまでは認めることができない。
さらに,本件商標と引用商標とは,前記(1)のとおり十分に区別し得る別異の商標であるから,商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても,申立人の引用商標を想起,連想させるものではないというのが相当であり,申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。
したがって,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反してされたものではない。
(3)まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第10号,同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録は維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2011-10-07 
出願番号 商願2010-77121(T2010-77121) 
審決分類 T 1 652・ 25- Y (X25)
T 1 652・ 271- Y (X25)
T 1 652・ 261- Y (X25)
T 1 652・ 262- Y (X25)
T 1 652・ 263- Y (X25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 鈴木 斎佐藤 丈晴 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 田中 亨子
大橋 良成
登録日 2011-01-21 
登録番号 商標登録第5385927号(T5385927) 
権利者 株式会社シュタイン
商標の称呼 ロシェル、ロチェル 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 
代理人 加藤 義明 
代理人 山崎 和香子 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ