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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 X02 審判 一部申立て 登録を維持 X02 |
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管理番号 | 1241569 |
異議申立番号 | 異議2010-900315 |
総通号数 | 141 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2011-09-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2010-10-12 |
確定日 | 2011-08-01 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5336502号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5336502号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5336502号商標(以下「本件商標」という。)は、「ダイヤモンドコート」の片仮名を標準文字で表してなり、平成21年11月26日に登録出願、同22年6月8日に登録査定され、第2類「塗料」及び第37類「塗装工事」を指定商品又は指定役務として、同年7月9日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は「第2類 塗料」について取り消されるべきであるとして、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第31号証を提出した。 (1)商標法第3条第1項第3号について 本件商標は、標準文字で「ダイヤモンドコート」と書してなるところ、その構成中の「コート」は、その指定商品「塗料」との関係において「塗り。塗装。」を意味する普通に用いられる文字であり、同じく「ダイヤモンド」は、「金剛石(ダイヤモンド)。」を意味するので、本件商標は、全体として「金剛石(ダイヤモンド)の微粒子を含有する塗料。金剛石(ダイヤモンド)の微粒子を含んだ塗装。」という商品の直接の品質、用途などを表示するにすぎないものである。 「ダイヤモンドコート」は、表面にダイヤモンドの微粒子を含んだコーティングを施したことを表示するものとして、炊飯器の内釜、鍋やフライパンなどの調理器具に用いられており、本件商標の指定商品の分野における需要者及び取引者に限らず、広く一般に、そのような種類の表面加工が施されていることの表示として認識されている(甲第3号証ないし甲第9号証)。 したがって、片仮名で「ダイヤモンドコート」と書してなる本件商標を、その指定商品に使用しても、「金剛石(ダイヤモンド)の微粒子を含有する塗料。」という商品の直接の品質、あるいは「金剛石(ダイヤモンド)の微粒子を含有する塗装。」という商品の直接の用途を表示するものと需要者及び取引者に理解されるにとどまり、自他商品の識別力を発揮しないことが明らかである。 (2)商標法第4条第1項第11号について (ア)引用商標 本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして申立人が引用する登録第3193893号商標(以下「引用商標」という。)は、「DIAMONT」の欧文字を横書きしてなり、平成4年11月2日に登録出願、第2類「自動車補修用のラッカ?,下塗り塗料,上塗り塗料,塗料用希釈剤,その他の塗料」を指定商品として、同8年8月30に設定登録、その後、同18年9月5日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 (イ)本件商標と引用商標との類否について 本件商標は、「ダイヤモンドコート」と書してなり、その構成中の「コート」は、指定商品との関係において「塗り。塗装。」を意味する普通に用いられる文字であることから、これより「ダイヤモンドコート」のほか、「ダイヤモンド」の称呼をも生ずる(甲第10号証ないし甲第12号証)。 これに対し、引用商標は、欧文字「DIAMONT」よりなる構成に照応した「ダイヤモント」の称呼を生ずる(甲第2号証)。 したがって、本件商標と引用商標とから生ずる称呼は、語頭から5音目までの「ダイヤモン」の5音が共通し、通常聴き取りづらい語尾において「ド」と「ト」の1音が相違するのみであるから、その差異は、単に濁音であるか清音であるかのわずかな違いでしかない。 そして、これらの商標は、その指定商品が同一又は類似である。 したがって、本件商標は、引用商標と類似の商標であり、本件商標がその指定商品について使用されたときは、引用商標を付した商品との間で出所の混同を生ずることが明らかである。 (3)結び 以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第11号に該当し、その「第2類 塗料」に係る登録は、商標法第43条の2第1号の規定により、取り消しを免れない。 3 当審の判断 (1)本件商標について 本件商標は、前記1のとおり、「ダイヤモンドコート」の文字を同じ書体、同じ大きさ及び等間隔により一連に表してなるところ、外観上まとまりよく一体的に把握し得るものであり、しかも、全体をもって称呼しても無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、本件商標は、その構成中の「ダイヤモンド」の文字が「宝石の一つ。純粋な炭素の結晶物。強く美しいつやを持ち、硬度が最も高い。金剛石。ダイヤ。」(「新明解国語辞典第六版」株式会社三省堂発行)、同じく「コート」の文字が「(ペンキなどを)塗ること」(「パーソナルカタカナ語辞典」株式会社学習研究社発行)の意味をそれぞれ有する語であり、また、登録異議の申立てに係る指定商品との関係から「コート」の文字が「塗料」を指称する場合があるとしても、両語を一連に表したその構成全体からは、直ちに申立人が主張するような意味合いを認識させるとはいい難い。 さらに、当審において調査しても、登録異議の申立てに係る指定商品を取り扱う業界において、本件商標が、商品の品質、用途などを表示するものとして、取引上、普通に採択、使用されていると認めるに足りる事実も発見できなかった。 してみれば、本件商標は、その構成全体をもって一体的に把握される特定の語義を有しない一種の造語であると判断するのが相当である。 そうすると、本件商標は、これを登録異議の申立てに係る指定商品について使用しても、商品の品質、用途などを表示するものでなく、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものである。 なお、申立人は、甲第3号証ないし第9号証を示して、述べるところがあるが、これらは、炊飯器の内釜、フライパンなどの表面加工処理に関する方法やその材料について述べているものであって、登録異議の申立てに係る指定商品「塗料」に直接関係するものではないことから、その主張は採用することができない。 (2)本件商標の商標法第3条第1項第3号該当性について 本件商標は、上記(1)においてした認定のとおり、特定の語義を有しない一種の造語からなるものであるから、登録異議の申立てに係る指定商品との関係からみて、商品の品質、用途などを表すものではなく、十分に自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。 (3)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標は、上記(1)においてした認定のとおり、その構成全体をもって一体的に把握される特定の語義を有しない一種の造語であると判断するのが相当であるから、その構成文字に相応して「ダイヤモンドコート」の称呼のみを生ずるものである。 他方、引用商標は、前記2(2)(ア)のとおり、「DIAMONT」の欧文字からなるものであり、その構成文字に相応して「ダイヤモント」の称呼を生じ、特定の語義を生ずるものではない。 そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、両商標は、外観上明らかに相違し、称呼においては、本件商標の称呼が「ダイヤモンドコート」であるのに対し、引用商標の称呼は、「ダイヤモント」であるから、両称呼は、構成音及び構成音数が明らかに相違し、これらをそれぞれ称呼した場合、十分に聴別し得るものである。 また、観念においては、両商標とも格別の観念が生じないから、これを比較すべきところがない。 してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれからみても、何ら相紛れるおそれのない非類似の商標である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (4)結び 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号又は同法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2011-07-14 |
出願番号 | 商願2009-89508(T2009-89508) |
審決分類 |
T
1
652・
262-
Y
(X02)
T 1 652・ 13- Y (X02) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 前山 るり子 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
田中 敬規 酒井 福造 |
登録日 | 2010-07-09 |
登録番号 | 商標登録第5336502号(T5336502) |
権利者 | 日本ペイント株式会社 |
商標の称呼 | ダイヤモンドコート、ダイヤモンド |
代理人 | 山崎 和香子 |
代理人 | 加藤 義明 |
代理人 | アインゼル・フェリックス=ラインハルト |