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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X01
審判 全部申立て  登録を維持 X01
審判 全部申立て  登録を維持 X01
審判 全部申立て  登録を維持 X01
管理番号 1241590 
異議申立番号 異議2010-900391 
総通号数 141 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-09-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-12-03 
確定日 2011-08-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第5351161号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5351161号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5351161号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成22年3月5日に登録出願、同年7月28日に登録査定され、第1類「セラミックからなる塗料添加剤,その他の化学品」を指定商品として、同年9月3日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)商標法第4条第1項第8号について
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の著名な略称「SHELL」をその構成中に含むものであるにもかかわらず、出願人は、本件商標の登録について申立人から何ら承諾を得ていない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「SHELL」の文字部分が独立して認識されるため、申立人の有する以下の登録商標(その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。)と類似するものであって、その指定商品は、引用の各登録商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
ア 登録第2375293号商標(以下「引用商標1」という。)は、「Shell」の文字を横書きしてなり、また、登録第2375294号商標(以下「引用商標2」という。)は、「シェル」の文字を横書きしてなるものであり、共に、平成元年4月7日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年1月31日に設定登録され、その後、同14年1月15日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同14年6月19日に指定商品を第1類ないし第5類、第16類及び第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
イ 国際登録第977610号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、2008年3月11日にSwitzerlandにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、2008(平成20)年5月14日に国際商標登録出願され、第1類、第4類、第6類、第8類、第9類、第11類、第14類、第16類、第18類、第19類、第21類、第24類ないし第28類及び第37類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成22年3月19日に設定登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人の商標「シェル」及び「Shell」(これらの商標を合わせて、以下「申立人商標」という。)は、申立人及びその関連会社の商標として世界的に著名であるところ、本件商標がその指定商品について使用されれば、当該商品は、あたかも申立人の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(4)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号、同第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)申立人商標の著名性について
甲第5号証ないし甲第14号証を総合すると、申立人は、欧米の7社からなる、いわゆる石油メジャー(国際石油資本)の一つとして世界的に有名な「ロイヤル・ダッチ・シェル グループ」の中核企業であり、我が国においては、1876年頃から、サミュエル商会として活動を開始し、1900年に石油部門を独立させて、ライジングサン石油株式会社を設立した。その後、ライジングサン石油株式会社からシェル石油株式会社と社名を変更した後、1985年の合併により、昭和シェル石油株式会社となって現在に至っていること、申立人は、現在、我が国では、昭和シェル石油株式会社のほか、多くの関連会社を有し、その業務分野は多岐にわたっていること、そして、これらの会社は、その社名の一部に、貝の図形と共に、申立人商標が使用され、これらの会社が取り扱う石油・石油製品・化学製品を中心とした各種商品やガソリンスタンド等について、申立人商標が長年にわたって使用されていることなどを認めることができ、申立人商標は、本件商標の登録出願日(平成22年3月5日)及び登録査定日(平成22年7月28日)の時点において、申立人の略称並びに申立人及びその関連会社の業務に係る石油関連商品及びガソリンスタンド等の役務を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることができる。
(2)商標法第4条第1項第8号該当性について
本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中の「SHELLCUT」の文字部分は、同一の書体をもって、同一の大きさ、同一の間隔で、青地長方形内に白抜き文字で極めてまとまりよく表されているものであり、「SHELL」の文字部分と「CUT」の文字部分との間に外観上の軽重の差は見いだせない。また、本件商標より生ずると認められる「シェルカット」の称呼も語呂が良く一気に称呼し得るものである。さらに、「SHELLCUT」の文字部分は、「台付きカット:木台の上に載せた薄い金属の版」(甲第14号証)なる意味を有する語である。
そうすると、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、構成文字全体をもって、一体不可分の商標を表したと認識されるとみるのが相当であるから、その構成中の「SHELL」の文字部分のみが独立して把握、認識されるものではない。
してみれば、本件商標より「SHELL」の文字部分のみを分離、抽出して、本件商標が申立人の著名な略称を含むものであるとする申立人の主張は、前提を欠くものであり、採用することはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するものではない。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
上記(2)認定のとおり、本件商標は、構成文字全体をもって、一体不可分の商標を表したと認識されるとみるのが相当であるから、その構成文字に相応して、「シェルカット」の一連の称呼のみを生ずるものであって、「台付きカット」の観念を生ずるものである。
イ 引用商標1ないし3
(ア)引用商標1は、前記2(2)アのとおり、「Shell」の文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「シェル」の称呼及び「貝殻」の観念を生ずるものである。
(イ)引用商標2は、前記2(2)アのとおり、「シェル」の文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「シェル」の称呼及び「貝殻」の観念を生ずるものである。
(ウ)引用商標3は、別掲(2)のとおり、「貝殻」の図形を大きく表し、該貝殻の中央に「SHELL」の文字を横書きにしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「シェル」の称呼を生ずるものであって、文字と図形とが相俟って、「貝殻」の観念を生ずるものである。
ウ 本件商標と引用商標1ないし3との対比
(ア)外観
本件商標と引用商標1ないし3は、前記したぞれぞれの構成よりみて、外観上明らかに区別し得るものである。
(イ)称呼
本件商標より生ずる「シェルカット」の称呼と引用商標1ないし3より生ずる「シェル」の称呼は、後半部において、「カット」の音の有無という顕著な差異を有するものであるから、それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても、その語調、語感が著しく相違したものとなり、明瞭に聴別し得るものである。
(ウ)観念
上記認定のとおり、本件商標からは「台付きカット」の観念を生ずるものであり、引用商標1ないし3からは「貝殻」の観念を生ずるものであるから、本件商標と引用商標1ないし3とは、観念上類似する商標ということはできない。
(エ)以上によれば、本件商標と引用商標1ないし3とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
上記(1)認定のとおり、申立人商標は、本件商標の登録出願日及び登録査定日の時点において、申立人の略称並びに申立人及びその関連会社の業務に係る石油関連商品及びガソリンスタンド等の役務を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることができる。
しかしながら、上記(3)認定のとおり、本件商標と引用商標1ないし3とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても非類似の商標というべきものであり、したがって、申立人商標とも非類似の商標というべきである。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又はその関連会社等申立人と業務上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標と認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
なお、申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第8号及び同第15号に該当すると主張する根拠の一つとして、過去の登録異議の決定及び審決(甲第15号証ないし甲第73号証)を挙げるが、本件商標が申立人の主張する規定に該当するか否かは、本件商標の全体の構成に基づいて個別具体的に検討、判断すべきものであるから、本件商標とはその構成、称呼等を異にする上記過去の事例に係る商標についての判断が、本件における判断を左右するものではない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号、同第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標(色彩は原本参照)


(2)引用商標3



異議決定日 2011-07-28 
出願番号 商願2010-17071(T2010-17071) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (X01)
T 1 651・ 263- Y (X01)
T 1 651・ 23- Y (X01)
T 1 651・ 271- Y (X01)
最終処分 維持  
前審関与審査官 蛭川 一治 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 田中 敬規
酒井 福造
登録日 2010-09-03 
登録番号 商標登録第5351161号(T5351161) 
権利者 大京建機株式会社
商標の称呼 シェルカット 
代理人 中村 稔 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 若林 擴 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 松尾 和子 

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