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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない X2830 |
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管理番号 | 1239878 |
審判番号 | 不服2009-21635 |
総通号数 | 140 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-08-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-11-06 |
確定日 | 2011-06-20 |
事件の表示 | 商願2008-83800拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「STYLING」の欧文字と「スタイリング」の片仮名とを上下二段に横書きした構成よりなり、第28類及び第30類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成20年10月15日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同21年5月26日付け手続補正書により、第28類「おもちゃ,人形」及び第30類「菓子」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、『型、様式、形式、種類』の意味合いを表す語として一般に使用されている『STYLING』の文字とその表音を表したものと認められる『スタイリング』の文字を二段に書してなるものであるから、これを本願指定商品に使用しても、需要者・取引者は「商品の型、様式、形式、種類を表すもの」と容易に理解するに止まり、何人の業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審における証拠調べ通知 本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定により、請求人に対し、期間を指定して意見を述べる機会を与えて通知した。 記 (1)「大辞林 第三版」(株式会社三省堂 2006年10月27日発行)には、「スタイリング[styling]」の語に関し、「(デザインの)様式・型、また、ある形や様式に整えること。」の記載。 (2)「大きな字のカタカナ新語辞典 第2版」(株式会社学習研究社 2009年1月19日発行)には、「スタイリング[styling]」の語に関し、「(1)様式.型.(2)外形のデザイン処理.特に自動車などの工業製品についていう.」の記載。 (3)「現代用語の基礎知識 2010年版」(自由国民社 2010年1月1日発行)には、「スタイリング[styling]」の語に関し、「整髪。あるスタイルに合わせること。ある格好にすること。様式。」の記載。 (4)「リアル等身大着せ替え人形『キャンバスドール』」の通販ショップのサイト中の「ジャック(等身大)」の商品説明には、「スタイリング次第でアクションヒーローフィギュアにも大変身?!」の記載、「ヘラクレス(等身大)」の商品説明には、「スタイリングによっては、お気に入りプロレスラーや総合格闘家、アクションヒーローフィギュアにも大変身!!」の記載、「ヴィーナス(等身大)」の商品説明には、「別売のクロスウィッグやスタイリングによって、あなただけのオリジナルイメージに大変身!」の記載、「イヴ(等身大)」、「アダム(等身大)」、「イヴミニ 」及び「アダムミニ」の商品説明には、「別売りのクロスウィッグやスタイリングによって、さらに存在感やイメージが変化します。」の記載。 (http://www.canvasdoll.com/) (5)「人形の種類や歴史などがわかるドール博物館『横浜人形の家』」の展示品の説明のサイト(Event Report Blythe)には、「日本でも大人気のファッションブランドのデザイナーたちがスタイリングしてくれたブライスたちです。…人気のファッションブランドのスタイリングによるブライス、人気のアクセサリーブランドQ-potスタイリングによるブライス…世界のトップデザイナーたちがブライスをモデルにスタイリングしたファッションが勢揃い!…それぞれのチームごとにオリジナルのテーマでスタイリングされたブライスはどれも艶やかです。」の記載。 (http://www.blythedoll.com/jpn/event/0804_yokohama.html) (6)「ファッションドール・キャラクタードールのホームショッピングガイド(通販案内)『桃子ドール』」のサイト中の「桃子Momoko 579761 MOMOKO Doll ぽっかりオフタイム」他5点の商品説明には、「東京の今を切り取る着せ替え人形として、20代?30代の大人の女性を中心に人気のリアルファッションドール『momokoドール』。写真の被写体として、ソーイングの対象として、ヘアカットやスタイリング、ブログ作成のツールとして、そのリアルさが大人の女性のクリエイティブ心を刺激します。」の記載。 (http://www.hs-u.com/doll/momoko.html) (7)「おもちゃ・玩具・ホビーの卸販売-スーパーデリバリー」のサイトには、「リリースされる車種はその落ち着いた雰囲気とクラシカルなスタイリングが人気のソフテイルファミリーのFLシリーズ最新モデルをラインアップ!」、「ファクトリーカスタムの名に恥じぬスタイリングを再現しています。」及び「ノスタルジックなスタイリング」の記載。 (http://www.superdelivery.com/p/r/pd_p/2096079/) (8)「オークション&ショッピングのビッダーズ」のサイトには、「絶版レア♪コトブキヤ アクティブスタイリングフィギュア5点(綾波レイ・アスカ・ウテナ・命・あかり)」の記載。 (http://www.bidders.co.jp/pitem/93472351) (9)「楽天市場」のサイトには、「ジェシー&ブルズアイ!トイストーリー Styling Doll(スタイリングドール)ジェシー&ブルズアイ」の記載。 (http://item.rakuten.co.jp/zacpac-toy/toystory-styling-doll/) 4 請求人の意見の要旨 (1)前記3の証拠調べ通知書の事実(1)ないし(3)は、「スタイリング[styling]」の語が「(デザインの)様式・型」、「ある形や様式に整えること」、「外形のデザイン処理、特に自動車などの工業製品についていう」、「整髪」、「あるスタイルに合わせること」及び「ある格好にすること」といった複数の語意を有することを示しているので、これらは、請求人の主張を補強するものである。 (2)同事実(4)ないし(6)については「ある形や様式に整えること。」、同事実(7)については「外形のデザイン処理、特に自動車などの工業製品についていう。」といった意味で使用されており、「商品の型、様式、形式、種類を表すもの」の意味では使用されていない。 また、いずれもインターネット上の文章の一部に「スタイリング」の語を使用しているにすぎず、商標的に使用した場合に自他商品の識別力を有しないことを裏付けるものではない。 (3)同事実(8)については「アクティブスタイリングフィギュア」、同事実(9)については「スタイリングドール」との記載であり、いずれも「スタイリング」単体にて使用された例ではないから本願商標とは事情を異にし、本願商標の自他商品識別力の有無を論じる際の証拠とはならない。 (4)以上のとおり、証拠調べ通知書に記載の事実は、いずれも本願商標が、指定商品「おもちゃ,人形」との関係において識別力を有しないことを証明するものではなく、審判請求書において述べたように、本願商標は、指定商品「おもちゃ、人形」との関係において識別力を有する商標である。 5 当審の判断 本願商標は、前記1のとおり、「STYLING」及び「スタイリング」の文字よりなるところ、前記3(1)ないし(3)の辞書によれば「スタイリング(styling)」の語は「(デザインの)様式・型、ある形や様式に整えること、外形のデザイン処理、あるスタイルに合わせること、ある格好にすること」との記載からすれば「外形のデザインを、あるスタイル・様式・型・格好にする(整える)こと(処理)」程度の一つの意味を理解させるものである。 そして、前記3(4)ないし(9)に示した取引の実情によれば、例えば「スタイリング」の語は、「着せ替え人形」について「スタイリング次第で…にも大変身?!」、「スタイリングによって…プロレスラーや総合格闘家、アクションヒーローフィギュアにも大変身!!」、「スタイリングによって…オリジナルイメージに大変身!」及び「スタイリングによって…存在感やイメージが変化します。」等の記載の他、「ブライス」について「スタイリングしてくれたブライス、ブライスをモデルにスタイリングした…オリジナルのテーマでスタイリングされたブライス…」等の記載が認められるものである。 これらのことからすると、「着せ替え人形」を「プロレスラーや総合格闘家、アクションヒーローのスタイルや格好にすること」若しくは、「ブライス」を「テーマに合わせること」を「スタイリング」と称しているといえるものである。 そうとすると、本願商標は、これをその指定商品中の「人形」に使用しても、「○○の様式や格好にすること」程度の意味を認識させるにとどまるから、取引者、需要者をして何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものと認められる。 ところで、請求人は、前記4において「『スタイリング』の語は、複数の意味がある、また、単体での使用例ではなく、文章の一部に使用しているにすぎない。」旨主張しているが、たとえ「スタイリング」の語が複数の意味を持つとしても、指定商品中の「人形」に関して、取引者、需要者をして、上記のように特定の意味で使用されているものであり、また、それらの使用が単体ではないとしても、上記の意味を理解させないということもできないし、それらの主張を裏付ける具体的、客観的な資料の提出もみうけられないものである。 してみれば、本願商標は、上記のとおり認定、判断すべきものであるから、請求人の上記主張は、採用することができない。 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものといわざるを得ないから、これと同旨の理由をもって本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2011-04-26 |
結審通知日 | 2011-04-27 |
審決日 | 2011-05-10 |
出願番号 | 商願2008-83800(T2008-83800) |
審決分類 |
T
1
8・
16-
Z
(X2830)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 早川 真規子 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
吉野 晃弘 末武 久佳 |
商標の称呼 | スタイリング |