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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X11 |
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管理番号 | 1236460 |
審判番号 | 不服2009-18658 |
総通号数 | 138 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-06-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-10-02 |
確定日 | 2011-04-14 |
事件の表示 | 商願2007- 76930拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 本願商標 本願商標は、「シンプルフレーム」の文字を標準文字で表してなり、第11類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年7月9日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同20年3月11日付け手続補正書により、第11類「暖冷房装置,電気こたつおよびその他の家庭用電熱用品類,こたつおよびその他の火鉢類」に補正されたものである。 第2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、『簡素なフレーム』、『単純なフレーム』といった意味合いを看取させる『シンプルフレーム』の文字を標準文字で表してなり、これをその指定商品中、例えば、複雑ではない単純なフレーム構造の商品又は装飾のない簡素なフレームをもつ商品といったような上記意味合いに照応する商品について使用した場合には、これに接する者をしてその商品の内容・構造を認識させるにとどまり、単に商品の品質を表示するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第3 当審における手続の経緯 当審において、職権に基づく証拠調べをした結果、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当すべきものとする新たな証拠を発見したので、請求人に対し、平成22年9月27日付けの証拠調べ通知書によって、これを開示し意見を求めたところ、請求人は、同年11月10日付けの意見書を提出した。 第4 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号の該当性について 本願商標は、「シンプルフレーム」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、「簡単、簡素」(広辞苑第六版 岩波書店発行)の意味を有する「シンプル」の語及び「骨組、台枠 」(同書)などの意味を有する「フレーム」の語を結合した構成からなるものと容易に認識し得るものである。そして、「シンプル」と「フレーム」の語が、原査定において提示した(参考)のほか、本願の指定商品中の「電気こたつ,こたつ」との関係において、以下のとおり使用されている事実がある。 (1)インターネットにおける「シンプル」の語について ア 楽天市場のウェブサイトにおいて、家具調こたつの項に、「シンプルで大人の落ち着き」、「シンプルデザイン」の記載がある。 (http://item.rakuten.co.jp/kagunosato/c/0000000829/) イ Yahoo!ショッピングのウェブサイトにおいて、グランデYAHOOショッピング店に、「天然木のシンプルなこたつ」の記載がある。 (http://store.shopping.yahoo.co.jp/ka-grande/hig-kenny1050.html) ウ ベルメゾンネットのウェブサイトにおいて、こたつの項に、「シンプルこたつ」の記載がある。 (http://www.bellemaison.jp/ep/wordlist/%E3%81%93%E3%81%9F%E3%81%A4+%E6%AD%A3%E6%96%B9%E5%BD%A2+%E5%B0%8F%E5%9E%8B/0/) エ 家具通販ショップ・マツモトのウェブサイト内において、こたつの項に、「シンプル白のこたつ」の記載がある。 (http://www.matsumoto-kagu.jp/SHOP/KKT-AWH-105E.html) オ 木下家具オンラインショップのウェブサイト内において、家具調こたつの項に、「シンプルなデザインのこたつ」の記載がある。 (http://www.kinositakagu.co.jp/kotatu/kotatu-elegan.htm) (2)インターネットにおける「フレーム」の語について ア 家具インテリアのインターネット販売ショップ 木田商事株式会社のウェブサイト内において、こたつ長方形の項に「天然木製の脚フレームが上品なイメージ。」の記載がある。 (http://www.einterior.co.jp/cgibin/inter.cgi/AB-KT-ATL105NA.html) イ ディノスオンラインショッピングのウェブサイト内において、光沢仕上げモダンこたつテーブルの項に「天板を光沢塗装仕上げしたシルバー色のフレームのこたつリビングテーブル。」の記載がある。 (http://www.dinos.co.jp/p/1283300075/) ウ 家具350(さんごーまる)TOTAL INTERIOR SHOPのウェブサイト内において、こたつの項に「フレーム部分イメージ」の記載及びそれに対応した画像がある。また、同じサイト内に「シンプルでスタイリッシュなデザイン」の記載がある。 (http://kagu350.com/goods/g1093.html) エ 家具通販のCOZY ROOMのウェブサイト内において、こたつの項に「ヒーターはヤグラのフレーム内に収まる薄型タイプ。」の記載及びその画像がある。 (http://kagu-cozy.co.jp/SHOP/KTTAZ019NA.html) オ ショッピングフィードのウェブサイト内において、こたつの項に「本体フレームにフック付き」の記載及びその画像がある。 (http://shoppingfeed.jp/items/index?icd=clif800BR&dm=fresco358.ya)。 以上のとおり、本願の指定商品中の「電気こたつ,こたつ」について、「シンプル」の語が、その商品が簡素な作りであることなどの意味合いで使用され、また、「フレーム」の語が、その商品の骨組を表すものとして使用されている事実があることから、本願商標を、当該「電気こたつ,こたつ」について使用するときは、取引者、需要者に、その構成文字全体から「簡素なフレーム(骨組)の電気こたつ・こたつ」の意味合いを容易に理解させるものといわざるを得ず、結局、本願商標は、単に商品の品質、形状を表示したにすぎないものであり、自他商品の識別標識としては認識しないというべきである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 2 請求人の主張について 請求人は、漠然と「単純なさま、簡素なさま」を意味する「シンプル」の語と、「電気こたつ、こたつ」の取引において、特定の内容・構造等を表す語として一般に使用されていない「フレーム」の語を結合した「シンプルフレーム」の語は、「電気こたつ、こたつ」について、何が単純あるいは簡素であるのか具体的に認識させることはできず、一義的かつ直接的に具体的な当該商品の品質等を表す語ではない旨、また、本願商標は、辞書に記載のない出願人の造語であって、「電気こたつ,こたつ」をはじめ、本願商標の指定商品の品質等を表す語として、取引上普通に使用されている事実はない旨主張する。 しかし、「シンプル」及び「フレーム」の語が、「電気こたつ、こたつ」の分野において、それぞれ、品質、形状を表示する語として普通に使用されていることは、前記第4の1のとおりであるから、これらを結合した「シンプルフレーム」の語が、たとえ辞書等に記載がないとしても、これを「電気こたつ、こたつ」について使用するときは、前記のとおり、「簡素なフレーム(骨組)の電気こたつ・こたつ」の意味合いを認識せざるものといわざるを得ない。 そして、「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」(平成12年(行ケ)第76号 東京高裁平成12年9月4日 判決言渡)とされていることからも、たとえ、「シンプルフレーム」の語自体が、仮に、商品の品質、形状等を表示するものとして実際に使用されている事実が存在しなくとも、そのことをもって本願商標が商品の品質、形状等を表示するものであると認識させるとした前記認定、判断の妨げにはならない。 さらに、請求人は、当審において、甲第4号証ないし同第6号証、同第19号証を提出して、本願商標の「シンプルフレーム」を平成19年10月から使用しており、そのネーミングに関する苦情は一切ないことから、本願商標は、請求人製品と他社製品を識別し得る標章となっている旨主張する。 しかし、「商標法第3条第1項第3号が、商品の産地、販売地、品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標を登録することができないとしたのは、そのような商標は一般に自他商品識別の機能をもたないし、また、仮に自他商品識別の機能を有することがあるとしても、そのような品質等の表示は商品取引の過程において必要なものであり、取引業者は皆その使用を欲するものであるから、特定の人にのみその使用を独占させることは公益に反することによるものと考えられる。そうだとすると、ある商標が商品の品質を示すものであることにつき、当該商品のわが国における取引業者にその認識があるとすれば、一般消費者の認識を問題とすることなく、その商標の使用を特定の者に独占させる結果になるような商標権の設定を許すべきではないと解するを相当とする。」(昭和52(行ケ)第82号 東京高裁昭和56年5月28日 判決言渡)とされていることからも、仮に、現時点でその標章についての苦情がないとしても、それが、商品の品質等を表示するものである以上、これを登録することは適切でない。 したがって、請求人の前記主張は、いずれも採用することができない。 3 むすび 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定を取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2011-02-09 |
結審通知日 | 2011-02-15 |
審決日 | 2011-02-28 |
出願番号 | 商願2007-76930(T2007-76930) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(X11)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 薩摩 純一 |
特許庁審判長 |
小林 由美子 |
特許庁審判官 |
小畑 恵一 大島 勉 |
商標の称呼 | シンプルフレーム |
代理人 | 田中 光雄 |
代理人 | 寺田 花子 |
代理人 | 勝見 元博 |
代理人 | 川本 真由美 |
代理人 | 鮫島 睦 |