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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 025
管理番号 1243270 
審判番号 取消2010-300678 
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-10-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2010-06-22 
確定日 2011-08-26 
事件の表示 上記当事者間の登録第3370607号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
登録第3370607号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成5年1月31日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴合わせくぎ,靴くぎ,靴のひき手,靴びょう,靴保護金具その他の靴類,げた,草履類,運動用特殊衣服,乗馬靴その他の運動用特殊靴」を指定商品として、平成10年10月30日に設定登録され、その後、平成21年5月7日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、本件審判請求日現在において既に登録後3年以上経過しており、この間、被請求人が本件商標をその指定商品について使用した事実は存在しない。
したがって、本件商標は、継続して過去3年以上日本国内においてその指定商品について使用されていないものであるから、商標法50条1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。
(2)弁駁の理由
請求人は、被請求人より本弁駁書提出期限までに、本件解決につきしかるべき回答を得たい旨を明らかした上で、被請求人と協議に入った。なお、請求人は、被請求人からの回答を期日までに得ることができなかった。
請求人は、直ちに弁駁をすることができない上記事情のため、弁駁書提出をいま暫く猶予願いたい。

3 被請求人の主張
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第22号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者又は通常使用権者が、審判請求に係る指定商品のうち「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類」について、現に使用している。
(2)本件商標の使用
ア 本件商標は、本件商標権者が、「株式会社ポロ・ポニーコーポレーション」(以下「ポロ・ポニーコーポレーション」という。)に対し、本件商標の使用許諾を与え、使用させている。被請求人である本件商標の商標権者「溝江倫明」はポロ・ポニーコーポレーションの取締役であり、平成18年8月25日から平成18年12月15日迄、同社の代表取締役であった者である(乙第10号証の1及び乙第10号証の2)。そして、現在でも同社の株式のほとんどを所有しており、実質的には、同社のオーナーである。したがって、被請求人が、自己の所有する法人「ポロ・ポニーコーポレーション」に対し、自己の所有する商標権について、特別に商標権についての「使用許諾契約」を締結することなく、使用許諾を与えているが、このような黙示の使用許諾は、個人経営の法人と、その法人の経営者あるいは実質的な所有者の間で、広く行われているところである。
イ 乙第5号証の1は、乙第1号証に示す「半袖ポロシャツ」の「企画発注書及び製造指図書」であるが、本件商標の使用権者であるポロ・ポニーコーポレーションは、本件商標を特定の取引業者に納入する商品にのみ使用する商標として使用しており、使用権者と取引業者との間の商談により、商品の種類、各種の仕様等を詳細に取り決めた後、乙第5号証の1等に示す「企画発注書及び製造指図書」により、下請の製造業者に発注している。その「企画発注書及び製造指図書」には、乙第5号証の1に示すとおり、商品のデザイン、サイズ、色、素材、商品に刺繍等により表示する「商標」等を、詳細な図面を用いて、詳しく指示している。
下請の製造会社は、この「企画発注書及び製造指図書」に従って製品を製造して、発注者であるポロ・ポニーコーポレーションに納品する。発注から納品までは、通常約4か月かかるが、納品された商品を検品したのち、これを注文主である、神奈川県横浜市在の「株式会社コナカ」(以下「コナカ」という。)に全量納品している。
乙第5号証の2は、コナカの「仕入伝票」であるが、この種の「仕入伝票」は、繊維業界で標準化された様式の書類であり、通常発注元が発注先に、「発注伝票」を送付する際に、同じ内容をタイプした乙第5号証の2に示すような「仕入伝票」を添付して送付し、納品の際は「納品伝票」に代えて、この「仕入伝票」を添付して納品するように求めるのが普通である。
そして、乙第1号証と乙第5号証の1及び2を組み合わせることにより、乙第5号証の1に表示された「商品品番 PSP-574」と、乙第5号証の2に表示された「商品コード PSP-574」が一致することから、乙第1号証の写真に示す、本件商標を表示した商品「半袖ポロシャツ」が、2008年(平成20年)12月15日に、製造下請業者に、製造発注され、約4か月後に製品が納入され、これに乙第5号証の2に示す「仕入伝票」を添付して、注文主であるコナカに平成21年4月25日付で納品したことか証明されている。
ウ 同様に、乙第2号証に示す商品「半袖スウェットパーカ」には、本件商標がパーカの胸に刺繍により附されおり、また、下げ札及び襟の織ネームにも、本件商標が附されている。そして、乙第6号証の1に示す「企画発注書及び製造指図書」及び乙第6号証の2に示す「仕入伝票」には、同一の商品品番(商品コード)「PSP-573」が表示されており、乙第2号証の写真に示す「半袖スウェットパーカ」が2008年(平成20年)12月15日に下請に製造発注され、約4か月後に納品された後、平成21年4月25日付で注文主であるコナカに対し納品されたことを証明している。
エ 同様に、乙第3号証に示す商品「半袖スウェット丸首」には、本件商標がスウェットの胸に刺繍により附されている。そして、乙第7号証の1に示す「企画発注書及び製造指図書」及び乙第7号証の2に示す「仕入伝票」には、同一の商品品番(商品コード)「PLM-533-2」が表示されており、乙第3号証の写真に示す「半袖スウェット丸首」が2009年(平成21年)2月10日に下請に製造発注され、約4か月後に納品された後、平成21年5月21日付で注文主であるコナカに対し納品されたことを証明している。
オ 更に、乙第4号証に示す商品「半袖Tシャツ」には、本件商標がTシャツの胸に刺繍により附されている。そして、乙第8号証の1に示す「企画発注書及び製造指図書」及び乙第8号証の2に示す「仕入伝票」には、同一の商品品番(商品コード)「PLM-533-1」が表示されており、乙第3号証の写真に示す「半袖Tシャツ」が2009年(平成21年)12月10日に下請に製造発注され、約4か月後に納品された後、平成22年4月25日付で注文主であるコナカに対し納品されたことを証明している。
カ また、商品サンプルが保存されていないため、その写真を提示することはできないが、乙第9号証の1に示す「企画発注書及び製造指図書」に詳細な仕様を示す商品「半袖ポロシャツ」が、2009年(平成21年)1月19日に、下請に製造発注され、同時にそのポロシャツの胸に表示する本件商標の刺繍を、乙第9号証の2に示す「刺繍/プリント加工指示書」により加工指示をしている。約4か月後に本件商標を刺繍したポロシャツが納品された後、乙第9号証の3に示す「仕入伝票」を添付して、その商品を発注元であるコナカに、平成21年4月21日付で納品している。乙第9号証の1ないし3に示す「企画発注書及び製造指図書」、「刺繍/プリント加工指示書」及び「仕入伝票」には、同一の商品品番(商品、コード)「PLM-530」が表示されており、乙第9号証の1の「企画発注書及び製造指図書」に図示される商品が、平成21年4月21日付けで販売されたことを証明している。
キ 乙第11号証ないし乙第22号証として提示する各写真に示すとおり、本件商標を多種・多数のアパレル商品に、刺繍、下げ札、織ネームの形で表示して販売されている、その一々について、その使用の時期を証明せずとも、乙第1号証ないし乙第9号証の3により、本件商標が、本件商標審判請求の登録前3年以内に使用されていたことは、明確に証明されており、敢えて乙第11号証ないし乙第22号証の写真に示す各商品について、その商標の使用の時期を証明するには及ばない。したがって、その使用の時期についての証明を省略する。
(3)使用に係る商標及び使用商品について
乙第1号証ないし乙第5号証、乙第11号証ないし乙第22号証の写真に示すとおり、本件商標を、商品である「ポロシャツ」、「パーカ」、「スウェット」及び「Tシャツ」に直接刺繍により表示し、又は、本件商標を表示した織ネームを商品に縫い付け、あるいは、本件商標を表示した下げ札を商品に添付して販売しており、本件商標がその指定商品について使用されている。
(4)商標の使用時期について
乙第5号証の2、乙第6号証の2、乙第7号証の2、乙第8号証の2、乙第9号証の3により、本件商標が、その指定商品について、本件審判請求の予告登録前3年以内に使用されていたことが、明確に証明されている。

4 当審の判断
(1)被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア ポロ・ポニーコーポレーションに係る「企画発注書及び製造指図書」(乙第5号証の1)には、商品品番「PSP-574」の「半袖ポロシャツ」について、納期を「2009年4月」とし、企画発注製品が図示され、製品の胸ワンポイント刺繍として、「POLO SPIRIT」の上部に、左右反対向きの馬に乗った2騎手がマレット様の用具を頭上部に振り上げ交差させるようにした図が、黄色で表示されている。また、指示日として「2008年12月15日」の記載がある。
そして、コナカの「仕入伝票」(乙第5号証の2)には、平成21年4月25日を納品日として、品名「半袖ポロシャツ」、商品コード「PSP-574」数量「1800」を、ポロ・ポニーコーポレーションから仕入れた旨の記載がある。
イ 同じく「企画発注書及び製造指図書」(乙第7号証の1)には、商品品番「PLM-533-2」の「半袖スウェット」について、納期を「2009年4月」とし、企画発注製品が図示され、製品の胸ワンポイント刺繍として、「POLO MAX」と「INTERNATIONAL ACTIVE」の間に、左右反対向きの馬に乗った2騎手がマレット様の用具を頭上部に振り上げ交差させるようにした図が黒塗りで表示されており、指示日として「2009年2月10日」の記載がある。
そして、コナカの「仕入伝票」(乙第7号証の2)には、平成21年5月21日を納品日として、品名「半袖スウェットトレーナー」、商品コード「PLM-533-2」、数量「3750」を、ポロ・ポニーコーポレーションから仕入れた旨の記載がある。
ウ 同じく「企画発注書及び製造指図書」(乙第8号証の1)には、商品品番「PLM-533-1」の「半袖Tシャツ」について、納期を「2010年3月」とし、企画発注製品が図示され、製品の胸ワンポイント刺繍として、「POLO MAX」と「INTERNATIONAL ACTIVE」の間に、左右反対向きの馬に乗った2騎手がマレット様の用具を頭上部に振り上げ交差させるようにした図が黒塗りで表示されており、指示日として「2009年12月10日」の記載がある。
そして、コナカの「仕入伝票」(乙第8号証の2)には、平成22年4月25日を納品日として、品名「半袖Tシャツ」、商品コード「PLM-533-1」、数量「6250」を、ポロ・ポニーコーポレーションから仕入れた旨の記載がある。
エ 同じく「企画発注書及び製造指図書」(乙第9号証の1)には、商品品番「PLM-530」の「半袖ポロシャツ」について、企画発注製品が図示され、製品の胸ワンポイント刺繍として、「POLO MAX」と「ACTIVE SPORTS」の間に、左右反対向きの馬に乗った2騎手がマレット様の用具を頭上部に振り上げ交差させるようにした図が黒塗りで表示されており、指示日として「2009年1月19日」の記載がある。また、続葉の同日起票の「刺繍/プリント加工指示書」(乙第9号証の2)には、取引先(出荷先)を「コナカ」とし、商品品番「PLM-530」、加工総数量「12000枚」の記載があるほか、胸ワンポイント刺繍の絵柄として上記の標章が示されている。
そして、コナカの「仕入伝票」(乙第9号証の3)には、平成21年4月21日を納品日として、品名「半袖ポロシャツ」、商品コード「PLM-530」、数量「12000」を、ポロ・ポニーコーポレーションから仕入れた旨の記載がある。
オ 写真(乙第1号証ほか)は、本件審判請求の登録後の撮影に係るものではあるが、これらにおいて、以下(ア)ないし(ウ)が認められる。
(ア)写真(乙第1号証)には、前記アの製造指示に沿ったと認められる胸ワンポイント刺繍を施した半そでポロシャツが示され、また、その衿ネームには、左右反対向きの馬に乗った2騎手がマレット様の用具を頭上部に振り上げ交差させるようにした図が「POLO SPIRIT」の文字と重ねるように表示され、下げ札には、左右反対向きの馬に乗った2騎手がマレット様の用具を頭上部に振り上げ交差させるようにしてなる標章が表示されている。
(イ)写真(乙第3号証)には、前記イの製造指示に沿ったと認められる胸ワンポイント刺繍を施した半そでスウェットが示されている。
(ウ)写真(乙第4号証)には、前記ウの製造指示に沿ったと認められる胸ワンポイント刺繍を施した半そでTシャツが示されている。
カ 前記アないしオによれば、ポロ・ポニーコーポレーションは、周囲の文字は異なるものの左右反対向きの馬に乗った2騎手がマレット様の用具を頭上部に振り上げ交差させるようにした図の周囲に文字が表されてなる標章を付してなる半そでポロシャツを平成21年4月25日及び同月21日に、同じく半そでスウェットを同年5月21日に、同じく半そでTシャツを平成22年4月25日にコナカに譲渡したものと認められる。
(2)通常使用権者について
履歴事項全部証明書(甲第10号証)によれば、被請求人は平成12年12月10日に辞任するまで、ポロ・ポニーコーポレーションの代表取締役であったこと、その後も同社の取締役であることが認められるから、被請求人と同社の関係及び被請求人の主張を併せみれば、ポロ・ポニーコーポレーションは、被請求人から本件商標について使用を許諾された者(通常使用権者)であると認めるのが相当である。
(3)使用する商標及び商品について
本件商標は、別掲に示すとおり、左右反対向きの馬に乗った2騎手がマレット様の用具を頭上部に振り上げ交差させるようにした図を、黒塗りに描いた図形からなるものである。これに対して、前記(1)の使用に係る標章は、図形の周囲に文字が表わされているが、図形がそれら文字から明らかに独立して自他商品の識別機能を果たし得る態様のものである上、当該図形は、明暗反転させたもの、あるいは、刺繍を施して表したものではあるが、本件商標と全く同じ構図のものであり、本件商標と社会通念上同一の商標が使用をされたと認められるものである。
そして、商標が使用をされた商品は、「ポロシャツ」、「スウェット」及び「Tシャツ」であって、本件商標の指定商品に属する商品であることが明らかである。
(4)上記(1)ないし(3)よりすれば、本件審判請求の登録前3年以内に通常使用権者が、本件商標と社会通念上同一の商標を請求に係る指定商品について使用をしたと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定によって、その登録を取り消すことはできないものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本件商標


審理終結日 2011-04-01 
結審通知日 2011-04-05 
審決日 2011-04-19 
出願番号 商願平5-8786 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (025)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 前山 るり子
内山 進
登録日 1998-10-30 
登録番号 商標登録第3370607号(T3370607) 
代理人 小山 義之 
代理人 勝見 元博 
代理人 寺田 花子 
代理人 森脇 靖子 
代理人 鮫島 睦 
代理人 田中 光雄 
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