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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y03
管理番号 1243234 
審判番号 取消2009-300988 
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-10-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2009-08-31 
確定日 2011-08-15 
事件の表示 上記当事者間の登録第4719184号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4719184号商標(以下「本件商標」という。)は、「CLEADENT」の欧文字を標準文字で表してなり、平成15年1月20日に登録出願、第3類「入れ歯洗浄剤,歯磨き」を指定商品として、同15年10月17日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中第3類「入れ歯洗浄剤,歯磨き」についてその登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
請求人は、本件商標が、指定商品中「入れ歯洗浄剤,歯磨き」について使用されているか否かについて調査したところ、そのいずれについても継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが使用した事実を確認できなかった。
したがって、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録は、その指定商品中「入れ歯洗浄剤,歯磨き」について取り消されるべきである。

3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第11号証(枝番を含む。但し、枝番の全てを引用する場合は、その枝番の記載を省略する。)を提出した。
(1)本件審判請求が成り立たない理由
本件商標の通常使用権者である小林製薬株式会社(以下「小林製薬」という。)が、「入れ歯洗浄剤CLEADENT」を、以下のとおり、2008年10月3日及び2009年2月20日に韓国に向けて輸出を行なったことが明らかである。
ア 乙第1号証は、小林製薬が製造する「入れ歯洗浄剤」の容器(箱)を展開したものの写真(コピー)である。
小林製薬は、日本において「入れ歯洗浄剤」を製造し、これを乙第1号証の箱に詰めている。この箱には、本件商標「CLEADENT」の文字が付されている。
イ 乙第2号証ないし乙第6号証は、小林製薬が2008年10月に「入れ歯洗浄剤CLEADENT」870カートン分を韓国に輸出した際の書類一式(写し)である。
(ア)乙第2号証(1ないし7)は、小林製薬が製造した「入れ歯洗浄剤」の品質を検査した際の検査表(写し)であり、同社は、その富山工場で「入れ歯洗浄剤」を製造し、その都度、製品の品質をチェックし、その結果を輸入者宛てファックスして知らせた上で輸出作業に入るのである。
(イ)乙第3号証は、船会社コーラルシッピング株式会社が2008年10月3日に発行した船荷証券(Bill of lading)(写し)である。
主要記載事項は以下のとおり。
荷送人(shipper):小林製薬
荷受人(consignee):韓国外換銀行が指図するもの
荷着通知先(notify party):東亞製薬株式会社(商標権者)(以下「東亞製薬」という。)
受取場所(Place of receipt):神戸
船積場所(Place of loading):神戸
荷下ろし港(Port of discharge):釜山
引渡場所(Place of delivery):釜山
請求書番号(invoice no.):91DA080911R
信用状番号(L/C no.):M06DW809ES00153
(ウ)乙第4号証は、船積書類(Packing List)(写し)である。
これにも、請求書番号、信用状番号等が記載されている。
(エ)乙第5号証(1ないし4)は、船積みされた商品「CLEADENT」の分析証明書(Certificate of Analysis)(写し)である。
(オ)乙第6号証は、請求書(Invoice)(写し)である。
ウ 小林製薬は、2009年2月にも「入れ歯洗浄剤CLEADENT」840カートン分を韓国に輸出している。乙第7号証ないし第11号証は、その際の書類一式(写し)である。
(ア)乙第7号証(1ないし4)は、小林製薬が製造した「入れ歯洗浄剤」の品質を検査した際の検査表(写し)である。
(イ)乙第8号証は、船会社コーラルシッピング株式会社が2009年2月20日に発行した船荷証券(Bill of lading)(写し)である。
(ウ)乙第9号証は、船積書類(Packing List)(写し)であり、今回は、受取場所、船積場所が大阪になっている。
(エ)乙第10号証(1、2)は、船積みされた商品「CLEADENT」の分析証明書(Certificate of Analysis)(写し)である。
(オ)乙第11号証は、請求書(Invoice)(写し)である。
(2)結び
以上のとおり、被請求人提出の乙第1号証ないし乙第11号証によって、本件商標が本件審判の予告登録前3年以内に通常使用権者によって使用されていたことが証明されたものであり、本件商標が取消されるべきとする主張は成り立たないものである。

4 当審の判断
被請求人は、通常使用権者により本件商標をその指定商品中の「入れ歯洗浄剤」について、本件審判の請求の予告登録前3年以内に使用しているとして、乙第1号証ないし乙第11号証を提出している。
(1)被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。
ア 乙第1号証は、商品の個包装箱を展開したものの写真といえるものであり、その表示の大部分はハングル文字によりなされており、その表示内容を俄に判読し難いところ、箱表面部左下隅に「東亞製薬」の表示、箱裏面部上段に「CLEADENT」の表示、その下に4コマで「入れ歯洗浄剤」の使用方法を図解したもの、及び同右隅に「小林製薬」と「MAID IN JAPAN」との表示がされている。
イ 乙第2号証ないし乙第6号証は、小林製薬が2008(平成20)年10月に「入れ歯洗浄剤CLEADENT」870カートン分を韓国に輸出した際の書類一式の写しとするものである。
(ア)乙第2号証の1ないし7は、「CLEADENT(韓国用タフデント)製品記録書」を表題とするものであり、これにはロットNo「H807T」、出荷判定年月日「2008.8.7」(乙第2号証の1)、同「H808T」、同「2008.8.11」(乙第2号証の2)、同「G811T」、同「2008.7.14」(乙第2号証の3)、同「G831T」、同「2008.7.31」(乙第2号証の4)、同「G809T」、同「2008.7.10」(乙第2号証の5)、同「G810T」、同「2008.7.14」(乙第2号証の6)及び同「B804T」、同「2008.2.5」(乙第2号証の7)ほか、アイテム「32T」、各試験項目及び判定基準などについての記載がされている。
(イ)乙第3号証は、船荷証券(Bill of lading)の写しとするものであり、これには「CORAL SHIPPING CO.,LTD.\BILL OF LADING」の表示の下、「Shipper\KOBAYASHI PHARMACEUTICAL CO.,LTD.」、「Notify Party\DONG-A PHARMACEUTICAL CO.,LTD.」、「Kind of Packages;Description of Goods\CLEADENT E 32 TAB 810 CTNS\CLEADENT BULK SHEET 60 CTNS」、「*INV NO.91DA080911R」、「*L/C NO.M06DW809ES00153」及び「Date: OCT.-3.2008」などの記載がされている。
(ウ)乙第4号証は、船積書類(Packing List)の写しとするものであり、これには左上に「KOBAYASHI PHARMACEUTICAL CO.,LTD.」と表示され、中央に「PACKING LIST」の表題があり、その右横に「No.91DA080911R」、「Date: October 3,2008」の表示、その他に「To.\DONG-A PHARMACEUTICAL CO.,LTD.」、「L/C No\M06DW809ES00153」、「DESCRIPTION\( 810) CLEADENT E 32TAB\( 60) CLEADENT BULK SHEET」、「TOTAL:870 ctns」などの記載がされている。
(エ)乙第5号証1ないし4は、船積みされた商品「CLEADENT」の分析証明書(Certificate of Analysis)の写しとするものであり、これには「Invoice No.91DA080911R」、「Product:CLEADENT E TAB.」、「Item:32 tablets」又は「Item:6 TABLET BULK SHEET」ほか、それぞれ「Lot No.:H807T」、「Lot No.:H808T」、「Lot No.:G811T」、「Lot No.:G831T」、「Lot No.:G809T」、「Lot No.:G810T」及び「Lot No.:B804T」などの記載がされている。
(オ)乙第6号証は、請求書(Invoice)の写しとするものであり、これには左上に「KOBAYASHI PHARMACEUTICAL CO.,LTD.」と表示され、中央に「INVOICE」の表題があり、その右横に「No. 91DA080911R」、「Date: October 3,2008」の表示、その他に「To.\DONG-A PHARMACEUTICAL CO.,LTD.」、「L/C No\M06DW809ES00153」、「DESCRIPTION\CLEADENT E 32TAB\810 ctns\CLEADENT BULK SHEET\60 ctns」、「TOTAL:\870 ctns」などの記載がされている。
ウ 乙第7号証ないし乙第11号証は、小林製薬が2009(平成21)年2月に「入れ歯洗浄剤CLEADENT」840カートン分を韓国に輸出した際の書類一式の写しとするものである。
(ア)乙第7号証の1ないし4は、「CLEADENT(韓国用タフデント)製品記録書」を表題とするものであり、これにはロットNo「J820T」、出荷判定年月日「2008.10.21」(乙第7号証の1)、同「B804T」、同「2008.2/5」(乙第7号証の2)、同「J816T」、同「2008.10.17」(乙第7号証の3)及び同「J817T」、同「2008.10.20」(乙第7号証の4)ほか、アイテム「32T」、各試験項目及び判定基準などについての記載がされている。
(イ)乙第8号証は、船荷証券(Bill of lading)の写しとするものであり、これには「CORAL SHIPPING CO.,LTD.\BILL OF LADING」の表示の下、「Shipper\KOBAYASHI PHARMACEUTICAL CO.,LTD.」、「Notify Party\DONG-A PHARMACEUTICAL CO.,LTD.」、「Kind of Packages;Description of Goods\CLEADENT E 32 TAB 810 CTNS\CLEADENT BULK SHEET 30 CTNS」、「*INV NO.91DA09-303」、「*L/C NO.M42H40902NS00040」及び「Date: FEB.20.2009」などの記載がされている。
(ウ)乙第9号証は、船積書類(Packing List)の写しとするものであり、これには左上に「KOBAYASHI PHARMACEUTICAL CO.,LTD.」と表示され、中央に「PACKING LIST」の表題があり、その右横に「No.91DA09-303」、「Date: February 20,2009」の表示、その他に「To.\DONG-A PHARMACEUTICAL CO.,LTD.」、「L/C No\M42H40902NS00040」、「DESCRIPTION\( 810) CLEADENT E 32TAB\( 30) CLEADENT BULK SHEET」、「TOTAL:840 ctns」などの記載がされている。
(エ)乙第10号証1及び2は、船積みされた商品「CLEADENT」の分析証明書(Certificate of Analysis)の写しとするものであり、これには「Invoice No.91DA09-303」、「Product:CLEADENT E TAB」、「Item:32 tablets」又は「Item:6 TABLET BULK SHEET」ほか、それぞれ「Lot No.:J820T」、「Lot No.:B804T」、「Lot No.:J816T」及び「Lot No.:J817T」などの記載がされている。
(オ)乙第11号証は、請求書(Invoice)の写しとするものであり、これには左上に「KOBAYASHI PHARMACEUTICAL CO.,LTD.」と表示され、中央に「INVOICE」の表題があり、その右横に「No.91DA09-303」、「Date: February 20,2009」の表示、その他に「To.\DONG-A PHARMACEUTICAL CO.,LTD.」、「L/C No\M42H40902NS00040」、「DESCRIPTION\CLEADENT E 32TAB\810 ctns\CLEADENT BULK SHEET\30 ctns」、「TOTAL:\840 ctns」などの記載がされている。
(2)上記において認定した乙各号証及び被請求人の主張を総合してみれば、東亞製薬(商標権者)は、小林製薬に対して、本件商標に係る商標権についての使用許諾を与えていたものと推認できる。
そして、乙第1号証は、商品「入れ歯洗浄剤」に係る個包装箱の展開した写しであって、本件商標と綴りを同じくする「CLEADENT」の商標表示がされており、その販売元を「東亞製薬」とし、及び製造元を日本企業である「小林製薬」と認識できるものである。
また、乙第2号証ないし乙第6号証又は乙第7号証ないし乙第11号証は、それぞれ、その書類間において、商標「CLEADENT」の表示、ロットNo.や品目など表示、あるいはShipper(荷送人)及び製造元、荷着通知先(notify party)ほか、インボイス番号、信用状番号などの各表示に整合性がみられ、被請求人が述べるとおり「入れ歯洗浄剤CLEADENT」とする輸出に関する一連の取引書類と認められ、かつ、その取引時期は各書類の日付けからして、2008(平成20)年2月頃から同年10月又は2008(平成20)年2月頃から2009(平成21)年2月の間であり、その時期に当該商品を小林製薬が製造し、韓国企業の東亞製薬に対して輸出したことが窺える。
しかして、乙第1号証に表示された「CLEADENT」の文字は、本件商標とは書体が異なるものの、同一の文字からなるものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。
そうすると、本件商標に係る通常使用権者と推認できる小林製薬は、本件商標と社会通念上同一の商標について、本件審判の請求の登録(平成21年9月16日)前3年以内に、「入れ歯洗浄剤」について、本件商標をその商品の包装に付して輸出したものであり、商標法第2条第3項第2号に掲げる使用行為をしていたということができる。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対して何ら弁駁するところがない。
(3)結び
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、通常使用権者により、日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品中の「入れ歯洗浄剤」について、本件商標と社会通念上同一の商標の使用をしていたことを証明したものということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-06-16 
結審通知日 2011-06-21 
審決日 2011-07-04 
出願番号 商願2003-2973(T2003-2973) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Y03)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 井出 英一郎
渡邉 健司
登録日 2003-10-17 
登録番号 商標登録第4719184号(T4719184) 
商標の称呼 クリーデント、クレアデント 
代理人 伊藤 正和 
代理人 福島 三雄 
代理人 川角 栄二 
代理人 向江 正幸 
代理人 高崎 真行 
代理人 岩崎 幸邦 
代理人 三好 秀和 

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