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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X36
管理番号 1234986 
審判番号 不服2009-24052 
総通号数 137 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-05-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-12-07 
確定日 2011-03-30 
事件の表示 商願2008- 30187拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおり、青色で太く大きく表された「賃貸ステーション」の文字の下に、「CHINTAI STATION」の文字を上段の文字の幅に収まるようにやや小さく表してなり、第36類「建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,借り受けた建物の転貸,建物の管理,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,家賃・管理費の徴収の代行,家賃・管理費の支払の代行,建物又は土地の賃借希望者の募集の代行,建物又は土地の貸借に関する契約の締結・更新又は解約の代行」を指定役務として、平成20年4月17日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『賃貸ステーション』及び『CHINTAI STATION』の各文字を二段に普通に用いられる方法で書してなるところ、これよりは『貸し賃を取って物を貸す場所』程の意味を有するものと認める。そうすると、本願商標をその指定役務中、例えば『建物の賃借の代理又は媒介,土地の貸借の代理又は媒介』等の役務、すなわち、『土地・建物の賃貸に関する各種役務』に使用しても、これに接する需要者・取引者は、前記意味合いを容易に想起するにすぎないものと認められ、本願商標は、単に、役務の質(内容)を表示するにすぎないものであり、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、別掲のとおり「賃貸ステーション」及び「CHINTAI STATION」の文字よりなるところ、下段は、上段の「賃貸ステーション」をローマ字で表したものと認められる。
そして、商標構成中の「賃貸」の文字は「賃貸契約書に基づいて目的物の使用・収益をさせること。」を、また、「ステーション」の文字は「(1)停車駅。駅。(2)ある仕事を引き受ける拠点。」を意味する(いずれも「広辞苑」第六版。)ものとしてよく知られている語(文字)であるところ、これをその指定役務との関係においてみた場合、商標全体としては、「賃貸契約書に基づいて目的物(建物、土地)の使用・収益をさせる仕事を引き受ける拠点」、すなわち、「建物、土地を賃貸する場所(拠点)」、いわゆる、賃貸物件等の仲介を行う「不動産会社(不動産屋)」を容易に想起・認識させるものである。

(2)ところで、本願商標「賃貸ステーション」の文字(語)が、「不動産会社」(ネット上での「不動産」の検索サイトも含む)を表すものとして実際に使用されていることは、原審における拒絶査定において示した証拠のほか、例えば、以下のインターネット情報からも確認できるものである。

「賃貸ステーション」の使用例(なお、下線は便宜上当合議体が付与。)
ア 「自由が丘周辺に詳しい女性スタッフがお部屋探しをサポートいたし ます。賃貸ステーション自由が丘店」の記載。
http://www.chintai-st.com/index.html
イ 「山一不動産\売買・賃貸ステーション\尼崎市 阪急沿線 マンショ
ン・アパート・ハイツ・戸建・貸家の賃貸情報は山一不動産へ!」の記
載。
http://www.yamaichi-ra.com/
ウ 「西洋エステート株式会社 賃貸ステーション\当社は市内全域のア
パート・マンション・一戸建・テナントやペット可・敷金礼金0物件等
も取扱っております。」の記載。
http://www.lococom.jp/mt/27647/
エ 「杉並区・井荻周辺賃貸物件検索サイト\井荻賃貸ステーション\杉
並区周辺の賃貸情報満載!杉並区の賃貸マンションや杉並区の賃貸アパ
ートや杉並区の賃貸デザイナーズマンションや杉並区の学生マンション
や杉並区の賃貸・テラスハウスなど杉並区の賃貸生活情報?杉並区のお
役立ち情報まで情報満載!\株式会社アイホームス」の記載。
http://www.chintaisenmon.jp/iogi/company/index.html
オ 「賃貸ステーション\和歌山県和歌山市友田町・・・」の記載。
http://f.yapy.jp/shop/0734321157/
カ 「株式会社新橋商会コーポレーション\会社概要・・・\業務内容\
■総合不動産業務\不動産貸ビル賃貸業、ビル管理業、不動産賃貸仲介
業務 、オフィスステーション(・・)、賃貸ステーション(都心部住
居用マンション・駐車場の仲介)、中古オフィス・マンション再生商品
化事業部(関連会社)」の記載。
http://www.info-shinbashi.com/company.html
キ 「ふくおか経済\ふく経ニュース\南区塩原4丁目に賃貸仲介ショッ
プオープン 泰山 取扱物件増加に伴い/賃貸管理、仲介の株式会社
泰山は、2月8日、同市南区塩原4丁目に賃貸物件仲介の『賃貸ステー ション大橋店』をオープンした。」の記載。
http://portal.kumamoto-net.ne.jp/fukukei/content/asp/week/week
.asp?PageID=3&Kkiji=1729&tpg=611&Knum=2&pp=top&CntFlg=false
ク 「株式会社ワイ・ケイ興産\ワイ・ケイ興産の賃貸物件検索サイト【
賃貸ステーション】では、倉敷・水島・・・岡山等、倉敷市を中心とし
た賃貸戸建住宅・賃貸マンション・賃貸アパートなど、新築やこだわり
特徴などから不動産物件お部屋探しが可能です。」の記載。
http://www.chinsta.jp/

(3)以上のとおり、「賃貸ステーション」の文字(語)は、「不動産会社」を表すものとして使用されていることが認められるところ、本願商標の指定役務中「建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,借り受けた建物の転貸,建物の管理,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,建物又は土地の賃借希望者の募集の代行,建物又は土地の貸借に関する契約の締結・更新又は解約の代行」については、一般的に「不動産会社(不動産屋)」が行う業務と認められるものである。
そうとすれば、本願商標を前記指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、本願指定役務が行われる場所あるいはその業務を提供する者を表示したものと認識させるにすぎず、単に役務の質(提供場所及び内容)を表したものと認める。
また、本願指定役務中、前記以外の役務「家賃・管理費の徴収の代行,家賃・管理費の支払の代行」に使用した場合には、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである。

(4)請求人の主張
請求人は、審判請求の理由において、(i)「役務の提供の場所」とは、行政区画の如く特定の地域を明確に識別できるエリアの名称を指すものであるが、本願商標から生ずる意味合いは漠然とした場所でしかなく、かつ、指定役務の「質、効能、用途」等を直接に表示するものでもない、(ii)原査定が列挙した使用例は、いずれも店舗名として使用されており、他店と区別するために付けられる店舗名に使用することこそが、本願商標が自他役務識別標識として機能し得ることを示す物である、(iii)本願と同様に指定役務を暗示すると解される登録商標があり、これらの登録例に照らしても、原査定の認定は不当である、旨主張している。
(i)について
「役務の提供の場所」とは、厳密に地域、土地の表示に限定されるものではなく、当該指定役務が提供されているであろうと一般的に認識されているような場所、店舗等(例えば、指定商品が、食用魚介類についての「魚屋」
、野菜についての「八百屋」など)の表示も示すものである(平成16年(行ケ)第369号事件 東京高裁平成17年1月26日判決言渡参照)。
また、本願商標は「建物、土地を賃貸する場所」、すなわちその役務を提供する場所等であることを容易に認識させるものであること、前記(1)ないし(3)のとおりである。
(ii)について
他店と区別するために付けられる店舗名には、自他役務識別標識として機能し得るものだけでなく、例えば、当該事業者の業務等を表すために使用されることもあることからすれば、店舗名として使用されていることのみをもって、自他役務識別標識として機能し得る商標であるとは言い得ないものである。
(iii)について
請求人が本願と同様の案件として示す過去の登録例と本願商標とは、その構成態様等が相違するものであるばかりでなく、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項各号に当たるものであるかどうかの判断は、当該商標登録出願の査定時及び審決時において、当該商標の構成態様と指定商品(役務)とを考慮し、個別具体的に判断されるべきものであるから、請求人が例示する過去の登録例が存在することをもって、本願商標が同号に該当することを否定することはできず、また、本願商標についての同号該当性の判断が、かかる過去の登録例に拘束されるものでもない。(平成12年(行ケ)第76号事件 東京高裁平成12年9月4日判決言渡参照)

(5)まとめ
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本願商標)(色彩については原本参照)


審理終結日 2011-01-24 
結審通知日 2011-01-28 
審決日 2011-02-08 
出願番号 商願2008-30187(T2008-30187) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X36)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 蛭川 一治 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 小川 きみえ
豊瀬 京太郎
商標の称呼 チンタイステーション 
代理人 水谷 安男 
代理人 島田 義勝 

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