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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない X35
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X35
審判 査定不服 外観類似 登録しない X35
管理番号 1238287 
審判番号 不服2010-17688 
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-08-06 
確定日 2011-05-20 
事件の表示 商願2008- 91464拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1の構成よりなり、第35類「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務とし、平成19年6月22日に登録出願された商願2007-65400に係る商標法第10条第1項の規定(分割出願)による商標登録出願として、同20年11月11日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原審において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、それらの商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1101143号商標(以下「引用商標1」という。)は、「サンハニー」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和47年6月8日に登録出願、第25類「紙類,文房具類」を指定商品として、同49年12月24日に設定登録され、3回に渡る存続期間の更新登録を経て、平成16年10月13日に指定商品を第16類「紙類」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第3201223号商標は(以下「引用商標2」という。)、「SUNHONEY」の欧文字を横書きしてなり、平成5年12月8日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒、中国酒、薬味酒」を指定商品として、同8年9月30日に設定登録され、同18年10月10日に存続期間の更新登録がなされたものである。
(3)登録第4614986号商標(以下「引用商標3」という。)は、「サンハニー」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成14年2月14日に登録出願、第30類「ごま・きな粉・蜂蜜を主原料とする粉末状の加工食品」を指定商品として、平成14年10月25日に設定登録されたものである。
(4)登録第4792941号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲2の構成よりなり、平成15年12月11日に登録出願、第30類「抹茶・蜂蜜・大麦若葉・桑の葉を主原料とする粉末状の加工食品」を指定商品として、平成16年8月6日に設定登録されたものである。
以下、引用商標1ないし4をまとめていうときには、単に「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、別掲1のとおり、「SUNFUNNY」の構成する各文字の一部を二重線にし、また、6文字目と7文字目に3文字目の「N」と同様の書体の「N」と「N」の一部を重ねて、全体として図案化した構成よりなるところ、かかる構成においては、「SUNFUNNY」の欧文字を容易に認識させるものである。
してみれば、本願商標は、該文字に相応して「サンファニー」の称呼が生ずるものであり、また、該文字は、同じ書体、同じ大きさで一体的に表示された構成よりなるものであって、全体として、一般に親しまれた成語とはいえないことから、特定の観念を生じない造語と認められるものである。
他方、引用商標1ないし3は、それぞれ「サンハニー」及び「SUNHONEY」の文字からなるところ、それぞれの構成文字に相応して「サンハニー」の称呼を生ずるものであり、一般に親しまれた成語とはいえないことから、特定の観念を生じない造語と認められるものである。
また、引用商標4は、「緑」の文字とその読みと認められる「リョク」の文字を白抜きで配してなる緑色円図形と同色にて「サン・ハニー」(「ン」の文字の一部は、赤色で表してなる。)の文字を横一連に配してなるところ、該図形と文字とは、視覚上、分離して看取されるばかりでなく、観念上もこれらが常に一体不可分のものとしてのみ、看取、把握されなければならない特段の事情も見出せないものであって、それぞれが独立して、自他商品識別標識としての機能を果たし得るものであるから、商標全体から一連の「リョクサンハニー」の称呼が生ずるほか、「サン・ハニー」の文字部分より、「サンハニー」の称呼をも生ずるものであり、特定の観念は生じないものである。
そこで、本願商標から生ずる「サンファニー」の称呼と引用商標から生ずる「サンハニー」の称呼を比較すると、両者は、称呼の識別上重要な位置にある語頭の「サン」の音と末尾の「ニー」の音を共通にし、異なるところは、中間における「ファ」と「ハ」の音に差異を有するにすぎないものである。
しかして、相違する「ハ」と「ファ」の音は、無声摩擦音の子音[h]及び[f]と母音[a]との結合した音節からなる近似した音であり、かつ、共に比較的聴取し難い中間に位置することから、その違いが常に明瞭であるとはいい難いものであって、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が極めて近似したものとなり、彼此聴き誤るおそれのあるものといわなければならない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較できないとしても、両者は、称呼上類似の商標であるから、相紛らわしい商標といわざるを得ない。そして、本願商標の指定役務は、引用商標の指定商品と類似する役務といえるものである。

(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「本願商標の称呼「サンファニー」と引用商標の称呼「サンハニー」との差異音である「ファ」と「ハ」は、「サン」という弱音に続く音であり、二音節に称呼され、その語頭音であることから,中間音であるとしても、全体として5音の称呼の中に埋没するものではない。」旨主張する。
しかしながら、両称呼は、共に5音と比較的短い音構成にあることからすれば、必ずしも「サン」と「ファニー」または「サン」と「ハニー」の二音節に区切ることなく、よどみなく一気に称呼することも少なくないとみるのが相当である。
そうすると、該差異音である「ファ」と「ハ」は、たとえ、弱音である「ン」の後続の音であるとはいえ、比較的聴取し難い中間にして、近似した音となること前記(1)のとおりであるから、両称呼の全体に与える影響は決して大きいものとはいえない。
よって、請求人の前記主張は採用することができない。

イ 請求人は、「『SUN』と『FANNY』、『SUN』と『HONEY』それぞれが持つ意味合いから、前者が『陽気でおもしろい』、後者が『太陽のもとで育成された花から採取された大自然の蜂蜜』程度の意味合いを看取し、その意味合い、印象を考えて造語される。」旨主張し、さらに、過去において「サンフアニー(SUNFANNY)」と「サンハニー」の類否が争われた審決例(昭和63年審判第3393号)を挙げて、「この審決に関しては、称呼及び観念について形式的な判断しかしていない」旨主張する。
確かに「SUN」は、「太陽」の意味を有し、「FANNY」は、「おもしろい」を、また、「HONEY」は、「蜂蜜」の意味をそれぞれ有するとしても、本願商標及び引用商標は、その構成態様からして、一連一体のものとして認識されるものであり、また、それぞれ構成全体として、特定の観念を生じない造語というべきであるから、同様の判断をした前記審決に誤りはなく、かかる請求人の主張は採用することができない。

4.結論
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)

別掲2(引用商標4)(色彩については原本を参照)

審理終結日 2011-03-09 
結審通知日 2011-03-18 
審決日 2011-03-30 
出願番号 商願2008-91464(T2008-91464) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (X35)
T 1 8・ 263- Z (X35)
T 1 8・ 262- Z (X35)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 真鍋 恵美 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 大橋 良成
小川 きみえ
商標の称呼 サンファニー 
代理人 峯 唯夫 

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