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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X11
審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない X11
管理番号 1243323 
審判番号 不服2011-844 
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-01-13 
確定日 2011-09-08 
事件の表示 商願2009-85814拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「deeo」の欧文字と「ディーオ」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり、第11類「室内循環式レンジフード,空気清浄機」を指定商品とし、平成21年11月12日に登録出願されたものである。
そして、その指定商品については、当審における平成23年1月13日付け手続補正書により、第11類「室内循環式レンジフード」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第2418537号商標は、「DiO」の欧文字を横書きしてなり、平成元年4月19日登録出願、第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同4年5月29日に設定登録され、その後、同14年4月16日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、同年6月5日に指定商品を別掲のとおりとする指定商品の書換登録がなされたものである。
その後、商標権一部取消し審判により、その指定商品中、第9類「電池」について商標登録を取り消すべき旨の審決がされ、同21年6月2日にその確定審決の登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、前記1のとおり、「deeo」の欧文字と「ディーオ」の片仮名とを上下二段に書してなるところ、該各文字は、辞書等に掲載されていない文字であって、特定の意味を有しない造語といえるものである。
そして、本願商標の構成中の下段の「ディーオ」の文字は、上段の「deeo」の欧文字から生ずる読みの表音を書したものと無理なく認められるものであるから、本願商標は、「ディーオ」の称呼を生ずる一方、特定の観念は生じ得ないものとみるのが相当である。
一方、引用商標は、前記2のとおり、「DiO」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字も、辞書等に掲載されていない文字であって、特定の意味を有しない造語といえるものであるから、特定の観念は生じ得ないものとみるのが相当である。
そして、一般的には、特定の意味又は特定の読みを有しない欧文字にあっては、これに接する取引者、需要者は、その構成文字にならって一文字一文字称呼するだけでなく、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語読みにならって称呼されるのが自然であるから、引用商標は、その構成文字を一文字一文字区切って発音する「ディーアイオー」の称呼を生ずるほか、我が国で親しまれた英単語である「dinner」を「ディナー」、「discount」を「ディスカウント」及び「dish」を「ディッシュ」と発音する例にならい、「ディオ」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。
そこで、本願商標より生ずる称呼「ディーオ」と引用商標より生ずる称呼「ディオ」とを比較するに、前者は4音構成、後者は3音構成からなるところ、両音は共に語頭の「ディ」の音と語尾「オ」の音を共通とするものであり、その差異音はわずかに中間音における長音の有無にすぎない。
そして、「ディーオ」の音は、子音「d」に続いて、母音が「i」「i」「o」と連続するものであるところ、中間の母音「i」が重なることからすれば、該長音が与える影響は、母音が重ならない場合に比して小さく、さらに、日本語の発音において「ディー」及び「ディ」の音は、「body」を「ボディ」及び「ボディー」のいずれでも発音するように、しばしば同視される傾向にあることからすれば、本願商標より生ずる称呼「ディーオ」と引用商標より生ずる称呼「ディオ」とは、両商標をそれぞれ一連に称呼した場合は、語感語調が近似し、互いに相紛らわしく、聴別し難いものとみるのが相当である。
次に、観念については、本願商標が特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。
そうとすれば、本願商標と引用商標とは、外観において差異を有し、観念においては比較できないとしても、称呼において類似する商標であるとみるのが相当である。
(2)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本願商標は、前記1のとおり、「室内循環式レンジフード」を指定商品とするところ、該商品は、「こんろの上に換気用に付ける覆い。」である「レンジフード」(「広辞苑第6版」株式会社岩波書店 2008年1月11日発行)の一種と認められるものである。
そして、商標法施行規則別表(第6条関係)において、「レンンジフード」は、引用商標の指定商品中の第11類「家庭用電熱用品類」の下位概念に属するものである。
(3)小括
上記(1)及び(2)によれば、本願商標と引用商標とは、外観において差異を有し、観念においては比較できないとしても、称呼において類似する商標であり、また、本願の指定商品である「室内循環式レンジフード」は、引用商標の指定商品中の第11類「家庭用電熱用品類」に包含される商品であるから、本願商標を該指定商品に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあるというべきであり、商標法第4条第1項第11号に該当するものといわざるを得ない。
(4)請求人の主張について
請求人は、本願の指定商品は、顧客(工事施工主)の注文により設置、販売されるものであるから、商標を耳よりも目で捉える機会が多いことから、外観・観念上の差異が顕著である本願商標については、その称呼において近似するところがあったとしても、該商品の上記、取引の事情に照らしてみれば、商品の出所について混同のおそれはない旨主張する。
しかしながら、請求人の主張するような取引の実情が認められるとしても、該商品の取引において、称呼による取引が行われないとか、称呼の対比観察を比較的緩やかに解して差し支えないという格別の事情も認められないものである。
また、請求人は、過去の登録例及び審決例を挙証し、本願商標の登録適格性を主張する。
しかし、請求人の挙げた登録例及び審決例は、いずれも商標の構成において本願とは事案を異にするものであって、出願された商標と引用商標との類否判断は、両商標について個別具体的に行えば足り、過去の登録例及び審決例の判断に拘束されることなく検討されるべきものである。
そして、本願商標と引用商標とは、上記のとおり、類似の商標と認められるものである。
したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(5)まとめ
以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
引用登録商標の指定商品
第7類 起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ
第8類 電気かみそり及び電気バリカン
第9類 配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極
第10類 家庭用電気マッサージ器
第11類 電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類
第12類 陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)
第17類 電気絶縁材料
第21類 電気式歯ブラシ

審理終結日 2011-07-11 
結審通知日 2011-07-12 
審決日 2011-07-27 
出願番号 商願2009-85814(T2009-85814) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X11)
T 1 8・ 264- Z (X11)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 斎 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 末武 久佳
吉野 晃弘
商標の称呼 ディーオ 
代理人 特許業務法人 英知国際特許事務所 

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