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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X14
審判 一部申立て  登録を維持 X14
管理番号 1238510 
異議申立番号 異議2010-900301 
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-07-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-09-27 
確定日 2011-06-13 
異議申立件数
事件の表示 登録第5332415号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5332415号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5332415号商標(以下「本件商標」という。)は、「SKY COCKPIT」の欧文字と「スカイコックピット」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり、平成22年1月14日に登録出願、第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年4月27日に登録査定、同年6月25日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第27号証(枝番号を含む。)を提出している。
(1)申立人の引用する商標
申立人が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する国際登録第849619号商標(以下「引用商標」という。)は、「COCKPIT」の欧文字を横書きしてなり、2004年11月9日にスイス国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、2005年(平成17年)5月3日に国際商標登録出願、第14類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年6月9日に設定登録されたものである。
(2)申立ての理由
ア 商標法第4条第1項第11号について
本件商標構成中の「SKY/スカイ」の文字は、指定商品中の「時計」との関係においては、時計の用途が航空機用・パイロット用であることを示す用語として、普通に使用されている用語の一つであるから、識別力がないか識別力があったとしても低いものと言わざるを得ないため、本件商標は、「COCKPIT/コックピット」の文字部分を要部とする商標である。
そうすると、本件商標と引用商標とは、いずれも「コックピット」の称呼を生じ、「操縦席」の観念を有する点で同一であって、外観においても類似する商標であり、指定商品も同一又は類似のものである。
イ 商標法第4条第1項第15号について
申立人は、1884年の創業以来、パイロットウォッチに特化して腕時計の製造・販売をしているメーカーであり、日本においても、1995年にブライトリング・ジャパン株式会社を設立して以来、積極的な宣伝広告活動を行うとともに、日本全国で約170店の正規販売代理店を通じて商品の販売を行っている。その結果、雑誌「BEST BUY腕時計ランキング2004」においては、申立人ブランドは、好きなウォッチ・ブランドの第3位をかざるとともに、パイロットウォッチ部門において、申立人ブランドの「NAVI TIMER」が第1位を獲得している(甲第10号証ないし甲第15号証)。
引用商標である「COCKPIT」は、申立人の「WINDRIDER」シリーズのパイロットウォッチのモデル名として使用されているものであり、これらのモデル名のパイロットウォッチは、時計雑誌等にも度々掲載されている(甲第16号証ないし甲第25号証)。
このような事情を考慮すれば、本件商標が指定商品である腕時計(特にパイロットウォッチ)に使用された場合には、需要者は、本件商標を使用した商品を申立人と組織的又は経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であると誤認するおそれがある。
(3)以上のとおり、本件商標は、その指定商品中の「時計」について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、これを構成する「SKY」と「COCKPIT」の欧文字及び「スカイコックピット」の片仮名は、いずれも外観上まとまりよく一体的に表されており、これから生じる「スカイコックピット」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ、構成中の「SKY/スカイ」の文字部分が「空」等を意味する語であるとしても、「航空機用」等といった特定の商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに認識されるとはいえず、むしろ、その構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し理解されるものとみるのが自然であり、「COCKPIT/コックピット」の文字部分のみが分離・抽出され、取引に供されるとみるべき格別の理由は見出せない。
そうとすれば、本件商標は、該構成文字全体に相応して「スカイコックピット」の称呼のみを生ずるものであり、特定の観念を生じることはないものといわなければならない。
してみれば、本件商標から「COCKPIT/コックピット」の文字部分が独立して認識されることを前提にして、そのうえで、本件商標と引用商標とが外観、称呼及び観念において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は見いだせない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
上記のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものであるばかりでなく、申立人の提出に係る甲各号証によれば、引用商標が「パイロットウォッチ」の商標として使用されてきた事実は認められるとしても、引用商標に係る時計についての販売数や販売高といった引用商標の周知・著名性を裏付ける具体的な証拠の提出もないことから、提出に係る証拠をもってしては、本件商標の登録出願の時ないし登録査定時において、引用商標が取引者・需要者の間に広く認識されていたものとは認められない。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2011-05-27 
出願番号 商願2010-1743(T2010-1743) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (X14)
T 1 652・ 26- Y (X14)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山田 忠司 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 瀧本 佐代子
小畑 恵一
登録日 2010-06-25 
登録番号 商標登録第5332415号(T5332415) 
権利者 カシオ計算機株式会社
商標の称呼 スカイコックピット、スカイ、エスケイワイ、コックピット 
代理人 渡辺 広己 

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