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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X0942
審判 全部申立て  登録を維持 X0942
審判 全部申立て  登録を維持 X0942
審判 全部申立て  登録を維持 X0942
管理番号 1244923 
異議申立番号 異議2011-900074 
総通号数 143 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-11-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-02-25 
確定日 2011-10-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第5371752号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5371752号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5371752号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成22年4月22日に登録出願、第9類「映像を3次元的に表現する方式を用いた業務用テレビゲーム機,映像を3次元的に表現する方式を用いたテレビジョン受信機,映像を3次元的に表現する方式を用いた電気通信機械器具,映像を3次元的に表現する方式を用いた電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。),映像を3次元的に表現する方式を用いた電子計算機用プログラム,映像を3次元的に表現する方式を用いた家庭用テレビゲームおもちゃ,映像を3次元的に表現する方式を用いた携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,映像を3次元的に表現する方式を用いたインターネットを利用して受信及び保存することができる画像ファイル」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,映像を3次元的に表現する方式を用いた電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,映像を3次元的に表現する方式を用いた電子計算機用プログラムの提供」を指定商品及び指定役務として、同年11月11日に登録査定、同年11月26日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、次の(1)ないし(4)とおりであり、当該商標権は現に有効に存続している(なお、これらの商標を総称するときには「引用各商標」という。)。
(1)登録第3322937号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成6年12月27日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年6月13日に設定登録されたものである。
(2)登録第4750875号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、平成13年12月21日に登録出願、第9類、第14類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年2月27日に設定登録されたものである。
(3)登録第4915762号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、平成17年4月7日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年12月16日に設定登録されたものである。
(4)登録第5027590号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲4のとおりの構成からなり、平成18年7月31日に登録出願、第3類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年2月23日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)商標法第4条第1項第11号について
(ア)外観における類似
本件商標と引用商標2とは、上段の「D2」(決定註:別掲1及び3のとおり「2」の数字は、欧文字の右肩に上付き文字様に小さく表示してなる。以下「2(二乗)」と表す。)が同一であり、また、下段の「DSQUARE」を共通にし、両商標の構成文字の大部分は一致しており、強い共通性を有している。したがって、両商標は外観上類似する商標である。
(イ)称呼における類似
本件商標は、上段にロゴ化した「3D2(二乗)」を配し、下段に白抜きの「3DSQUARE」を配した構成からなる。数字は多くの商品・役務の品番、規格、等級等を表示するための記号・符号として類型的に採択、使用されており、本件商標構成中の数字「3」は識別力を有さず、下段を構成する「SQUARE」は「二乗」を意味する英単語である。そうすると、本件商標の要部は、上段の「D2(二乗)」及び下段の「DSQUARE」である。
したがって、本件商標は、「ディースクエアー」と称呼される。
他方、引用商標2は、上段の「D2(二乗)」及び下段の「DSQUARED2(二乗)」の構成文字に即して「ディースクエアー」又は「ディースクエアード」と称呼される。
そうとすると、両者は「ディースクエアー」の称呼において同一である。
また、引用商標2が「ディースクエアード」と称呼される場合、本件商標の称呼と引用商標2の称呼とは、語尾音「ド」の有無において相違するが、その差異音が比較的聴取され難い語尾部分のみであり、差異音が称呼全体に与える影響は微弱である。したがって、称呼「ディースクエアー」と「ディースクエアード」とは非常に類似している。
(ウ)以上より、本件商標と引用商標2とは外観上及び称呼上において類似し、その指定商品も類似する。
したがって、本件商標は、引用商標2との関係で商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
(ア)本件商標と引用各商標の共通性
本件商標と引用商標1ないし3とは、上段の「D2(二乗)」が同一であり、下段の「DSQUARE」を、また、引用商標4とは「DSQUARE」を共通としており、両者の共通性は非常に強いといえる。
(イ)引用各商標の独創性及び周知著名性
引用各商標は、1992年にイタリアで創設されたブランド名であり、その創設者(Dean CATEN、及びDan CATEN)の頭文字「D」の二乗の意味から由来し(甲第6号証)、「DSQUARED2(二乗)」、「DSQUARED」、「D2(二乗)」のロゴ及びその組み合わせから構成されており、創設者の名前に因んだ独創性が非常に高いものである。
そして、ブランド「ディースクエアード」が、日本のみならず世界中で周知性及び著名性を獲得していることは明らかであり(甲第7号証ないし甲第18号証)、「DSQUARED2(二乗)」及び「D2(二乗)」が、「ディースクエアード」を示す商標として周知性及び著名性を獲得していることも明らかである。
(ウ)被服ブランドの多角的な展開
「ディースクエアード」は被服を主とするブランドであるが、被服ブランドが被服とは関連性の乏しい携帯等の電子機器や車等に対してもデザインを展開していることは広く知られているところである(甲第19号証ないし甲第22号証)。
(エ)混同を生ずるおそれ
以上のとおり、引用各商標の独創性と著名性、及び本件商標との共通性、加えて、商品展開などを考慮すると、本件商標を使用した商品及び役務に接する取引者及び需要者は、当該商品及び役務がブランド「ディースクエアード」と何らかの関連性を持つと混同するおそれを免れることはできない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標と引用商標2とが類似し、また、引用商標2が日本国内及び外国において周知・著名性を有していること、及び独創性が非常に高い点などを考慮すると、商標権者が本件商標の構成文字に「DSQUARE」及び「D2(二乗)」を一つの商標に含めて採用することはあり得ないことであり、申立人の名声をフリーライドしようとする行為に他ならない。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。
(4)むすび
以上の次第で、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に該当するから、商標法第43条の2第1号によって取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲1のとおり、上段に黄緑色の数字「3」の下部に青色の欧文字「D」を交差するように表し、その欧文字の右肩に上付き文字様の赤色の数字「2(二乗)」を小さく重ねた図形と、下段に8個の黒塗り正方形内に「3」「D」「S」「Q」「U」「A」「R」「E」の各文字を白抜きで表した構成からなるものであるところ、その構成中の上段の「3」と「D」の文字及び下段の冒頭の「3D」の文字からは、共に「立体的であること、三次元」(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)などの意味を有する語を容易に認識,把握させるものであり、また、赤色の数字「2(二乗)」は、上段の「3」と「D」の各文字より小さく表され、かつ、青色の欧文字「D」との位置関係において、上方に配されていることから、「同一の数(文字・式)二つを掛け合わせること。」(前出「広辞苑第六版」)を意味する「二乗」を容易に想起、理解させるものである。
そして、下段の「SQUARE」の各文字は、「二乗」を表したものと理解させる上段の「2(二乗)」の表示と相まって、「二乗」を英語表記したものというのが自然である。
そうすると、本件商標は、「3D」及び「2(二乗)」並びに「SQUARE」に相応して「三次元」と「二乗」の観念を生じるということができ、また、上段の文字部分からは「スリーディーニジョウ」の称呼が生じ、下段の文字部分からは「スリーディースクエアー」の称呼が生じるものである。
なお、本件商標の構成中、上段と下段の「3D」の文字部分は、「立体的であること、三次元」などの意味を有する既成語を容易に認識、把握させるものであって、かかる構成から数字「3」のみを分離、捨象して認識するとみるべき特段の理由は見当たらないから、この点を述べる申立人の主張は理由がなく採用することができない。
他方、引用商標2は、別掲3のとおり、上段に「D2(二乗)」の文字を表し、下段に「DSQUARED2(二乗)」の文字を表した構成からなるところ、上段の「D2(二乗)」からは、「Dの二乗」ほどの観念と、「ディーニジョウ」の称呼を生じるものである。
また、下段の「DSQUARED2(二乗)」の文字部分は、特定の意味合いが生じるものでないが、その構成中の「SQUARE」の綴りは、「正方形、平方、二乗」などの意味を有する英単語であることから、全体として「ディースクエアードニジョウ」又は「ディースクエアードツー」と称呼されるものといえる。
そこで、本件商標と引用商標2との類否をみるに、外観については、両者の上段の「3D2(二乗)」と「D2(二乗)」では、「2(二乗)」の部分を共通にするとしても、色彩が相違するうえ、前者は、「3」と「D」の文字が交差しているのに対して、後者は、数字「3」がないものであり、かつ、下段の綴りを比較してみても、両者は、冒頭において「3D」と「D」、及び語尾の「D2(二乗)」の有無とする顕著な差異を有するものであるから、これに接する需要者の通常の注意力をもってすれば、その外観を見誤ることはないということができるから、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、互いに見誤るおそれのない外観上非類似の商標というべきである。
次に、本件商標から生じる「スリーディーニジョウ」と引用商標2から生じる「ディーニジョウ」の称呼とは、「スリー」の音の有無の顕著な差異により十分に聴別できるものであり、また、本件商標から生じる「スリーディースクエアー」の称呼と引用商標2から生じる「ディースクエアードニジョウ」及び「ディースクエアードツー」の称呼も、音構成及び構成音数の顕著な差異により十分に聴別できるものである。
さらに、本件商標は、「三次元」と「二乗」の観念を生じるのに対して、引用商標2は、「Dの二乗」の観念を生じるものであるから、観念については判然と識別できるものである。
ほかに、本件商標と引用商標2とは、これらを同一又は類似の商品や役務に使用した場合に出所の混同を生ずるおそれがあるとみるべき特段の取引の事情も見いだせない。
したがって、本件商標と引用商標2とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人が提出した甲第6号証ないし甲第22号証は、2011(平成23)年5月23日ないし24日にプリントアウトされた日本語によるウェブサイトの写しであって、申立人のブランド名の由来に係る記述(甲第6号証)ほか、「ディースクエアード(Dsquared2)」、「ディースクエアード」及び「DSQUARED2」の各文字が記載され、また2010年春夏新作とする胸部分に「D2(二乗)」がプリントされたポロシャツに係る販売情報などの掲載は認められるものの(甲第7号証ないし甲第18号証)、このうち人気モデルとする2名のブログ(甲第12号証及び甲第13号証)に係る情報以外は、いずれも本件商標の登録出願日以後の情報、或いは不明なものであるばかりでなく、これらに掲載されているものには、引用各商標と同一の構成態様からなる商標の掲載は見いだせない。
してみれば、甲各号証からは、本件商標の登録出願時における「ディースクエアード」の文字及び引用各商標の使用時期、当該商品の取引規模や宣伝・広告などの取引の具体的状況は不明というほかないから、「ディースクエアード」の文字や引用各商標が日本のみならず世界中で周知性及び著名性を獲得していたとものとの申立人の主張をにわかに認めることはできない。ほかに「ディースクエアード」の文字や引用各商標が被服を主とする商品に使用する商標として、本件商標の登録出願時に需要者の間に広く認識されているという証拠は見いだせない。
また、申立人は、被服ブランドが被服とは関連性の乏しい携帯等の電子機器や車等に対してもデザインを展開していることは広く知られているところであると述べているが(甲第19号証ないし甲第22号証)、これら事実が僅かながらあるとしても、これをもって被服に係るブランドが普通に電子機器等の分野にも展開されていることを認めるには足りないばかりでなく、本件商標の指定商品や指定役務に係る分野において、引用各商標が使用されている事実も認められない。
そうすると、前記(1)のとおり、本件商標と引用商標2とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても非類似の商標というべきものであり、引用商標1、3及び4もこれと同様に非類似の商標と判断できるものである。しかも、本件商標の指定商品及び指定役務と「ディースクエアード」の文字及び引用各商標の使用に係る商品の関連性も薄いものといえるから、本件商標は、その指定商品又は指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者をして「ディースクエアード」や引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品又は役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標と引用商標2とは、前記(1)のとおり、非類似の商標と認められるものであり、また、本件商標は、申立人の提出に係る証拠によって、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的)をもって使用をするものであることを認めることができず、ほかに「不正の目的」をもって使用をするものに該当すると認めるに足りる特段の事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号所定のその他の要件について論及するまでもなく、同号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
1 本件商標

(色彩は、原本参照)

2 引用商標1


3 引用商標2及び同3


4 引用商標4


異議決定日 2011-09-28 
出願番号 商願2010-32455(T2010-32455) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (X0942)
T 1 651・ 262- Y (X0942)
T 1 651・ 222- Y (X0942)
T 1 651・ 271- Y (X0942)
最終処分 維持  
前審関与審査官 瀬戸 俊晶 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 末武 久佳
田中 亨子
登録日 2010-11-26 
登録番号 商標登録第5371752号(T5371752) 
権利者 株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル
商標の称呼 サンデイニ、スリーデイニ、スリーディーニ、サンデイツー、スリーデイツー、スリーディーツー、サンデイスクエア、スリーデイスクエア、スリーディースクエア、スクエア、スリーディースリーディー、スリーデイスリーデイ、サンデイサンデイ 
代理人 竹内 耕三 
代理人 向口 浩二 
代理人 森田 俊雄 
代理人 深見 久郎 

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