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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) X0941
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) X0941
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) X0941
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) X0941
管理番号 1240005 
異議申立番号 異議2010-900248 
総通号数 140 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-08-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-08-13 
確定日 2011-06-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第5322033号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5322033号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第5322033号商標(以下「本件商標」という。)は,「HAPPY!マチキャラ」の文字を標準文字で表してなり,平成21年10月30日に登録出願,第9類及び第41類に属する別掲1に記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として,平成22年4月1日に登録査定,同年5月14日に設定登録されたものである。

2 引用商標
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第5015942号商標(以下「引用商標1」という。)は,「マチキャラ」の片仮名文字を標準文字で表してなり,平成18年7月4日に登録出願,第41類に属する別掲2に記載のとおりの役務を指定役務として,同19年1月5日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
(2)同じく登録第5053779号商標(以下「引用商標2」という。)は,「マチキャラ」の片仮名文字を標準文字で表してなり,平成18年7月25日に登録出願,第9類に属する別掲3に記載のとおり商品を指定商品として,同19年6月15日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
(なお,以下,引用商標1及び2を併せていうときは,単に「引用商標」という。)

3 登録異議申立ての理由(要旨)
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号,同第15号並びに同第7号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,取り消されるべきものである旨申立て,その申立の理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号ないし同第18号証(枝番を含む。)を提出した。
<申立の理由の要点>
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,外観及び観念上,その構成要素中の片仮名「マチキャラ」の部分が単独で認識され,「マチキャラ」の称呼が生じる。他方,引用商標は,片仮名「マチキャラ」であるから,「マチキャラ」の称呼を生じることから,本件商標と引用商標とは,外観,観念及び称呼を共通にする類似の商標であり,その指定商品及び指定役務も同一又は類似のものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は,申立人の商標として,広く一般に知られている(甲第7号の1ないし同第14号証の88)から,これと近似する本件商標がその指定商品及び指定役務に使用された場合,商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)商標法第4条第1項第7号について
引用商標は,申立人の商標として,広く一般に知られており(甲第7号証の1ないし同第14号証の88),本件商標の登録は,引用商標に化体された信用の希釈化を招くばかりでなく,申立人所属の通信業界の信義則に反するものである。

4 当審における取消理由
当審において,商標権者に対して平成23年2月16日付けで通知した取消理由は,別掲4のとおりである。

5 商標権者の意見
本件商標について,前記4の取消理由を通知し,相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが,商標権者は何ら意見を述べるところがない。

6 当審の判断
本件商標についてした前記4の取消理由は,妥当なものと認められる。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから,同法第43条の3第2項により,登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 <別掲1> 本件商標に係る指定商品又は指定役務
第9類「ダウンロード可能なアニメーション画像,ダウンロード可能なアニメーション映画,キャラクターを登場させた家庭用テレビゲーム用プログラム,ダウンロード可能なゲームキャラクター画像,ダウンロード可能な音楽又は画像又は映像,移動体電話によるダウンロード可能な画像・文字・音楽,音声・画像・映像・文字情報を記憶させた記録媒体,通信ネットワークを介してダウンロード可能な移動体電話のための音楽および画像,電子計算機による通信を通じて提供されるダウンロード可能な音楽又は画像」
第41類「通信回線を介して行う携帯電話待受用画面に表示させるための電子化された画像の提供,インターネットによるキャラクター画像の提供,インターネットを利用したキャラクター画像の提供,オンラインによるキャラクター音声の提供,オンラインによるキャラクター画像の提供,キャラクターショーに関する興行の企画・運営又は開催,キャラクターショウに関する興行の企画・運営又は開催及びこれらに関する情報の提供,キャラクターショウ等で使用する舞台衣装・舞台装置の貸与,ネットワークを介したキャラクター画像の提供,移動体電話・電子計算機端末などの情報通信端末による通信を用いて行うキャラクターの画像の提供,移動体電話による通信を用いて行うキャラクター等の静止画像・動画像・音声付き静止画像・音声付き動画像・映像の提供,移動体電話を利用したキャラクター画像の提供,家庭用テレビゲームおもちゃまたは業務用テレビゲーム機による通信を用いて行うキャラクター等の静止画像・動画像・音声付き静止画像・音声付き動画像・映像の提供,書籍・アニメーション・おもちゃ・ゲーム等のキャラクターに関する画像の提供,着ぐるみ・ぬいぐるみによるキャラクターショーの企画・運営又は開催,着ぐるみ・ぬいぐるみによるキャラクターショーの企画・運営又は開催及びそれらに関する情報の提供,電子計算機端末及び通信(インターネット)を介してオンラインで行うキャラクター画像の提供,インターネットによるアニメーションの画像・映画の提供,携帯電話・コンピュータで送付されるメールとアニメーション・画像データを電子計算機によって合成するデジタル画像処理,電子データ化されたゲーム・アニメーション映像の提供,電子データ化されたゲーム・アニメーション映像の提供に関する情報の提供」

<別掲2> 引用商標1に係る指定役務
第41類「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営に関する情報の提供,娯楽情報の提供,電子計算機端末・移動体電話による通信を用いて行う音声・音楽・画像・映像・ゲーム・映画・演芸の上演映像・演劇の上演映像の提供及びそれらに関する情報の提供,電子計算機端末・移動体電話による通信を用いて行う電子出版物の提供,その他の電子出版物の提供,電子計算機端末によるコンピュータ会議の企画・運営又は開催,図書及び記録の供覧に関する情報の提供」

<別掲3> 引用商標2に係る指定商品
第9類「携帯用通信機械器具,携帯電話端末用ストラップ,カーナビゲーション装置及びその部品,その他の電気通信機械器具,電子計算機端末装置,電子計算機端末による通信を通じてダウンロード可能な電子応用機械器具用コンピュータプログラム,移動体電話による通信を通じてダウンロード可能な移動体電話機用コンピュータプログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品,携帯情報端末,携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラムに関する印刷物の文字データ・画像データ等を記録したフロッピーディスク・CD-ROM等の記録媒体,携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラム等の技術に関する印刷物の文字データ・画像データ等を記録したフロッピーディスク・CD-ROM等の記録媒体,ダウンロード可能な電子出版物,ダウンロード可能な画像(動画・静止画を含む)・音楽・音声,ダウンロード可能な家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラム,カメラその他の写真機械器具」

<別掲4> 取消理由通知(なお、1(3)9行目,「本件商標の指定役務は,引用商標1の指定役務中,」の記載は,「引用商標1の指定役務は,本件商標の指定役務中,」の誤記であるので,訂正する。)
1 商標法第4条第1項第11号の該当性について
(1)本件商標
本件商標は,前記1のとおり,「HAPPY」の欧文字と,「マチキャラ」の片仮名文字とを,「!」の感嘆符を介して「HAPPY!マチキャラ」と表してなるところ,かかる構成にあっては,「HAPPY」の文字部分と「マチキャラ」の文字部分とは,視覚上分離して看取されるばかりでなく,「HAPPY」の欧文字は,「うれしい,喜んで・・・する」等の意味を有する英語(ジーニアス英和辞典 大修館書店)であるのに対し,「マチキャラ」の文字は,特定の語義を有しない造語であることからすれば,これらが常に一体不可分のものとしてのみ,看取,把握されなければならない外観上及び観念上の事情は,見出せない。
そうとすれば,本件商標は,「マチキャラ」の文字部分も,独立して自他商品又は役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり,該文字部分より,単に,「マチキャラ」の称呼をも生ずるというのが相当である。
(2)他方,引用商標は,前記2のとおり,「マチキャラ」の片仮名文字を表したものであるから,「マチキャラ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標との類否について検討するに,本件商標の「マチキャラ」の文字部分と,引用商標とは,その綴り字を同一にし,「マチキャラ」の称呼を共通にするものである。
そうとすれば,本件商標と引用商標とは,いずれも造語であることから観念において異同はないとしても,外観及び称呼において同一又は類似の商標と判断するのが相当である。
また,本件商標の指定商品は,引用商標2の指定商品と同一又は類似のものであり,引用商標1の指定役務は,本件商標の指定役務中,第41類「通信回線を介して行う携帯電話待受用画面に表示させるための電子化された画像の提供,インターネットによるキャラクター画像の提供,インターネットを利用したキャラクター画像の提供,オンラインによるキャラクター音声の提供,オンラインによるキャラクター画像の提供,キャラクターショーに関する興行の企画・運営又は開催,キャラクターショウに関する興行の企画・運営又は開催及びこれらに関する情報の提供,ネットワークを介したキャラクター画像の提供,移動体電話・電子計算機端末などの情報通信端末による通信を用いて行うキャラクターの画像の提供,移動体電話による通信を用いて行うキャラクター等の静止画像・動画像・音声付き静止画像・音声付き動画像・映像の提供,移動体電話を利用したキャラクター画像の提供,家庭用テレビゲームおもちゃまたは業務用テレビゲーム機による通信を用いて行うキャラクター等の静止画像・動画像・音声付き静止画像・音声付き動画像・映像の提供,書籍・アニメーション・おもちゃ・ゲーム等のキャラクターに関する画像の提供,着ぐるみ・ぬいぐるみによるキャラクターショーの企画・運営又は開催,着ぐるみ・ぬいぐるみによるキャラクターショーの企画・運営又は開催及びそれらに関する情報の提供,電子計算機端末及び通信(インターネット)を介してオンラインで行うキャラクター画像の提供,インターネットによるアニメーションの画像・映画の提供,電子データ化されたゲーム・アニメーション映像の提供,電子データ化されたゲーム・アニメーション映像の提供に関する情報の提供」と同一又は類似のものと認められる。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

2 「マチキャラ」の周知性について
申立人の主張及び提出に係る証拠によれば,以下の事実が認められる。
(1)「IT用語辞典 BINARY」の「マチキャラ」の項には,「マチキャラとは,NTTドコモが提供している,携帯電話の待ち受け画面やメール画面などで,キャラクターが動き回ったり,着信やメール受信を知らせたりしてくれるサービスのことである。または,そのサービスにおける個々のキャラクターの総称である。」との記載がある(甲第7号証の1及び2)。
(2)「ケータイ用語の基礎知識」において,「『マチキャラ』とは,携帯電話の待受画面やメールの画面などで,2Dや3Dで描かれたアニメーションキャラクターを表示できる機能です。NTTドコモのFOMA端末向けに提供されており,これまでに三菱電機製のFOMA端末や,シャープ製FOMA端末『SH905iTV』で採用されています。モーションコントロールが搭載されているD904i/D905iでは携帯を振ったり,傾けたり,逆さまにしたりすると,通常とは違うアニメーションで動く,という仕掛けも用意されています。」との記載がある(甲第7号証の3)。
(3)「事業別契約数」の会社名「NTT DOCOMO」には,2010年7月末の累計が,「56,659,600」との記載がある(甲第8号証)。
(4)「マチキャラ」をキーワードとしてGoogle検索を行ったヒット件数は,318,000件である(甲第9号証)。
(5)2010年4月1日付け,株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの「ドコモの登録商標・商標の取り扱いについて/【iモードCP様向け商標利用ガイドライン】」には,『商標登録表示「R(○のなかに表されている)」の記載について/・・・『マチキャラ』を使用する際は,必ず『R(○のなかに表されている)』を付けて記載して下さい。」及び「商標帰属表示の記載について/・・・『マチキャラ』を使用する際は,必ず商標帰属の記載をして下さい。」との記載がある(甲第12号証)。
(6)「マチキャラ」の文字とともに,商標登録の表示「R(○のなかに表されている)」又は「(R)」が付され,また,「『マチキャラ』ロゴはNTTドコモの登録商標です。」,「『マチキャラ』はNTTドコモの商標または登録商標です。」等と記載されている(甲第13号及び同第14号証(枝番を含む))。

3 職権による証拠調べ
当審において,職権により証拠調べをした結果,「マチキャラ」の文字について,以下の事実が認められる。
(1)「ドコモ,月内に新サービス 携帯があなたの執事に」
2008.11.05 FujiSankei Business i. 10頁
「ケータイが秘書や執事のように,あなたの生活エリアや趣味など好みに合わせ,お役立ち情報を送り届けてくれる-/そんなサービスをNTTドコモが月内に始める。20日以降に発売する冬・春商戦向けの新製品22機種のうち,13機種で対応する。使用料は月額200円程度になる見込み。携帯利用者とコンテンツの接点を拡大し,利用促進を図る狙いもある。ドコモが始めるサービス『iコンシェル』は携帯電話の待ち受け画面に常駐するキャラクター(マチキャラ)が,自分の生活エリアや趣味などに合わせた新着情報を教えてくれたり,ダウンロードして手に入れたイベントなどの情報を最新の内容に自動更新してくれたりする。」との記載。
(2)「リスル 携帯待ち受けに 多摩信金 イメージ向上狙う=多摩」
2010.11.25 読売新聞 東京朝刊 32頁
「多摩信用金庫(本店・立川市)は今月22日から,同信金のイメージキャラクター『RISURU(リスル)』について,NTTドコモの携帯電話の『マチキャラ』で利用できるようダウンロードサービスを始めた。マチキャラは,NTTドコモが提供するサービスで,待ち受け画面内をキャラクターが動いて,電話の着信やメール受信を教えてくれる機能。同信金は,生活に身近な携帯電話を通じて幅広い世代の人にキャラクターに親しんでもらい,企業イメージを向上させる狙いで導入した。」との記載。
以上によれば,「マチキャラ」の文字は,少なくとも,2008年(平成20年)11月には,携帯電話の待ち受け画面やメニュー画面などにユーザの設定したキャラクターを表示させる役務の提供を表示するものとして,使用が開始され,その後,申立人及びその許諾者により多数使用された結果,本件商標の登録出願時(平成21年10月30日)はもとより,登録査定時(同22年4月1日)においても,申立人の提供に係る役務を表示するものとして,取引者・需要者に広く知られていたと認められるものである。

4 商標法第4条第1項第15号の該当性について
本件商標は,その構成中に「マチキャラ」の文字を含むものであり,該文字は,前記認定のとおり,申立人に係る役務の提供を表すものとして,本件商標の登録出願時はもとより,登録査定時において,申立人の役務の提供に係る取引者,需要者の間に広く認識されていた「マチキャラ」と,同一の綴り字よりなるものである。
そうとすれば,本件商標をその指定役務中,申立人に係る役務の提供と関連する,第41類「キャラクターショウ等で使用する舞台衣装・舞台装置の貸与,携帯電話・コンピュータで送付されるメールとアニメーション・画像データを電子計算機によって合成するデジタル画像処理」について使用するときは,取引者・需要者において,その役務が申立人あるいは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように役務の出所について混同を生じさせるおそれがあるというのが相当である。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

5 結語
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び第15号の規定に違反してされたものである。



異議決定日 2011-05-06 
出願番号 商願2009-82575(T2009-82575) 
審決分類 T 1 651・ 262- Z (X0941)
T 1 651・ 261- Z (X0941)
T 1 651・ 271- Z (X0941)
T 1 651・ 263- Z (X0941)
最終処分 取消  
前審関与審査官 久保田 正文 
特許庁審判長 野口美代子
特許庁審判官 田中 亨子
鈴木 修
登録日 2010-05-14 
登録番号 商標登録第5322033号(T5322033) 
権利者 株式会社デジマース
商標の称呼 ハッピーマチキャラ、ハッピー、マチキャラ 
代理人 工藤 莞司 
代理人 黒川 朋也 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 浜田 廣士 
代理人 鷹取 政信 

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