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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X1825 審判 全部申立て 登録を維持 X1825 |
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管理番号 | 1238488 |
異議申立番号 | 異議2010-900298 |
総通号数 | 139 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2011-07-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2010-09-21 |
確定日 | 2011-05-18 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5335755号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5335755号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5335755号商標(以下「本件商標」という。)は、「少女時代」の文字を標準文字で表してなり、平成22年2月9日に登録出願、第18類「皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,皮革」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年5月21日に登録査定、同年7月2日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同第19号に該当するので、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第28号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第8号について 韓国で2007年8月2日にデビューした女性歌手グループの名称である「少女時代」は、当該漢字表記の他、ハングル文字表記として別掲1が用いられ、韓国語称呼の「ソニョシデ」である「So Nyuh Shi Dae」の頭語だけからSNSDと表記する場合が韓国以外の国では多く、また、英語表記として「Girls' Generation」が採用され、さらに日本語称呼を「ショウジョジダイ」とするものであって、該グループは韓国の芸能プロダクション、エスエムエンターテインメントカンパニーリミテッド(以下「エスエム社」という。)に所属し、韓国を中心に、台湾、中国、フィリピン、タイ、ベトナム、香港等で幅広く芸能活動を行い、日本国においても2010年(平成22年)8月11日(甲第17号証)に本格的なデビューを果たして好評のうちに成功を収め、今後も多くの公演、イベントを企画中である。 なお、「少女時代」又は「GIRLS' GENERATION」は、各国で商標登録されている(甲第2号証、甲第3号証、甲第18号証ないし甲第28号証)。 そして、グループ「少女時代」の活躍は、甲第4号証ないし甲第13号証のとおりであり、これらにより「少女時代」の名称が本件商標の登録出願前の段階で芸名として著名であることは明らかであり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第19号について 本件商標の登録出願前の段階で本件商標が「他人の業務に係る役務を表示するものとして外国における需要者の間に広く認識されている」ことは、上掲した各証拠により明らかである。 また、不正の目的については、本件商標が第18類及び第25類において日本国で登録されていないことを奇貨として、本件商標を高額で買い取らせるために先取り的に出願したものである(甲第14号証)。 さらに、本件商標の商標権者は、芸能グループ「少女時代」とは何の関連も権原もないにもかかわらず、2010年8月の「少女時代」の来日記念と称して、パンフレットを配布し(甲第15号証)、Tシャツ、バッグ等の商品を販売している(甲第16号証)他、ウェブへの掲載などの行為は、芸能グループ「少女時代」の出所表示機能を希釈化させたり、名称に化体した信用、名声、顧客吸引力等をき損させるおそれがある。 してみれば、本件商標は、他人の周知商標と同一又は類似で不正の目的をもって使用する商標であることは明らかであり、商標法第4条第1項第19号に該当する。 3 当審の判断 (1)「少女時代」の周知著名性 申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第8号及び同第19号に該当する旨主張しているところ、同条第3項は、同条第1項第8号及び同第19号に該当する商標であっても、商標登録出願の時に同号に該当しないものについては、この規定は適用しないと規定している。 そうとすると、本件商標が商標法第4条第1項第8号及び同第19号に該当するというためには、本件商標の登録出願時、かつ、登録査定時のいずれにおいても当該各号に該当しなければならないものと解される。 これを踏まえて、申立人が提出した甲各号証を検討する。 ア 事実認定 申立人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。 (ア)女性歌手グループ「少女時代」は、エスエム社に所属し、2007年8月2日に、韓国においてデビュー、その後、台湾、タイ、フィリピン等でも芸能活動を行い、我が国においても2010年8月にデビューを果たしており、そのグループの名称は、ハングル文字では、別掲1のとおりの表記からなるものである。 (イ)甲第4号証は、2007年9月23日に女性歌手グループ「少女時代」が韓国で公表されたことを紹介するウェブサイトの写しであり、その記事中には、別掲1のハングル文字のほか、別掲2のとおりの中文表示がされている。 (ウ)甲第5号証は、2009年10月16日に台湾で放映された女性歌手グループ「少女時代」の映像を、韓国におけるインターネットでさらに紹介したとする同日付けのウェブサイトの写しであり、その画像に「少女時代」の表示がされ、記事中には、別掲1のハングル文字が表示されている。 (エ)甲第6号証は、中国の「Cool軽音楽」という雑誌に、女性歌手グループ「少女時代」の特集がなされたことの紹介をしている2008年9月19日付けの韓国でのウェブサイトの写しであり、その表紙と思しき画像に別掲2の表示及び「少女時代」の表示がされている。 (オ)甲第7号証は、女性歌手グループ「少女時代」がタイでヒットチャート3週連続1位を獲得した旨を紹介している2008年6月4日付けの韓国でのウェブサイトの写しとするものであり、別掲1のハングル文字が表示されているが、「少女時代」の表示は見当たらない。 (カ)甲第8号証は、2009年の韓国で最も影響力のあった芸能人のランキングリストを掲載した韓国の経済誌「シサプレスSISAPRESS」のウェブサイトの写しとするものであり、別掲1のハングル文字が表示されているが、「少女時代」の表示は見当たらない。 (キ)甲第9号証は、女性歌手グループ「少女時代」がベトナムでの公演が好評を受け、多くのファンに歓迎された旨を紹介している2009年10月21日付けの日本でのウェブサイトの写しとするものであり、これには「少女時代」と表示されている。 (ク)甲第10号証は、女性歌手グループ「少女時代」がフィリピンでアルバムチャート1位を獲得した旨を紹介している2009年10月15日付けの韓国でのウェブサイトの写しとするものであり、別掲1のハングル文字が表示されているが、「少女時代」の表示は見当たらない。 (ケ)甲第11号証は、女性歌手グループ「少女時代」の新作アルバム「Gee」を紹介している2009年1月6日付けの日本でのウェブサイトの写しであり、これには当該女性歌手グループが「少女時代」と表示されている。 (コ)甲第12号証は、女性歌手グループ「少女時代」の2008年6月7日に韓国で行われた「ドリームコンサート」のプラカード写真とするものであり、別掲1のハングル文字が表示されているが、「少女時代」の表示は見当たらない。 (サ)甲第13号証は、当該女性歌手グループのヒット曲「Gee」がタイでヒットチャート1位を獲得した旨を紹介する2009年3月5日付けの韓国でのウェブサイトの写しとするものであり、別掲1のハングル文字が表示されているが、「少女時代」の表示は見当たらない。 イ 判断 前記アで認定した事実によれば、韓国の芸能プロダクションであるエスエム社に所属する女性歌手グループ「少女時代」は、2007年8月2日に、韓国においてデビュー後、台湾、タイ、フィリピン等でも芸能活動を行った結果、韓国、フィリピン、タイなどで本件商標の登録出願時において一定程度知られていたということができるとしても、その表記の多くは、別掲1のハングル文字が用いられており、「少女時代」の漢字表示がされているものは、2009年(平成21年)10月16日に台湾で放映されたことを紹介するハングルないし中文表記でのインターネット記事(甲第5号証)、中国の雑誌での表紙と思しき画像を紹介している2008年(平成20年)9月19日付けのハングル表記でのインターネット記事(甲第6号証)、ベトナムでの公演についての紹介する2009年10月21日付けの邦文でのインターネット記事(甲第9号証)、及び新作アルバムなどを紹介している2009年1月6日付けの邦文でのインターネット記事(甲第11号証)のわずか4件にすぎないものであり、その掲載時期も本件商標の登録出願日(平成22年2月9日)前1年6月以内に係るものであって、本件商標の登録出願時までに、これらが我が国の一般需要者によってどの程度、閲覧されていたかは不明である。 したがって、「少女時代」の漢字は、本件商標の登録出願時に、女性歌手グループ「少女時代」の芸名を表すものとして我が国の一般需要者の間に広く認識されていたということができず、また、かかるグループが所属するエスエム社又は申立人の業務に係る芸能人のあっせん、音楽の演奏の興行の企画又は運営などの役務を表示するものとして日本国内における需要者の間に広く認識されているものともいえない。 他方、女性歌手グループ「少女時代」は、韓国において別掲1のハングル文字によって表記されており、少なくとも同国においては、別掲1のハングル文字による表記をもって相当程度知られていたということができるとしても、「少女時代」の表記をもって、かかるグループが所属するエスエム社又は申立人の業務に係る芸能人のあっせん、音楽の演奏の興行の企画又は運営などの役務を表示するものとして韓国を含む外国における需要者の間に広く認識されているものとはいえない。 (2)商標法第4条第1項第8号該当性 本件商標は、「少女時代」の文字を横書きしてなるところ、該文字は、女性歌手グループ「少女時代」の芸名と同一と認められるものである。 しかし、女性歌手グループの芸名である「少女時代」は、前記(1)のとおり、本件商標の登録出願時に、我が国の一般需要者の間に著名となっていたとは認められないものであるから、本件商標は、他人の著名な芸名を含む商標とはいえない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第19号該当性 本件商標は、「少女時代」の文字を横書きしてなるところ、女性歌手グループの芸名である「少女時代」は、前記(1)のとおり、本件商標の登録出願時に、かかるグループが所属するエスエム社又は申立人の業務に係る芸能人のあっせん、音楽の演奏の興行の企画又は運営などの役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されているものとはいえない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号所定の各要件について論及するまでもなく、同号に該当しない。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号及び同第19号のいずれにも違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 1 ハングル文字表記 2 中文表記 |
異議決定日 | 2011-04-28 |
出願番号 | 商願2010-9243(T2010-9243) |
審決分類 |
T
1
651・
23-
Y
(X1825)
T 1 651・ 222- Y (X1825) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 岩本 和雄 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
酒井 福造 末武 久佳 |
登録日 | 2010-07-02 |
登録番号 | 商標登録第5335755号(T5335755) |
権利者 | 株式会社ケリ- |
商標の称呼 | ショージョジダイ |
代理人 | 齋藤 晴男 |
代理人 | 齋藤 貴広 |
代理人 | 荒井 俊之 |