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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X03
管理番号 1238495 
異議申立番号 異議2010-900323 
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-07-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-10-18 
確定日 2011-05-25 
異議申立件数
事件の表示 登録第5338119号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5338119号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5338119号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成20年6月9日に登録出願され、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」、第5類「薬剤」及び第29類「食用油脂,乳製品,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,カレー・シチュー又はスープのもと,食用たんぱく,植物性多糖類を主成分とするカプセル状・錠剤状・粉末状・顆粒状・液状の加工食品,ビタミン主成分とするカプセル状・錠剤状・粉末状・顆粒状・液状の加工食品,ナットウキナーゼを主成分とするカプセル状・錠剤状・粉末状・顆粒状・液状の加工食品,難消化性デキストリンを主成分とするカプセル状・錠剤状・粉末状・顆粒状・液状の加工食品,月見草油を主成分とするカプセル状・錠剤状・粉末状・顆粒状・液状の加工食品,ケフィランを主成分とするカプセル状・錠剤状・粉末状・顆粒状・液状の加工食品」を指定商品として、同22年6月25日に登録査定、同年7月16日に設定登録されたものである。

2 引用商標
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第998037号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2の1のとおりの構成からなり、昭和45年10月31日に登録出願され、第4類「せっけん類、歯みがき」を指定商品として、同48年2月3日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成15年3月5日に第3類「せっけん類,歯磨き」を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第1862794号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2の2のとおりの構成からなり、昭和54年1月19日に登録出願され、第4類「化粧品、香料類」を指定商品として、同61年5月30日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成19年9月5日に第3類「化粧品,香料類」を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第2648699号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲2の3のとおりの構成からなり、昭和57年11月16日に登録出願され、第4類「フランス国製のせつけん類(薬剤に属するものを除く)フランス国製の歯みがき、フランス国製の化粧品(薬剤に属するものを除く)フランス国製の香料類」を指定商品として、平成6年4月28日に設定登録され、その後、同15年12月24日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同17年11月9日に第3類「フランス国製のせっけん類,フランス国製の歯磨き,フランス国製の化粧品,フランス国製の香料類」を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
なお、引用商標1ないし3の引用商標をまとめて以下「引用商標」という。

3 申立ての理由
(1)本件商標と引用商標とは、外観上いずれもアルファベット2文字「JP」をモチーフとする図形か、それを一部に含んでおり、その図形の形状は、中央に同じ長さの垂直線が2本近接して並んでいる上、両文字の円弧部分が同一形状に形成されており、中心を軸に点対称に表現されているという構成上の特徴のほぼ全てが一致している(甲第1号証ないし甲第4号証)。
つまり、本件商標は、引用商標の図形と、わずかに1本の水平線を中央に有するか否かで相違するだけの違いでしかなく、これに接する需要者・取引者に、必ずしも細部まで正確に記憶されるとはいえないから、全体から受ける共通した印象により、おおよそ同じであるという印象を強く残すものである。
そのため、それぞれを時と処を異にして離隔的に観察したとき、需要者は本件商標から、酷似する引用商標の図形を直ちに連想し、誤って認識するおそれがある。
そして、本件商標は、その外観形状から「アルファベット2文字『JP』」の観念を生ずる。
これに対し、引用商標の図形は、モチーフとなっている周知な申立人の創業者の氏名「JEAN PATOU」の頭文字をとった「アルファベット2文字『JP』」の観念を生ずるから、本件商標と引用商標とは、共に「アルファベット2文字『JP』」の観念が共通する観念類似の商標でもある。
そして、これらの商標は、その指定商品が同一又は類似である。
したがって、本件商標は引用商標と類似の商標であり、両商標の指定商品は需要者・取引者が共通する以上、本件商標がその指定商品について使用されたときは、引用商標を付した商品との間で出所の混同を生ずるおそれがある。
(2)結び
以上のとおり、本件商標は、引用商標と類似のものであり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により、その登録は取り消しを免れない。

4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1に示すとおり、「JP」をモチーフにしたと思しき図形であるところ、「J」と「P」の縦線は、同じ太さ、同じ長さで、後者の縦線をやや下にずらし、また、両文字の曲線部分は、中央を肉太で両端を細くしたもので、「J」と「P」とは略点対称の関係に配置されているから、図案化された「J」「P」が配された形状と認識されるものである。
また、本件商標は、特定の称呼や意味合いを有するものではなく、その図形部分からは称呼、観念を生じるものではない。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2の1ないし3に示すとおり、同じ太さの線で描かれた連続した線図形又はそれを一部に含んでなるところ、当該線図形は左の縦線の下端から半分ほどの高さを半径として4分の1の円を描き、また、右の縦線の上端から半分ほどの高さを半径として4分の1の円を描き、両図形は縦線と同じ長さで横一線につながった図形であるから、全体として均一な太さの線をもって一筆書きに表された一個の幾何学的形状との印象を与えるものである。
また、引用商標は、特定の称呼や意味合いをもって知られたものではなく、その図形部分からは特定の称呼、観念を生じるものとはいえない。
(3)本件商標と引用商標との図形の類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、本件商標は、線の太さを異にする「J」「P」をモチーフにした図形が配された形状であるとの印象を看者に与えるのに対し、引用商標は、全体として均一な太さの線をもって一筆書きに表された一個の幾何学的形状であるとの印象を看者に与えるものであって、両者の構成から看者が受ける印象は著しく異なるものであるから、需要者が時と所を異にして両商標に接したとしても互いに相紛れるおそれはなく、外観においては十分に区別しうるものである。
(4)まとめ
以上を総合勘案すると、本件商標は、引用商標と称呼及び観念において比較することができず、外観が著しく相違するものであることを併せ考慮すると、両商標をとりちがえて商品の出所の混同を生ずるおそれはなく、非類似の商標というのが相当である。
(5)結論
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたと認められないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 本件商標(登録第5338119号商標)


別掲2の1 引用商標1(登録第998037号商標)


別掲2の2 引用商標2(登録第1862794号商標)


別掲2の3 引用商標3(登録第2648699号商標)


異議決定日 2011-05-09 
出願番号 商願2008-44638(T2008-44638) 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (X03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 前山 るり子石井 千里 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 小川 きみえ
鈴木 修
登録日 2010-07-16 
登録番号 商標登録第5338119号(T5338119) 
権利者 大和薬品株式会社
代理人 山川 政樹 
代理人 加藤 義明 
代理人 山崎 和香子 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 

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