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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 003 |
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管理番号 | 1236675 |
審判番号 | 取消2008-301377 |
総通号数 | 138 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-06-24 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2008-10-29 |
確定日 | 2011-05-06 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第3320138号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第3320138号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、第3類「化粧品,香料類」を指定商品として、平成6年6月27日に登録出願、同9年6月6日に設定登録され、その後、同19年6月5日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 第2 請求人の主張 請求人は、「本件商標の指定商品中『化粧品』について登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定商品中「化粧品」についての登録商標の使用をしていないものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)被請求人が提出した乙第1号証(商品カタログ)には、取扱商品として「クリーム、化粧液」が掲載されてはいるが、そこに記載されている「株式会社ファイブ・スター」と本件商標権者の関係が明らかでないばかりでなく、当該商品カタログがいつ作成、頒布されたか、或いは、商品カタログ中の「クリーム、化粧液」がいつ販売されたか不明であって、その事実を裏付ける証拠(取引書類など)が何ら提出されていないから、乙第1号証のみをもっては、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内に使用されていたものということはできない。 (3)乙第2号証(資材会社元帳)は、そこに表示された標章が本件商標の使用とは言い得ないばかりでなく、得意先名「ラ・シンシア株式会社」と本件商標権者との関係が不明である。 また、当該「資材会社元帳」の写しは、そこに表示された日付(例えば、07.08.20)が、平成7年(「消費税3%」は、1994年=平成9年までである。)と認められるものであって、本件審判請求日より10数年も前のものであるから、何らの証拠にもならない。 (4)以上のとおり、本件商標は、被請求人提出の乙各号証によっては、その指定商品中「化粧品」について、本件審判請求の登録前3年以内に使用されていたことが証明されないから、商標法第50条の規定により取り消されるべきである。 第3 被請求人の主張 被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第12号証を提出している。(なお、被請求人は、平成20年12月19日付け答弁書において乙第1号証及び乙第2号証、同21年7月15日付け第2答弁書において乙第1号証ないし乙第4号証、同22年3月26日付け回答書において乙第7号証ないし乙第12号証の号証番号をもって証拠を提出しているので、第2答弁書の号証番号を繰り下げて、乙第3号証ないし乙第6号証と読み替えた。)。 1 答弁の理由 本件商標は、平成6年6月27日に登録出願以来、商品、化粧箱、刻印等に用いているもので、請求人の主張するところは全く根拠のないものである。 2 第2答弁の理由 本件商標は、平成6年6月27日に登録出願以来、商品、化粧箱、刻印等に用いているもので、平成19年7月にはナノソイクレンジングという商品も作って実際販売も行っているから、請求人の主張するところは全く根拠のないものである。 第4 被請求人に対する審尋 1 乙第3号証の商品「ナノソイクレンジング」(洗顔料)の化粧箱に表示の商標は、「FIVE・STAR」と判読し難いため、商品「ナノソイクレンジング」(洗顔料)について、「FIVE・STAR」又は「ファイブ・スター」の文字が表示されている商品使用説明書又は取引書類(カタログ等)であって、要証明期間内に作成されたもの、及び商品本体である洗顔料「ナノソイクレンジング」の写真も提出されたい。 2 乙第4号証の化粧箱(乙第3号証)の発注書に記載されている株式会社プレスティージと納入先として記載されている株式会社信濃ケミカルの関係について説明するとともにそれを証明する契約書の写し、及び株式会社信濃ケミカルが「FIVE・STAR」又は「ファイブ・スター」の商標を付した商品「ナノソイクレンジング」(洗顔料)を第三者に譲渡したことを示す取引書類(注文書、納品書等)を提出されたい。 3 株式会社ユメロンが、本件取消審判の要証明期間内に乙第3号証の化粧箱を使用した商品「ナノソイクレンジング」(洗顔料)を譲渡した事実があれば、その注文書、納品書等の取引書類、及び株式会社ユメロンが被請求人の代理店であることを示す書証(例えば代理店契約書)等を提出されたい。 第5 審尋に対する被請求人の回答(要旨) 1 商品「ピュアクリーン」に関して 商標「FIVE STAR」が明確な字体で刻印された被請求人の商品「ピュアクリーン」の要証明期間内での商取引の事実を説明する。 (1)乙第7号証に示すように、被請求人の製造・販売にかかる商品「ピュアクリーン」は化粧石鹸であり、その表面に明確な字体で「FIVE STAR」と刻印され、明確に本件商標が使用されている。 (2)乙第7号証は被請求人が一般需要者へ販売するためのカタログであり、商取引に使用している。そして乙第7号証は裏面の右下欄にあるように『0903』つまり、2009年3月から一般需要者に頒布しているものであり、要証明期間内に頒布されたものである。 (3)商取引期間について、乙第8号証及び乙第9号証にあるように、上記の商品「ピュアクリーン」が要証明期間に取引されていることが明確である。 (4)乙第10号証に示すように、化粧石鹸「ピュアクリーン」が株式会社ユメロンのカタログに掲載されている(なお、乙第10号証のカタログは株式会社ユメロンが保存していたカタログであるが2009年9月配布のものしかなく、その前の版のものは保存がない。カタログ自体は要証明期間内のものではないが、乙第8号証及び乙第9号証に示すように同商品が株式会社ユメロンによって商取引されている事実及び乙第11号証の上申内容を鑑みれば、要証明期間内に株式会社ユメロンによって商取引された事実は明らかである)。 2 審尋事項1に関して 乙第3号証の「ナノソイクレンジング」の化粧箱の中には、本回答書添付の乙第12号証の容器が梱包されている。この容器正面には少しデザイン化された状態で商標「FIVE STAR」が使用されており、株式会社ユメロンの上申書(乙第11号証)にもあるように、両者とも「FIVE STAR」と認識し、株式会社ユメロンはその認識のもと一般需要者に販売している。 3 審尋事項3に関して (1)洗顔料「ナノソイクレンジング」に関する株式会社ユメロンと被請求人の事情について説明する。 ア 洗顔料「ナノソイクレンジング」は、被請求人が製造・供給するものとして、被請求人のグループ会社である株式会社ファイブスターを介して株式会社ユメロンに供給され、株式会社ユメロンが一般需要者に販売している。 イ 乙第8号証に示すように、要証明期間に被請求人の製造・供給にかかる洗顔料「ナノソイクレンジング」が被請求人から株式会社ファイブスターに供給されている。なお、株式会社ファイブスターは被請求人のグループ会社であり、両社の代表者は同じ夏目徹である。 ウ 乙第4号証に示すように、要証明期間内に洗顔料「ナノソイクレンジング」が株式会社ファイブスターから株式会社ユメロンに供給され、乙第11号証に示すように要証明期間内に一般需要者に対して販売されている。 エ 以上のとおり、洗顔料「ナノソイクレンジング」は、要証明期間内に被請求人の製造・供給にかかるものとしてグループ会社ファイブスターを介して株式会社ユメロンに供給され、一般需要者に販売されている。 なお、乙第11号証の株式会社ユメロンの代表者による上申書により、株式会社ユメロンは、洗顔料「ナノソイクレンジング」、化粧石鹸「ピュアクリーン」が被請求人の製造・供給にかかるものとして商取引を行っている実態と、洗顔料「ナノソイクレンジング」に表示された商標、化粧石鹸「ピュアクリーン」に刻印された商標が「FIVE STAR」であると十分に認識して当事者として商取引している事実が分かる。 4 まとめ 以上、上記に示すように、被請求人は、本件商標「FIVE STAR」が使用された化粧石鹸「ピュアクリーン」、洗顔料「ナノソイクレンジング」を要証明期間内に製造・供給・販売をしており、被請求人が直接一般需要者に販売し、また、被請求人にかかる同商品を販売する者である株式会社ファイブスターや株式会社ユメロンを通じて一般需要者に販売している事実がある。 第6 第2答弁及び審尋の回答に対する請求人の弁駁 請求人は、上記、被請求人の第2答弁及び審尋の回答に対し、何らの弁駁もしていない。 第7 当審の判断 1 被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。 (1)乙第7号証は、2009年3月作成の商標権者(被請求人)の商品カタログと認められるところ、当該商品カタログの6頁には、「STARRY EYE ベーシックケアシリーズ」として、「FIVE STAR GRADE」の文字(以下「使用商標」という。)が付された商品の写真の下に、「ケアリーローション」、「[ゲル化粧液]」、「美容液成分コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の促進効果でみずみずしいお肌に導きます。」、「120mL ¥5,250(税込)[申込番号]SC01」、「(お徳用)」、「300mL ¥5,250(税込)[申込番号]SC01」と記載がある。 (2)乙第8号証は、平成19年10月4日付けの商標権者(被請求人)から株式会社ファイブ・スターへ宛てた「請求書」「納品書」である。そこには、「品番・品名」の欄に「SC01」「ケアリーローション(120ml)」と二段で表示され、「数量」「単位」の欄に「24本」、「単価」の欄に「1,250」、「金額」の欄に「30,000」と記載され、同じく、同日付の「物品受領書」には、「品番・品名」の欄に「SC01」「ケアリーローション(120ml)」と二段で表示され、「数量」「単位」の欄に「24本」などの記載がある。 (3)乙第9号証は、平成19年8月28日付けの商標権者(被請求人)から株式会社ユメロン黒川へ宛てた「請求書」「納品書」である。そこには、「品番・品名」の欄に「SC01」「ケアリーローション(120ml)」と二段で表示され、「数量」「単位」の欄に「2本」、「単価」の欄に「2,000」、「金額」の欄に「4,000」と記載され、同じく、同日付の「物品受領書」には、「品番・品名」の欄に「SC01」「ケアリーローション(120ml)」と二段で表示され、「数量」「単位」の欄に「2本」などの記載がある。 2 前記1の認定事実によれば、以下のとおり判断することができる。 (1)使用時期及び使用商品について 前記1(2)及び(3)によれば、商標権者が要証明期間内である平成19年8月28日及び平成19年10月4日に使用商標を付したゲル化粧品(以下「使用商品」という。)を販売したものと認められる。 そして、使用商品は、本件請求に係る指定商品中の「化粧品」の範ちゅうに含まれる商品とみるのが相当である。 (2)使用商標について 本件商標は、別掲に記載のとおり、「FIVE STAR」の欧文字と、その読みを片仮名文字で表した「ファイブ・スター」を上下二段に横書きしてなるものであるから、これより「ファイブ・スター」の称呼及び「五つの星」の観念を生ずるものである。 一方、使用商標は、「FIVE STAR GRADE」の欧文字を横書きしてなり、その構成中後半の「GRADE」の文字は、「等級。段階。品等」を意味する語として広く親しまれ、それ自体は自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。 そうすると、使用商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「FIVE STAR」の文字部分を他の商品と識別する標識と捉え商品の取引にあたるとするのが相当である。 そうとすれば、使用商標の要部である「FIVE STAR」の文字は、本件商標の欧文字部分とその構成文字を同じにするものであるから、本件商標と同一の称呼及び観念を生ずる社会通念上同一と認めることができる。 (3)まとめ 被請求人が提出した証拠を総合勘案すれば、本件商標と社会通念上同一の商標が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者(被請求人)によって請求に係る指定商品についての使用があったものと認められる。 4 むすび 以上のとおりであるから、被請求人は、商標権者が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一の範囲内と認められる商標を、本件商標の指定商品「化粧品」の範疇に属する「ゲル(ジェル状)化粧液」について使用していたことを証明したというべきである。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本件商標) |
審理終結日 | 2011-02-02 |
結審通知日 | 2011-02-08 |
審決日 | 2011-02-22 |
出願番号 | 商願平6-64255 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(003)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 馬場 秀敏 |
特許庁審判長 |
芦葉 松美 |
特許庁審判官 |
内山 進 前山 るり子 |
登録日 | 1997-06-06 |
登録番号 | 商標登録第3320138号(T3320138) |
商標の称呼 | ファイブスター |
代理人 | 永井 道彰 |