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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X09
管理番号 1244690 
審判番号 不服2011-1084 
総通号数 143 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-11-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-01-17 
確定日 2011-09-12 
事件の表示 商願2009-13197拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「SynFlex」の欧文字を横書きしてなり、第9類「理化学機械器具」を指定商品とし、平成21年2月25日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第2015001号商標は、「SEEFLEX」の欧文字を横書きしてなり、1984年5月10日にグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、昭和59年11月9日登録出願され、第10類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同63年1月26日に設定登録され、その後、2回にわたって商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成21年2月18日に指定商品を第9類「理化学機械器具,液面計,その他の測定機械器具」とする指定商品の書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、前記1のとおり、「SynFlex」の欧文字を横書きしてなり、該文字に相応して「シンフレックス」の称呼を生じ、引用商標は、前記2のとおり、「SEEFLEX」の欧文字を横書きしてなり、該文字に相応して「シーフレックス」の称呼を生ずるものである。
そして、両文字は、共に、辞書等に掲載されていない文字であって、特定の意味を有しない造語といえるものであるから、両商標は、特定の観念を生じないものである。
そこで、本願商標と引用商標とを比較するに、本願商標より生ずる称呼「シンフレックス」と引用商標より生ずる称呼「シーフレックス」とは、ともに7音構成からなるところ、称呼の識別上影響の大きい語頭音「シ」を同じくし、第3音以下の「フレックス」の音をも同一にするものであって、異なるところは、第2音において、撥音「ン」と長音「ー」の差異を有するのみである。
しかして、該差異音である撥音「ン」は、弱く響く鼻音であることから、摩擦音で明確に発音される前音「シ」の音に吸収され明確に聴取し難い音となり、また、長音「ー」は、前音の「シ」の母音「i」の発音を継続させることから、「シ」の音に吸収され、長音の一音として明確に聴取されない音となるものである。
さらに、該差異音が称呼の識別において比較的聴取し難い中間に位置することに加えて、3音目以降の音がすべて共通することからすれば、その差異が全体の称呼に及ぼす影響は少なく、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合は、語調、語感が近似し、互いに相紛らわしく、聴別し難いものとみるのが相当である。
次に、観念については、本願商標が特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。
そして、外観については、本願商標と引用商標とは共に、欧文字を横書きしてなるところ、その語頭の「S」及び4文字目以降の「Flex」及び「FLEX」において、綴りの共通点が認められるものである。
さらに、本願商標と引用商標とは、共に「理化学機械器具」を指定商品に含むものである。
以上によれば、本願商標と引用商標とは、観念においては比較できないとしても、称呼において類似し、外観において共通点が認められる商標であり、かつ、同一の商品をその指定商品に含むものであるから、本願商標を「理化学機械器具」に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあるというべきであり、商標法第4条第1項第11号に該当するものといわざるを得ない。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標より生ずる「シンフレックス」の称呼は、「シン」と「フレックス」との間で語調の変化が生じるものであり、2音節風の区切りをもって称呼されるのに対し、引用商標より生ずる「シーフレックス」の称呼は、「シ」の母音「i」をやや伸ばし、「シーフレックス」と一気に称呼されるものである旨主張する。
しかしながら、両商標はともに一連の構成文字よりなり、本願商標のみを区切って称呼すべき特段の事情は認められず、また、「英語の音声的音節『きこえ』に対して、日本語は音節的音節『拍』が大切となる。日本人が通常の言語生活の中で、最小の音声上の単位として考えるのが、一音節、一文字の拍である。」ところ(「日本語音声表現法」86頁 株式会社おうふう(桜楓社)1998年3月30日発行)、撥音「ン」と長音「ー」は、ともに1拍(モーラ)とされていることからすれば、語頭の「シ」の音及び3音目以降の「フレックス」音が共通することと相まって、両者を一連に称呼した場合は、語調、語感が近似することを否定することはできない。
また、請求人は、過去の登録例を挙証し、本願商標の登録適格性を主張する。
しかし、出願された商標と引用商標との類否判断は、両商標について個別具体的に行えば足り、過去の登録例の判断に拘束されることなく検討されるべきものである。
なお、請求人の挙げる登録例は、語頭音「シ」と語尾の「レックス」の4音が共通し、全体の構成音において、6音中5音を共通するものであるところ、本件は、語尾の「フレックス」の5音までが共通しており、その全体の構成音において、7音中6音を共通とするものである。また、その構成文字も上記登録例とは、異なるものであることからすれば、請求人の挙げる登録例と本件とは明らかに事案が異なるものといわざるを得ない。
したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-07-12 
結審通知日 2011-07-15 
審決日 2011-07-27 
出願番号 商願2009-13197(T2009-13197) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 原田 信彦青野 紀子 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 吉野 晃弘
末武 久佳
商標の称呼 シンフレックス 
代理人 木戸 一彦 
代理人 木戸 良彦 

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