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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない X1628 |
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管理番号 | 1243241 |
審判番号 | 不服2009-15718 |
総通号数 | 142 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-10-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-08-26 |
確定日 | 2011-08-19 |
事件の表示 | 商願2008-75776拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「GOLD SERIES」の欧文字を標準文字で表してなり、第16類及び第28類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年9月16日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同21年4月27日付けの手続補正書及び当審における同年8月26日付けの手続補正書により、第16類「トレーディングカード」及び第28類「遊戯用カード,トレーディングカードゲーム」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、『金、金色』等の意味を有する『GOLD』の文字と、『一続きの、一組』等の意味を有する『SERIES』の文字とを結合して標準文字で書してなるところ、『GOLD SERIES』の文字及びその表音を表したものと認められる『ゴールドシリーズ』の文字は、商品の色を表すものとして、あるいは、商品のシリーズ名を表すものとして一般に使用されているから、これを本願指定商品に使用しても、需要者・取引者が、何人かの業務に係る商品であることを認識できない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審における審尋 当審において、請求人に対し、意見書を提出する相当の期間を指定して、平成23年1月11日付けで書面をもって、審尋を発した。 <理由> 本願商標を構成する「GOLD」の文字は、「金、金製品、(金のように)貴重なもの・美しいもの、金色」などの意味を有するものとして、我が国において一般に広く親しまれた英語である。そして、「SERIES」の文字は、「連続、ひと続き、続き物」の意味を有するものとして、我が国において一般に広く親しまれた英語である上に、製造業者又は販売業者が、自己の取扱いに係る商品中、一貫した意図の下に企画、製造又は販売する商品群を表示するものとして、他の語(句)に付加して「○○SERIES(Series)」又は「○○シリーズ」のように使用している実情もある。 そうすると、本願商標は、前記に説示した「GOLD」の欧文字と「SERIES」の欧文字とを結合するに過ぎないから、これよりは、「金色の商品群」、「金を原材料に使用した商品群」あるいは「(金のように)貴重な・美しい商品群、ひいては高級で品質の優れた商品群」程の意味合いを認識させるにすぎず、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない商標というのが相当である。 しかして、前記のように本願商標が幾通りかの意味合いを認識させるものであるとしても、いずれの場合においても自他商品識別機能を果たすものということはできないから、結局、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない商標といわざるを得ない。 なお、前記の事情は、請求人の提出する証拠(甲2の1ないし17)のほか、例えば、別掲のインターネット情報からも、裏付けられるものである。 4 審尋に対する請求人の意見 請求人は、前記の審尋に対し、何ら応答せず、意見を述べていない。 5 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第6号について 本願商標は、前記1のとおり、「GOLD SERIES」の欧文字を普通に用いられる方法で表したものである。 しかして、本願商標を構成する「GOLD」の文字は、「金、金製品、(金のように)貴重なもの・美しいもの、金色」などの意味を有するものとして、我が国において一般に広く親しまれた英語である。そして、「SERIES」の文字は、「連続、ひと続き、続き物」の意味を有するものとして、我が国において一般に広く親しまれた英語である上に、製造業者又は販売業者が、自己の取扱いに係る商品中、一貫した意図の下に企画、製造又は販売する商品群を表示するものとして、他の語(句)に付加して「○○SERIES(Series)」又は「○○シリーズ」のように使用している実情もある。 加えて、前記の審尋で説示したとおり、請求人の提出にかかる証拠(甲2の1ないし17)のほか、審尋で開示したインターネット情報からは、本願商標の構成と同一の「GOLD SERIES(Gold Series)」あるいは「ゴールドシリーズ」の文字が、一群の商品を他の商品群と区別するために取引上一般に使用されている実情を理解することができるものである。 以上からすれば、本願商標は、先に説示した「GOLD」及び「SERIES」の語とを結合してなるものにすぎず、これよりは、「金色の商品群」、「金を原材料に使用した商品群」あるいは「(金のように)貴重な・美しい商品群、ひいては高級で品質の優れた商品群」程の意味合いを認識させるにとどまり、いずれの意味合いにおいても需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない商標というのが相当である。 してみれば、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない商標といわざるを得ない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、「GOLD」及び「SERIES」の文字は、いずれも多義的な言葉であるから、本願商標は極めて多様かつ漠然とした観念を生じさせる、また、本願商標は外観においてまとまりよく一体的に表され、称呼も一気、一連に称呼しうるから、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標を具体的な観念を想起させない構成上一体不可分の造語からなる商標として認識する。したがって、本願商標は本来的に自体商品等識別力を発揮する旨主張する。また、請求人は、原審の説示に対置して「GOLD SERIES」の文字が金色ではない商品に使用された事例を挙げている(甲2の1ないし17)。 しかしながら、当該「GOLD」及び「SERIES」の語が多義的な言葉であるとしても、両者を結合した本願商標については前記(1)のとおりの意味合いを需要者が一般に認識するにすぎず、いずれの場合においても自他商品識別機能を果たすものということはできない。 また、本願商標の外観、称呼及び請求人の創作にかかる造語であるか否か等を請求人は縷々述べるが、それらは、本件の争点となる商標法第3条第1項第6号の適用についての要件ではない。しかして、商標法第3条第1項第6号に本願商標が該当するか否かの判断は、需要者の一般の認識をもって判断されるべきものである。 加えて、請求人の挙げる証拠(甲2の1ないし17)は、本願商標と綴りを同じくする「GOLD SERIES(Gold Series)」の欧文字及び「ゴールドシリーズ」の片仮名文字が、商品一般について使用されている取引の実情を示したものであるといえる上に、前記3の審尋において開示したインターネット情報の事例からも同様の実情を認めることができる。しかして、前記の事例について考察するに、「GOLD SERIES」等の文字を付した商品群を取り扱う製造業者、販売業者は、少なくとも、他の商品群と比較して別の商品群であることを明らかにする意図をもって、当該文字を付したものであることは見易い道理であって、自らの取扱いに係る商品を、殊更に劣悪なものと表示することは、一般的な取引において想定し難いことを踏まえると、当該製造業者等は、他の商品群とは区別しつつ、かつ、それらの商品群よりも優良な商品であることを表示しようとの意図のもとに当該文字を商品に付しているものというのが相当である。したがって、請求人の挙げる事例のように「GOLD SERIES」等の文字が、金色の商品以外の商品に付された事例が存在するとしても、当該事例は、「(金のように)貴重な・美しい商品群、ひいては高級で品質の優れた商品群」であることを、製造業者等が表示しようとした事例であると理解することができる上に、このように解するとしても、本願商標が、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない商標であることに変わりはない。 イ 請求人は、インターネット検索の結果を根拠に、当審における補正後の指定商品について、同色の商品や同系列の商品を表すために「GOLD SERIES」又は「ゴールドシリーズ」の文字が普通に使用されている事実はなく、本願商標は自他識別力を発揮する旨主張する。 しかしながら、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かとの判断においては、本願商標と同一の構成にかかる文字が現実に使用されている事実が必ずしも必要とされるものではなく、需要者の一般の認識をもって足りるというべきであるところ、その認識については前記(1)に説示したとおりである。 ウ 請求人は、本願商標は、当審における補正後の指定商品について、すでに請求人により使用され、実際に識別標識として機能している旨主張する(甲7の1ないし4)。 しかしながら、以上説示したとおり、本願商標は自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当であるから、請求人が実際に使用(商標法第2条第3項参照)しているとしても、その結果、商標法第3条第2項を本願に適用しうることを的確な証拠をもって立証するならばともかく、単なる表示の事例をもって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものではないということはできない。 よって、前記の請求人の主張は、いずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りではない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(平成23年1月11日付け審尋で開示したインターネット情報) (1)「持田ヘルスケア株式会社 商品ラインナップ」のインターネットウェブサイト(http://hc.mochida.co.jp/products/index.html)には、「基礎化粧品(コラージュSシリーズ)」の一シリーズとして「ゴールドシリーズ」があり「コラージュ化粧水-ゴールドS」等の商品が掲載されている。 (2)「おなべやさん.com ?しばのキッチンホームページ?」のインターネットウェブサイト(http://www.onabeyasan.com/index.html)には、製品紹介として「ゴールドシリーズ」、「ステンレスシリーズ」等が掲載され、「最高級しばのキッチン ゴールドシリーズ」との見出しのもと「22年変わらぬデザイン。お鍋の完成された形がここにあります。」との記載(http://www.onabeyasan.com/products/gold.html)がある。 (3)「オンラインショップ ルモアズ rumors」のインターネットウェブサイト(http://rumors.jp/dita/4358.html)には、「DITA|ディータ DYNASTY GOLD SERIES|ダイナスティゴールドシリーズ ¥60,900 品番:DIT04358」との紹介と共に商品が表示され、「『ゴールドシリーズ』、その名の通りフレームカラー、レンズには本物の金を使用。レンズには目を疲れさせる青色光線の遮断とARコートによる光のぎらつきをおさえる加工が施されており、見た目だけでなく実用性も兼ね揃えたスペシャルなモデルです。」との記載がある。 (4)「MITCHELL」のインターネットウェブサイト(http://www.purefishing.jp/past_products/mitchell/300xgold_308xgold_310xgold.html)には、「300X Gold Series(300Xゴールドシリーズ)」として「300X Gold/308X Gold/310X Gold」が挙げられ、「1948年に登場した世界初量産スピニングの良血」との見出しのもと「ボールベアリング9個を配置し、巻き上げ力を強化したゴールドカラーモデル。・・・」との記載がある。 (5)「フランスの紅茶ブランドJanat(ジャンナッツ)のオフィシャルサイト」の商品一覧(http://www.janat.co.jp/product/gold.html)には、「ゴールドシリーズ」のほか、「クリスタルシリーズ」、「ブラックシリーズ」等の商品群が掲載されている。 |
審理終結日 | 2011-05-11 |
結審通知日 | 2011-06-03 |
審決日 | 2011-06-14 |
出願番号 | 商願2008-75776(T2008-75776) |
審決分類 |
T
1
8・
16-
Z
(X1628)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 菅沼 結香子、金子 尚人、山田 忠司 |
特許庁審判長 |
芦葉 松美 |
特許庁審判官 |
前山 るり子 内田 直樹 |
商標の称呼 | ゴールドシリーズ |
代理人 | 磯田 一真 |
代理人 | 木村 美穂子 |