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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X33
管理番号 1243266 
審判番号 不服2010-26531 
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-11-25 
確定日 2011-08-26 
事件の表示 商願2009- 96282拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ゴールドハイボール」の文字を標準文字により表してなり、第33類「しょうちゅうを炭酸水で割ったアルコール飲料,ウイスキーを炭酸水で割ったアルコール飲料,ジンを炭酸水で割ったアルコール飲料」を指定商品として、平成21年12月21日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『ゴールドハイボール』の文字を標準文字で書してなるところ、その構成中の『ゴールド』の文字部分は『金,黄金』の意味合いを有するほか、商品の品質が良いことや高級なものであることを表す際に広く使用されている語であり、『ハイボール』の文字部分は『ウィスキー・ジンなどをソーダ水などで割った飲料。』の意味合いを表すものである。してみれば、本願商標に接する需要者等は、全体として「金色のハイボールカクテル,商品の品質が良いハイボールカクテル」ほどの意味合いを認識するにとどまり、これを前記照応の商品に使用しても、単にその商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、「ゴールドハイボール」の文字を各文字の大きさ及び書体は同一であって、その全体が等間隔にまとまりよく表されているものであるが、「ゴールド」「ハイボール」をその構成部分とするものであることは、視覚上容易に認識することができるものである。
そして、その構成中の「ゴールド」の文字部分は、「金。黄金。金色。」(大辞林 株式会社三省堂発行)を意味する語であり、「ハイボール」は「ウイスキー・ジンなどをソーダ水などで割った飲料」(広辞苑 株式会社岩波書店発行)を意味し、本願指定商品との関係において、その普通名称といえるものであり、いずれも日常的に使用されている語である。
ところで、ハイボールは、上記のとおりウイスキーなどをソーダ水、炭酸飲料などで割った飲みものであるが、特に飲食店においてハイボールを提供する場合にその香り付け等のために、各種果物等のジュース、シロップやコーラ等の飲料を加えることが普通に行われているものであり、これらの各種のハイボールについて、その原材料の果物等により当該ハイボールを表す場合(例えば、梅果汁を使用したハイボールについて「梅ハイボール」)もあるが、加味するものにより、ハイボールの色彩が異なることから、その特徴的な色彩により、当該ハイボールを表すこと(例えば、ピンクハイボール、レッドハイボール、ブラックハイボール」)も広く行われている。そして、例えば、ジンジャーエールなどを加えた、金色風のハイボールについて、「ゴールドハイボール」と広く称されているところである(「ゴールドハイボール」をフレーズにより検索した結果(http://search.yahoo.co.jp/search?p=%E2%80%9D%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB%E2%80%9D&search.x=1&fr=top_ga1_sa&tid=top_ga1_sa&ei=UTF-8&aq=&oq=)参照)。
そうとすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、「金色のハイボール」であることを理解、認識するにすぎないから、単に商品の品質、色彩を表示するにすぎない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人は、「金色のハイボール」や「黄金製のハイボール」は現実には存在しないものであり、かかる非現実的空想観念は、直接ハイボールの品質表示といえず、むしろ、本願商標は、このようになファンタジックな空想観念を想起させる顕著性を備えた商標といえる、と主張している。
しかしながら、前記のとおり、ハイボールは加味する果物、飲料等により、多数のハイボールがあり、これらの個々のハイボールを区別するために、その特徴的な色合いにより表すことが普通に行われているのであり、このような場合に実際の色彩とそれを表示する色彩名が厳格に一致するものでなくても、おおよそ近い色彩名を用いることは往々にして行われているのである。そして、このように、ハイボールについて多数の色彩名により商品を表していることからすると、「ゴールドハイボール」についても金色若しくはそれに近い色のハイボールであることを具体的に認識するというべきであって、「ゴールドハイボール」の文字よりは特定の原材料まで正確に認識できないとしても、「金色のハイボール」としてハイボールの一種類を認識させるに過ぎないというべきであるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を有するものとはいうことができない。
(3)以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-06-28 
結審通知日 2011-06-29 
審決日 2011-07-12 
出願番号 商願2009-96282(T2009-96282) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X33)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大渕 敏雄内藤 隆仁 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 小畑 恵一
高橋 幸志
商標の称呼 ゴールドハイボール、ゴールド 
代理人 特許業務法人みのり特許事務所 

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