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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない X03
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X03
審判 査定不服 観念類似 登録しない X03
管理番号 1243316 
審判番号 不服2010-28408 
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-12-16 
確定日 2011-09-01 
事件の表示 商願2010-29188拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「キレイの力」の文字を標準文字で表してなり,第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」を指定商品として,平成22年4月13日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第4785712号商標(以下「引用商標」という。)は,「きれいなちから」の文字を標準文字で表してなり,平成15年11月10日登録出願,第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」,第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく,ブルーベリーを主成分として粉末状・顆粒状・液状・軟カプセル状又は打錠成形してなる加工食品,コラーゲンを主成分として粉末状・顆粒状・液状・軟カプセル状又は打錠成形してなる加工食品,DHAを主成分として粉末状・顆粒状・液状・軟カプセル状又は打錠成形してなる加工食品,グルコサミンを主成分として粉末状・顆粒状・液状・軟カプセル状又は打錠成形してなる加工食品」及び第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」を指定商品として,平成16年7月9日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は,前記1のとおり,「キレイの力」の文字を表してなるものであるから,該構成文字に応じて「キレイノチカラ」の称呼が生ずるものである。
そして,本願商標構成中の「キレイ」の文字部分は,「綺(あや)のように麗しいこと。濁り・汚れをとどめないさま。」(「広辞苑 第六版」(株式会社岩波書店))の意味を有する「綺麗」の語を片仮名で表記したものと直ちに理解されるから,本願商標からは,親しまれた既成の観念は生じないとしても,「綺(あや)のように麗しい力」や「濁り・汚れをとどめない力」程度の意味合いを想起させ得るとみるのが相当である。
一方,引用商標は,前記2のとおり,「きれいなちから」の文字を表してなるものであるから,これより「キレイナチカラ」の称呼が生ずるものである。
そして,「きれい」の文字部分は「綺麗」の語を,「ちから」の文字部分は「力」の文字を,それぞれ平仮名で表記したものと直ちに理解されるから,引用商標からは,親しまれた既成の観念は生じないとしても,「綺(あや)のように麗しい力」や「濁り・汚れをとどめない力」程度の意味合いを想起させ得るとみるのが相当である。
そこで検討するに,本願商標と引用商標の外観は,区別し得る差異を有するものである。
次に,本願商標から生ずる称呼「キレイノチカラ」と引用商標から生ずる称呼「キレイナチカラ」を比較するに,両称呼は共に7音からなり,比較的聴取しがたい中間音において「ノ」と「ナ」の差異を有するのみで,聴取される際に印象に残りやすい語頭音をはじめ,他の配列構成音をすべて同じにするものである。
そして,この「ノ」と「ナ」の差異にしても,いずれも「ナ」行に属し,比較的明瞭には発音されない通鼻音であるから,明瞭には聴別し難い。
してみれば,この差異音が両称呼に与える影響は決して大きいものとはいえず,両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは,語感,語調が極めて近似したものとなり,称呼上互いに聞き誤るおそれがあるものといわなければならない。
さらに,本願商標及び引用商標は,いずれも,親しまれた既成の観念は生じないとしても「綺(あや)のように麗しい力」や「濁り・汚れをとどめない力」程度の意味合いを想起させ得るものである。
そうすると,本願商標と引用商標とは,外観における差異を考慮するとしても,両者は称呼上類似の商標であり,「綺(あや)のように麗しい力」や「濁り・汚れをとどめない力」程度の共通の意味合いを想起させるものであるから,本願商標と引用商標は,出所の誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標というべきである。

(2)本願指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本願の指定商品は,引用商標の指定商品の一部と同一である。

(3)小括
以上からすると,本願商標は,引用商標に類似する商標であり,かつ,引用商標の指定商品と同一の商品について使用をするものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

(4)請求人の主張について
ア 請求人は,本願商標と引用商標は称呼上非類似である旨主張し,他の審決例を挙げている(甲第1号証及び同第2号証)。
しかしながら,本願商標と引用商標は,称呼上極めて近似したものとなり,互いに聞き誤るおそれがあるものというべきであることは,既に述べたとおりである。
また,登録出願に係る商標が商標登録の要件を具備しているか否かは,当該商標の構成態様等に基づいて,個別具体的に判断されるものであるところ,請求人が挙げる審決例は,いずれも,称呼上3音又は4音で構成される商標のうちの1音が異なる例であるなど,本願商標と引用商標の構成態様とは異にするものであるから,これらの審決例が,本願商標についての判断を左右するものではない。
したがって,請求人の上記主張は採用することができない。

イ 請求人は,本願商標は特定の意味合いを理解し得ない造語から構成されるものであるのに対し,引用商標からは「清潔な力」等の意味合いが理解されるから,観念が相違する旨,主張する。
しかしながら,本願商標及び引用商標は,いずれも,親しまれた既成の観念は生じないとしても,「綺(あや)のように麗しい力」や「濁り・汚れをとどめない力」程度の共通の意味合いを想起させ得ることは,既に述べたとおりであり,請求人の上記主張は採用することができない。

(5)結語
以上のとおりであるから,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原審の判断は妥当であって,原査定を取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-07-06 
結審通知日 2011-07-07 
審決日 2011-07-21 
出願番号 商願2010-29188(T2010-29188) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (X03)
T 1 8・ 261- Z (X03)
T 1 8・ 262- Z (X03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 村上 照美 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 守屋 友宏
田中 亨子
商標の称呼 キレイノチカラ、キレーノチカラ 
代理人 岡村 憲佑 

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