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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X30
管理番号 1241456 
審判番号 不服2010-27199 
総通号数 141 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-12-02 
確定日 2011-08-17 
事件の表示 商願2009- 13632拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、「森半芳醇」(「森半」と「芳醇」の文字は字体及び太さが異なる)の文字を縦書きで表してなり、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,菓子及びパン」を指定商品として、平成21年2月26日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同年12月16日付け及び当審における同22年12月2日付け手続補正書により最終的に、第30類「コーヒー及びココア,茶」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2253983号商標(以下「引用商標1」という。)
引用商標1は、「豊醇」の文字を縦書きしてなり、昭和63年2月12日に登録出願、第29類「茶、コ-ヒ-、ココア、清涼飲料、果実飲料、氷」を指定商品として、平成2年7月30日に設定登録、その後、同12年2月15日及び同22年2月16日の二回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
(2)登録第5341260号商標(以下「引用商標2」という。)
引用商標2は、別掲2のとおり、「芳醇」及び「ほうじゅん」の文字を縦書きしてなり、平成20年7月10日に登録出願、第30類「食パン」を指定商品として、商標法第3条第2項の適用を受けて、同22年7月30日に設定登録がなされたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標2との類否について
本願商標に係る指定商品は、前記1のとおり補正された結果、引用商標2の指定商品と類似の商品はすべて削除され、引用商標2の指定商品とは類似しないものとなった。
(2)本願商標と引用商標1との類否について
本願商標は、前記1のとおり、「森半芳醇」の文字を縦書きで表してなるところ、その構成中の「芳醇」の文字は、「酒のかおり高く味のよいこと。また、その酒。」(広辞苑第六版 株式会社岩波書店)、「よいにおいがして、うるおいのあること。酒の香りが高く味がよいこと。また、そのさま。」(大辞林第三版 株式会社三省堂)を意味する語で、食品分野で当該意味合いをもって使用されているものであり、別掲3の新聞記事情報のように、指定商品の分野においても「良いかおりがして、味がよい。」程の意味合いを示す語として、使用され、理解されているものである。
そうとすれば、該文字部分は、本願商標の指定商品との関係にあっては、上記意味合いを容易に理解するというのが自然であって、これに接する取引者、需要者をして、単に商品の品質を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないといわなければならない。 してみれば、本願商標は、その構成中の「芳醇」の文字部分のみをもって取引に当たるとみるべき特段の事情を見いだせないことからすれば、本願商標からは、「ホウジュン」の称呼を生ずるものということができない。
したがって、本願商標から「ホウジュン」の称呼をも生ずるとし、その上で、本願商標と引用商標1とが称呼上類似するものとして、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本願商標



別掲2 引用商標2



別掲3 新聞記事情報
1 指定商品中「コーヒー」について
(1)「新商品 アジア産のコーヒー JT」の見出しのもと、「JTは、ルーツエクスプローラー『アロマオブエイジア』を発売した。アジア産のコーヒー豆を豊富に使い、芳醇(ほうじゅん)な香りとキレのある苦みを実現した。」の記載がある(2011.07.06 北國・富山新聞朝刊)。
(2)「味の素ゼネラルフーヅ中元ギフト特集:リキッドコーヒーギフト」の見出しのもと、「厳選したコーヒー豆をぜいたくに使用し、じっくりと深いりにして丁寧に抽出した。原材料の生豆使用量を家庭用製品の1.2倍増量したことで、深いコクを実現。また、深いり豆の使用による焙煎(ばいせん)した香りの強化で芳醇(ほうじゅん)な香りと、新ブレンドによるすっきりした、澄んだ後味が楽しめる。」の記載がある(2011.06.15 日本食糧新聞等3紙)。
(3)「『TULLY’S COFFEE BARISTA’S CHOICE ESPRESSO AROMA STILE』発売(伊藤園)」の見出しのもと、「◆会社名=伊藤園・・・アラビカ種を100%使用し、エスプレッソの芳醇な香りを大切に、程よい苦みを引き出している。」の記載がある(2011.01.21 日本食糧新聞等3紙)。

2 指定商品中「ココア」について
(1)「『ネスレ ココアドール 黒ココア』発売(ネスレ日本)」の見出しのもと、「◆会社名=ネスレ日本・・・A=〈黒ココア〉厳選されたオランダ産ココアパウダーを使用し、カカオ本来の苦みと芳醇な香りが楽しめる。良質なココアパウダーなので、ポリフェノールや食物繊維もおいしく取れる。甘すぎず、ココアのしっかりとしたコクが楽しみたいという人に好適。」の記載がある(2010.08.06 日本食糧新聞等3紙)。
(2)「『ミルクココア 大人の贅沢仕立て』発売(森永製菓)」の見出しのもと、「◆会社名=森永製菓・・・A=『ミルクココア〈大人の贅沢仕立て〉』芳醇なカカオの風味、濃厚でコクのあるチョコレート感、後ギレがよく甘さ控えめにと、文字通りぜいたくに仕立てた。日本が世界に誇るスーパーパティシエ・辻口博啓から太鼓判を得た。ミルクココアに比べてココア感をアップし、甘みも若干控えめ。」の記載がある(2008.10.01 日本食糧新聞等3紙)。
(3)「明治乳業、バンホーテン使用『あじわいココア』など発売へ」の見出しのもと、「明治乳業(株)・・・▽あじわいココア(ココア飲料)=ココアの世界的ブランド・バンホーテンココアを使用した、リキッドタイプのココア。ココアの芳醇な香り、ほどよい甘さが楽しめる切れの良い後味のココア。」の記載がある(1996.09.13 日本食糧新聞等3紙)。

3 指定商品中「茶」について
(1)「紅茶」について
ア 「『キリン 午後の紅茶 エスプレッソティー・ブラック無糖』発売(キリンビバレッジ)」の見出しのもと、「◆会社名=キリンビバレッジ・・・B=〈エスプレッソティー〉リニューアル。シリーズ商品。深いコクと芳醇な香りが特徴の、ウバ茶葉(90%以上使用)のブレンド比率をアップさせた。高温・高圧のエスプレッソ抽出をした、紅茶葉の良質な苦みが効いた、濃厚でよりキレのある味わい。」の記載がある(2011.05.27 日本食糧新聞等3紙)。
イ 「『ティオ ゴールデンミルクティー』発売(アサヒ飲料)」の見出しのもと、「◆会社名=アサヒ飲料・・・“糖類ゼロ”は維持しつつ、紅茶の飲み応えをアップ。茶葉を従来品より50%増量。甘く芳醇な香りと熟成した濃厚な味わいがミルクティーに最適なアッサム茶葉2種類をブレンドし、同社の独自製法“うまみ2段抽出(=ゴールデンドロップ製法)”で、紅茶葉のうまみがつまった“ゴールデンドロップ”といわれる“最後のひと滴”まで丁寧に抽出。」の記載がある(2010.11.10 日本食糧新聞等3紙)。 ウ 「『フォション ルカフェ ティーオレ』発売(アサヒ飲料)」の見出しのもと、「◆会社名=アサヒ飲料・・・クリームを加えたまろやかなミルクの味わいに好適な、しっかりしたコクと芳醇な香りのアッサム紅茶葉だけ使用。紅茶を入れる際の目安量の約1.5倍の茶葉をぜいたくに使用し、ポットで入れる状態に近づけた“蒸らし抽出製法”で、味わいと香りを最大限に引き出した。」の記載がある(2009.02.25 日本食糧新聞等3紙)。
(2)「日本茶」について
ア 「茶の良さや入れ方を学ぶ もてなしの心も-御殿場南小で日本茶教室」の見出しのもと、「日本古来のお茶の味を知り、親しんでもらおうと御殿場茶の老舗小野園が11日、御殿場市の市立御殿場南小(勝又立雄校長)で『こども日本茶教室』を開いた。・・・児童は使い慣れない急須を使って湯飲みに煎茶を回し入れる方法も学び、自分で入れた煎茶の芳醇(ほうじゅん)な味わいを楽しんだ。」の記載がある(2011.07.12 静岡新聞朝刊)。
イ 「96年前の煎茶会再現 草野家住宅 重文1周年の行事=大分」の見出しのもと、「日田市豆田町の国の重要文化財・草野家住宅は16日、屋敷で約96年前の煎茶(せんちゃ)会を再現した。重要指定1周年の記念行事で、招待された約80人が芳醇(ほうじゅん)なお茶の香りと味を楽しんだ。」の記載がある(2010.10.17 読売新聞西部朝刊)。
(3)「中国茶」について
ア 「【新商品】“生産者の顔が見えるお茶”『凍頂烏龍茶』をリニューアル」の見出しのもと、「台湾中部に位置する南投縣名間郷(なんとうけんめいかんきょう)にある茶園を営む、岳氏の茶畑で作られた2種類の茶葉をブレンドしたお茶『凍頂烏龍茶』をリニューアル。原材料の茶葉は、花のような甘い後味の『四季春』と、芳醇(ほうじゅん)な味わいの『翠玉(すいぎょく)』の2種類を採用した。」の記載がある(2010.05.03 FujiSankei Business i.24頁)。
イ 「【台湾有情】乗り物は安全第一で」の見出しのもと、「台北郊外に『猫空』という茶所がある。200年も前に中国大陸から持ち込まれた苗木が事の始まりといわれ、やがて烏龍茶の中でも有名な鉄観音の名産地となった。芳醇な香りと甘みが特徴で、今では観光地化の波に乗って茶店が並び、週末ともなれば、カップルや家族連れでにぎわう。」の記載がある(2007.07.12 産経新聞大阪朝刊)。
ウ 「近畿・中国・四国版 近畿コカ、烏龍茶『煌(ファン)』など発売」の見出しのもと、「近畿コカ・コーラボトリング(株)・・・『煌「ファン」』は、中国福建省の高地に育つ、厳選された武夷岩茶をはじめ色種、水仙といった茶葉を使用した烏龍茶。濃厚にして豊かな香り、芳醇で爽快感のある甘み、長く持続する後味が特徴。」の記載がある(1998.04.01 日本食糧新聞等3紙)。

審決日 2011-07-29 
出願番号 商願2009-13632(T2009-13632) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (X30)
最終処分 成立  
前審関与審査官 吉岡 めぐみ小田 明早川 真規子 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 前山 るり子
小林 正和
商標の称呼 モリハンホージュン、モリハン、ホージュン 
代理人 田中 達也 
代理人 吉田 稔 

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