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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない X09 審判 査定不服 観念類似 登録しない X09 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X09 |
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管理番号 | 1236652 |
審判番号 | 不服2010-21710 |
総通号数 | 138 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-06-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-09-27 |
確定日 | 2011-05-02 |
事件の表示 | 商願2009-42305拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「mame switch」の欧文字と「マメスイッチ」の片仮名を上下二段に書してなり、第9類「スイッチ,フロートスイッチ,電磁弁,水位測定センサー」を指定商品とし、平成21年6月5日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5084899号商標は、「マメ」の片仮名と「MAME」の欧文字を上下二段に書してなり、平成18年12月26日登録出願、第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」を指定商品として、同19年10月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標と引用商標の類否 商標の類否は、対比される両商標が同一または類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかも、その取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断しなければならない(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)。 しかるところ、複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められる場合において、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、原則として許されない。他方、商標の構成部分の一部が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などには、商標の構成部分の一部だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも、許されるものである(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁、知財高裁平成21年(行ケ)第10380号同22年5月12日判決参照)。 これを本件についてみるに、本願商標は、前記1のとおり、「mame switch」の欧文字と「マメスイッチ」の片仮名を上下二段に書してなるところ、「mame」の欧文字と「switch」の欧文字の間には1文字分程度の空白が存すること、更には、「mame」の文字と「switch」文字、「マメ」の文字と「スイッチ」の文字との間に語義上の関連性が認められないことからすれば、全体として「mame」及び「マメ」の各文字と「switch」及び「スイッチ」の各文字とを組み合わせたものとして看取される結合商標といえるものである。 そして、その構成中の「switch」の欧文字及び「スイッチ」の片仮名は、「スイッチ【switch】電気回路を開閉する装置」(「広辞苑第6版」株式会社岩波書店 2008年1月11日発行)の普通名称であることからすれば、本願の指定商品中「配電用又は制御用の機械器具」に属する「開閉装置(スイッチ)」との関係においては、本願商標の構成中の「switch」の欧文字及び「スイッチ」の片仮名は、自他商品識別標識としての機能が極めて弱いか、その機能を果たさないものとみるのが相当である。 一方、その構成中の「mame」の欧文字及び「マメ」の片仮名は、「豆」、「忠実」又は「肉刺」の意味合いを想起させるところ、本願の指定商品中「配電用又は制御用の機械器具」に属する「開閉装置(スイッチ)」との関係においては、商品の品質等を示す記述的な語とは認められず、自他商品識別標識としての機能を有するものである。 そうとすれば、本願商標は、同じ書体でまとまりよく表されているとしても、「mame」及び「マメ」の文字部分が、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの(要部)というべきであり、本願商標と引用商標との類否判断に際して、本願商標から「mame」及び「マメ」の文字部分を抽出することは当然に許されるべきものである。 したがって、本願商標は、構成全体より「マメスイッチ」の称呼を生ずるほか、その要部である「mame」及び「マメ」の各文字部分に相応して、「マメ」の称呼を生ずるものとみるのが相当であり、同じくその要部より、「豆」、「忠実」又は「肉刺」の観念が生ずるものとみるのが相当である。 一方、引用商標は、「マメ」の片仮名と「MAME」の欧文字を上下二段に書してなるところ、上段の「マメ」の片仮名は、下段の「MAME」の欧文字から生ずる読みの表音を片仮名表記したものと無理なく認められるものであるから、これに相応して「マメ」の称呼を生ずるものとみるのが相当であり、観念については、「豆」、「忠実」又は「肉刺」の観念が生ずるものとみるのが相当である。 そこで、本願商標と引用商標とを比較すると、外観については、構成全体として対比観察をした場合は、相違するものであるが、本願商標の要部である上下二段に書された「mame」の欧文字及び「マメ」の片仮名の部分と、前記2の構成からなる引用商標とは、上下に配された文字が逆転し、その欧文字部分において、小文字と大文字の差異が認められるものの、いずれも「m(M)」、「a(A)」、「m(M)」及び「e(E)」の綴りを有する欧文字と「マメ」の片仮名とを上下二段に書してなる構成からなることからすれば、これらの要部を抽出し、対比観察した場合には、外観において類似する商標であるといえるものである。 また、称呼及び観念については、両者は、いずれも「マメ」の称呼、「豆」、「忠実」又は「肉刺」の観念を生ずるものである。 してみれば、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念において、類似の商標であると判断するのが相当である。 そして、本願商標の指定商品に含まれる「スイッチ」及び「フロートスイッチ」と、引用商標の指定商品に含まれる「配電用又は制御用の機械器具」、「回転変流機」及び「調相機」とは、それぞれ同一又は類似する商品である。 (2)請求人の主張 請求人は、「豆電球」、「豆助」及び「豆太鼓」を例に挙げ、本願商標の構成中の「mame」及び「マメ」の各文字は、「小さい、小型の、かわいらしい」という商品の品質を表示するものとして、「switch」及び「スイッチ」の各文字と同じく識別力が弱い部分と考えられるとして、その上で、識別力の弱い文字同士の結合商標は、一体不可分のものとして観察評価すべきである旨主張している。 しかしながら、商標の類否判断にあたっては、登録出願された商標の指定商品と引用商標の指定商品との関係から判断すべきものであって、本願の指定商品と関連性の認められない上記3点の事例をもって、これを判断するのは適切ではなく、また、当審において、職権により調査を行うも、「mame」及び「マメ」の各文字が、「スイッチ」及び「フロートスイッチ」の分野において、「小さい、小型の、かわいらしい」という商品の品質を表示するものとして、類型的に使用されている事実を発見できなかったことからすれば、本願商標の構成中の「mame」及び「マメ」の各文字が、識別力の弱い文字とはいい得ない。 したがって、「mame」及び「マメ」の文字部分が、識別力が弱い文字であることを前提とした請求人の主張は、採用することができない。 さらに、請求人は、過去の登録例を挙証し、本願商標の登録適格性を主張するが、請求人の挙げた登録例は、いずれも商標の構成において本願とは事案を異にするものであって、出願された商標と引用商標との類否判断は、両商標について個別具体的に行えば足り、過去の登録例の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるところ、本願商標と引用商標とは、前記(1)のとおり、類似の商標と認められることから、請求人の主張を採用することはできない。 (3)まとめ 以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2011-02-21 |
結審通知日 | 2011-03-02 |
審決日 | 2011-03-18 |
出願番号 | 商願2009-42305(T2009-42305) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
Z
(X09)
T 1 8・ 261- Z (X09) T 1 8・ 262- Z (X09) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大房 真弓、田中 敬規、鈴木 斎 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
吉野 晃弘 末武 久佳 |
商標の称呼 | マメスイッチ、マメ |
代理人 | 大森 孝参 |