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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X05 |
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管理番号 | 1235056 |
異議申立番号 | 異議2010-900221 |
総通号数 | 137 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2011-05-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2010-08-02 |
確定日 | 2011-04-06 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5318709号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5318709号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5318709号商標(以下「本件商標」という。)は、「オプリブ」の片仮名と「OPREVE」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成21年9月10日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同22年3月24日に登録査定され、同年4月23日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由 1 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する国際登録第929016号商標(以下「引用商標」という。)は、「IMPETREVE」の欧文字を横書きしてなり、2007年(平成19年)5月23日に国際商標登録出願、第5類「Pharmaceutical preparations for human use.」を指定商品として、平成20年6月6日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 2 申立ての理由の要点 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標と引用商標は、外観上いずれも欧文字を有するが、本件商標の全6字の欧文字のうち、「P」「R」「E」「V」「E」の5字が引用商標と一致するのみならず、その並び順までも一致しているものである。 そのため、それぞれを時と処を異にして離隔的に観察したとき、需要者は本件商標から引用商標を連想し、誤って認識するおそれがある。 次に、本件商標は、片仮名で「オプリブ」と書した構成から、「オプリブ」の称呼を生ずる他、欧文字に相応する「オプリーブ」「オプレブ」の各称呼をも生ずる。 これに対し、引用商標は、その構成から、「イムペトリブ」の他、「イムペトリーブ」「イムペトレブ」の各称呼が生ずる。 本件商標と引用商標の各称呼とを比較すると、いずれも後半部分の「リブ」(「リブ」「レブ」)が共通しており、両者の称呼上の差異は、前半部の「オプ」と「イプペ」である。 ところが、これらの差異音のうち、「オ」と「イ」は同行音であり、「プ」と「ぺ」は共にハ行の半濁音である。そのために、これら相違音をもってしてもそれぞれの称呼全体に相似の響きがあり、印象が近似してしまっており相紛らわしい。 また、各称呼は、共通する後半部の「リブ」(「リーブ」「レブ」)の1音ずつにアクセントをおいて発音されるところ、この部分が強く記憶に残り、全体の称呼の中でとりわけ特徴的な部分となっている。 そうすると、本件商標と引用商標とは、その称呼上、前半において相似の響きがある上、1音ずつアクセントをおいて発音され、強く記憶される特徴的な後半が共通していることで、近似しているということになる。 そして、これらの商標は、その指定商品が同一又は類似である。 したがって、本件商標は、引用商標と類似の商標であり、両商標の指定商品は、取引者、需要者が同じである以上、本件商標がその指定商品について使用されたときは、引用商標を付した商品との間で出所の混同を生ずるおそれがある。 (2)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきである。 第3 当審の判断 1 本件商標 本件商標は、「オプリブ」の片仮名と「OPREVE」の欧文字とを二段に横書きした構成からなるところ、いずれの文字部分も親しまれた既成の事物・事象を表すとみるべき特段の事情を見いだせないものであるから、特定の観念を有しない造語というのが相当であり、上段の「オプリブ」の片仮名が下段の「OPREVE」の欧文字の表音を表したものと無理なく看取し得るものであるから、これよりは「オプリブ」の称呼のみを生ずるものである。 2 引用商標 引用商標は、「IMPETREVE」の欧文字を横書きした構成からなるところ、該文字は、親しまれた既成の事物・事象を表すとみるべき特段の事情を見いだせないものであるから、特定の観念を有しない造語というのが相当であり、外観上も、同じ大きさ、同じ書体、等間隔で極めてまとまりよく一体に表されており、これより生ずるものと認められる英語読み風の「インペットリーブ」の称呼も、格別冗長でもなく、よどみなく一気一連に称呼し得るものである。 したがって、引用商標は、「インペットリーブ」の称呼を生ずるものである。 3 本件商標と引用商標との類否 本件商標から生ずる「オプリブ」の称呼と引用商標から生ずる「インペットリーブ」の称呼についてみるに、両者は、語頭部の「オプ」と「インペット」の各構成音が明らかに相違するうえ、前者が4音に対し後者は8音という構成音数においても顕著な差違を有するものであるから、両称呼は、称呼上明らかに聴別し得るものである。 また、本件商標と引用商標とは、前記した構成からみて外観上明確に区別し得るものであり、観念においては、いずれも造語よりなるものであるから比較することができない。 さらに、本件商標と引用商標とは、これらを類似するものとすべき特段の取引の実情は見いだせない。 そうとすれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れることのない非類似の商標といわざるを得ない。 4 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2011-03-22 |
出願番号 | 商願2009-69314(T2009-69314) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(X05)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 大塚 順子 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
酒井 福造 末武 久佳 |
登録日 | 2010-04-23 |
登録番号 | 商標登録第5318709号(T5318709) |
権利者 | 武田薬品工業株式会社 |
商標の称呼 | オプリブ、オプリーブ、オプレブ、オプレーブ、オプレベ |
代理人 | アインゼル・フェリックス=ラインハルト |
代理人 | 加藤 義明 |
代理人 | 山崎 和香子 |