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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) X03
管理番号 1235101 
異議申立番号 異議2008-685020 
総通号数 137 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-05-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-10-31 
確定日 2011-02-07 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第937266号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際登録第937266号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件国際登録第937266号商標(以下「本件商標」という。)は、「MOISTURELUSH」の欧文字を横書きしてなり、2007年6月19日にUnited States of Americaにおいてした商標登録に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して2007年(平成19年)8月30日に国際商標登録出願、第3類「Cosmetics;non-medicated skin care preparations;fragrances for personal use.」を指定商品として、平成20年5月27日に登録査定、同年8月15日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要旨
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録異議の申し立ての理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第317号証を提出している。
(1)商標法第4条第1項第11号について
登録第4479169号商標(申立人登録商標1)は「LUSH」からなり、登録第5013148号商標(申立人登録商標2)は「ラッシュ」からなるものであるから、ともに「ラッシュ」の称呼が生ずる。これに対し、本件商標「MOISTURELUSH」からは、「モイスチャーラッシュ」の称呼の他に、「LUSH」の文字部分から「ラッシュ」の称呼を生ずる。したがって、本件商標と申立人登録商標1及び2は「ラッシュ」の称呼を共通にするため類似する。また、本件商標の指定商品「Cosmetics;non-medicated skin care preparations;fragrances for personal use」は申立人登録商標1及び2の指定商品と同一又は類似である。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、本件商標の出願時及び査定時において、申立人の関連会社であって、申立人登録商標1及び2に係る商標権の独占的通常使用権者であるラッシュ・リミテッド(LUSH LIMITED)の業務に係る「せっけん類、化粧品」を表示するものとして需要者に広く認識されている商標「LUSH」及び「ラッシュ」に類似する商標であり、また、本件商標の指定商品「Cosmetics;non-medicated skin care preparations;fragrances for personal use」はラッシュ・リミテッドが使用する商品と同一又は類似である。
(3)商標法第4条第1項第8号について
本件商標は、申立人の関連会社であって、申立人登録商標1及び2に係る商標権の独占的通常使用権者であるラッシュ・リミテッド(LUSH LIMITED)の名称の著名な略称である「LUSH」及び「ラッシュ」をその承諾を得ることなく含んでいるものである。
(4)商標法第4条第1項第15号について
申立人の関連会社であって、申立人登録商標1及び2に係る商標権の独占的通常使用権者であるラッシュ・リミテッド(LUSH LIMITED)の業務に係る商品「せっけん類、化粧品」等について、商標「LUSH」及び「ラッシュ」は著名であるから、これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(5)商標法第77条第3項で準用する特許法第25条について
本件商標権者は「Make-Up Art Cosmetics Inc.TRADEMARK DEPARTMENT」であり、「Make-Up Art Cosmetics Inc.」という法人の一部門である「商標部」であって、それ自体法人ではないと考えられる。商標権者の属する米国において、日本国の非法人「○○株式会社商標部」に権利の享有を認めていないと思われる以上、日本国においても非法人に権利の享有を認めるべきではない。
(6)商標法第3条第1項柱書について
商標法第3条第1項柱書では、「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については、次に掲げる商標を除き、商標登録を受けることができる。」とされている。ここで「自己」とは、当然のことながら、権利能力のある者ではなくてはならない。「工業所有権法(産業財産権)逐条解説[第17版]」(特許庁編)の特許法第6条における解説によれば、「法人格のない団体は権利能力がなく、特許権者になり得ない」とされている。当然、商標権者にもなり得ない。しかるに、商標法第77条第3項で準用する特許法第25条に関して述べたように、本件商標権者は「Make-UpArtCosmeticsInc.TRADEMARK DEPARTMENT」であり、「Make-Up Art Cosmetics Inc.」という法人の一部門である「商標部」であって、それ自体法人ではない団体であると考えられる。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第11号、同第15号、同法第77条第3項で準用する特許法第25条及び同法第3条第1項柱書に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきものである。
3 当審において通知した取消理由の要旨
登録異議の申立てがあった結果、商標権者に対し、期間を指定して意見を述べる機会を与えて通知した本件商標の取消理由(平成22年4月27日付け取消理由通知書)は、要旨次のとおりである。
(1)引用商標
登録第4479169号商標(以下「引用商標」という。)は、「LUSH」の欧文字を横書きしてなり、平成8年12月6日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同年12月8日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、同13年9月13日に第3類「香料類」についての一部放棄により、本権の登録の一部抹消の登録がなされたものである。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 商標「LUSH」の周知性について
異議申立人(以下「申立人」という。)の提出した証拠及び主張によれば、以下の事実が認められる。
申立人の所有する商標「LUSH」は、同人の関連会社であるラッシュ・リミテッド(LUSH LIMITED)が独占的通常使用権によって継続して使用しているものである(甲第315号証)。
そして、「LUSH」ブランドを使用した「せっけん類及び化粧品」等(以下「使用商品」という。)を販売するラッシュ・リミテッドは、1994年に英国南西海岸のプール市に第1号店を開店した後、英国内で販売拠点を拡大しながらカナダ、クロアチア、イタリア、スウェーデン、ブラジル、オーストリア、台湾、アメリカなど海外に進出し、2004年には世界35力国370店舗で営業を行なっている化粧品会社である(甲第4号証の1参照)。
日本においても、ラッシュ・リミテッドの子会社である株式会社ラッシュ・ジャパンが1999年3月にオープンした自由が丘店を第1号店として、東京都内に28店舗、大阪市、神戸市、京都市、橿原市、広島市、福岡市、高松市、熊本市、大分市、名古屋市、札幌市等に店舗を次々と広げ、2008年1月には93店舗を有して全国で事業展開を行なっている(甲第316号証、甲第4号証の1及び2)。また、使用商品は、カタログ、ウェブサイト、携帯電話のサイトによる通信販売も行われている。
ラッシュ・リミテッドの使用商品についての日本等における販売額は、申立人によれば、日本で店舗をオープンした直後の1999年度は約1200万円程度であったが、2000年度は、約1億7千万円、2001年度は約3億9千万円、2002年度は約6億2000万円、2003年度は約17億円、2004年度は約23億円、2005年度は約50億円、2006年度は約74億円、2007年度は上半期で48億5千万円とその売り上げを伸ばし続けており、また、申立人商品の世界35力国における売上高は、2006年度は約330億円となっている、旨述べている(甲第10号証)。
このように、日本におけるラッシュ・リミテッドの販売網、販売規模、販売額は、2007年度まで年々成長を続けており、また、米国及びカナダを含む北米地域においては、300店舗以上を新設する計画が進行中であり、2008年6月時点での北米における年商は約105億3000万円が見込まれている(甲第271号証)。
そして、「LUSH」ブランドの商品等に関して、国内では、1999年から新聞、雑誌等において盛んに取り上げられるなどして紹介されている。新聞では、日経流通新聞、日本経済新聞、朝日新聞、フジサンケイビジネスアイ、週刊粧業、産経新聞、読売新聞、東京新聞、毎日新聞、日経産業新聞と主要全国紙を含む多くの新聞で紹介されており、雑誌では、例えば、「Urb(アーブ)」、「Beauty Recipe(ビューティレシピ)」、「bea’sup(ビーズアップ)」、「CosmeCosme(コスメコスメ)」、「voce(ヴォーチェ)」、「美的」、「MAQUIA(マキア)」、「SEDA(セダ)」、「Fytte(フィッテ)」、「Body十(ボディプラス)」、「Vita(ヴィ一タ)」、「Vingtaine(ヴァンテーヌ)」、「Inred(インレッド)」、「Style(スタイル)」、「BAILA(バイラ)」、「Oggi(オッジ)」、「MISS(ミス)」、「Precious(プレシヤス)」、「ViVi GLAMOROUS(ヴィヴィグラマラス)、「ef(エフ)」、「CanCam(キヤンキヤン)」、「VERY(ヴェリイ)、「marieclaire(マリ・クレール)」、「an・an(アンアン)」、「JILLE(ジル)」、「MORE(モア)」、「ar(アール)」、「Ray(レイ)」、「PINKY(ピンキー)」、「VOGUE(ヴォーグ)」、「With(ウィズ)」、「Zipper(ジッパー)」、「CLASSY(クラッシー)」、「non-no(ノンノ)」、「vivi(ヴィヴィ)」、「美人百花「bijinhyakka)」、「JJ(ジェイ・ジェイ)」、「PS(ピーエス)」、「Spring(スプリング)」、「Savvy(サヴィ)、「GLITTER(グリッター)」など多くの雑誌に取り上げられている(甲第11号証ないし甲第308号証)。
なお、それらには、引用商標と同一の構成からなる商標、同一の綴りからなる商標(以下、これらを「使用商標」という。)が表示されている。
また、平成20年3月5日付けの「日経MJ(流通新聞)」によれば、「ブランド魅力度調査」の見出しのもと、25位までの順位が載っている「利用経験者に絞ったランキング」一覧表において(甲第2号証)、申立人のブランド名の「LUSH(ラッシュ)」は、ブランドランキングの第11位であり、かなり高い周知性を有していることが窺えるものである。
以上によれば、使用商標は、「LUSH」ブランドとして、「せっけん類、化粧品」等に使用された結果、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、本件商標の国際登録日である平成19年8月30日においては既に、本件の指定商品の分野の取引者、需要者の間に広く知られるに至っていたものと認めることができ、その著名性は登録査定時においても継続していたものということができる。
イ 本件商標と引用商標の近似性について
本件商標は、「MOISTURELUSH」の欧文字を書してなるところ、その構成中の「MOISTURE」の文字部分は、「湿気,水分;細かい水滴;(空中の)水蒸気」(新グローバル英和辞典:株式会社三省堂)の意味を有する親しまれた英語であって、その表音である「モイスチャー」の文字は、商品の「せっけん」において、保湿成分を含んだせっけんが「モイスチャーソープ」として一般に販売されていることから、「MOISTURE」の文字部分は、さほど識別性の高い語ということはできないものである。そして、「LUSH」の文字部分は、上記3のとおり、我が国においても広く知られている著名な引用商標と同一の文字構成からなるものである。
そうすると、本件商標がその指定商品について使用されたときには、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「LUSH」の文字部分に強い印象を受け、これに注目するであろうことは容易に想像し得るところである。
してみれば、本件商標は、その構成全体から「モイスチャーラッシュ」の称呼を生ずるとともに、「LUSH」の文字部分から、単に「ラッシュ」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
他方、前記したとおり、引用商標は「LUSH」の欧文字を横書きしてなるものであるから、該構成文字に相応して、「ラッシュ」の称呼を生ずるものと認められる。
そうとすれば、本件商標は、その構成中に引用商標「LUSH」とその構成が酷似し、それより生ずる「ラッシュ」の称呼を共通にする「LUSH」の文字を有しており、しかも、その部分は、他の部分と分離し独立して認識され得るものである。してみると、本件商標と引用商標とは、近似性が高いものというのが相当である。
ウ 商品の出所の混同について
本件商標は、上記3及び4に記載のとおり、その構成中に、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える申立人の著名商標である「LUSH」の文字を含むものであって、申立人の使用商品と本件商標の指定商品とは、その用途等において関連性及び需要者の共通性等を有するものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その後半部の「LUSH」の文字より、申立人が「せっけん類、化粧品」等に使用して広く知られている引用商標を連想、想起し、該商品が申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認し、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものと認められる。
4 商標権者の意見
前記3の取消理由に対し、商標権者は、指定した期間内に何ら意見を述べていない。
5 当審の判断
本件商標についてした上記3の取消理由は、妥当であって、本件商標の登録は、その理由に示すとおり、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、その余の理由について判断するまでもなく、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2010-09-28 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (X03)
最終処分 取消  
前審関与審査官 八木橋 正雄 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 井出 英一郎
岩崎 良子
登録日 2007-08-30 
権利者 Make-Up Art Cosmetics Inc. TRADEMARK DEPARTMENT
商標の称呼 モイスチャーラッシュ 
代理人 岡本 昭二 
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