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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z05 |
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管理番号 | 1244696 |
審判番号 | 取消2010-300970 |
総通号数 | 143 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-11-25 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2010-09-08 |
確定日 | 2011-09-16 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4518307号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4518307号商標(以下「本件商標」という。)は、「NATUREAR」の欧文字と「ナチュレア」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、平成12年11月10日に登録出願、第5類「薬剤,歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,失禁用おしめ」を指定商品として、平成13年11月2日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 2 請求人の主張 請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を「本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、使用された事実がないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。」旨述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第17号証並びに検乙第1号証ないし検乙第3号証を提出した。 (1)使用の事実 本件商標の商標権者(以下単に「商標権者」という。)は、本件商標の商標権について通常使用権を、杏林製薬株式会社(東京都千代田区神田駿河台2丁目5番地、以下「杏林製薬」という。)に、平成14年3月25日に許諾した(乙第1号証)。杏林製薬は、以下のとおり、該使用許諾に基づき本件商標を使用した2種類のビタミン剤を現在まで継続して販売している。 ア 杏林製薬が販売する2種類のビタミン剤のうちの一つは、ビタミンEを主成分とする「ナチュレア E300」であり、「E」はビタミンEを示し、「300」は大人一日量が「300mg」であることを示しており、「ナチュレア E300」には、240カプセル入りのものと、60カプセル入りの2種類が販売されている(乙第2号証、検乙第1号証及び検乙第2号証。以下「本件商品1」という。)。他の一つは、ビタミンCを主成分とする「ナチュレアC」であり、「C」はビタミンCを示している(乙第3号証、検乙第3号証。以下「本件商品2」という。)。 イ 本件商品1の個箱の正面、背面及び天面には、「ナチュレア」と「E300」が二段に表記され、その下部に「NATUREAR E300」の表記があり、左右両側面上部には、「NATUREAR E300」と表記されている。また、本件商品2の個箱の正面、背面及び天面には「naturearC」の表記がされており、左側面上部には、「ナチュレアC」の表記がされている。 ウ 本件商品1及び2の販売状況 (ア)杏林製薬の証明書(乙第1号証)に添付された取引書類は、丹平中田株式会社(以下「丹平中田」という。)との間における本件商品1及び2の取引書類であり、別紙1-1は、丹平中田からの平成22年8月16日付け発注書、別紙1-2は、杏林製薬から丹平中田に宛てた平成22年8月17日付け納品案内書、別紙1-3は、杏林製薬の杏林東日本DCから丹平中田吉川倉庫への平成22年8月17日付け送り状であり、平成22年8月18日付けの「マツモトキヨシ」の受領印が押されている。これらの取引書類により、本件商品2(120箱)と本件商品1(240カプセル入り:30箱)が取引された。なお、送り状に「マツモトキヨシ」の受領印が押印されているのは、丹平中田の物流センター内に、小売店の「マツモトキヨシ」専用の物流センターが併設されているからであり、特に吉川倉庫、北関東共同物流センターは、「マツモトキヨシ」専用の物流センターであり、「マツモトキヨシ」が商品を直接受領している。 (イ)乙第4号証は、平成21年10月26日ないし28日に、丹平中田北関東倉庫との間で取引された本件商品1(240カプセル:20箱)の取引書類であり、受領印の記号「MK」は、「マツモトキヨシ」の略である。 (ウ)乙第5号証は、本件商品2(80箱)についての丹平中田名古屋支店との間における平成21年10月27日ないし28日の取引書類である。 (エ)乙第6号証は、平成22年1月4日ないし6日に丹平中田北関東倉庫との間で取引された本件商品1(60カプセル:20箱)の取引書類である。 (オ)乙第7号証は、平成21年12月28日ないし平成22年1月6日に丹平中田神奈川営業所との間で取引された本件商品2(10箱)の取引書類である。 (カ)乙第8号証は、平成22年5月12日ないし平成22年5月14日に丹平中田古川倉庫との間で取引された本件商品1(240カプセル:30箱)の取引書類であり、「マツモトキヨシ」の受領印が押印されている。 (キ)乙第9号証は、平成22年5月13日ないし5月17日に丹平中田吉川倉庫との間で取引された本件商品2(200箱)の取引書類であり、「マツモトキヨシ」の受領印が押印されている。 (ク)乙第10号証は、本件商品1及び2の2007年度から2009年度の過去3年間の販売実績を示す表であり、本件商品1は、過去3年間に総額4,100万円、総数22,800箱販売され、本件商品2は、総額2億3,200万円、総数264,300箱販売されている。 エ 本件商品1及び2の商品個箱内には、ビタミン剤を収納したビンと共に「一般用医薬品の添付文書」が収納されている(乙第1号証ないし乙第3号証、検乙第1号証及び検乙第2号証)が、この「一般用医薬品の添付文書」は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(東京都千代田区霞が関3-3-2新霞ヶ関ビル)のホームページ(http://www.info.pmda.go.jp/)の「一般用医薬品添付文書情報」に収載されている(乙第11号証)。すなわち、一般用医薬品の添付文書情報の検索ページを検索すると、本件商品1及び2の添付文書が検出され、本件商品1は、2008年3月25日に新規掲載され、2010年5月27日に更新されており、本件商品2の添付文書は、2008年3月25日に新規掲載され、2009年12月1日に更新されたことが記載されている。かかる添付文書についての情報の存在は、本件商品1及び2が、少なくとも2010年5月27日及び2009年12月1日には、一般医薬品の市場に存在していたことを示しているものである。更に、本件商品1は、テイカ製薬株式会社が製造し、杏林製薬が販売していること、本件商品2は、第一薬品株式会社が製造し、杏林製薬が販売していることが示されている。 本件商品1及び2が杏林製薬により販売されていることは、インターネットのホームページからも明らかである(乙第12号証ないし乙第17号証)。 (2)むすび 以上のとおり、本件商標は、通常使用権者である杏林製薬により本件審判の請求前に使用されていたものである。 4 当審の判断 (1)乙第1号証ないし乙第9号証によれば、以下の事実を認めることができる。 ア 東京都千代田区神田駿河台2丁目5番地に所在の杏林製薬は、平成14年3月25日に、商標権者より本件商標の使用許諾を受け、その販売に係る2種類の「ビタミン剤」のうち、ビタミンEを主成分とする商品(第3類医薬品:本件商品1)には、その包装箱の正面及び上面に、「ナチュレア」の文字と「E300」の文字を二段に大きく横書きにし、これらの文字の下に「NATUREAR E300」の文字を横書きにして表示し、また、同側面の上段に、「NATUREAR E300」の文字を横書きにして表示したこと。他方のビタミンCを主成分とする商品(第3類医薬品:本件商品2)には、その包装箱の正面及び上面に、「naturearC」の文字とその下に白塗り矩形内に青色で「ナチュレアC」の文字を横書きにして表示し、また、同側面の上段に、「ナチュレアC」の文字を横書きにして表示したこと(以上、乙第1号証ないし乙第3号証、検乙第1号証ないし検乙第3号証)。 イ 杏林製薬は、本件商品1及び2について、丹平中田(吉川倉庫、北関東倉庫、名古屋支店、神奈川営業所)との間で以下の取引をした。 (ア)平成22年8月16日ないし18日に、本件商品1及び2の取引をした(乙第1号証)。 (イ)平成21年10月26日ないし28日に、本件商品1の取引をした(乙第4号証)。 (ウ)平成21年10月27日ないし28日に、本件商品2の取引をした(乙第5号証)。 (エ)平成22年1月4日ないし6日に、本件商品1の取引をした(乙第6号証)。 (オ)平成21年12月28日ないし平成22年1月6日に、本件商品2の取引をした(乙第7号証)。 (カ)平成22年5月12日ないし14日に、本件商品1の取引をした(乙第8号証)。 (キ)平成22年5月13日ないし17日に、本件商品2の取引をした(乙第9号証)。 (2)前記(1)で認定した事実によれば、本件商標の通常使用権者と認めることができる杏林製薬は、第3類医薬品である「ビタミンE主薬製剤」(本件商品1)の包装箱に、本件商標と社会通念上同一と認められる「ナチュレア」の文字と「E300」の文字を上下二段に横書きにした商標及び「NATUREAR E300」の文字よりなる商標を表示し、また、第3類医薬品である「ビタミンC主薬製剤」(本件商品2)の包装箱に、本件商標と社会通念上同一と認められる「naturearC」の文字よりなる商標及び「ナチュレアC」の文字の文字よりなる商標を表示し、本件審判の請求の登録(平成22年9月30日)前3年以内である平成21年10月26日ころから同22年8月18日ころにかけて、丹平中田(吉川倉庫、北関東倉庫、名古屋支店、神奈川営業所)に、これら商品を販売したことを認めることができる。そして、当該通常使用権者の行為は、「商品又は商品の包装に標章を付する行為」、「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、・・する行為」(商標法第2条第3項第1号、同第2号)に該当するものと認めることができる。 また、本件商品1及び2は、本件請求に係る指定商品中の「薬剤」の範ちゅうに属する商品である。 してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が請求に係る指定商品に含まれる「ビタミン剤」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものと認めることができる。 一方、請求人は、前記3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。 (3)むすび 以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2011-04-15 |
結審通知日 | 2011-04-20 |
審決日 | 2011-05-09 |
出願番号 | 商願2000-122074(T2000-122074) |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(Z05)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 石井 千里 |
特許庁審判長 |
野口 美代子 |
特許庁審判官 |
内山 進 前山 るり子 |
登録日 | 2001-11-02 |
登録番号 | 商標登録第4518307号(T4518307) |
商標の称呼 | ナチュレア |
代理人 | 中田 和博 |
代理人 | 青木 博通 |
代理人 | 木村 浩幸 |
代理人 | 竹内 裕 |
代理人 | 柳生 征男 |