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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z32 |
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管理番号 | 1243235 |
審判番号 | 取消2010-301072 |
総通号数 | 142 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-10-28 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2010-10-06 |
確定日 | 2011-08-15 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4575278号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4575278号商標(以下「本件商標」という。)は、「トミカ」及び「TOMICA」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成13年5月18日に登録出願、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」及び第2類ないし第5類、第11類、第20類、第23類、第26類、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年6月7日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。 また、本件審判の請求の登録日は、平成22年10月22日である。 2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品中、第32類「清涼飲料,果実飲料」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証(枝番号を含む。)を提出した。 本件商標は、その指定商品中、第32類「清涼飲料,果実飲料」について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)本件商標は、商標法第50条に定められた所定の使用実績があるので、本件審判請求は棄却されるべきである。 (2)本件商標の商標権者は、本件商標を、少なくとも本件審判の請求の登録前の3年の期間内で日本国内において、商品「清涼飲料、果実飲料」について継続して使用している。 具体的には、乙第1号証に示すように、「果汁入り清涼飲料」(以下「本件商品」という。)に本件商標「TOMICA」及び「トミカ」を付している。 本件商品は、商標権者の子会社である株式会社ユーエース(東京都葛飾区:以下「ユーエース社」という。)を販売者として、他の乙号証に示すとおり、平成22年7月から現在まで、商標権者直営のトミカショツプ東京店(東京都千代田区)、福岡店(福岡市中央区)、名古屋店(名古屋市東区)、大阪店(大阪市北区)並びに全国量販店にて継続して販売されている。 (3)本件商標の使用態様 乙第1号証の1及び2に示すとおり、本件商品に本件商標「TOMICA」及び「トミカ」を付している。本件商品に付された商標は欧文字及びカタカナをデザイン化した態様であるものの外観において同視される態様であり、社会通念上、本件商標と同一と認められる商標である。 また、乙第1号証の3に示すように、本件商品にはユーエース社が販売者と表示されている。 当該販売者は、商標権者の子会社であり、被請求人の製品の国内販売事業を担当しているものである(乙第2号証の1)。 商標権者は、平成22年4月1日に子会社であるユーエース社と「商品化権許諾契約」を締結しており、該契約には製造販売に必要な範囲の、本件商標の通常使用権を許諾する旨の条項がある(乙第2号証の2)。 (4)本件商標の使用時期 本件商品は、乙第3号証の1「企画書」及び同号証の2「監修表」に示すとおり、通常使用権者が平成21年11月30日に果汁入り清涼飲料の商品化を企画し、商標権者は平成21年12月1日にこの企画を了承したところから、商品化の計画が開始された。 その後、具体的な商品デザインや出荷場所・出荷数等が決定され、乙第4号証の1の「在庫表」に示すとおり、「トミカジュース」なる本件商品が出荷された最初の日は平成22年7月11日である。 それから現在に至るまで、本件商品は商標権者の直営店トミカショップ各店舗や、全国の大型小売店にて販売されている。その販売の時期を示すものとして、通常使用権者から各店へ卸売した際の「物品受領書」写し及び「仕入伝票」写しを乙第4号証の2及び3として提出する。 当該「物品受領書」は、大型小売店イトーヨーカドーが通常使用権者に対して、本件商品を、平成22年7月31日にアリオ亀有店に72ケース、8月10日にアリオ北砂店に48ケース、8月27日に東大阪店に60ケース納品されたことを確認する書類である。同様に当該「仕入伝票」は、大型小売店イオンが通常使用権者に対して、本件商品を、平成22年9月10日に東浦店に9ケース、同日キッズ倉敷店に9ケース、同日に大曲店に9ケース納品されたことを確認する書類である。 (5)本件商標の使用場所 本件商標は、商標権者の直営店トミカショップ各店舗及び全国の大型小売店にて販売されている。乙第5号証の1及び2として、実際に本件商品を販売している様子を示すトミカショツプ東京店店頭の写真を提出する。 そのほか、商標権者が主催するトミカ博なるイベントにおいても、本件商品が販売された。当該イベントは、大阪、新潟、福岡、東京等全国各地で開催されており、特に平成22年8月20日から29日まで千葉県幕張メッセにて行われたトミカ博in東京では、期間中の入場者が10万人を超えている。当該会場において販売された本件商品の販売の様子を示す写真を乙第5号証の3として提出する。 (6)以上のとおり、被請求人である商標権者は通常使用権者に本件商標の使用を許諾しており、これを使用しているものである。 4 当審の判断 (1)乙各号証について ア 乙第1号証の1ないし3は、商品が写された写真であり、乙第1号証の1には、車両(トラック)の形をした立体物が写されており、その荷台部分の側面に「TOMICA」の文字の表示がある。 乙第1号証の2の写真には、別の角度からの上記立体物が写されており、運転席の屋根部分に「トミカ」の文字の表示がある。 乙第1号証の3は、上記立体物の底面が写されており、そこには「名称:30%オレンジ果汁入り飲料」「販売者:株式会社ユーエースUNS」の表示がある。 イ 乙第2号証の2は、2010年(平成22年)4月1日付けの被請求人(商標権者)を甲とし、ユーエース社を乙とする商品化権許諾契約書の写しであり、その前書きには、「本件プロパティに関して、以下のとおり契約を締結する。」と記載があり、「(定義)第1条」には「本件商標とは、別表(2)記載の商標権、又は商標登録出願により生じた権利をいう。許諾商品とは、別表(3)記載の商品をいう。」の記載が、また、「(許諾)第2条」には「甲は乙に対し、本契約期間中、許諾地域における以下の権利を許諾する。」として、「許諾商品の製造販売に必要な範囲の、本件商標の通常使用権」の記載があり、さらに本文末尾に甲、乙それぞれの代表取締役の記名、押印がある。 また、別表には、「(2)本件商標」の項に「商標:トミカ/TOMICA」「登録番号:第4575278号」「指定商品:第32類 清涼飲料、果実飲料、飲料用野菜ジュース、乳清飲料他」、「(3)許諾商品」の項に「菓子、飲料」「(7)契約期間」の項に「2010年4月1日?2011年3月31日」の記載がある。 ウ 乙第4号証の2は、物品受領書の写しであり、上段の物品受領書の左上の社名欄に「KK.イトーヨーカドー」、店名欄に「アリオカメアリ」、右上の納品日欄に「10年7月31日」、その左の取引先名欄に「(カ)ユーエース」、品名・規格欄に「222-3570 9229\トミカジュース オレンジ」、サイズ/ケース欄に「72」の記載があるほか、売単価、備考(売価金額)の記載がある。 エ 乙第4号証の3は、仕入伝票の写しであり、上段の仕入伝票の左上の社名欄に「イオンリテール(GMS,」、店名欄に「イオンヒガシウラ」、右上の納品日欄に「10年09月10日」、その左の取引先名欄に「(カ)ユーエース」、品名・規格欄に「トミカジュース オレンジ\D80-D60」、サイズ/ケース欄に「9」の記載があるほか、売単価、備考(売価金額)の記載がある。 (2)以上の被請求人の提出に係る乙各号証及び答弁の全趣旨によれば、次の事実を認めることができる。 ア 被請求人(商標権者)は、ユーエース社に対して、2010年(平成22年)4月1日に、菓子、飲料について本件商標に係る通常使用権を許諾した。その使用権は、本件商標の商標権が現在も存続していること及び商品化権許諾契約書の内容からすれば、2011年(平成23年)3月31日まで継続したものと推認できる(上記(1)イ)。 イ 通常使用権者であるユーエース社は、乙第1号証の「30%オレンジ果汁入り飲料」(本件商品)の販売者であることから、当該商品(の包装容器)に、「TOMIKA」及び「トミカ」の文字(以下「本件使用標章」という。)を付したものと推認することができる(上記(1)ア)。 ウ 乙第4号証の2及び3の物品受領書及び仕入伝票の品名・規格欄に記載された「トミカジュース オレンジ」は、本件商品の名称が「30%オレンジ果汁入り飲料」であり、「TOMIKA」「トミカ」の本件使用標章が付されていることから、本件商品を表したものとみて差し支えないものといえる。 エ そうとすれば、ユーエース社は、2010年(平成22年)7月31日にイトーヨーカドーのアリオ亀有店へ本件使用標章を付した商品「30%オレンジ果汁入り飲料」72ケースを、また、2010年(平成22年)9月10日に、イオン東浦店へ本件使用標章を付した商品「30%オレンジ果汁入り飲料」9ケースを、それぞれ納品したことが推認できる(上記(1)ウ及びエ)。 (3)上記(2)の認定事実によれば、本件商標の通常使用権者であるユーエース社は、本件審判の請求の登録前3年以内である平成22年7月ないし9月に、本件審判請求に係る指定商品「第32類 清涼飲料,果実飲料」の範ちゅうに含まれる「30%オレンジ果汁入り飲料」に、本件使用標章を付し、イトーヨーカドーのアリオ亀有店及びイオン東浦店に譲渡した(商標法第2条第3項第2号)ものと認められる。 そして、本件商標は、「TOMICA」及び「トミカ」を上下二段に横書きしてなるのに対し、本件商品に表示された標章は、「TOMICA」及び「トミカ」であるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。 (4)請求人は、前記3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。 (5)そうすると、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者である「株式会社ユーエース」が本件審判の請求に係る指定商品「第32類 清涼飲料,果実飲料」の範ちゅうに属する「30%オレンジ果汁入り飲料」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したといわなければならない。 以上のとおりであるから、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品「第32類 清涼飲料,果実飲料」について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2011-06-17 |
結審通知日 | 2011-06-21 |
審決日 | 2011-07-05 |
出願番号 | 商願2001-45232(T2001-45232) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(Z32)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小林 正和 |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
小畑 恵一 瀧本 佐代子 |
登録日 | 2002-06-07 |
登録番号 | 商標登録第4575278号(T4575278) |
商標の称呼 | トミカ |
代理人 | 島田 義勝 |
代理人 | 水谷 安男 |
代理人 | 荒船 博司 |