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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X41
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 X41
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 X41
管理番号 1238455 
審判番号 不服2010-26742 
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-11-29 
確定日 2011-06-27 
事件の表示 商願2010-14391拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務とし,平成21年4月30日に登録出願された商願2009?32641号に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,同22年2月26日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下の(1)から(7)のとおりであり,それぞれ,現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3018951号(以下「引用商標1」という。)
「ライオン」の文字を書してなり,平成4年9月27日登録出願,第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として,平成7年1月31日に設定登録され,その後,商標権の存続期間の更新がされたものである。
(2)登録第3169868号(以下「引用商標2」という。)
「LION」の文字を書してなり,平成4年9月30日登録出願,第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として,平成8年6月28日に設定登録され,その後,商標権の存続期間の更新がされたものである。
(3)登録第3169869号(以下「引用商標3」という。)
別掲2のとおりの構成よりなり,平成4年9月30日登録出願,第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として,平成8年6月28日に設定登録され,その後,商標権の存続期間の更新がされたものである。
(4)登録第4073778号(以下「引用商標4」という。)
「LIONS INTERNATIONAL」の文字を書してなり,平成5年1月20日登録出願,第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として,平成9年10月24日に設定登録され,その後,商標権の存続期間の更新がされたものである。
(5)登録第4905704号(以下「引用商標5」という。)
「LION」の文字を標準文字で表してなり,平成15年3月31日登録出願,第35類及び第41類ないし第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として,平成17年11月4日に設定登録されたものである。
(6)登録第5335865号(以下「引用商標6」という。)
別掲3のとおりの構成よりなり,平成20年9月12日登録出願,第36類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として,平成22年7月9日に設定登録されたものである。
(7)国際登録第953750号(以下「引用商標7」という。)
別掲4のとおりの構成よりなり,2007年9月5日にアメリカ国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2007年9月12日に国際商標登録出願,第36類及び第41類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の役務を指定役務として,平成21年7月3日に設定登録されたものである。
以下,引用商標1ないし7をまとめていうときは,「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,別掲1のとおり,野獣の手と思われるものが,野球で使用されるボールを背後からつかんでいる様子が青色で描かれ,中央に大きく,「LIONS」の文字が,ややデザイン化されて,赤色で書されてなるものである。
ところで,請求人が平成22年11月29日に提出した手続補足書によれば,本願商標と同視し得る標章が,請求人に係るプロ野球チームである「埼玉西武ライオンズ」を表すものとして,雑誌,スポーツ紙等において,幅広く,かつ,頻繁に使用されていることが認められる。
そうとすれば,本願商標に接する取引者,需要者は,「埼玉西武ライオンズ」を直観するというのが相当である。
してみれば,本願商標からは,中央に大きく書された「LIONS」の文字に相応して「ライオンズ」の称呼が生じ,構成全体から,請求人に係るプロ野球チームである「埼玉西武ライオンズ」の観念が生ずるものである。

(2)本願商標と引用商標1,2,3及び5との類否について
引用商標1,2及び5は,「ライオン」又は「LION」の文字を書してなり,引用商標3は,円の中に,ライオンと思われる図と「LION」の文字を書してなるので,引用商標1,2,3及び5からは,いずれも「ライオン」の称呼及び観念が生ずるものである。
そこで,本願商標と引用商標1,2,3及び5とを比較するに,外観については,それぞれ一見して判然と区別し得る顕著な差異を有するから,外観においては非類似の商標といえる。
次に,本願商標から生ずる称呼「ライオンズ」と引用商標1,2,3及び5から生ずる称呼「ライオン」とを比較するに,前者は5音であるのに対し後者は4音であるから,構成音数を異にすることに加えて,前者の末尾音である「ズ」は,末尾にあるとはいえ,比較的明瞭に発音されるから,比較的短い音構成にあって,この差異音が両称呼に与える影響は決して小さなものとはいえず,それぞれを一連に称呼した場合には,語調,語感を異にし,互いに聴き誤るおそれはないというべきである。
観念についても,プロ野球チームの「埼玉西武ライオンズ」と「ライオン」という顕著な差異を有するから,観念上においても,非類似の商標といえる。
そうとすると,本願商標と引用商標1,2,3及び5とは,外観,称呼,観念のいずれの点からみても,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(3)本願商標と引用商標4との類否について
引用商標4は,「LIONS INTERNATIONAL」の文字を同書,同大,等間隔にまとまり良く書してなり,構成文字全体から生ずる「ライオンズインターナショナル」の称呼も格別冗長というべきものではなく,無理なく一連に称呼し得るものである。
そうすると,引用商標4は,その構成文字全体に相応して,「ライオンズインターナショナル」の称呼が生じ,全体として成語を形成するものではないから,特定の観念を生じさせない一種の造語として理解されるというのが相当である。
そこで,本願商標と引用商標4とを比較するに,外観については,一見して判然と区別し得る顕著な差異を有し,本願商標から生ずる称呼「ライオンズ」と引用商標4から生ずる称呼「ライオンズインターナショナル」は,その音構成及び構成音数において明らかな差異を有するから,明瞭に聴別できるものである。
さらに,観念については,引用商標4からは特定の観念が生じないから,観念上は,本願商標と引用商標4とを比較することができない。
そうとすると,本願商標と引用商標4とは,外観,称呼,観念のいずれの点からみても,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(4)本願商標と引用商標6及び7との類否について
引用商標6は,「L」の文字が中抜きされた黒い丸を囲むようにして,左右にはライオンと思われる顔の横顔を配し,上下には「LIONS」と「INTERNATIONAL」の文字をそれぞれ書してなるものであり,引用商標7は,男女4人の人を形取った図形の中央に,緯線・罫線が書かれた地球と思われる図形を配し,さらにその中央に,「L」の文字が中抜きされた黒い丸を囲むようにして,左右にはライオンと思われる顔の横顔を配し,上下には「LIONS」と「INTERNATIONAL」の文字をそれぞれ中抜きで書し,全体の下に,「Youth Camps」及び「& Exchange」の文字を2段に書してなるものであるところ,これらの商標の中の「LIONS」の文字部分のみから,「ライオンズ」の称呼及び「(複数の)ライオン」程の観念が生ずる場合もあり得るものである。
しかしながら,本願商標と引用商標6及び7との外観については,それぞれ一見して判然と区別し得る顕著な差異を有し,観念についても,プロ野球チームの「埼玉西武ライオンズ」と「(複数の)ライオン」という,明確に区別し得る顕著な差異を有するといえる。
そうすると,本願商標と引用商標6及び7とは,称呼上は共通することがあるとしても,外観及び観念において顕著に差異を有するので,全体として総合勘案すれば,互いに相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(5)小括
以上からすると,本願商標と引用商標とは,いずれも非類似の商標というのが相当である。

(6)結語
以上のとおりであるから,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当でなく,取消しを免れない。
その他,政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 (別掲1 本願商標)

(色彩については,原本を参照されたい。)

(別掲2 引用商標3)


(別掲3 引用商標6)


(別掲4 引用商標7)



審決日 2011-06-03 
出願番号 商願2010-14391(T2010-14391) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (X41)
T 1 8・ 261- WY (X41)
T 1 8・ 263- WY (X41)
最終処分 成立  
前審関与審査官 田中 幸一山根 まり子 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 守屋 友宏
田中 亨子
商標の称呼 ライオンズ 
代理人 野原 利雄 

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