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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X05
管理番号 1241337 
審判番号 不服2010-27423 
総通号数 141 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-12-03 
確定日 2011-08-08 
事件の表示 商願2009-94557拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「パブロン鼻炎カプセル」の文字及び「トリプルブロック」の文字を二段に横書きした構成よりなり、第5類「カプセル状鼻炎治療薬」を指定商品として、平成21年12月15日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第5327843号商標は、「トリプルブロック」の文字と「Triple Block」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成21年2月19日に登録出願、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」を指定商品として、同22年6月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「パブロン鼻炎カプセル」の文字及び「トリプルブロック」の文字を二段に横書きした構成よりなるところ、上下の文字部分の中心をそろえて、外観上まとまりよく一体的に表されているものであって、その構成全体をもって看取されるものというのが自然である。
また、その構成中の「トリプルブロック」の文字部分は、「3倍の、3重の」の意味を有し、複合語を作るものとして我が国で広く親しまれた外来語の「トリプル」と、「かたまり、おもちゃの積み木」などの意味の他、本願の指定商品と関係のある医学的な意味合いとして「神経伝達の遮断」の意味で我が国で広く親しまれた外来語の「ブロック」とから構成されており、「3倍の遮断、3重の遮断」程の意味合いを需要者に容易に認識させるものである。
加えて、本願の指定商品の分野では、薬の有効成分によって、症状を緩和、治癒させるとの意味合いで「ブロック」の語が使用されている実情や、その有効成分の相乗効果による薬効を「トリプルでブロック」あるいは「トリプルブロック」と記述している事例が、以下の新聞記事からもうかがうことができる。
(1)1997年12月9日付け化学工業日報5頁には、「エスエス製薬、透明ソフトカプセルの鼻炎薬など発売」との見出しの下、「エスエス製薬は、・・・透明ソフトカプセルの鼻炎薬『エスタック鼻炎ソフトニスキャップ』を発売した。・・・エスタック鼻炎ソフトニスキャップはカプセル中の有効成分がすでに透明な液体になっている。体内ですみやかに溶けて効き目を現す。有効成分のd-マレイン酸クロルフェニラミンがヒスタミンをブロック(審決注:下線は審決において付加したものである。以下同じ。)するとともに、ベラドンナ総アルカロイドがアセチルコリンをブロック(ダブルブロック効果)する。・・・」との記載がある。
(2)2001年10月23日付け日刊薬業11頁には、「〔新発売〕参天製薬」との見出しの下、「◇参天製薬はこのほど、抗アレルギー剤配合の一般用目薬『サンテアルフリー新目薬』を新発売した。抗アレルギー剤クロモグリク酸ナトリウムと抗ヒスタミン剤マレイン酸クロルフェラミンの配合により、アレルギー誘発物質ヒスタミンの放出・働きをダブルブロック。花粉・ハウスダストなどによる、目の充血・かゆみ・アレルギー症状を緩和する。・・・」との記載がある。
(3)2003年7月21日付けPharmaweek10頁には、「<特集>『Pharmaweekの『いち押し商品』研究』」との見出しの下、「<バックグラウンド>◆トラネキサム酸を750mg配合した初の総合かぜ薬/第一製薬は、6月18日、のどの腫れや痛みに効く抗プラスミン薬『トラネキサム酸』を、750mg配合した総合かぜ薬『ペラックコールドTD錠』と『同TM顆粒』を新発売した。・・・総合かぜ薬の『ペラックコールドTD錠・TM顆粒』には、トラネキサム酸だけでなく、解熱鎮痛薬の『アセトアミノフェン』、『エテンザミド』も配合、のどの痛みをトリプルでブロックする。・・・<商品特長>・・・2)トラネキサム酸、アセトアミノフェン、エテンザミドを配合し、のどの痛みをトリプルブロック・・・」との記載がある。
(4)2007年12月6日付け日刊工業新聞15頁には、「第一三共ヘルスケア、アレルギー専用点鼻薬を発売」との見出しの下、「第一三共ヘルスケアはアレルギー専用点鼻薬『エージーノーズクール』を5日発売した。・・・既存製品『エージーノーズ』にメントールを加え、すっきりした使用感を付加した。抗アレルギー剤『クロモグリク酸ナトリウム』に、抗ヒスタミン剤と血管収縮剤で、鼻水、鼻づまり、くしゃみといった症状をトリプルブロックする。」との記載がある。
以上からすれば、本願商標の構成中「トリプルブロック」の文字部分は、その商品の効能(品質)を表示するものとして取引者、需要者に一般に認識されるものというのが相当である。
そうすると、本願商標の構成中「トリプルブロック」の文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を有しないか又は極めて弱いものというのが相当であるから、当該文字部分をもって取引に資するとは言い難いものである。
してみれば、本願商標は、その構成文字全体に相応して「パブロンビエンカプセルトリプルブロック」の称呼を生ずるほか、その構成中の上段に書された文字部分に相応した「パブロンビエンカプセル」の称呼、あるいは上段の文字部分の前部に位置して看者の注意を惹き、自他商品の識別標識としての機能を果たす「パブロン」の文字部分に相応して「パブロン」の称呼をも生じるものというのが相当であるが、「トリプルブロック」の文字部分に相応した称呼が生ずるということはできないものである。
したがって、本願商標の構成中「トリプルブロック」の文字部分に相応して「トリプルブロック」の称呼をも生ずるとした上で、本願商標と引用商標が称呼上類似するものとして、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2011-07-25 
出願番号 商願2009-94557(T2009-94557) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (X05)
最終処分 成立  
前審関与審査官 松田 訓子 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 内田 直樹
前山 るり子
商標の称呼 パブロンビエンカプセルトリプルブロック、パブロンビエンカプセル、パブロン、トリプルブロック 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 黒川 朋也 
代理人 工藤 莞司 

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