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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X33 審判 全部申立て 登録を維持 X33 審判 全部申立て 登録を維持 X33 審判 全部申立て 登録を維持 X33 審判 全部申立て 登録を維持 X33 |
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管理番号 | 1240003 |
異議申立番号 | 異議2010-900305 |
総通号数 | 140 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2011-08-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2010-10-01 |
確定日 | 2011-07-01 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5334297号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5334297号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 登録第5334297号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおり「酔心」、「お父さんいつも」及び「ありがとう」の文字を右から三行に縦書きしてなり、平成22年4月7日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同年6月7日に登録査定、同年7月2日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に該当するとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。 (1)申立人の引用する商標 申立人が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録第2381495号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおり、「おとうさん」及び「ありがとう」の文字を右から二行に縦書きしてなり、昭和57年8月27日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成4年2月28日に設定登録され、同14年11月27日に指定商品を第32類及び第33類に属する商標登録原簿記載の商品とする指定商品の書換登録がなされたものである。 (2)具体的理由 ア 本件商標は、その構成から「オトウサン(イツモ)アリガトウ」の称呼をも生ずるのに対し、引用商標は、その構成から「オトウサンアリガトウ」の称呼を生ずる。 よって、両商標は、「オトウサンアリガトウ」の称呼を共通にし、「お父さんへの感謝の気持ちを表す言葉(語)」として観念をも共通にする類似のものである。 また、両商標の指定商品も同一又は類似のものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 イ 申立人は、引用商標を昭和57年から20年以上「清酒」について使用し、また、焼酎メーカーやビールメーカーに使用許諾しており、これらの販売実績により、引用商標は周知なものとなっているから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号び同第15号に違反して登録されたものである。 3 当審の判断 (1)本件商標は、別掲(1)のとおり「酔心」、「お父さんいつも」及び「ありがとう」の文字を縦書きしてなるところ、その構成中「お父さんいつも」及び「ありがとう」の文字部分は、商品の出所を表示したものというよりは、父親(あるいは夫)に対する感謝の意を表す文言として認識されるものであり、殊更かかる文字部分が分離、抽出され、当該部分のみをもって取引に資されるとはいい難いものであって、自他商品の識別機能が極めて弱いものとみるのが相当である。 そして、本件商標の構成中「酔心」の文字(語)は、特定の語義を有しない造語であり、独立して自他商品の識別機能を果たし得るものであるから、該文字部分が看者の印象に残るとみるのが相当である。 そうすると、本件商標は、他の商標との類否を検討するにあたって、その構成中の一部を分離、抽出することが許される部分は、「酔心」の文字部分というべきである。 してみれば、本件商標は、その構成文字全体から「スイシンオトウサンイツモアリガトウ」の称呼、及び「酔心」の文字(語)に相応して「スイシン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものといわなければならない。 他方、引用商標は、別掲(2)のとおり「お父さん」及び「ありがとう」の文字を縦書きしてなるところ、その構成文字に相応して「オトウサンアリガトウ」の称呼を生じ、「お父さんありがとう(感謝の意を表す言葉)」の観念を生じるものである。 そこで、本件商標及びその構成中「酔心」の文字部分と引用商標との類否を検討すると、両者は、外観においてはそれらの構成文字から明らかに区別し得るものであり、また、称呼においては、前者から生じる「スイシンオトウサンイツモアリガトウ」及び「スイシン」の称呼と、後者から生じる「オトウサンアリガトウ」の称呼とは、その音構成及び音数に明らかな差異を有するから、明確に区別し得るものである。 さらに、観念については、前者が特定の観念を生じないものであることから比較することができない。 してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとは認められない。 (2)本件商標と引用商標とは、上述のとおり外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものであり、また、引用商標が周知なものであると認め得るに足る証拠の提出もない。 そうとすれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標を連想又は想起するものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反してされたものではない。 (3)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標 (2)引用商標 |
異議決定日 | 2011-05-25 |
出願番号 | 商願2010-32208(T2010-32208) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X33)
T 1 651・ 263- Y (X33) T 1 651・ 25- Y (X33) T 1 651・ 262- Y (X33) T 1 651・ 261- Y (X33) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 薩摩 純一 |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
小畑 恵一 瀧本 佐代子 |
登録日 | 2010-07-02 |
登録番号 | 商標登録第5334297号(T5334297) |
権利者 | 株式会社醉心山根本店 |
商標の称呼 | スイシンオトウサンイツモアリガトウ、スイシンオトーサンイツモアリガトー、スイシン、オトーサンイツモアリガトー |
代理人 | 楠本 高義 |
代理人 | 小山 義之 |