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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X030914161820 審判 全部申立て 登録を維持 X030914161820 |
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管理番号 | 1243412 |
異議申立番号 | 異議2011-900008 |
総通号数 | 142 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2011-10-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2011-01-11 |
確定日 | 2011-09-14 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5359728号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5359728号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5359728号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、2008年(平成20年)7月23日に域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成20年11月28日に登録出願、第3類、第9類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類及び第24類ないし第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同22年9月8日に登録査定、同年10月8日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第36号証を提出した。 1 申立人が引用する商標 申立人が引用する商標は次の(1)ないし(3)のとおりであり、それらの商標権はいずれも現に有効に存続しているものである。なお、以下、それらをまとめていうときは「引用各商標」という。 (1)国際登録第820496号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、2003年(平成15年)10月16日に国際商標登録出願、第9類、第18類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年6月17日に設定登録されたものである。 (2)国際登録第910824号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、2005年(平成17年)10月28日にイタリアにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2006年(平成18年)4月26日に国際商標登録出願、第3類、第12類、第14類、第16類、第24類、第32類、第35類及び第41類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成21年2月6日に設定登録されたものである。 (3)登録第5257374号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(4)のとおりの構成からなり、平成18年11月30日に登録出願、第3類、第9類、第14類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同21年8月14日に設定登録されたものである。 2 具体的理由 (1)商標法第4条第1項第11号ついて 本件商標と引用各商標(引用商標3は花図形部分が独立して要部となる。)は、いずれも、花弁をモチーフとした図形であり、花芯を円形にそのまわりに幅広の花弁を配し、その輪郭を太めの筆で大胆に描いたものであり、全体の基本的構成において軌を一にしている。特に、これらの商標を衣服にワンポイントマークとして付したり、刺しゅうで縫い付けた場合にはより全体の印象は似通ってくる。両者は花弁の数が5弁、6弁という違いはあるが、離隔観察において、需要者はこのような細かな違いまで看取する可能性は低く、また、引用各商標は世界で広く認識されているから、両者の共通性は申立人に結びついて想起されやすいので、本件商標は該周知商標に外観類似すると判断される可能性がより高まる。以上のように、両者の全体印象の共通性、取引の実情をも勘案すると、本件商標は、引用各商標と外観上混同する程相紛らわしく、類似すると考えるのが相当である。 また、本件商標の指定商品中、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」、第18類「かばん類,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」及び第9類「眼鏡」は、引用各商標の指定商品と同一又は類似の商品である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第第15号について 本件商標は、申立人が被服類等に使用しGURUブランドの商標として世界的に周知性を獲得している引用各商標と類似するものであり、被服類と本件商標の指定商品とは密接な関連性を有するものであるから、本件商標がその指定商品に使用された場合、これに接する需要者が引用各商標を想起し、当該商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同するおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。 第3 当審の判断 1 引用各商標等の著名性 申立人が、引用各商標が世界的に周知性を獲得している商標であるとして提出した甲第3号証ないし甲第36号証によれば、甲第3号証(会社案内)、甲第7号証(2010/2011年秋冬カタログ、上海店舗の写真等)、甲第8号証(宣伝用写真)、甲第10号証(2009年カタログ)、甲第11号証(カタログ)、甲第13号証及び甲第14号証(FIドライバーのスーツや車体の写真)、甲第16号証(国際登録証)、甲第17号証ないし甲第20号証(雑誌・新聞記事・広告)、甲第34号証(ベルリンのファッションイベント)及び甲第35号証(イタリアの展示会における2010-2011秋冬カタログ)に、引用各商標のいずれか(商標の構成中の中央の略円形部分に色彩が施されているものなど、輪郭が引用各商標の花図形に近似したものを含む。)が表示されていることが確認できる。 しかしながら、これらはいずれも欧文字のみで記載されたものであって、我が国の需要者を対象としたものということはできないし、我が国における事情等を把握することもできないから、申立人が本件商標の出願日以前から、主にイタリアを中心とする欧州において、カジュアルウェアなどについて引用各商標を使用していたことは認められるものの、引用各商標が本件商標の登録出願の時及び登録査定時に申立人の業務に係る(GURUブランドの)商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。 2 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標と引用各商標 本件商標の構成は、別掲(1)のとおり、中央の小さい円形の周りにほぼ同じ形状の5枚の花弁を均等に配し、これを同じ太さの線で描いてなるものであって、全体として規則的な安定した印象を与えるものというのが自然である。 これに対して、引用商標1及び2は、別掲(2)及び(3)のとおり、その構成が90度回転しているものの、いずれも中央の小さい角丸三角形の周りに異なった形状の6枚の花弁を不均等に配し、これを異なった太さの線で描いてなるものであって、全体として不規則なややゆがんだ印象を与えるものというのが自然である。 また、引用商標3は、別掲(4)のとおり、図形と「GURU」の欧文字からなり、その構成中それ自体が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得る図形部分は、中央の小さい黒塗りの略円形の周りに異なった形状の6枚の花弁を不均等に配し、その輪郭を太い線で描いてなるものである。 (2)本件商標と引用各商標の類否 そこで、まず、本件商標と引用商標1及び2とを比較すると、両者は、いずれも花をモチーフにした図形といえるものの、花弁の枚数の5枚と6枚という比較的少ない枚数における差異、花弁自体の同じ形状と異なった形状との差異、花弁の配置の均等と不均等との差異、中央の円形と角丸三角形との差異、及び描いている線の同じ太さと異なった太さとの差異があり、両者の全体としての印象が、規則的な安定したものと不規則なややゆがんだものと大きく異なるから、両者を時と所を異にして離隔的に観察しても、外観上互いに紛れるおそれはないものとみるのが相当である。 また、本件商標は、特定の称呼及び観念を生じるものとは認められないから、引用商標1及び2と称呼及び観念においても相紛れるおそれはない。 そうとすれば、本件商標と引用商標1及び2とは相紛れるおそれのないものといえる。 次に、本件商標と引用商標3の図形部分とを比較すると、両者は、上記とほぼ同様の差異に加え、後者の中央の円部分が黒塗りで表されていることから、両者の印象はさらに異なり、両者を時と所を異にして離隔的に観察しても、外観上互いに紛れるおそれはないものとみるのが相当である。 また、本件商標は、特定の称呼及び観念を生じるものとは認められないから、引用商標3の図形部分と称呼及び観念においても相紛れるおそれはない。 そうとすれば、本件商標と引用商標3とは相紛れるおそれのないものといえる。 してみれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものでない。 3 商標法第4条第1項第15号について 本件商標と引用各商標とは、上記2のとおり、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても非類似の商標であって、別異の商標というべきものであり、また、引用各商標が本件商標の登録出願の時及び登録査定時に申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されているものと認められないこと上記1のとおりであるから、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が引用各商標を連想又は想起するとは認められず、その商品が申立人又は同人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものでない。 4 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標 (2)引用商標1 (3)引用商標2 (4)引用商標3 |
異議決定日 | 2011-08-29 |
出願番号 | 商願2008-96082(T2008-96082) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X030914161820)
T 1 651・ 26- Y (X030914161820) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 前山 るり子 |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
小畑 恵一 瀧本 佐代子 |
登録日 | 2010-10-08 |
登録番号 | 商標登録第5359728号(T5359728) |
権利者 | 株式会社マリークワントコスメチツクスジヤパン マリー クワント リミテッド |
代理人 | 渡邊 隆 |
代理人 | 鈴木 博久 |
代理人 | 高柴 忠夫 |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 井滝 裕敬 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 井滝 裕敬 |