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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X29 |
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管理番号 | 1235077 |
異議申立番号 | 異議2010-900260 |
総通号数 | 137 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2011-05-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2010-08-25 |
確定日 | 2011-04-06 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5328853号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5328853号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5328853号商標(以下「本件商標」という。)は、「贅沢果実」の文字を標準文字で表してなり、平成21年4月17日に登録出願、第29類「果実を加味した乳製品」を指定商品として、同22年4月28日に登録査定され、同年6月11日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由(要旨) 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第42号証を提出した。 本件商標は、「贅沢果実」の文字を標準文字で表してなるところ、「贅沢(ぜいたく)」及び「果実」の文字は、それぞれ、本件商標の登録査定時において、同種製品と比較して「手間をかけて作った高級な果実を加味した乳製品」、「通常より果実が多く(ふんだんに)使用された乳製品」又は「通常より大きな果実が使用された乳製品」を示す場合など、その品質を誇示するために組み合わせて一般に用いられている。また、本件商標は、みるべき外観構成上の特徴点もない。 したがって、本件商標は、その指定商品「果実を加味した乳製品」に対して「手間をかけて作った高級な果実を加味した乳製品」、「通常より果実が多く(ふんだんに)使用された乳製品」又は「通常より大きな果実が使用された乳製品」ほどの意味を有するにすぎないため、自他商品識別標識として機能せず、商品の品質等を普通に用いられる方法で表わしたものにすぎないから、その登録は、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものである。 3 当審の判断 (1)本件商標の商標法第3条第1項第3号該当性について 本件商標は、前記1のとおりの構成よりなるところ、これを構成する各文字は、漢字4文字を同じ書体、同じ大きさ及び同じ間隔で外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずる「ゼイタクカジツ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。 一方、申立人の提出に係る証拠によれば、本件商標の構成中、前半の「贅沢」の文字が「必要以上に金をかけること。分に過ぎたおごり。」、また、同後半の「果実」の文字が「特に、液果の中の食用となるものの称。くだもの。水菓子」の意味を有するものであり(甲第2号証:広辞苑6版)、それぞれに親しまれた語であるといえる。 また、乳製品メーカーがヨーグルトなどの乳製品について、ウェブページ上で、「ぜいたく」や「贅沢」、及び「果物」や「フルーツ」などの各文字が製品紹介や販売目的のための宣伝文句に使用されている事実を認めることはできる(甲第6号証ないし甲第21号証)。 しかしながら、それらの甲各号証において「贅沢」の語が使用されているのは、要は「高価ないし豪華な」の意味合いで比喩的な語として使用されているものであり、これと「果実」の語とを結合させた「贅沢果実」の文字は、これが「高価ないし豪華な果実(くだもの、フルーツ)」程の意味合いを想起させ、該商品がそのような果実が含まれた商品であるという漠然とした意味合いを暗示させることがあるとしても、その商品の特定の品質等を直接的又は具体的に表示するものとは認められない。 してみれば、本件商標は、その構成全体をもって一体的に把握される特定の語義を有しない一種の造語であると判断するのが相当である。 そうすると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、商品の品質などを表示するものでなく、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものといわなければならない。 (2)申立人の主張について 申立人は、審査例(甲第28号証ないし甲第40号証)を挙げているが、いずれも全体の構成においては別異のものというべきであり、該審査例における事情が直ちに本件においても当てはまるものとはいえないものであり、また、過去の審査例は、あくまでも、審査における一例であり、法的な最終判断がなされている訳でもないから、申立人が主張するような審査例があるからといって、本件商標についての上記判断が左右されることにはならない。 また、申立人は、過去の判決(甲第41号証:最高裁昭和60年(行ツ)第68号、甲第42号証:東京高裁平成12年(行ケ)第76号)を提出し、本件商標が自他商品識別機能(識別力)を欠くものである旨述べているが、この点は前記(1)のとおり判断するのが相当であり、その申立ての理由を裏付けるものとしては採用できない。 これらの点についての申立人の主張は、いずれも採用できない。 (3)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものということはできないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2011-03-22 |
出願番号 | 商願2009-29159(T2009-29159) |
審決分類 |
T
1
651・
13-
Y
(X29)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 黒磯 裕子 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
末武 久佳 酒井 福造 |
登録日 | 2010-06-11 |
登録番号 | 商標登録第5328853号(T5328853) |
権利者 | オハヨー乳業株式会社 |
商標の称呼 | ゼータクカジツ、ゼータク |
代理人 | 稲葉 良幸 |
代理人 | 佐藤 俊司 |
復代理人 | 阪田 至彦 |
代理人 | 中村 勝彦 |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 宮川 美津子 |