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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X1825
管理番号 1235063 
異議申立番号 異議2010-900231 
総通号数 137 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-05-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-08-06 
確定日 2011-03-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第5320371号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5320371号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5320371号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成21年7月9日に登録出願、第18類「携帯用化粧道具入れ,革製キーケース,ランドセル,名刺入れ,バックパック,ボストンバッグ,財布(貴金属製を除く),ビーチバッグ,ブリーフケース,スーツケース,革製定期入れ,革製クレジットカード入れ,旅行かばん,旅行用トランク,革製パスポートケース,革製包装袋,通学用かばん,ハンドバッグ,ビーチ用日傘およびビーチパラソル,パラソル,日傘,ゴルフ用傘,登山用リュックサック,肩掛けかばん」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同22年3月17日に登録査定、同年4月30日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、次のとおりの商標であり(以下、これらの商標を総称するときは「引用各商標」という。)、いずれも現に有効に存続しているものである。
ア 国際登録第810941号商標(以下「引用商標1」という。)は、「CUSTO」の欧文字を横書きしてなり、2003年3月4日にスペイン国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、2003年(平成15年)7月8日に国際商標登録出願、第18類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年5月20日に設定登録されたものである。
イ 登録第4159578号商標(以下「引用商標2」という。)は、「CUSTO LINE」の欧文字を横書きしてなり、平成9年1月24日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年6月26日に設定登録されたものである。
ウ 国際登録第908701号商標(以下「引用商標3」という。)は、「CUSTO BARCELONA」の欧文字を横書きしてなり、2006年(平成18年)11月22日に国際商標登録出願、第14類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年11月21日に設定登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標「customellow」の構成中の「mellow」の語は、「甘美な、落ち着いた」等の意味を有する英単語であるのに対して、「custo」の語は特定の意味を有しない造語であるため、本件商標は、「custo」と「mellow」からなる語であると容易に把握することができるものであり、造語である「custo」の語は、「mellow」の語に比して強い識別力を有するものである。したがって、本件商標は、「custo」の文字部分に相応して「クスト」あるいは「カスト」の称呼をも生ずるものである。
一方、引用商標1からは、該文字に相応して「クスト」あるいは「カスト」の称呼を生ずる。また、引用商標2の構成中の「LINE」の文字はその指定商品「被服」との関係においては、「被服の線、ドレスなどのスタイル」等を表す語であり、引用商標3の構成中の「BARCELONA」は地名を表す語であって、いずれも識別力が比較的弱いため、引用商標2及び引用商標3からも「CUSTO」の文字部分から「クスト」あるいは「カスト」の称呼を生ずるものである。
そして、申立人は、名前(Angel Custodio Dalmau Salmons)の一部である「CUSTO」を冠したブランドを世界各国で展開しており、世界各国においてCUSTODIO氏のデザインに係る商品としてよく知られているものである(甲第5号証)。
上記のことからすると、本件商標に接する需要者は、CUSTODIO氏の商品の中で「くつろいだ」イメージのデザインの商品を表すものと捉えるのが自然である。
したがって、本件商標と引用各商標とは、「クスト」あるいは「カスト」の称呼を共通にする類似の商標であり、互いの指定商品も同一又は類似のものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

3 当審の判断
本件商標は、別掲に示したとおり、「customellow(構成中の「ell」の文字部分はやゝ変形されている)」の欧文字からなるところ、これを構成する各文字は、等間隔をもって全体として外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずると認められる「カストメロー」あるいは「クストメロー」の称呼も格別冗長なものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ、構成中の「mellow」の文字部分が「甘美な、落ち着いた」等の意味を有する語であるとしても、かかる構成においては特定の商品又は商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろ構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然であり、「custo」の文字部分のみが分離・抽出され、取引に供されるとみるべき格別の理由は見出せない。
そうとすれば、本件商標は、該構成文字全体に相応して「カストメロー」あるいは「クストメロー」の称呼のみを生ずるものであって、単に「カスト」あるいは「クスト」の称呼が生ずることはないものといわなければならない。
なお、申立人は、「CUSTO」を冠したブランドは世界各国において広く知られている旨主張して甲第5号証(申立人の商標に関するインターネット記事等)を提出しているが、甲第5号証のみをもってしては、「CUSTO」を冠したブランドが、本件商標の査定時において、我が国の取引者・需要者の間において広く認識されていたものとは認められない。
してみれば、本件商標から「カスト」あるいは「クスト」の称呼をも生ずることを前提にして、そのうえで、本件商標と引用各商標とが称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用各商標とを類似するものとすべき特段の理由は見出せない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(本件商標)





異議決定日 2011-02-22 
出願番号 商願2009-52013(T2009-52013) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (X1825)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大渕 敏雄高橋 厚子石戸 拓郎 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 田中 亨子
野口 美代子
登録日 2010-04-30 
登録番号 商標登録第5320371号(T5320371) 
権利者 株式会社ケンブリッジ
商標の称呼 カスタメロー、カストメロー 
代理人 石塚 勝久 
代理人 古井 かや子 
代理人 川口 嘉之 
代理人 遠山 勉 
代理人 松倉 秀実 

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