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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200914904 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 取り消して登録 X30
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 X30
管理番号 1238317 
審判番号 不服2010-22742 
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-10-08 
確定日 2011-06-15 
事件の表示 商願2009-53205拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおり、ややレタリングを施した書体で「UNAGI*PIE」の文字を横書きしてなり、第30類「うなぎを加味したパイ菓子」を指定商品として、平成21年7月14日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『うなぎ』をローマ字で表した『UNAGI』の文字と、指定商品との関係においては『パイ菓子』を意味する『PIE』の文字とを、『UNAGI*PIE』と書してなるところ、『UNAGI PIE』の文字は『うなぎを使用したパイ菓子』を意味し、『*(アスタリスク)』も、極めて簡単でありふれた記号であるから、本願商標をその指定商品に使用しても、上記のような商品であることを認識させるに止まり、単に、商品の品質を普通に用いられる域を脱さない方法で表示してなるにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
本願商標は、前記1のとおり、「UNAGI*PIE」の文字をややレタリングを施した書体で横書きしてなるところ、その構成中の「UNAGI」の欧文字は、辞書等に掲載された成語とは認められないものであるが、これをローマ字読みした「うなぎ」は、我が国において「ウナギ科の硬骨魚の総称」(「広辞苑第6版」株式会社岩波書店 2008年1月11日発行)の意味を有する語として一般に広く知られている「うなぎ」の語の読みと同一のものであり、ほかに「ウナギ」の読みを生ずる語として一般に知られている語は見いだせない。
そうすると、かかる「UNAGI」の文字からは、「うなぎ」の語を連想、想起するとみるのが相当である。
そして、「PIE」の文字は、「パイ」の意味を有し(「講談社英和中辞典」株式会社講談社 1994年11月28日発行)、本願の指定商品との関係においては「パイ菓子」を容易に理解させるものであり、また、パイ菓子の分野においては、「アップルパイ」、「チョコレートパイ」、「パンプキンパイ」など、使用する素材名を「パイ」の文字の前に冠したパイ菓子が多数存在することからすれば、上記「UNAGI」の文字と「PIE」の文字とを、ありふれた記号であると認められる「*」を介してなる本願商標からは、「うなぎを使用したパイ菓子」の意味を容易に理解させるものとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品に使用したときは、「うなぎを使用したパイ菓子」を認識させるに止まり、かつ、特殊な態様からなるということもできないから、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎず、商標法第3条第1項第3号に該当するというべきである。

(2)商標法第3条第2項について
請求人は、本願商標は、使用により自他商品の識別力を獲得しているから、商標法第3条第2項の要件を具備している旨主張し、証拠方法として、原審における平成22年6月8日付け手続補足書、当審における同年10月12日付け及び同年3月18日付けの手続補足書により、甲1号証ないし同第20号証を提出している。
そこで、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて検討するに、請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
請求人は、昭和36年から「うなぎパイ」の名称で「うなぎを使用したパイ菓子」を生産販売し(甲第2号証)、その包装箱には、本願商標と同一視できる「UNAGI*PIE」の文字を使用し(甲第4号証)、その使用は「ふるさとの味 特選257」(日之出出版株式会社 昭和53年11月10日発行)への記事掲載からすれば(甲第10号証)、遅くとも昭和53年11月10日には、開始され、その後も継続的に使用されている(甲第1号証ないし同第16号証)。
そして、その主要な取引先として、東海地方を中心とするキヨスク関係、東名、名神高速道路等のサービスエリア及びパーキングエリア、空港(中部国際空港、羽田空港、成田空港、県営名古屋空港)、大手百貨店及び大手スーパーマーケット、東海地方を中心とするホテル及び旅館等が認められる(甲第2号証)。
また、新聞・雑誌・書籍における広告及び紹介記事には、甲第4号証に表示された包装箱と同一視できる包装箱が表示されている(甲第10号証ないし同第16号証)。
さらに、平成17年から同21年までの売上高は、平成17年度約59億円、同18年度約64億円、同19年から21年度約各69億円となっており、同17年から同21年までの売上げ数は、平成17年度約262万箱、同18年度約281万箱、同19年約289万箱、同20年度約271万箱、同21年度約251万箱となっている(甲第19号証及び同第20号証)。
上記で認定した事実を総合勘案すれば、本願商標は、遅くとも昭和53年11月から継続して指定商品「うなぎを使用したパイ菓子」に使用された結果、現在においては、取引者、需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものと認め得るところである。
さらに、当審における職権調査によれば、本願の指定商品について、本願商標を他人が使用している事実も見当たらない。

(3)まとめ
以上によれば、本願商標は、その指定商品について、商標法第3条第2項に規定する要件を満たしているものであるから、同法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶すべき限りでない。
その他、政令の定める期間内に、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本願商標



審決日 2011-05-26 
出願番号 商願2009-53205(T2009-53205) 
審決分類 T 1 8・ 17- WY (X30)
T 1 8・ 13- WY (X30)
最終処分 成立  
前審関与審査官 黒磯 裕子 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 末武 久佳
吉野 晃弘
商標の称呼 ウナギパイ 
代理人 中山 清 

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